歯周病細菌測定検査

歯周病の原因の項目で一番始めに記載してあるのが歯周病菌です。

歯周病の原因の項目で一番始めに記載してあるのが歯周病菌です。もし歯周病菌がいなければ歯周病は進行にないといっても良いでしょう。(歯周病を悪化させる原因は『どこから感染するの?』の項目に記載しています。) 歯周病菌はどこから感染するの?

口腔内には問題がなくても歯周病菌はだれにでも必ずいるのです。

しかし、口腔内には問題がなくても歯周病菌はだれにでも必ずいるのです。例えば手が汚れているのが気になり1日何十回も手を洗う人がいるとします。石鹸等で手を洗うと手の表面の菌はなくなるように感じますが、実際には手の表面からは菌はなくなりません。良く手を洗う人と、洗わない人では手のひらの菌数は、たいして違わないといわれています。(だからといって手を洗わなくっても良いということではありません。)これは手のひらには汗腺という汗が出る穴があり、ここには表皮ブドウ球菌がすみついており、手を洗っても後から菌は出てくるのです。逆に、これらの細菌は外界からの微生物の侵入を防いでくれています。自然界では人間と細菌は共存しているのです。細菌を全くいない状態にするということは、雑草を駆除しようとして大量の除草剤をまきつづけ、自然界のバランスが崩れていくのと同じです。

完全に細菌がいないことは健康な状態ではないのです。

口腔内も同じで、完全に細菌がいないことは健康な状態ではないのです。
歯周病治療のための細菌除去とは全ての菌を除去するのではなく、骨を溶かしたりしている細菌のみを除去し、後は新たな菌の感染を防ぎ、細菌とうまく共存していくことです。
では歯周病菌はどのようにして繁殖していくのでしょう。食後、歯の表面を見てください。表面には白いネバネバものがついていると思います。これは”食べ物のかす”ではありません。この”かす”はプラークといわれ、細菌の塊なのです。このプラーク1グラム中には約100億個の細菌がいます。歯肉の炎症の初期にはこれらの細菌のうちグラム陽性菌といわれる細菌が多く認められます。

硬い歯と柔らかい歯肉のわずかな溝、歯周ポケット。

硬い歯と柔らかい歯肉は完全にはくっついてなく、わずかな溝があります。この溝をポケットといいます。この溝はとても弱い結合をしています。このポケットに細菌が付着すると体は外的の侵入を防ぐために体内から抵抗する白血球を出します。これが、炎症の始まりです。グラム陽性菌が多く認められるときは歯肉が腫れたりします。この段階であればブラッシングによりグラム陽性菌を排除すれば歯肉は元の状態に戻ります。しかし、プラークの量がさらに増え、ポケット深部へと増殖すると、今度はグラム陰性菌が繁殖してきます。この細菌は毒素を持った菌なのです。この細菌は歯と歯肉のつなぎ目を壊し、溝をどんどん深くしていきます。これを歯周ポケットといいます。

歯周病が初期の段階で歯周病菌の検査を行うことにより、将来的に歯周病菌にかかりやすいかどうかを判定

この歯周ポケットができると歯ブラシは届かず、溝はどんどん深くなり、今度は骨を溶かすようになります。
歯周病菌測定検査で判定する細菌はこうした深い歯周ポケットの中に生息している細菌を測定します。
測定に使用するものは SUNSTARTMのPERIOCHECKというものであり、歯周ポケットの深い位置から採取した細菌を反応液に入れ、15分間反応させます。細菌が存在すると溶液は青く反応し、細菌の存在を測定できます。(下図参照) この検査は歯周病菌の出す酵素に反応して青く発色します。
歯周病が初期の段階で歯周病菌の検査を行うことにより、その人が将来的に歯周病菌にかかりやすいかどうかを判定することが出来ます。

ぺリオチェック

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