細菌の繁殖の仕方

細菌の繁殖の仕方と歯周病測定検査

粘膜や歯に付着できるような細菌が繁殖

歯周病繁殖の仕方 写真1

健康な状態であっても唇や舌、口腔内の粘膜には必ず細菌が付着していますし、口腔外からは常に新しい感染は起こります。そうした細菌のうち粘膜や歯に付着できるような細菌が始めに繁殖します。虫歯の原因菌といわれるミュータンス菌は 歯の表面に糊(のり)状のネバネバした不溶性グルカンという物質を出して歯の表面に付着します。その糊を足場にして細菌が増殖します。これが歯の表面に見える白くネバネバしたプラーク(歯垢)です。プラーク(歯垢)とは細菌の塊なのです。この状態は“歯肉炎”といわれます。
グラム陽性菌という菌が多く認められます。
歯の表面や歯肉についたプラークを除去することいより炎症は自然に消退します。

プラークがポケット内に侵入し、歯周病へ

歯周病繁殖の仕方 写真2

歯と歯肉のつなぎ目のことをポケットといいます。 このポケットは非常に弱いつなぎ目であり、ポケットとの周囲の細胞からは外的の侵入を防ぐために常に体液が侵出しています。細菌の塊であるプラークがポケット内に侵入してくると細菌と戦うためにポケット内の細胞から白血球が出てきます。これが炎症の始まりです。
この時点で細菌はポケット内部で生存しやすいグラム陰性菌へと主役を変えます。グラム陰性菌は毒素を出しながらポケットのつなぎ目を破壊し深部へと進行していきます。この状態は“歯周病”といわれます。この状態になると歯ブラシだけでは炎症は改善しません。

重度の歯周病へ

歯周病繁殖の仕方 写真3

細菌がさらに深部に進行すると炎症はさらに悪化し、歯周ポケットは深くなり、骨の吸収が始まります。
この時点で“歯肉炎”の時の菌とは全く別の菌で、動いて活動し組織を破壊する酵素を出す菌が繁殖します。
ここまで進行すると腫れ、出血がひどくなり、歯もぐらぐらしてきます。歯周病菌測定検査(ペリオチェック)を行うと非常に多くの菌の存在を確認することができます。
細菌の除去を行わないと破壊はどんどん進行します。
歯周外科処置やGTR法、エムドゲイン法(歯周病の治療の項参照)が必要になってきます。これは“重度の歯周病”です。 歯周病の治療