歯周病専門医サイトブログ

2017年3月13日

歯周病治療は中断する人が非常に多い

2017年 3月13日(月曜日)です。

このブログは「大船駅北口歯科 歯周病専門サイト」です。

今日のテーマは、
『歯周病治療は中断する人が非常に多い』になります。

進行した歯周病の場合、虫歯の治療とは異なり、 数回の治療で終了することはほとんどの場合ありません。

特に重度の歯周病の場合、治療期間が半年以上かかることもあります。

歯周病の治療を希望されて来院した患者さんのうち約半数の人が治療を中断してしまいます。

それでは何故このように治療を中断する人が多いのでしょう。

歯周病治療を中断する原因をいくつかあげましょう!

中断理由1
自覚症状がないから歯周病は初期の段階では痛み等の問題が起こらないことが多いです。
そのため「自覚症状がないから治療しない」という方もいらっしゃいます。

当院で歯周病の検査を行い、
歯周病に問題があるということを説明させていただいても
「痛みがないから治療しない!」といわれる方もいらっしゃるのです。

痛みがない=問題ないということではありません。

中断理由2
初期の治療により出血等の症状が改善したから初診時に歯肉の出血があるのでご来院される患者様も多くいらっしゃいます。

歯周病と診断された場合には、歯周病治療を開始します。

始めは、口腔清掃指導と歯石除去から開始することが多いです。

この段階で出血がある方は、改善することがほとんどです。

この段階の歯周病治療を歯周病初期治療と言います。
「出血が改善したから治った」と思われる患者様もいらっしゃいます。

進行した歯周病の場合、
歯周病初期治療のみで完全に改善することは少なく、さらに専門的な歯周病治療が必要になることが多いです。
しかし、この段階で治療が中断となると歯周病の進行は止まらず、知らないうちに悪化してしまいます。

次に来院される時には抜歯なんていうことにもなりかねません。

中断理由3
仕事等が忙しく、通院する時間がない。

治療に対する時間が取れない方もいらっしゃるかと思います。
こうした方には、短期的に歯周病を効率よく改善させるための治療法があります。
このような歯周病治療に対するお時間が取れない方には、以下のような対応があります。

短期集中 歯周病細菌除菌プログラム FMD

FMD治療詳細は、上記のページをご覧になって下さい。

中断理由4
治療に対する痛み等があったから進行した歯周病の場合、麻酔をすることが必要です。

そのため、麻酔をすること自体が嫌であったり、長時間口を開けていることが困難な方がいらっしゃいます。

このような場合には、さまざまな対応を行ないます。

まず麻酔ですが、
当院では通常の麻酔を行なう前に歯肉に表面麻酔を塗布します。

当院で使用する表面麻酔は非常に効果が高いものです。
歯肉の消毒後に表面麻酔を約4分間することで、それだけでかなり歯肉が麻痺してきます。
この表面麻酔は、ジェル状の麻酔であり、 これを歯肉に塗るだけですので、まったく痛みはありません。

歯肉が麻痺した後で、通常の麻酔を行ないます。

この時にも十分な注意が必要です。

当院で使用している麻酔の針は、極細の針であり、従来使用されていた針と比較すると格段に細いです。
そのため、痛み感じにくくしています。

また治療自体がどうしても苦痛である方には、究極の方法があります。

これは静脈内鎮静麻酔法と言います。

静脈内鎮静麻酔法とは、患者様が眠っている状態で治療を行う方法です。

治療開始前に静脈内鎮静麻酔を行うことで、
歯周病治療中は患者様は完全に眠っている状態で治療を受けることができます。

一度静脈内鎮静麻酔で治療を受けられた方は、
治療中の怖さや大変さから開放されるため、
次の治療を受けられる際には、ほとんどの場合、再度この麻酔方法をご希望されます。

特に歯科治療が怖い方には、かかせない麻酔方法です。

ちなみに静脈内鎮静麻酔法は、経験豊富な麻酔専門医が対応しますので、ご安心下さい。

*当院では静脈内鎮静麻酔法を使用した治療は自費診療となります。

中断理由5
治療の必要性はわかっていてもなかなか行動に移せない
歯周病が進行している方の特徴として、 治療の必要性は分かっているが、
なかなか通院が困難となっている方が多くいらっしゃいます。

歯周病は、放置すればするほど どんどんと悪化していきます。

私のような歯周病専門医であってもあまりにも進行した歯周病の場合には治すことはできません。

また、進行した歯周病を治すことは大変なことが多くあります。
治療に長い期間がかかったり、
治療費用がかかったり等 
病状が悪化すればするほどさまざまな面で問題が起こります。

「歯周病治療を行なわないといけないが…」と思われているが、なかなか行動に移せない…という方は、
是非 歯周病の問題点をしっかりと認識することが必要です。

当院のHPには、さまざまな歯周病に関する情報が掲載されています。
そうした情報をしっかりと理解することで、歯周病を放置することの問題点が分かるかと思います。

実際に当院を受診される重度歯周病の患者様のほとんどが「もっと早く治療していれば…」と言われます。
病気は「早期発見、早期治療」が基本です。

中断理由6
一度予約をキャンセルしてしまったために通院しにくくなった
こうした方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?

お仕事等でどうしても時間がとれない方は多くいらっしゃると思います。

もちろんこうしたことは十分理解できます。
私自身、毎日忙しく、毎週 時間をさくことは難しいため、継続して治療することの大変さは十分理解できます。

しかし、放置しても改善することはありませんので、病状は悪化するだけです。
治すには、ある程度の時間をかけて治療することは必ず必要です。
もし、通院にお時間がない方は先にも記載しました
歯周病細菌除菌プログラム FMD治療が有効です。
短期集中 歯周病細菌除菌プログラム FMD

中断理由7
治療に対する理解が得られなかった患者様の中には、歯周病ということ自体に理解ができない方もいらっしゃいます。

そのため、当院では初診時に歯周病の検査を行い、
2回目のご来院時に歯周病治療計画書という書面をお渡ししています。

この歯周病治療計画書には、
診断、
原因、
治療方法、
将来的な問題、
リスク因子 
等患者様ご本人に合わせた歯周病治療計画書をお渡ししています。

約30ページ程度になります。

歯周病治療計画書を十分ご覧になっていたくことで
なぜ歯周病治療が必要であるのか?
ということをご理解していただきます。

本日のブログはここまでです。

次回も歯周病についての話になります。

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2017年3月6日

3DSの除菌持続効果

2017年 3月 6日(月曜日)です。

このブログは「大船駅北口歯科 歯周病専門サイト」です。

今日のテーマは、
『3DSの除菌持続効果』になります。

ここ数回に分けて3DSについて解説してきました。

今までの歯科治療は虫歯になったら歯を削る
ということの繰り返しでした。

3DS除菌療法は、今までの歯科治療とはまったく違った対応です。

歯周病細菌や虫歯細菌を積極的に抑える方法です。

今回のシリーズの最初のブログにも書きましたが、
以下のような方に3DS除菌療法をお勧めします。

• 虫歯が多い方
• 詰め物 被せ物が多い方
• 歯磨きをしているのに虫歯になってしまう方
• 妊娠予定 や 授乳中の方で 子供を虫歯にしたくない方(母子感染防止)
• 乳歯から永久歯への感染防止
• 歯周病になりやすい方

3DS除菌療法は、
患者さん個人に合わせたマウスピースを作製し
そのマウスピースの中に除菌効果の高い薬剤を入れて
口腔内に装着することで 問題となる細菌を除菌し
虫歯の原因となる歯垢の定着を集中的に抑える治療です。

簡単な予防方法です。

是非お勧めしたい予防対策です。

それでは3DS除菌治療の効果はどれくらいあるのでしょうか?

3DSの持続効果については
生活習慣が適切に改善されれば半永久的にもちますが
そうでない場合には1年程度で元の状態に戻ってしまいます。

齲蝕 も 歯周病 も 細菌感染症ですが
その背景には細菌的要因だけでなく、
口腔清掃状態 食生活等の生活習慣が大きく関与していることは
当然のことです。

そのため口 腔衛生状態が悪かったり
食生活 等の改善がない場合には 3DSを行ったとしても
細菌叢は戻ってしまいます。

3DSによる効果の持続を確認するためには
日々の口腔清掃管理が重要であることはもちろんのこと

定期的に細菌検査を行い、
口腔内のリスクを管理すること
そしてリスクを軽減するためにも定期的に除菌することが有効です。
(PMTC後に高濃度薬液を使用した院内3DSを実施)

治療にお金と時間をかけるのか?

予防のためにかけるのか?

ということになります。

3DS除菌療法をご希望される方は、
ご予約の際もしくは、
受付 や 担当歯科医師にご相談下さい。

次回から新しいテーマになります。

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2017年2月27日

3DS除菌療法:具体的な治療ステップ

2017年2月27日(月曜日)です。

このブログは「大船駅北口歯科 歯周病専門サイト」です。

今日のテーマは、『3DS除菌療法:具体的な治療ステップ』になります。

さてこのシリーズもだいぶ長くなりましたが、
今日は3DS除菌療法の具体的な治療ステップになります。

治療ステップ1
まず3DS除菌療法を行う前に 虫歯治療 や 歯周病治療が完全に終了させます。

虫歯細菌 等が多量に存在する状態では除菌はできません
  (細菌が口腔内にいっぱいいるためです)

口腔内の細菌を徹底して減少させた上で3DS除菌療法を行うことが重要なのです。

治療ステップ2
歯の表面にはバイオフィルムと言われるネバネバした細菌の集合体が存在します 
このバイオフィルムを徹底して除去することで薬液の効果を高めます
約30〜40分
*PMTC治療費 1回 5.000円(消費税別)

治療ステップ3
3DS除菌 院内治療:1回目

PMTCにより歯がツルツルになったところでオーダーメイドのマウスピースに
高濃度の殺菌薬を入れて5分間除菌します

*除菌当日は甘いものは禁止です

*使用する除菌薬は0.2%クロルへキシジン ジェルです
 マウスピースは事前に型取りが必要です

* マウスピース費用上下顎  20.000円(消費税別)
* 高濃度薬液費用1回分   500円(消費税別)

治療ステップ4
3DS ホームケア
約1週間 ご自宅で毎日就寝前(歯磨き後)に
マウスピースに低濃度の殺菌薬を入れ就寝時に装着していだきます

これにより細菌を減少させます

再感染を防ぐ為に歯ブラシは新しくして下さい

使用する除菌薬はコンクール
(低濃度クロルへキシジン ジェル)です
*  1箱   1.000円(消費税別)

治療ステップ5
3DS除菌 院内治療:2回目
再度 PMTCを行いマウスピースに
高濃度の殺菌薬を入れて5分間除菌します

マウスピースは必ずご持参下さい
* PMTC治療費 1回   5.000円(消費税別)

* 高濃度薬液費用1回分   500円(消費税別)


治療ステップ6
細菌検査

再度細菌検査を行い除菌結果の判定を行います
・ 虫歯細菌リアルタイムPCR法検査費用    15.000円(消費税別)
・ 簡易虫歯細菌検査  RDテスト検査費用     500円(消費税別)
・ 歯周病細菌リアルタイムPCR法検査費用   10.000〜20.000円(消費税別)

治療ステップ7
定期管理 と フッ素によるホームケア

虫歯や歯周病の原因は細菌だけではありません
毎日の歯磨きや唾液の性状等さまざまな要因があります

適切な管理ができないと細菌は元の状態に戻ってしまいます
定期管理ではPMTCを行いバイオフィルムを除去します

また 毎日フッ素を使用することで耐虫歯性を高めます

3DSホームケアは日常行っていただくことで効果が高まります

ただし 3DSホームケア前には徹底した歯磨きが必要です

汚れが付着した状態では薬液の効果はありません

特に歯間部の清掃は非常に重要になってきますので
歯間ブラシやデンタルフロスの使用が重要です

次回も3DSの続きです。

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2017年2月20日

3DS除菌治療 – 治療の流れ –

2017年 2月20日(月曜日)です。

このブログは「大船駅北口歯科 歯周病専門サイト」です。

今日のテーマは『3DS除菌治療  – 治療の流れ -』になります。

虫歯細菌 や 歯周病細菌を除菌する方法として 3DS除菌療法について数回に分けて

解説してきました。

本日からは具体的な除菌療法についてのステップを解説します。

ステップ:1

虫歯検査 歯周病検査を行います。

歯周ポケット検査

位相差顕微鏡による歯周病細菌検査

他にはレントゲン検査が必要になります。

状況により
CT撮影検査 を行う場合もあります。

そして 3DS除菌治療において大切なのは、細菌検査です。

どんな細菌がいて?

どれくらいの数がいるのか?

を調べることが重要です。

細菌を調べることでリスクが分かります。

細菌の調べ方を虫歯 と 歯周病について解説します。

始めに虫歯細菌からです。

SALIVA-CHECK LAB  虫歯細菌DNA検査 : リアルタイムPCR法

細菌の遺伝子(DNA)から調べる検査方法です 非常に精度の高い検査方法です

細菌の種類 量 等を詳細に調べることが可能です

精密検査であり外注のため 1週間〜10日程度の検査期間がかかります

また特殊な検査のため検査費用がかかることが欠点です

虫歯のリスクを知るためには非常に有効な検査方法と言えます

検査する細菌は以下の3種類です

・ S.mutans菌

・ S.sobrinus菌

・ 乳酸桿菌

ハイリスクの方が3DS除菌治療の対象となります

検査費用 15.000円(消費税別)

次に虫歯細菌の調べ方としてもっと簡単な方法もあります。

それが以下のRDテストです。

簡易虫歯細菌検査 昭和薬品 RDテスト

RDテストは 細菌検査ほどの精度はありませんが 非常に簡易的で

結果もすぐに分かり 費用も格段に抑えられます

検査方法はいたって簡単で

だ液をレサズリンという指示薬が塗布されたシールにつけます

そのシールを腕に貼って15分待ちます

この15分間で培養されるので 剥がしてシールの内側の色を確認すると

虫歯菌の数によって,

Low(青色)→Middle(青紫色)→High(紅紫色)に変色します

ハイリスクの方が3DS除菌治療の対象となります

検査費用  500円(消費税別)

*虫歯検査の場合 リアルタイムPCR法 もしくは RDテストから1つを選択していだきます

次に歯周病細菌についてです。

SALIVA-CHECK LAB  歯周病細菌DNA検査 : リアルタイムPCR法

歯周ポケット内から採取した歯周病細菌のDNAから 以下の5種類の細菌を

特定することができる非常に精度の高い外注検査方法です

・ P.g.菌(P.gingivalis)

慢性歯周炎の発症に関連が深い菌

年齢に比較して骨吸収が大きく この菌の比率が高い場合

侵襲性歯周炎(しんしゅうせいししゅうえん)と診断される非常に悪性度の強い細菌

・ A.a.菌(A.actinomycetemcomitans)

若年者でも急速な進行を起こす侵襲性歯周炎の発症に関連が深い菌

非常に悪性度の強い細

・ T.d.菌(T.denticola)

スピロヘータというラセン状をした運動性のある細菌の仲間です

歯周病が進行すると組織の隙間に入って病状を急激に悪化させます

また 免疫を抑制する成分を持っているため この菌が爆発的に増えて

いても 抗体が産生されないと言われ ています

・ T.f.菌(T.forsythia)

紡錘状の形をした細菌です

P.g.菌 や T.d.菌 と共に検出されると歯周病のリスクが高くなります

・ P.i.菌(P.intermedia)

女性ホルモンによって発育が促進される細菌

思春期性 や 妊娠性のホルモン関連性歯周炎を起こします

これらの細菌を遺伝子的に解析しますので非常に精度の高い検査方法と言えます

検査費用

2菌種 10.000円

3菌種 15.000円

5菌種 20.000円  (消費税別)

*5菌種検査が基本ですが 3菌種でもリスク判定は行えます

遺伝子検査リアルタイムPCR法の詳細については以下を参考にして下さい
歯周病細菌遺伝子(DNA)検査 リアルタイムPCR法(当院HP)

SALIVA-CHECK LAB  Oral Check Center(外部サイト)

虫歯細菌リアルタイムPCR法検査結果 参考例

本日は3DS除菌療法についての検査方法について解説しました。

次回は具体的な3DS治療について解説します。

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2017年2月13日

3DS除菌治療:虫歯の成り立ち - 虫歯はこうしてできる –

2017年 2月13日(月曜日)です。

このブログは「大船駅北口歯科 歯周病専門サイト」です。

 

今日のテーマは、3DS除菌治療:虫歯の成り立ち - 虫歯はこうしてできる - になります。

 

通常口腔内は中性に近い状態で維持されています。

食後 虫歯細菌は食物ショ糖を利用してを産生します

このにより口腔内は酸性に傾きます

食後3分もするとの影響により歯質は溶け出します

この状態を脱灰(だっかい)と言います

虫歯です

しかし 食事中に分泌される唾液に含まれる重炭酸塩は

酸性に傾いたpHを中性に戻す働きがあります

この状態を再石灰化(さいせっかいか)と言います

虫歯が自己修復された状態です

食事をするたびに

この脱灰(だっかい:虫歯)

再石灰化(さいせっかいか:自己修復)

が繰り返されているのです

 

 

脱灰の時間が多くなると虫歯になりやすく

再石灰化の時間が多くなると虫歯になりにくい状態と言えるのです

 

 

間食が多いと 歯が脱灰(だっかい)する時間が長くなるため

歯はどんどんと溶けてしまいます

 

 

本日は簡単ですが、これで終了します。

 

次回も3DS除菌治療の続きです。

 

 

 

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2017年1月23日

虫歯になりたくない人のために:細菌除菌療法

2017年 1月23日(月曜日)です。


このブログは「大船駅北口歯科 歯周病専門サイト」です。

今日のテーマは 
『バイオフィルム』になります。

前回は虫歯細菌を除菌する3DSという治療法について
簡単に説明しました。

今後も暫くは、この3DS(スリーディエス)という治療法について詳細に解説していきます。

本日はこの3DSを理解するために
バイオフィルムということについて解説していきます。

バイオフィルムが理解できないと3DSが分からないからです。

非常に難しい話になってしまうのですが、
口腔内に存在する細菌についての話から始めます。

口腔内に存在する細菌はなにを栄養源として生きているでしょうか?

細菌だって生きているのですからなにか栄養源が必要になってきます。

細菌には大きく分けて2種類存在します。

一つが好気性細菌(こうきせい さいきん)です。
もう一つが嫌気性細菌(けんきせい さいきん)です。

好気性細菌の代表的な菌が虫歯菌です。

嫌気性細菌の代表的な菌が歯周病菌です。

好気性細菌は酸素があるもとで生きているのが基本です。

それに対して嫌気性細菌の多くは酸素が少ない状態で生きています。


歯肉縁上プラーク細菌(好気性菌)の主な栄養源は
唾液中のアミノ酸です。

また 好気性菌は 唾液以外にも ショ糖 や ブドウ糖
果糖を利用する細菌も多く存在します。

しかし 唾液中には抗菌性物質が存在しており
唾液は細菌を殺す働きもあります。

唾液は細菌を退治する非常に重要な面(抗菌性)を持っていると共に 
アミノ酸は細菌の栄養源ともなっているのです。

面白いですよね。

歯肉縁下プラーク細菌(嫌気性菌)の主な栄養源は
歯周ポケットという歯と歯肉の溝の中から
出てくる歯肉溝滲出液という液体の中のアミノ酸です。

この歯肉溝滲出液は、
正常状態では 歯周ポケット内部を1分で満たす程度の割合で分泌されています。

歯肉溝滲出液は、
歯周ポケット内部に侵入してきた細菌を
洗い流す働き や 抗菌成分含まれています。

すでに難しい話ですよね。

これからもっと難しくなりますよ。

次にバイオフィルムについて解説します。

歯の表面(歯根面)には
ペリクル(唾液の糖タンパク質)という薄い膜が存在します。

難しいことはさておいて
歯の表面にはちょっとネバネバした薄い膜があると思って下さい。

この膜がペリクルと言います。

ペリクルは、細菌(好気性菌)が出す酸(乳酸)から
歯を守る重要な働きをしています。

歯は細菌の出すによって
歯が溶け出すのです。

口腔内が酸性に傾くことで歯の成分が溶け出すことを
脱灰(だっかい)と言います。

薄い膜であるペリクルは、酸から歯を守るバリアーなのです。

しかし バリアーである反面
細菌が付着しやすくなっているのも事実です。

だってペリクルはネバネバしているから

また 好気性菌の中には食物中のショ糖から
粘液性多糖体(水不溶性グルカン)を作るものがあります。

また難しい言葉が出てきましたね。

粘液性多糖体もネバネバしたものです。

細菌の中には 細菌自体が歯面に付着しやすい構造
(線毛 等)を持っているものもありますが

歯面に付着しにくい細菌もいるのです。

歯の表面に付着しにくい細菌は、
先ほどの粘液性多糖体(水不溶性グルカン)を介して歯の表面にくっつきます。

細菌同士が情報伝達を行い 細菌が凝集するのです
細菌同士が手に手をとって集まる状態を共凝集と言います。

この歯の表面にヌメヌメ、ネバネバした状態がバイオフィルムなのです。

バイオフィルムは、単にヌメヌメ、ネバネバしたものではなく、
細菌が大量に潜んでいるのです。

細菌の塊と思って下さい。

バイオフィルムを他の例えで表現すると
台所のシンクをきれいに洗っていないと
「ヌルヌル ヌメヌメ」としてきます。

この「ヌルヌル ヌメヌメ」がバイオフィルムなのです。

このバイオフィルムがあると
外来からの影響を受けにくくなります。

通常口腔内細菌が繁殖すると
唾液により洗い流されたり
唾液の抗菌作用により細菌が繁殖するのが抑えられます。

しかし バイオフィルムの中に生息する細菌は
唾液の影響を受けにくくなるため
バイオフィルムの中で細菌は増殖していくのです。

怖いですね。

ちなみにバイオフィルムの状態になると
歯磨きで完全に取り除くことは難しいです。

飲食後 好気性菌 の一部は ショ糖 から酸(乳酸)をつくります。

先ほど説明しましたように酸は、歯を溶かします。

酸は虫歯予防にとって大敵です。

問題なのは、このバイオフィルムです。

バイオフィルムというバリアで囲まれた中に生息する細菌は、
産生した酸の拡散を防ぎ 唾液に流されないために局所に停滞します。

そのため 虫歯予防をするためには
バイオフィルムという細菌の住処を破壊することが重要なのです。

先ほど説明しましたように一旦バイオフルムになると
歯ブラシでは取り除くことが困難になってしまいます。

虫歯は夜間作られます。

就寝時は、当然のことながら物を食べませんから
細菌の餌はなくなります。

しかし、飲食物として虫歯細菌が大好きな糖が供給されなくなると
糖(ショ糖)から合成され細菌内に貯蔵した
水溶性の粘液性多糖体(グルカン および フルクタン)
を利用し持続して酸(乳酸)などを産生するため
脱灰が起きてしまいます。

バイオフルムの中は、虫歯細菌の好きな糖がいっぱいあるのです。

つまり物を食べなくても歯の表面についたバイオフルムがあると
虫歯細菌の好きな糖が常にあるということです。

これがバイオフルムの恐ろしいことの一つです。

虫歯が夜間作られるというのは
食物がなくなった後でも
細菌内に蓄えられた粘液性多糖体をエネルギー源として利用しながら
酸(乳酸)を産生し続けるためなのです。

今日は結構難しい話でしたね。


また次回も虫歯細菌除菌療法である3DSについて解説します。





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2017年1月16日

3DS除菌療法 究極の虫歯予防

2017年 1月16日(月曜日)です。


このブログは「大船駅北口歯科 歯周病専門サイト」です。

今日のテーマは『3DS除菌療法 究極の虫歯予防』になります。

3DS除菌療法(スリーディエス じょきんりょうほう)とは
Dental Drug Delivery System の略で
3つのDの頭文字をとって 3DSと言います。

具体的には 患者さん個人に合わせたマウスピースを作製し
そのマウスピースの中に除菌効果の高い薬剤を入れて
口腔内に装着することで 問題となる細菌を除菌し
虫歯の原因となる歯垢の定着を集中的に抑える治療です。


3DS除菌治療の必要性

「毎日は磨きをしているのに虫歯になってしまう!」
という方は多くいらっしゃるかと思います。
毎日は磨きをしているのになぜ虫歯になるのでしょうか?

虫歯になりやすい人もいれば
虫歯になりにくい人もいます
極端に言えば まったく歯を磨かなくても虫歯にならない人もいらっしゃいます

虫歯になるには原因は歯磨きをしているかどうかだけではないのです

虫歯のなりやすさにはさまざまな要因があります
・ 虫歯細菌(細菌の種類、 量、 質 等)
・ 唾液の性状(分泌量、緩衝能、抗菌因子 等)
・ 糖分を含んだ食事 等生活習慣(間食の頻度 等)
・ 歯磨きの程度
   (適切なブラッシングができているか ブラッシングタイミング 等)
・ 歯質の問題(歯の耐性化、 石灰化度、フッ素の使用 等)
どれをとっても虫歯には重要な要因となっていますが
その中でも虫歯細菌の質と量は大きく影響してきます

その中でも細菌は虫歯の原因として非常に大きな要因になっています

3DS除菌治療は、その細菌にターゲットにした治療法です。




3DS除菌療法をお勧めする方
• 虫歯が多い方
• 詰め物 被せ物が多い方
• 歯磨きをしているのに虫歯になってしまう方
• 妊娠予定 や 授乳中の方で
  子供を虫歯にしたくない方(母子感染防止)
• 乳歯から永久歯への感染防止
• 歯周病になりやすい方



今日はこれから今月の講演のためのスライド作りをしないといけないので
これで終了です。

来週は3DSを詳細に解説します。

お楽しみに!






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2016年12月26日

大船駅北口歯科 年末年始休診案内

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2016年12月30日(金曜日)午後から
2017年1月5日(木曜日)
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2016年12月19日

歯を磨かないと 必ず歯周病になるのか?

2016年12月19日(月曜日)です。


このブログは「大船駅北口歯科 歯周病専門サイト」です。

今日のテーマは、『歯を磨かないと 必ず歯周病になるのか?』になります。



ここ数回は、歯周病のデータを元に
歯肉からの出血の問題や
メンテナンスの重要性について
解説してきました。

本日はタイトルにあるように
歯を磨かないと 必ず歯周病になるのか?
という究極のような話をしたいと思います。

始めに古いデータにはなりますが、
1986年に発表された非常に興味深い論文があります。

歯周病を専門としている歯科医師であれば
誰もがしっているくらい非常に有名な論文です。

Loe H, et al Natural history of periodontal disease in man
J Clin Periodontol. 13(5):431-45 1986 May


研究の概要は以下のようになります。

歯を磨く習慣のない
また 歯を治療した経験もない
スリランカの紅茶農園の労働者480人を
未治療のまま15年間定期的に検査し
歯周病の発生 や 進行 がどのように起こるかを観察しました。

歯をまったく磨くことがない人達です。

一生 歯を磨かないとどうなるのでしょうか?

概要にもありましたように
歯科治療は一切受けないわけですから
歯石も取っていません。

対象とした年齢 や 検査期間 等は以下になります。
14歳から31歳の範囲で1970年から観察開始
1971 1973 1977 1982 1985年
にそれぞれ検査を実施しました。

この検査に参加し480人は
共通してプラーク 歯石 が均一に
大きな凝集体として確認されました。

当然ですよね。
歯を1回も磨かないのですから。

それでは
こうした方達は、歯周病になったのでしょうか?

当然歯周病になるような感じがしますよね。

結果は以下です。

 8%が急速な歯周病の進行がみられ

81%が中程度の歯周病の進行がみられ

11%がほとんど歯周病の進行がみられなかった


えっ
1割の方は、15年間 1回も歯を磨かないのに
歯周病にならなかった?

本当なの?

というように疑問を持たれると思います。

これは本当なのです。

1割の方は、15年間 1回も歯を磨かず、歯科治療を1回も受けなかったのに
歯周病にまったくなりませんでした。

しかし、8割の方は歯周病になってしまいました。

さらに興味深いのは、
1割の方は、非常に進行した歯周病であったということです。

この歯周病の進行が早い方は
15歳でも歯周病になってしまったり
と歯周病の発症が早く
また ものすごい勢いで歯周病が進行し
35歳で歯を平均12本失い
40歳で20本
45歳前に歯を全部失った

ということでした。

なぜこのような違いが起こったのでしょうか?

同じ食生活をし、
同じように歯を磨かず、
同じように歯科治療はまったく受けず、
おそらく睡眠時間 等の生活習慣にもさほど大きく差はないように思えます。

それなのにも関わらず
まったく歯周病にならない人が1割
ほとんど歯を失うくらい歯周病が進行していた人が1割
ということでした。

この大きな原因は、歯周病細菌の違いです。

本来口腔内には誰しも細菌が存在しています。

口腔内には200種類以上の細菌が存在すると言われています。

その中でも歯周病の進行に大きく影響するのが、
以下の歯周病細菌と言われています。

A.a.菌( Aggregatibacter actinomycetemcomitans )
侵襲性歯周炎の発症に関連が深い菌 非常に悪性度の強い細菌


P.g.菌( Prophyromonas gingivalis )
慢性歯周炎の発症に関連が深い菌
年齢に比較して骨吸収が大きく この菌の比率が高い場合
侵襲性歯周炎と診断される 非常に悪性度の強い細菌


T.f.菌( Tannerella forsythensis )
慢性歯周炎の発症に関連が深い菌


T.d.菌( Treponema denticola )
慢性歯周炎の発症に関連が深い菌


P.i.菌( Prevotwlla intermedia )
思春期性 や 妊娠性歯周炎 の発症に関連が深い菌

特に
P.g.菌 、
T.f.菌 、
T.d.菌
の3菌種は、Red Complex(レッドコンプレックス)と言われ、
非常に悪性度の高い細菌です。

こうした歯周病細菌が存在していたため、
歯周病の進行が早かったと考えられます。


これらの歯周病細菌は、周囲の人から感染していきます。

家族間が感染経路として最も高いです。

そのため、親が早い年齢で歯を失った場合、
子供も同様の状態になる可能性が高いです。

もちろん家族間の感染だけでもありません。


こうしたことは、日本人にも同じように起こります。
日本人は、歯磨き習慣がある方がほとんどではありますが、
1割以上の方は、
進行して歯周病になることが言われています。

こうした方は、できるかぎり早い段階で、
診断し、治療を開始し、維持管理を行わないといけません。

本当に早い年齢で多くの歯を失います。

実際問題として、
私自身が歯周病専門医ということもあり、
本当に進行した歯周病の患者様が来院されます。

しかし、全ての方が治るわけではありません。
本当に進行があまりにも進んでしまった方では治すことが難しいです。

もう少し早く来院できていれば…
と思われる方も多くいらっしゃいます。

そのため、
早期発見、早期治療が重要なのです。

まず通常の歯周病の検査であれば、
基本的にどこの歯科医院でも行えます。

そのため、出血があったり、
歯肉が腫れたり、
家族間で歯がない人がいたり、
親が若いころから義歯を使用していたり
祖父母が総入れ歯であったり
等の方は、
できるかぎり若い年齢から歯周病の検査を受けられることが必要です。

また、先ほど記載したような歯周病細菌に感染しているかどうかも調べることが可能になっています。

歯周病細菌遺伝子(DNA)検査 です。

口腔内から採取した汚れの中から歯周病細菌の遺伝子を調べることで
どのような歯周病細菌に感染しているかを判断することができます。

リアルタイムPCR
と言います。


今日のブログはこれで終わります。

また様々なデータをみながら
歯周病について解説していきます。






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2016年12月12日

歯周病後のメインテナンスをしっかり行うと歯を失うリスクは軽減する!

2016年 12月12日(月曜日)です。

早いもので今年もあと残すところ3週間です。


さて 今日のテーマは、
『歯周病後のメインテナンスをしっかり行うと歯を失うリスクは軽減する!』になります。


先週のブログでは、
出血は非常に大きな問題であることを論文を元に解説しました。

ちょっとおさらいをしてみましょう!


歯周病の検査時(歯周ポケット検査)に出血がある状態を
BOP+と言います。

BOPとは、
Bleeding  On  Probing の略で
プロービング時のポケット内部からの出血の有無を表します。

歯肉からの出血は、歯周ポケットという中に汚れが存在し、
細菌が繁殖していることを意味します。

歯周ポケット内部に歯周病細菌がいっぱいいるのですから
当然のことながら歯周病は進行していきます。

この歯周ポケット検査時の出血の程度が
その予後に大きく影響してくることを前回解説したのです。

それでは前回解説した論文のグラフを再度見てみましょう!

スライド2



1回もBOP(歯周ポケット検査時の出血)がなかった患者さんと比較すると

1回BOPがあった患者さんは歯を失うリスクが2倍高かった!

2回BOPがあった患者さんは歯を失うリスクが4倍高かった!

3回BOPがあった患者さんは歯を失うリスクが10倍高かった!

4回全てでBOPがあった患者さんは歯を失うリスクが20倍高かった!


というデータです。

出血が続くということは非常に良くないのです。


さて本日も歯周病のデータを見ていきましょう。


本日のデータは、
歯周病の患者さんにおいて
歯周病治療をきちんと行い、
適切な口腔清掃管理が実施され、
定期的なメインテナンスに来院された場合には、
歯の寿命は3倍以上長持ちするというデータです。

以下がデータグラフです。
スライド3


10年間で何本歯を失うのか?
というデータです。

は歯周病の検査だけ行い、
歯周病と診断されたが、治療を行わなかった患者さんです。

は歯周病と診断され、
歯周病治療を行った患者さんです。

は歯周病と診断され、
歯周病治療を行い、
治療後にも定期的な管理(メインテナンス)に通われた患者さんです。



の治療を行わなかった患者さんは、
10年間で平均3.6歯を抜歯することになりました。

の歯周病治療を行った患者さんは、
その後 定期管理に来院しなかったため
10年間で平均2.2歯を抜歯することになりました。

の歯周病治療を行い、
その後も定期的に管理(メインテナンス)を行った患者さんは、
10年間で平均1.1歯を抜歯することになりました。


このデータからは、
歯周病治療を行っただけでより
治療後のメインテナンスを実施することで
歯は2倍長持ちすることが分かります。

2倍ですよ。

10年で抜歯となるような歯が
20年保つということですよ!

そう聞くと定期管理がいかに重要であるかが分かるかと思います。

ただし、これらは患者さんの日々の口腔清掃管理がしっかりとできていることが前提です。

他にも歯周病が悪化する要因には、
噛み合わせの問題であったり、
喫煙、
睡眠、食生活といった生活習慣も影響してきます。


我々のような歯周病専門医は、
こうしたデータ元に
科学的根拠のある診療を行っているのです。






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