歯科情報

歯が割れないための方法(ファイバーコアによるボンディング接着システム)その2

なぜ歯根破折(歯が割れるのか?)するのか?

その2を御覧になる前にその1
を御覧になって下さい。

それではその2を始めます。

その1では、神経がない歯は脆く、歯が割れる可能性があることを話しました。
そして『歯根破折』の原因の一つが『コア』にあります。
この『コア』の多くは金属性でできています。
『金属のコア』を使用するといくつかの問題点があります。
『金属のコア』と 歯質 は硬さが違います。
この硬さの違いの一つを専門用語で『弾性率』と言います。
簡単に説明しますと『たわみ』です。
歯や金属を“ぐっと”押した時に歪む現象です。
歯は金属と比較し、若干柔らかいものです
そのため力が加わると『たわみ(歪み)』ます。
しかし、金属は硬いため『たわみ(歪み)』が少ないのです。
この『たわみ(歪み)』の違いが問題を引き起こします。

また神経のない歯は“枯れた木”のようであることを書きました。
神経のない歯に『金属のコア』を装着することを例えると
“枯れた木”の真ん中に『金属のクイ』を打ち付けるようなものです。
つまり、『薪を斧で割る』ようなものです。
当然割れそうですよね。

従来の『金属製のコア』

以前は『金属製のコア』を接着剤で着けていたのですが、この接着剤は歯質と完全に結合しているわけではなのです。
毎日噛む力はすごいもので、それを支えている『歯(ここでは コア とします)』
にも力が加わります。
噛む力により、少しずつ『コア』と『歯質』は外れて(取れて)いきます。
そして歯の中で『コア』が動くことにより『歯根破折』を起こすのです。(図6)
歯は縦方向に力が加わるだけでなく、横方向にも力が加わります。
横から強い力が加わると接着剤が外れ(取れ)ることがあります。
コアが歯質から取れる(外れる)と『コア』が動きます。
その結果、『歯根破折』を起こします。

従来の金属製のコア

神経のない歯は全て割れるのか?

ただし、神経のない歯が全て割れるのではありません。
以下のような条件があると歯根破折を起こすリスクは高くなります。

  1. 残っている歯質が薄くなっている。
    何度も治療を繰り返している歯は治療のたびに削られ、歯
    (歯根)自体が薄く、ペレペラになっているため、強度が弱
    くなっています。
  2. 『コア』自体がきちんと合っていない。
    『コア』がぴったりと合っていない状態で 歯根 と接着し
    てあると噛む力で、『コア』が“ グラグラ ”と動くことがあ
    ります。『コア』が動くということは『クイ』として作用
    しているということです。
  3. 金属製の『コア』を使用している。
    先程書きましたように『たわみ(歪み)』の違う、金属と
    歯質を使用することにより、『金属性のコア』が『クイ』
    として働きます。
神経のない歯は全て割れるのか?

歯根破折しないための治療法:『ファイバーコア』

歯(歯根)が割れる原因を考えると歯根破折しないための方法が分かってきます。
つまり

  1. 歯質と同じような『たわみ(硬さ)』の素材の『コア』を
    使用する
  2. きちんと適合(合った)『コア』を使用する
  3. 歯質と取れない(外れない)ような接着剤を使用し、
    『コア』と『歯質』を一体化させる

まず1 の歯質と同じような『たわみ(硬さ)』の素材の『コア』ですが、
これがこのテーマの『ファイバーコア』です。
金属を使用せず、歯と同程度の『硬さ』と『たわみ』をもった『コア』です。
下の写真の左側が『金属性のコア』で右側が『ファイバーコア』です。

ファイバーコア

歯根破折しないための治療法:『ボンディング接着システム』

『コア』が歯の中で動くことにより『クイ』として作用します。
そのため『歯質』と『コア』を接着剤で取れないように完全に一体化させることが必要です。
『ボンディング接着システム』とは『ファイバーコア』を『歯質』と一体化させる接着システムのことです。

こうしたことにより神経のない歯を極力破折させないようにします。

まず『ファイバーコア』の硬さは歯質と近似しています。
金属とは違い、『たわみ』がある程度あります。
この『たわみ』が大切なのです。

『ボンディング接着システム』とは『ファイバーコア』を『歯質』と外れ(取れない)ようにする方法です。

治療方法としてはまず『コア』をつける根管内部に『プライマー』という薬液を塗ります。
これは歯根内部の表面がくっつきやすい状態にする方法です。
簡単に話しますと、根管内部を『プライマー』処理することにより、表面が凸凹し、接着表面積が増えると思って下さい。
次に『ボンディング』という薬液を塗ります。
『ボンディング』は先程の『プライマー』処理により起った凸凹の内部に浸透していきます。
そして強固に固まります。
その結果、『歯根内部の歯質』と『ボンディング』が一体化します。
この一体化した状態の歯質を『樹脂含浸層 (じゅしがんしんそう)』と言います。
この『樹脂含浸層 (じゅしがんしんそう)』がこのテーマである『歯根破折』しないためのキーポイントになります。

『樹脂含浸層 (じゅしがんしんそう)』ができた後に使用する接着材は
『レジン系接着剤』と言われるものです。
『レジン系接着剤』は『樹脂含浸層 (じゅしがんしんそう)』と非常に強固に結合します。
これも先程と同世に一体化するのです。
また『ファイバーコア』の表面にも『樹脂含浸層』と結合しやすい処理を行います。
この結果、1 『根管内部の歯質』と 2『樹脂含浸層』と
3『ファイバーコア』は非常に強固に一体化します。
また『ファイバーコア』は『たわみ』があります。
こうしたことを総合して『歯根破折』を防止するのです。
図8参照

ボンディング接着システム

最後に

神経のない歯は脆く通常の噛む力でも割れてしまうことがあります。
そして歯の根が割れた場合には抜歯しなければならないことがほとんどなので、
このような治療法は大変有効です。

基本的には神経を取らないことが大切ですが、虫歯の深さ等でどうしても神経を取らなければ、ならないことは現実問題としてあります。
これはしかたがないことです。
大切なのはその後の治療方法です。

少しでも歯根破折しない治療法を行うことが大切です。

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