歯周病の定期管理(メインテナンス)におけるPMTC(クリーニング)は効果があるのか?

2017年11月20日(月曜日)です。
このブログは「大船駅北口歯科  歯周病専門サイト」です。
今日のテーマは、『歯周病の定期管理(メインテナンス)におけるPMTC(クリーニング)は効果があるのか?』になります。
私が日本歯周病学会の歯周病専門医ということもあり
当院を受診される患者様の中には非常に歯周病が進行した方がいらっしゃいます。
重度歯周病の場合、治療期間もそれなりに長くなることがあります。
特殊な歯周病のケースを除き、
多くの場合、歯周病治療を行うことで
歯周病は改善してきます。
具体的には歯周病が進行している場合には歯周ポケットというのが深くなります。
このブログをよくご覧になっていられる方は、歯周ポケットについてご理解していただいているかもしれませんが、
ちょっと歯周ポケットについて解説します。
歯と歯肉はくっついておらず
わずかな溝があります。

この溝を歯肉溝(しにくこう)と言います。
歯磨きが不十分な場合、この溝の中に汚れが侵入して行きます。
汚れとともに歯周病細菌も繁殖します。
歯周病細菌は嫌気性(けんきせい)と言い、
酸素が少ないところで繁殖しやすいのです。
我々が生活している地上の酸素濃度は約21%です。
(高い山に登ると酸素は薄くなりますが…)
しかしこの後に説明する深い歯周ポケット内は酸素があまり届きません。
そのため、歯周ポケットの深い部分では、
酸素濃度は1%以下となってしまいます。
深い歯周ポケットは、酸素濃度が低いので
歯周病細菌が生息するには非常に優れた環境なのです。
この溝の中には歯肉溝浸出液(しにくこうしんしゅつえき)という体液が流れています。
この歯肉溝浸出液の中には、
歯周病細菌を撃退する成分も含まれています。
歯周ポケット内に侵入した歯周病細菌を洗い流しているのです。
しかし、大量の歯周病細菌が歯周ポケット内部に侵入すると
こうしたことができなくなります。
歯肉は腫れ、
そのうちに歯を支えていた骨が溶けていきます。
そのうち歯はグラグラとしてきます。
これが歯周病の進行なのです。
以下の図もこのブログでよくアップするものですが、
歯周病をご理解いただくために
ご覧になってください。




歯周病の治療は、
歯周ポケット内に侵入した細菌と汚れを取り除くことです。
実際に歯周病があまりにも進行しすぎて抜歯した歯を見てみましょう。

黒っぽいのが歯石です。
こんなのが歯肉の中にあるのです。
今日は歯周病の治療の話ではないので、
治療方法については省略します。
この歯石を取り除き、歯周病細菌を減らすことが歯周病治療の目的となります。
それでは歯石を取り除けば歯周病は完治するのでしょうか?
そうではないんですね。
歯周病は、再発傾向の高い疾患なのです。
そのため、歯周病治療後には定期的な管理が必要なのです。
前置きが長くなりましたが、本日のテーマである
歯周病の定期管理(メインテナンス)におけるPMTC(クリーニング)は効果があるのか?
という話をしたいと思います。
まず以下のデータをみていきましょう。

この研究論文は、
歯周病の方に対して
1. 歯周病治療を全くしないで10年間経過をみた場合
2. 歯周病治療を行ない10年後にどうなったかをみた場合
3. 歯周病治療を行い、さらに治療後には定期的な管理(メインテナンス)を10年間行なった場合
の3つのパターンに対して
10年後に歯がどれだけ失ったかをみたデータです。
1番の
歯周病治療を全くしないで10年間経過をみた場合

10年間で平均3.6歯が抜歯となりました。
2番の
歯周病治療は行なったが
その後に定期管理は行わなかった方では
10年間で平均2.2歯が抜歯となりました。
3番の
歯周病治療を行い、
治療後には定期的な管理を行なった場合、

10年間で平均1.1歯が抜歯となりました。
という研究データです。
つまり
歯周病治療を全く行わない人と比較すると
歯周病治療を行い、その後に定期管理(メインテナンス)を実施すれば
歯は3倍以上長く保つということです。
3倍ですよ。
非常に大きな効果です。
さらに次のデータをみてみましょう。

これは歯を1歯失う(抜歯する)のにどれくらいの期間(年数)がかかるのかをみたデータです。
歯周病治療を全く行わない方は、
1本の歯を失うのに平均2.8年という期間であったのに対して
歯周病治療を行い、
さらに定期的な管理をされた場合、
1本の歯を失うのに平均9.1年だったとい研究データです。
きちんと歯周病治療を行い、
定期管理をすれば、
3倍以上長く保たせることが可能であるというデータです。
それでは定期管理では
どのようなことをするのでしょうか?
メインテナンスでは様々なことを実施するのですが、
その中で最も重要なことの一つである
PMTCについて解説します。
PMTCは専門的には以下のように定義されています。

簡単に言えば、
歯石を取り除き、
歯を ピカピカ ツルツルに磨くことです。
だって歯がツルツルしていた方が汚れが付きにくいですよね。
この歯をツルツル ピカピカにする行為が
PMTCです。
歯周病は継続的に管理をすることが非常に大切です。

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