金属アレルギー外来

15.必読!金属治療の問題点:なぜ金属の詰め物は取れるのか?

金属治療の問題点その2:金属治療 問題点の改善方法

この項目をご覧になる前に
「1.なぜ 金属の詰め物は 取れるのか?」
をご覧になって下さい。

第一項目である「1.なぜ 金属の詰め物は 取れるのか?」では、
虫歯を削った歯に対して 金属の詰め物を装着する場合、
セメントという素材でつけますが、
これは、歯 と 金属が接着しているわけではなく
歯と金属の間に介在するセメントが固まり、
取れないように維持しているだけであることを解説してあります。

このセメントは、
唾液
咬合力(噛む力)
金属の熱膨張による収縮、膨張の繰り返し
等 によって容易に崩壊(セメントが砕け、溶ける)してしまいます。

セメントが崩壊することで、
歯と金属製の詰め物に隙間(すきま)ができ、
そこから唾液や汚れが侵入し、
金属内部で細菌が繁殖して、再度虫歯(2次カリエス)になってしまいます。
結果的に
詰め物が取れたり、
歯が欠けたりします。

このことまで ご理解された方は、
この後の第二項目2.金属治療 問題点の改善方法をご覧になって下さい。

それでは、虫歯治療後の詰め物が取れないようするためには、
どうしたら良いのでしょうか?

その一つの解決方法として、オールセラミックによる虫歯治療があります。

歯質と性状の近い材質(熱膨張係数の低い材質)を使用し、
きちんと 歯と接着させることで
取れにくく、
再度虫歯になりにくい
治療をすることが可能になります。

オールセラミックにおける接着システム!

虫歯治療を行った材料が取れないようにするためには、
歯とセラミックをしっかりくっつける(接着する)ことが重要になります。

ここで問題となるのが
「本当に歯とセラミックがくっつくのか?」ということです。

セラミックが長期的に維持するためには、
歯を削った部分とセラミックが接着していることが重要なのですが、
歯を削った部分は、象牙質という組織が見えており その組成は、
無機質が69%
有機質が18%
水分が13%
となっています。
この水分を含んだ有機質接着をしにくくしているのです。

セラミックは、「無機質」という組織です。
無機質と有機質を多く含んだ物を接着させることは簡単ではないのです。

歯 以外のことで接着について説明すると分かりやすいと思います。

例えば、プラスチック同士を瞬間接着剤で着けた場合、
しっかりとくっつく感じがしますよね。
金属と金属、プラスチックと金属も
接着剤でくっつく感じがしますよね。

しかし、食べ物(例えば 肉 )と金属を接着剤でつけようとすると
しっかりとはくっつかない感じがすると思います。

有機質金属無機質だからです。

このように素材の違いによって
接着剤でくっつきやすい物もあれば、くっつきにくい物もあります。

ちなみに歯を削る前の表面(通常口を開けると見える歯の白い部分)は、
エナメル質と言いその成分は、
無機質が96%
有機質が2%
水分が2%
で象牙質と比較するとカラカラに乾いており、接着しやすい状態です。
(歯の組成以外にも接着させるためにはさまざまな要因があります)

歯を削った表面(象牙質)は、水分を含んだ有機質ですので、
非常に接着剤がくっつきにくい状態です。

だいぶ前から
セラミックを歯につける治療は行われていましたが、
現在の接着技術と比較すると
歯とセラミックをくっつけることは まだまだ劣っていました。
そのため、セラミックが破損することがありました。

近年 この接着技術は格段に向上してきたため、
以前と比較すると セラミックが破損することが少なくなってきています。

接着の話をすると 非常に複雑で難しい話になりますので、
できるかぎり簡単に説明したいと思います。

まず、象牙質表面を 接着剤がくっつきやすい状態にします。
「プライマー」という薬液を象牙質に塗ります。

 簡単に話しますと、「プライマー」処理することにより、
表面が凸凹し、接着表面積が増えると思って下さい。
次に「ボンディング」という薬液を塗ります。「ボンディング」は、
先程の「プライマー」処理により起った凸凹の内部に浸透していきます。
そして強固に固まります。

その結果、象牙質と「ボンディング層」が一体化します。

この一体化した状態の歯質を「樹脂含浸層 (じゅしがんしんそう)」と言います。

この「樹脂含浸層 (じゅしがんしんそう)」
接着に大きく影響しているのです。

この上にレジン系の接着剤でセラミックを着けるのです。

ここまでをまとめます。

水分を含んだ有機質が含まれる象牙質とセラミックはくっつきにくいので
象牙質に「プライマー」「ボンディング」処理することで
「樹脂含浸層 (じゅしがんしんそう)」ができます。

この「樹脂含浸層 (じゅしがんしんそう)」
接着剤(レジン系セメント)が強固にくっつくき
セラミックと一体化するのです。

また、セラミックとレジンセメントがくっつきやすくするために
シランカップリングという処理を
セラミック表面に行うことも必要です。

オールセラミックにおける接着システム

これで、セラミックが脱落することや破損の原因の一つが
分かって、歯とセラミックをしっかりとくっつける接着について
分かってきたかと思います。

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