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インプラントの大船駅北口歯科>インプラントの基礎知識>● インプラント治療に使用する人工骨(β-TCP )の話

インプラントの基礎知識

● インプラント治療に使用する人工骨(β-TCP )の話
人工骨(β-TCP )の話の前に
この項目は『人工骨』の話ですが、『人工骨』以外の話はインプラントにおける難症例の話: その1 その2 その3をご覧になっていただくと非常にわかりやすくなります。ものすごくマニアックな話ですが、読んでいただくとかなりな『歯科オタク』になれます。
上記の項目では『自家骨』や『異種骨』、『他家骨』について書いてあります。
簡単にお話しますと『異種骨』は動物の骨のことで『他家骨』は他の人間の骨のことです。
通常は患者様ご自身の骨(自家骨)を使用することになるのですが、自家骨を採取するのは困難な場合があります。そのため『異種骨』、『他家骨』、『人工骨』を使用するのです。
自家骨はどこから採取する?
自家骨とは患者さんご自身の骨のことです。
どこからこの骨を採取(取ってくる)かということになります。
通常、自家骨はインプラントや 『GBR法』を行う(麻酔をする)部位の周辺から採取します。
同じ部位であれば麻酔も新たにしなくてよいですし、患者さんにもさほど苦痛はありません。
しかし、インプラント(GBR法)と同じ部位から骨を採取できる量には限界があります。
また同じ部位から採取できないこともあります。
そのためインプラント埋入部やGBR法の手術部位以外から骨を採取することが必要になってきます。
そうなるとまた新たに骨を採取するための場所に麻酔を行う必要性があります。
それは患者さんにとって苦痛なことであるり、治療も大変になり、腫れもひどくなります。
そのため、自家骨以外の骨を使用することも治療の選択肢になります。
話は戻りますが…
インプラント治療において骨が不足している場合、そのままでインプラントを行うことはできないため、骨の増大治療『GBR法』が必要になります。
その時に使用するのが『骨移植材』です。
『骨移植材』の中には『人工骨』や『自家骨』、『異種骨』、『他家骨』があるのです。
『人工骨』の分類…まず『ハイドロキシアパタイト』について
人工骨には大きく分けて以下の種類があります。
1. ハイドロキシアパタイト
2. リン酸三カルシウム(TCP)
3. 硫酸カルシウム
4. 炭酸カルシウム
5. 生体活性ガラス
です。
化学の授業みたいで疲れますね。
もちろん名前を覚えることはありません。
『こんなものが使われている』と思っていただければいいと思います。
『ハイドロキシアパタイト』は人工の骨移植材(骨補填材)として歯科の中で最も普及している材料の一つです。
あまり難しいとなんなので、簡単にその性状をお話します。
『ハイドロキシアパタイト』は無機質でできているもので、骨の基本的な構成成分です。
良い点はとも悪い点とも言えるのが生体内で吸収しないということです。
吸収しないということは移植しても『ハイドロキシアパタイト』自体は骨にはならないということです。
移植した場所に単に存在するだけのものです。
本来インプラントとして望まれる骨移植材(骨補填材)は一定期間その形態を維持し、その後骨に置き換わることです。
つまり骨が新生(再生)するのには時間がかかります。
あまり早期に吸収してしまうと骨はできないからです。
先程『ハイドロキシアパタイト』は吸収しないと書きましたが、それでは骨にならないから意味はないということになります。
しかし、吸収しないという点は良いことにもつながります。
この利点については後で説明します。
『リン酸三カルシウム(TCP)』について
『リン酸三カルシウム(TCP)』の正式名称は『Tricalcium phosphate』と言い、その組成はCa3(PO4)2で骨材料として使用されるものとしては2種類の変態があります。
変態というのは組成が同じで結晶構造の異なる物質のことです。
その一つがβ型であり、今回のテーマである『β-TCP』になります。
もとはカルシウムのリン酸塩の粉末を加圧下、1000〜
1300℃で焼成されたものです。
『β-TCP』は歯科の臨床上小さな顆粒状態で使用されます。使用する用途により異なりますが、大きさはコマ粒より小さいものです。
『β-TCP』自体が骨になるわけではありません。
『β-TCP』が生体内に移植された後、周囲の骨の細胞(御自身の生体内で生きている骨の細胞です)が『β-TCP』に入り込み次第に骨に置き換わっていきます。
『β-TCP』はその時吸収を起こします。
『β-TCP』が少しずつ吸収し、骨に置き換わる過程を専門用語で
『リモデリング』と言います。
しかしどのような条件でも骨に置き換わるわけではありません。
『β-TCP』が骨になるまで
『β-TCP』が骨になるためには御自身の骨の細胞が生きていけるような状態でないといけません。
難しい言い方ですので簡単にお話します。
例えばコップの中に血液を満たしたとします。
骨の細胞はそのコップの中で生きることはできますが、コップの外に出ることはできませんし、コップの外で生きることはできません。
生体内でも同じようなことが起きます。
血液が充満しているような状況(血流の良い状況)では骨の細胞もいきいきしており、その結果、移植骨である『β-TCP』も骨に置き換わりやすいという環境になります。
骨の表面に単に移植材『β-TCP』を置いても骨にはなりにくいため、骨表面からわざと出血を起こしやすいようにします。
出血を起こすと移植した『β-TCP』は血液に被われることになります。
血液の中には骨の増殖を促す細胞が含まれています。
このようにわざと骨表面から出血を起こすことを『ディコルチケーション』と言います。
『β-TCP』の吸収することが良い点です。
しかし欠点として早く吸収しすぎてしまうと骨にはならないということです。
実際の臨床では『自家骨』と『β-TCP』をミックスして使用します。
これを『コンポジット移植材』と言います。
この話はGBR法で使用する:『コンポジット移植材』: その1 その2をご覧下さい。


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