金属アレルギー外来

10.金属アレルギー改善治療(オールセラミックによるノンメタル治療)

金属アレルギー改善治療(オールセラミックによるノンメタル治療)

パッチテスト 等で金属アレルギーと診断された場合、
歯科治療においてどのような治療方法があるのでしょうか?

治療法1:アレルゲンと診断された以外の金属を使用する!?

パッチテスト(金属アレルギー検査)で
陽性(アレルギー反応が認められた金属がある)と断定された以外の金属を
使用することも一つの方法と言われていますが、
この方法はお勧めできません。

実際に金属アレルギーについて記載された書籍 等の情報でも
「アレルギー反応で陰性(問題なし)と判断された金属の使用も考えられる」
というようなことを書いてあることがあります。

しかし、できるかぎり陰性(問題なし)と判断された金属であっても
使用は避けるべきです。

その理由として、パッチテストで陽性(問題あり)と判断されれば、
その金属がアレルギーの原因となりますが、
陰性(パッチテストで反応がない)であったとしても
絶対にその金属にアレルギーの問題がないとは言い切れないのです。

パッチテストで陰性であっても、実際には問題となっている可能性があるのです。
こうした状態を偽陰性と言います。

また、現時点で陰性と判断された金属(問題がないとされた金属)であっても
今後ずっと問題がない(安全)とは言い切れないのです。

例えば、「ニッケル アレルギー」患者の半数以上の人に
「コバルトアレルギー」があると報告されています(交差反応)。

金属アレルギーの方の場合には、どのような金属であっても使用しない方が
安全であると考えられます。

また、費用的な問題もあります。
健康保険で使用される金属は「12%金銀パラジウム合金」と言います。
その組成は、メーカーによっても多少違いますが、
銀46% パラジウム20% 銅20% 金12% 
その他(亜鉛・ガリウム・イリジウム・インジウム)2%
というような状態です。

金属アレルギーの方は、高確率でパラジウムに陽性反応があります。
もし、パラジウムを使用しない金属というようにする場合には、
金属アレルギーの可能性の低い金属を使用することが必要です。

例えば、チタンが考えられます。

しかし、チタンを使用した被せ物等は、健康保険の対象ではありませんので、
結果的に保険適応外(自費診療)となります。
当然のことながら健康保険よりは、高額になります。

また、「12%金銀パラジウム合金」に使用されているですが、
金属アレルギー陽性率の高い、ニッケル や コバルトと比較すれば、
確かにパッチテストで陰性となる可能性もありますが、
といっても歯科で使用される金の詰め物 や 被せ物 は、純金ではありません。
純金では加工が困難なため、他の金属も含めて作製されています。
合金です。
そのため、金なら大丈夫ということではありません。
もちろんパッチテストで金が陰性反応であっても
偽陰性という可能性もあるのです。

そのため、パッチテストで陰性反応と診断された金属を使用しても絶対に安全とはいきれないのです。
陰性反応とされた金属で新しく作成しても、
後で問題が起これば、撤去が必要です。
それが、健康保険が適応されない金属であれば、費用的な負担も大きくなります。

そうであれば、始めから金属を使用しない治療(ノンメタル治療)が望ましいです。

治療法2:レジンによる治療(健康保険 適応治療)

レジンとは、樹脂(プラスチックのようなもの)を使用した治療で、
健康保険が適応されるため、コストを抑えることが可能です。

また、通常1回の治療で行えるため通院回数も少なくてすみます。
(虫歯の状態 や 被せ物形態 等によって異なります)

さらに 基本的に どこの歯科医院でも対応が可能です。
(ノンメタル治療には、いくつかの重要なポイントがあるため
理想的には金属アレルギーの治療を十分理解、熟知されており、
経験豊富な歯科医院の方が良いでしょう。)

しかし、レジンという素材には、健康保険が適応され 治療が比較的簡単な点も
ありますが、欠点もあります。

レジンは、強度(耐久性)に問題があるため、
しっかりと噛む部位 や 歯を覆うような被せ物には適応できません。
通常は、前歯の歯の間にある虫歯 や 奥歯であっても上下顎がしっかりと
噛み合ないような部位に使用されます。

実際に、金属を撤去し、レジンでの治療が可能であるのかを歯科医院で判断
してもらうことが良いでしょう。

耐久性 等を考え、レジンを使用することが適応であった場合には、
治療の簡単さ、治療費の安さを考えると良い選択肢です。

治療法3:オールセラミックによる治療

金属アレルギーの方の口腔内の治療法で最も優れているのが、
オールセラミックによる治療法です。

よく患者様から受けるご質問の中で、
セラミックオールセラミック は違うのですか?」
と聞かれます。

一般的に言われる「セラミック」という素材には、金属が使用されています。

セラミック」の見えない内部(内側)は金属製です。
一般的に言われるセラミックの日本語の名称は、
陶材焼付金属冠(金属陶材焼付冠)と言います。

金属のフレームに瀬戸物を焼き付けて作製されているため、
内部には金属が使用されているのです。

実際にオールセラミックセラミックを見て比較して見ましょう。

セラミックとオールセラミック

上記の写真のように一般的に言われるセラミックには、
内部に金属が使用されているのです。

セレックオールセラミック治療

通常セラミックといわれる素材は、
歯科技工士という方が手作り(ハンドメイド)で作製します。

非常に高い技術が必要であり、
作製にも時間がかかります。

「セレック オールセラミック」は、こうしたセラミックを
人の手ではなく、
コンピューターが設計し、
ミリングマシンという器械がセラミックのブロックを削りだすことで作製するセラミックです。

セレック オールセラミックは、単に金属を使用しないことだけでなく、
今までの治療にはない さまざまな特徴があります。

以下では「セレック オールセラミック治療」を写真とともに解説していきます。

治療の流れ

ステップ1

歯がかけている部分があるだけでなく、
歯の中で虫歯が存在するため黒っぽく見えています。

虫歯の状態

ラバーダムを行い、金属を撤去します。
ラバーダムは、削除した金属片が口腔内に飛び散らないようにするために非常に重要なことです。
虫歯を除去後、
光学3Dカメラ撮影に備えます。

光学3Dカメラ撮影

歯を削った後、3D光学カメラで歯を撮影します。

 数十秒で撮影は終わります。

 そのため、今まで型取りが苦手だった方にも有益です。

 しかし、状況によっては、当日スキャンできない場合もあります。
また、従来治療のように型取りを行う場合もあります。

ステップ2

これでセラミックを作製する準備は完了です。

モニター

モニター上で歯の形態や噛み合わせの調整を、あらゆる角度から行い、理想的な形にしていきます。
設計後は様々な色のセラミックブロックから最適な色のものを選定します。

ステップ3

ミリングマシンと呼ばれる機械(CAM)が、コンピュータで設計されたデータをもとにセラミックブロックを削り出し、修復物を精密に整えていきます。
以下がセラミックを削りだす「ミリングマシン」です。

ミリングマシン

以下は、セラミックブロックがセットされたミリングマシンの内部です。

ミリングマシン内部

以下は、セラミックブロックを削っているところを拡大した写真です。

ミリングマシン内部拡大写真
ステップ4

完成したセラミックを口腔内に装着します。

  • ミリングマシン
  • ミリングマシン

このようにセレックオールセラミックは、
コンピューター上にスキャンされたデータから
自動的にミリングマシン(セラミック自動制作器)がセラミックを削りだします。

歯科技工所に依頼することなく歯科医院で修復物を作製できるので、
今までのセラミックよりも圧倒的に短期間に作製が可能であり、治療費が安くできます。
また 規格生産された高品質なセラミックブロックを使用するため耐久性が高いのが特徴です。

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