アンキロス・インプラント

はじめに

アンキロス インプラントは、1985年Prof.G.H.Nentwig(フランクフルト大学)とDr.W.Moser(工学博士・チューリッヒ大学)らにより、インプラント周囲の骨吸収を抑え、長期的な成功を収めることを目的に開発されたドイツ製のインプラントです。
そして、このインプラントシステムの最大の特徴が、後で解説する『プラット ホーム スイッチング』なのです。
インプラントの歴史は、ストローマンインプラントやブロネマルクインプラントと比較すると浅く、 世界シェアーとしても、ストローマンインプラントと比較すると大きくはありませんが、その信頼性の高さからそのシェアーは急速に拡大されてきています。
今後は、世界のトップシェアとなるでしょう。
以下に挙げるのが、アンキロスインプラントの特徴です。

その1:審美性が高い プラット ホーム スイッチング

これが、このインプラントの大きな特徴と言ってもいいでしょう。
今までのインプラントシステムの欠点を大きく改善させた新しいシステムです。
この詳細については、下記参考リンク「プラットホーム・スイッチング:platform switching」をご覧下さい。

プラットホームスイッチング

その2:骨との結合期間が短い

インプラントは、骨の中に" ネジ "を埋込む治療です。
そして、インプラントと骨が結合(くっつく)まで一定の期間 待たなければなりません。
インプラントが開発された1950年当時は、約6ヶ月間じっと待つ必要性がありました。
その後、1999年にストローマン インプラント(I T I インプラント)は、SLAサーフェイスという特殊な表面性状をしたインプラントを開発しました。
これにより、インプラントの治癒期間は劇的に短縮されました。
最短で6週間と非常に短くなりました。
現在世界で最も骨と結合する期間が短いインプラントと言えます。
アンキロス インプラントもそれと同程度の期間で骨と結合が可能になっています。

骨との結合期間が短い

その3:使用材料

アンキロス インプラントの材質は、全て純チタンです。
チタンは、生体親和性を有し、生体組織内で合併症を起こさず、アレルギー反応も報告されていません。 チタンは、耐食性に優れ、工業界から医療材料まで幅広く使用されています。医療業界においては、インプラント以外にも、骨折した際に骨と骨をつなぎとめる プレートやスクリューにも使用されています。
最も安全性の高い素材です。

その4:親会社が世界1の歯科会社!

インプラントのメーカーを選択する上で、会社の大きさ(世界シェア)は大きな要因です。
つまり、インプラントの会社がつぶれてしまった場合、インプラント治療に必要な材料、器具の調達ができなくなってしまいます。
そのため、コスト(価格)が安いからといって、あまりにも聞いたことがないマイナーな会社のインプラントを使用するのに躊躇します。
そのため、世界シェアの高いインプラントメーカーに人気が集中しています。(もちろんインプラント製品の信頼性が一番ですが)
2009年現在、アンキロス インプラントは、世界シェアとしては、トップグループではありませんが、バックとなるその親会社は、非常に大きなもので、 歯科業界世界ナンバー1の会社です。
製品の質の高さも優れていますが、こうした点も信頼性を得た要因になっています。
世界3大インプラントについては、下記参考リンク「どこのメーカーのインプラントが良いのか? ―世界3大インプラント―」をクご覧下さい。

※ 上記は、2009年のデータをもとにして作製した情報です。