審美歯科の革命:『ジルコニア』オールセラミッククラウン

『ジルコニア』オールセラミックスクラウンの導入!

オールセラミックス『ジルコニア』は2005年3月に、国内認可がおり、臨床で使用されてきました。
その後、多くの研究や臨床報告があり、評価は非常に高いものとなっています。そこで当医院でも十分臨床で使用することが可能であると判断し、2007年より導入致しました。
『ジルコニア』は金属をまったく使用しないで、すべてセラミックで製作することが可能な『オールセラミッククラウン』です。
オールセラミックス『ジルコニア』は従来のセラミックの弱点だった強度を完全に克服し、従来のセラミックの3倍の強度(金属と同等)、審美性、耐久性にも優れた材料です。
金属を全く使わないで、すべての歯を治療することが可能です。
この“ 全て ”というのがオールセラミックス『ジルコニア』の利点の一つです。
今までの『オールセラミックスクラウン』は1歯のみでれば、作製可能でした。
しかし、欠損をつなげる『ブリッジ』には強度の問題から適応が難しいものでした。
しかし、強度の向上(セラミックの3倍)から臨床に応用することが可能となりました。
また金属を使用しないため、審美性に非常に優れています。
審美性を求める方や金属アレルギーの方に適しています。

『ジルコニア』の特徴:破折しにくい!

今までの『オールセラミッククラウン』は経年変化により、破折する可能性があることが報告されてきました。
その理由としてセラミックの構造上の問題から経年的にわずかな破折線が生じることがあります。
このわずかな破折は『マイクロクラック』と言います。
『マイクロクラック』は始め、目に見えるような状態ではありません。
顕微鏡レベルでの破折です。
しかし、噛む力により、この『マイクロクラック』は少しずつ大きくなっていく可能性があります。
その結果、『破折』を生じます。
それに比較して、オールセラミックス『ジルコニア』は、結晶構造の特殊性により『マイクロクラック』発生時に、『ジルコニア』自体がクラックを打ち消す方向に働き、クラックの成長による破折を防止します。
強度と結晶構造の特殊性により『ジルコニア』の破折のリスクはほとんどなくなりました。

『ジルコニア』の特徴:破折しにくい!

今までの治療と比較して

歯科界において『セラミック』が登場したのは1960年代です。
特に審美性を重視する前歯部において『セラミック』は被せ物の第一選択肢として世界中で使用されてきました。
通常、この『セラミック』を私達は『金属焼付陶材冠』または『メタルボンドポーセレンクラウン』と言います。
『金属焼付陶材冠』の作製方法はまず、歯型を取って できた模型上で、金属のフレーム(枠組み)を作製します。
その後、金属のフレーム(枠組み)にセラミックを焼き付けて完成です。
しかしながら、セラミックスの強度、製作の困難さ、適合性等の課題もあり、金属並みの強度を持ちながら、強度のある新しい材料の開発が期待されていました。
オールセラミックス『ジルコニア』は今までのセラミックとは比較にならない強度を持っています。
また審美性にも優れています。
これは金属を使用しないため、光の透過性があるからです。
また従来のセラミックである『金属焼付陶材冠』はフレーム(枠組み)に金属を使用しているため、歯肉が退縮(下がると)すると境目に金属色が見えてくることがあります。
これが審美性に問題を生じていました。
そのためオールセラミックス『ジルコニア』これからの被せ物の主流となっていくでしょう。
オールセラミックス『ジルコニア』の費用は天然歯の場合で、1歯:99,750円(消費税込)でインプラントの場合、1歯:157,500円(消費税込)になります。
※ 上記は2007年の価格であり、変更になる可能性があります。
その場合にはHP上で改正価格を公開致します。

まとめ

患者様の審美に対する要望は年々増しています。
2000年頃にはほとんど無かった歯を白くする『ホワイトニング』、『漂白』、『ブリーチング』という治療法も今では多くの歯科医院で行われています。
またインターネットや雑誌等の広告ではこうした歯を白くする方法を数多く見ることができます。
テレビのコマーシャルでも、『歯を白くする歯磨き粉』を宣伝しています。
歯が白いというのは一般的なことになってきていますね。

また被せ物の治療を行う際、患者様と一緒に『色』を決めるのですが、明らかに以前より『白い歯』を希望される方が多くなってきています。
通常は周囲の歯と同じ色を選択するのですが、最近は周囲の歯を白くしてからその色に合わせて被せ物も白くしたい という方が増えてきています。
『ジルコニア』は審美性の面でも優れた材料です。 またオールセラミックの最大の特徴として金属をまったく使用しないことです。
これは先に書きましたように今までのセラミックは金属の枠組み(フレーム)の上にセラミックを盛りたしで作製していたためです。
この金属が審美性を阻害しているだけでなく、『金属アレブギー』を引き起こしています。
『金属アレルギー』もここ10年程度でずいぶん増えてきたと思います。
歯が部分的に欠損している場合の治療方法としてインプラント以外にはブリッジという治療法があります。
これは欠損している両隣の歯を削除し、橋渡しをした連結した歯を被せるというものです。
こうしたブリッジの場合には、今まで 金属をまったく使用しないオールセラミックでの治療は困難とされてきました。
それは ブリッジは欠損部分を両サイドの歯で支えているため、金属のフレームで補強する必要性があったからです。
今までも、オールセラミックのブリッジはありましたが、その結果は十分満足できるものではありませんでした。
破折したりすることが時々あったのです。
そのため、セラミックによるブリッジは一般的には金属のフレーム上に作製する方法をとっていました。
そのため、金属アレルギーの患者様にとっては部分欠損の治療方法としてブリッジを選択することがあまりできなかったのです。
『ジルコニア』は今までにはない強度を持っているので、金属なしで、奥歯のブリッジにも十分耐えることが可能になっています。
『ジルコニア』は金属フリーであり、審美性と強度を兼ね備えた新しい素材です。
これからは従来のセラミック治療に変わる新しい治療となるでしょう!

最後に『ジルコニア』の特徴を列挙します。

  • 従来のオールセラミックスでは使用できなかった、奥歯のブリッジに使用可能
  • 従来のメタルセラミックスクラウン(金属フレーム付)よりも透明度があり、より天然の歯に近い仕上がりが可能
  • 金属を使用しないため金属イオンの溶出による歯肉の黒ずみを起こさない。
  • 個人に合わせた細かな色調を出す事が出来る。
  • 長期間の使用でも変色がない。
  • 歯垢(歯石)が付着しにくいため、歯周病の患者様には適しています。
  • 歯みがきでは艶が無くなることがなく、磨耗することもない。

欠点としては
いくら強度があると言っても、『噛み合わせが強い人』や『歯ぎしり』、『くいしばり』がある方はかけたりする可能性があります。
実際にオールセラミック『ジルコニア』が適しているかは担当歯科医師にお尋ね下さい。

ジルコニア症例

今後症例は追加していきます。 『ジルコニア』オールセラミック・クラウン症例

治療前 治療後

ジルコニア作製のためのCAD/CAM

ジルコニアを作製するためのコンピューターによる自動作製器をCAD/CAMと言います。
ジルコニアの作製方法等の詳細についてもっと知りたい方は以下をご覧下さい。 CAD/CAM:(コンピューターによるインプラント補綴自動作製器械)