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大船駅北口歯科

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インプラントの大船駅北口歯科>インプラントの基礎知識>● サイナスリフト(上顎洞底挙上術)について:その2

インプラントの基礎知識

● サイナスリフト(上顎洞底挙上術)について:その2
『移植材料』
以下この話は サイナスリフト(上顎洞底挙上術)について:その1を御覧になってから見て下さい。
人工で作られた骨には多数の材料があります。これらは生体内でアレルギー反応等の問題を起こすことがないため安全性があります。しかし、基本的には生体の骨とは構造が違うためそれ単体では骨にはなりません。ご自身の自家骨と混ぜて使用することになります。
そして次は他の生物から得られた骨です。これには同じ人間ですが、他人の骨のことです。アメリカを中心として使用されていますが、日本では認可がおりていないため使用はできません。また日本では他人の骨というと多くの患者さんは拒絶されます。そうした理由から日本では認可がおりてもなかなか使用は難しいかと思います。人間以外の動物から得られた骨を使用するという方法もあります。
動物?と聞くと嫌な感じがするかもしれませんが、同じ骨です。免疫反応が起らない処理をすればまったく問題がありません。
しかし、狂牛病(BSE)で有名になったように実際には問題がなくても『牛の骨を使用します』と言ったら現在希望する人はいるでしょうか?
医療の分野においては牛やブタの骨を使用した材料は古くから多く存在します。もちろんその安全性は高く、効果も実正されています。しかし、患者さんが希望しないかぎり勝手に使用はできません。
そのため当医院では自家骨をまず第一に考え、自家骨では足らない場合には人工の骨を使用します。(人工の骨は安全性という点では優れていますが骨の再生能力は低いものです。そのため自家骨と混ぜて使用します。
『β―TCP』:1
人工の骨の一つとして『β―TCP』と言われるもがあります。
それでは『β―TCP』の話をしたいと思います。
ここからが非常に難しい話になります。
他のHPではまず記載していないような内容ですので、御興味のある方は是非御覧になって下さい。
『TCP』の正式名称は『リン酸三カルシウム:Tricalcium phosphate』と言い、その組成はCa3(PO4)2で骨材料として使用されるものとしては2種類の変態があります。
変態というのは組成が同じで結晶構造の異なる物質のことです。
その一つがβ型であり、今回のテーマである『β-TCP』になります。
『β-TCP』は歯科の臨床上小さな顆粒状態で使用されます。使用する用途により異なりますが、大きさはコマ粒より小さいものです。
『β-TCP』自体が骨になるわけではありません。
『β-TCP』が生体内に移植された後、周囲の骨の細胞(御自身の生体内で生きている骨の細胞です)が『β-TCP』に入り込み次第に骨に置き換わっていきます。
『β-TCP』はその時吸収を起こします。
『β-TCP』が少しずつ吸収し、骨に置き換わる過程を専門用語で『リモデリング』と言います。
しかしどのような条件でも骨に置き換わるわけではありません。
御自身の骨の細胞が生きていけるような状態でないといけません。
例えばコップの中に血液を満たしたとします。
骨の細胞はそのコップの中で生きることはできますが、コップの外に出ることはできませんし、コップの外で生きることはできません。
生体内でも同じようなことが起きます。
血液が充満しているような状況(血流の良い状況)では骨の細胞もいきいきしており、その結果、移植骨である『β-TCP』も骨に置き換わりやすいという環境になります。
『β―TCP』:2
ちょっと話はサイナスリフトからそれ、骨増大術(GBR法)についての話になります。
GBR法でもこの『β-TCP』を使用することがあります。
その場合、単に骨の表面に単に移植材『β-TCP』を置いても骨にはなりにくいため、骨表面からわざと出血を起こしやすいようにします。
出血を起こすと移植した『β-TCP』は血液に被われることになります。
血液の中には骨の増殖を促す細胞が含まれています。
このようにわざと骨表面から出血を起こすことを『ディコルチケーション』と言います。
また移植した『β-TCP』が動かないようにすることも大切です。

かなり難しい話になってきましたね。
でも全て見終わったらかなりの上顎洞底挙上術(サイナスリフト)
の『ツウ』になります。
また今後、上顎洞底挙上術(サイナスリフト)を予定している方にはこの後も是非見ていただきたいと思います。
『β―TCP』:3
またGBR法の話になります。
GBR法を行う時、骨が吸収したところに骨を増大(再生)させるために自家骨と『β-TCP』を吸収した骨の上におきます。そして歯肉を閉じると『β-TCP』は骨と歯肉の間に挟まれることになります。
この状態では十分に骨が再生されません。
それは骨の治りのスピードと歯肉の治りのスピードの違いに関係があります。
例えば腕を骨折したとします。骨折の状態によっても違いますが、ギブスをし、骨がくっつくまで数カ月は安静にします。つまり骨が治るのには時間がかかるということです。
それに反し、皮膚や口腔内の粘膜は治りが早いのです。
例えば指を切ったとします。身体に異常がなければ傷口が数カ月もくっつかないということはありません。通常数日もすれば傷口は閉鎖します。
つまり粘膜は治りが早いのです。
これは外来にさらされている粘膜(皮膚)が損傷(傷)を受けた時、外からばい菌の侵入をできるかぎり早く防ぐために治りを早くする生体の防御機構です。
傷口が治るのが何ヶ月もかかっていたのでは大変です。
『β-TCP』は身体にとっては基本的に異物ですので骨に置き換わる前に成長の早い粘膜が『β-TCP』を取り囲んでしまうのです。
単に『β-TCP』を骨面に置いただけでは骨にはなりにくく、実際に『β-TCP』は治りの早い粘膜に被われてしまうのです。
そのために『β-TCP』の上に歯肉が侵入してくるのを防ぐ、シート状の膜を置きます。
この膜は骨ができるまで維持されます。
この膜をGBR膜(GTR膜)と言います。
ようやく半分ちょっとです。
もう少しがんばって見て下さい。
『GBR膜』
GBR法(骨増大法)の詳細についてはインプラントの専門知識を参考にして下さい。
GBR膜は重要な役割をします。
膜の種類は大きく分けて2種類あります。
一つは吸収する膜:Tiuuse GuideTM メンブレン(いくつか種類がありますが当医院で使用している膜の商品名です)で、
もう一つは吸収しない膜: e-PTFE膜(GORE-TEXメンブレンという膜を使用しています)です。
Tiuuse GuideTM メンブレンはコラーゲンからできており、吸収するため後から取り出す必要性がないので治療の回数が少なくなります。しかし、この膜には適応症が限られており、強度の問題等から大幅に骨を再生させることはできません。
GORE-TEXメンブレンは吸収しないため後から取り出す必要性がありますが、GBR 法の多くはこの膜を使用します。 GORE-TEXメンブレンは1969年に開発されたもので、歯科領域以外でも、人工血管や人工硬膜、縫合糸等で400万症例に使用されており、医療分野において非常に高い評価を得ている材料です。
どちらの膜を使用するかは適応症があり、その状態によって異なります。
サイナスリフト法においても移植した部分にGBR膜を併用します。
骨を取り除いた穴の部分です。
移植材が骨になるまでの時間
ここでGBR法からサイナスリフト法に戻ります。
上顎洞に入れた移植材(この場合はβ-TCPではなく自家骨とします)が骨に置き換わるまでの時間についてお話します。
移植した骨が御自身の骨と完全に置き換わるまでにはかなりの期間がかかります。
移植した条件にもよりますが、約4〜6ヶ月です。場合によりもっと時間がかかることもあります。
その後にインプラントを埋入し、さらにインプラントと骨が結合するまで3ヶ月以上かかります。
ですから被せ物を行い、噛めるまでにはどんなに早くても7〜8ヶ月はかかります。
ここでサイナスリフト法を行う時の基準を再度お話します。
一般的に上顎の奥歯で骨の高さが5mm以下の場合により行います。
サイナスリフトを行わないと5mm以下では安定したインプラントが埋入できないからです。
現在は4〜5mm程度であればソケットリフト法(HPインプラントの特殊な治療を参照)を行えば長さ8mm程度のインプラントが埋入できるケースもありますが、上顎の場合より長いインプラントを埋入した方が安全です。
上顎の奥歯は他の部位と比較してインプラントの成功率が最も低い場所なのです。
先程お話したソケットリフト法は治療自体は簡単なもので骨の大幅な移植は伴いません。
また治療期間も通常のインプラントとさほど変わりません。
5mm程度の骨の高さであればインプラント埋入と同時に8mm程度の長さのインプラントまでは埋入できる非常に楽な治療法です。
そのため近年では上顎の奥歯に骨の高さが少ない場合に非常に多用されている治療法です。
ただし、より長いインプラントを埋入する必要性がある場合にはサイナスリフト法しかありません。
時間がかかる治療法ですが、骨の高さがない場合にはしかたがないことです。
この続きは サイナスリフト(上顎洞底挙上術)について:その3(最終章)をご覧になって下さい。

サイナスリフト法については こちらを御覧下さい。

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