喫煙者は歯周病が治らない!

喫煙の害

喫煙と歯周病の関係は、歯周病の学会において数多く報告されています。
ある報告によると、喫煙者は、非喫煙者と比較して、歯周病の進行は 6倍以上も早いという結果もあります。
この項では、そうしたデータを中心に歯周病とタバコの害を中心に 全身的な問題も加えて解説します。
自分自身でタバコを吸う人だけでなく、周囲(家族、会社など)で喫煙環境がある全ての人に見ていただきたいと思います。
本当に歯周病を治したい人(もちろん全身的な健康も含めて)は、これを機会に禁煙してみて下さい。

1本のタバコが自分自身の寿命を短くするだけでなく、大切な家族の健康をも短くしてしまいます。
タバコで人生をダメにしてもいいのですか?
強い意志があれば禁煙は必ずできます。

事実私も喫煙していましたが、禁煙しました。
現在、先進国では喫煙率はどんどん減少してきています。
日本においても喫煙率は徐々に低下しつつありますが、15歳以上の喫煙人口は約3,363万人に上り、約1,800万人が"タバコ依存症"と推定されています。また、成人の喫煙率は男性が52.8%、女性が13.4%と、文明国に於いて極めて高い率となっています。
特に女性の20~30歳代の喫煙率が徐々に増加し、20歳代では23%にもなっています。(データ「喫煙と健康に関する実体調査」 1999 厚生省 より)
以下は『喫煙者』のガン危険指数の表です。

『喫煙者』のガン危険指数

(非喫煙者の死亡を1とした場合、毎日喫煙している男性の死亡危険率)
喫煙が人体に影響を及ぼすことは既に多くの研究により明らかになっています。特に口腔がんの危険度は非常に高くなっています。

喫煙による家族への影響

1. 家族に喫煙者がいると子供の歯肉が黒くなる確率は高くなる!

北海道の小学校での調査によると、親に喫煙習慣があると79%の子供に歯肉の黒い着色が認められました。
清水央雄 1998より

『喫煙者』のガン危険指数

2. 胎児に与える影響

通常、血液中に存在するヘモグロビンは、肺より取り込まれた酸素と結合して体中の組織に酸素を運搬しています。
しかし、喫煙することにより煙の中に存在する一酸化炭素がこのヘモグロビンと結合してしまい、酸素を胎児に運搬するのを阻害してしまいます。
更に ニコチンの血管収縮作用のために 血流量が減少し、栄養の運搬も阻害します。
また、母親が喫煙していなくても、周囲に喫煙者がいればこのような危険度は増加します。

3. 母親の喫煙による早産児と低体重児の発生率

喫煙本数が増える程、胎児のリスクが高くなることが分かると思います。
鈴木雅州 1980 より

母親の喫煙による早産児と低体重児の発生率

4. 夫が喫煙している場合の妻の肺ガン死亡率

特に主流煙(フィルターを通して吸う煙)よりも有害物質が多く含まれている副流煙(タバコの火がついた部分から出る煙)を吸う可能性があります。
こうした、実際には喫煙していない人が煙りを吸うことを受動喫煙といいます。
妻が全く喫煙していなくても、夫が1日20本以上喫煙していれば、肺がんで死亡する確率は2倍になります。
喫煙は家族にも影響するのです。
平山 雄 1981 より

夫が喫煙している場合の妻の肺ガン死亡率