喫煙はこんなに身体に悪い!

はじめに

この項では、喫煙による全身的な問題点について解説します。 なぜ 歯周病がテーマであるこのホームページで 禁煙の話をするのかと言いますと、喫煙と歯周病は非常に大きな関係があるのです。
それは、喫煙による煙は、当然のことながら、直接口腔内に触れます。
そのため、タバコの『ニコチン』や『タール』、『発ガン性物質』…等も直接 口腔の粘膜に触れることになります。
また、ご存知のように喫煙は、肺ガンを代表とする全身的な問題を引き起こします。
歯周病は、生活習慣病ですので、身体に問題が生じれば、歯周病も悪化してしまいます。
現在喫煙している方になんとか禁煙していただきたいと思いこのページを作製しました。
以下は、喫煙と全身疾患についてです。

200種類の発癌物質

タバコに含まれる有害物質には、ベンツピレン、ダイオキシン などさまざまありますが、なかでもタバコの熱でニコチンから作られるニトソアミンというニトロソ化合物の一種(とくにNKKと略称されるもの)がさらに代謝され極めて強力な発癌物質となって、発癌の直接原因となります。
肺から入って 肺癌の原因になるだけでなく、食道癌、膵癌、膀胱癌などほとんど全身の癌の原因となります。
ベンツピレンは 肝臓で代謝されると活性化し、ベンツピレンジオールエポキシドという究極の発癌物質に変わります。

慢性気管支炎

長期間の喫煙によって、タバコのタールは気管支の細い部分に沈着し、異物をかき出す繊毛運動を低下させます。
煙の 反復刺激によって粘液が過剰に分泌しているのに、それがいつまでも気管支内に停滞し続けます。
やがて、刺激と粘液貯留が一定のレベルを超えると、自覚症状が発現し、痰を伴う咳が長期間出続ける慢性気管支炎に移行し、進行すると肺組織が破綻し、肺気腫を起こすため、それが命とりになります。

肺気腫

肺胞の壁が破壊されて、肺胞が大きく膨らんだままで弾力を失い、呼吸困難を起こします。
安静時にも酸素欠乏をきたし、酸素ボンベが手放せなくなります。

気管支喘息

気管支は、吸入された空気に反応する防御機構があり有害物質がくると気管支は狭窄し、管の内側から粘液を分泌し、有害物質を排除しようとします。
喘息はこの防御機能が過剰に起こって、発作性の呼吸困難を起こす病気です。年間7000人以上が喘息のために死亡しています。

不整脈・高血圧

ニコチンは心臓の興奮性を高め、喫煙による一酸化炭素の吸入もこれに拍車をかけます。
喫煙は 不整脈を誘発します。
また、喫煙により心臓の興奮性が高まり、心臓の血液を送り出す圧力が高くなります。
ところがニコチンには血管を異常に収縮させる効果がありますから、血流が悪く狭いところを血液が無理に通ろうとするために、血圧が上昇します。
喫煙は動脈効果を進行させ、心筋梗塞、脳卒中、大動脈瘤、高血圧腎症などの合併症を引き起こします。

高コレステロール血症・動脈硬化

ニコチンは、悪玉コレステロールであるLDLを変性させ、動脈の壁に浸透しやすくさせ、一酸化炭素は善玉コレステロールであるHDLを減らします。
喫煙による血管の異常収縮と血圧の変化は血管の内壁ダメージを与えます。
ダメージを追った血管壁は、LDLコレステロールを取りこみやすくなり、動脈硬化の病巣を誘発します。

糖尿病

常習喫煙者では、糖尿病の治療をしても血糖のコントロールがうまくいきません。
また、喫煙は 糖尿病からくる合併症の起こる確率を大幅に増大させます。
血糖値の高い状態が続くと、タンパク質、脂肪を含めて代謝のバランスがくずれ、全身の動脈に動脈硬化性の閉塞が起こります。
その状態で喫煙すると 血管が収縮し、数十分その状態が続くので、糖尿病の人には大変危険です。
糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、心筋梗塞、脳卒中、下肢の閉塞性動脈硬化症を誘発します。
また、糖尿病と喫煙はともに免疫力を低下させ、各種感染症を引き起こし、癌細胞の成長を促します。

狭心症・心筋梗塞・ニコチンの心臓毒性

ニコチンは、冠状動脈を収縮させ、コレステロールの血管沈着を促進させ血液を固まりやすくします。
また、ニコチンにより心臓は興奮し、喫煙により摂取される一酸化炭素には赤血球の酸素運搬能力を破壊する作用があります。
つまり、心臓は酸素欠乏状態を強いられて、狭心症や心筋梗塞の発作や悪化を誘発します。