歯周病Q&A

歯周病に関してわからないこと、質問等ありましたらメールにて受け付けています。

Q. 歯周病ってなんですか?

A.
歯周病は非常に毒性の強い歯周病菌の感染によって起こる歯肉や骨の破壊です。
歯周病については歯周病のページを全体的に読んでください。

Q. 歯周病と口臭は関係があるの?

A.
まず歯肉の炎症は歯周病菌や歯石の存在によって起こります。
この炎症というのは身体にとって敵である歯周病菌と戦うために血液(白血球)が集まってきた状態です。そして白血球と歯周病菌は戦うのです。
その結果、歯周病菌の残骸や、白血球、細胞の残骸が残ります。こうしたものが入り混じった物が膿(うみ)なのですこの膿は独特の生臭いにおいを発します。きちんと歯石や歯周病菌を除去しないかぎり口臭はおさまりません。
また唾液の分泌が少ない時にはさらに口臭は悪化します(口臭のページを参考にしてください)。

Q. どうして歯周病になってしまうのですか?

A.
歯周病の原因はいくつもあります。
まず、歯周病菌が存在することです通常口腔内には正常であっても菌は存在します。しかし、歯周病、特に重度の歯周病の人には正常な人にはいない歯周病菌が存在します。この特殊な歯周病菌は歯周ポケットの中に生息しているのです。歯周病菌の測定検査が必要です。
次に噛み合わせによるものです。これは噛んだりする時に特定の歯に負担がかかるような噛み合わせをもっている場合です。噛み合わせが悪いことは自覚がないことが多いので注意が必要です。歯ならびが悪かったり(凸凹している、前歯が咬まない等)、既に歯が欠損していてそのままになっている場合は要注意です。
次に生活習慣と全身疾患です。不適切な食生活や喫煙は歯周病を悪化させる原因です。
また糖尿病なども歯周病を悪化させる原因です(詳細はそれぞれのページを参考しにしてください)。

Q. 歯周ポケットってなんですか?

A.
歯と歯肉の間にある溝のことです。 健康な場合、硬い歯と柔らかい歯肉は繊維でくっついていますが、そこにはわずかな溝(健康な状態でも1~2mm程度存在します)があります。この溝(歯周ポケット)にプラーク(歯石や歯周病菌の塊)が入り込むと歯肉の繊維を破壊し、溝(歯周ポケット)は自然には二度と戻りません。できるだけ早い段階でこの溝を浅くする治療を行わないと歯周病の進行は止まりません。

Q. 歯周病と歯槽膿漏(しそうのうろう)は違うのですか?

A.
同じです。専門的には歯周病といいますが、一般的に歯槽膿漏(しそうのうろう)ともいわれています。

Q. 時々歯肉から出血がありますが、歯周病でしょうか?

A.
出血があるということは炎症があるということです。歯周病の症状です。
診察を受けたほうが良いでしょう。
しかし、出血がないからといって歯周病ではないとはいえません。
タバコを吸う方は重度の歯周病であっても出血が認められないので注意が必要です(喫煙と歯周病のページを参考にしてください)。

Q. 歯がぐらぐらします。歯周病でしょうか?

A. 歯がぐらぐらするというのは歯を支えている骨が吸収(歯周病によって歯を支えている骨は溶けるのです)している証拠です。この段階はすでに歯周病がかなり進行している証拠です。直ちに検査を受けましょう。

Q. 歯周病は治るの?

A.
適切な治療と患者さんの自己管理(徹底した歯ブラシ、適切な食生活、禁煙等)がなされれば治ります。しかし、一度うしなってしまった骨を回復させるのは非常に困難です(骨の再生治療については 骨再生治療のページ参照)
歯周病は日々進行していくのです。早期に治療を行えば、治療期間も短くすみ、また多くの歯を残す可能性が高まるのです。

Q. 歯ブラシが重要って聞くけどそんなに重要なの?

A.
先にも述べましたが、歯周病の最大原因は歯周病菌です。この菌は食物などの汚れの中に潜んでいます。いくら歯周病の治療を行っても歯ブラシがきちんとできていないと絶対に治りません。重度の歯周病の人は歯ブラシをするか入れ歯をするかどちらを選択するかということです。

Q. 親が歯周病(もしくは入れ歯)ですが、私もそうなるのですか?

A.
歯周病の遺伝については完全には解明されてませんが、両親が歯周病もしくは入れ歯の場合、子供もなる可能性が高いので早期の診査、治療が必要です。

Q. 歯ブラシ以外に注意することはありますか?

A.
あります。 まず、食生活です。口腔内も全身の一部です。バランスのよい食事は全ての基本です。例えば、糖質の1日の摂取量は20gとされています。缶コーヒー1本には糖質25gが含まれていますよ。
次に適度な運動、睡眠も非常に大切です。
そして歯周病にとって最も危険なのはタバコです。
歯周病を治したければ絶対に禁煙してください(喫煙と歯周病 のページ参照)。

Q. 歯を抜かれるのが嫌なのですが、自然に抜けるまで待ってもいいですか?

A.
ぐらぐらの歯を抜くのが嫌だといって抜かないとそれが感染原因となって周囲の歯にも感染します。本当に自然に抜け落ちるまで待ったら、周囲の歯も必ずだめになります。
その時にはあごの骨も吸収してしまい、入れ歯となっても合わなくなります。
骨が吸収してしまった場合はどのような治療もうまくいきません。
歯もなく、入れ歯も合わず、食事もできないようになることでしょう。
早期の治療を行い、保存可能な歯とそうでない歯をきちんと区別することは今後のためにも非常に大切なことです。ぐらぐらする歯を固定すれば確かに治ったような感じはします。しかし、それは後になって必ず問題がでます。きちんと治療を行ってから固定するのとは違います。