予防歯科

フッ素の歴史

フッ素の虫歯予防効果は1900年代にアメリカで解明されました。

もともとフッ素の効果についてはイタリアのナポリからアメリカに移民してきた人々の歯にエナメル質(歯の表を取り囲んでいる硬い歯の部分のこと)の異常や歯の色の異常が認められたため、調査したところ飲料水としている井戸水に高濃度のフッ素が検出され、これが原因ということがわかりました。(こうしたフッ素による歯牙の異常を”斑状歯”といいます。)

フッ素1ppmの飲料水の試験における虫歯予防率は50~70%

歯を失う原因のナンバーワンが歯周病!

しかし、こうした人々に共通して起きていたことは虫歯の発生が非常に少ないことでした。そこで1938年から1942年にかけてアメリカのDean博士らによって水道中のフッ素濃度と虫歯、斑状歯の疫学調査が行われました。その結果、飲料水中のフッ素濃度が1ppmであるときに虫歯が少なく、斑状歯の発現もないことがわかりました。その後アメリカとカナダの4 市においてフッ素1ppmの飲料水の試験研究が15年にわたり行われました。その結果虫歯予防率は50~70%と報告され、フッ素による虫歯予防効果が確認され、世界中に普及していきました。日本においても1952年に京都大学、京都市山科地区においてフッ素0.6ppmの水道水添加が実施され、1964 年に40~60%(7~8歳)の効果があったと報告しました。また1964年にFDI (国際歯科連盟)において「水道水フッ素添加は虫歯の発生を安全かつ経済的に抑制する手段として、現状においては最も有効な公衆衛生学的施策であることを全ての関係当局に推奨すべきことを決議する」とした。さらに1969年にWHO (世界保健機関)においても「水その他の源泉からのフッ素摂取量が公衆衛生上立証された最高水準に達していない場合は水道供給事業にフッ素添加を導入する可能性を検討し、実行可能な場合はこれを導入することおよび水道供給事業のフッ素化が実行不可能な場合には歯科衛生の保護のためのフッ素物使用のほかの方法を検討することを加盟各国に勧告する」とした。

現在フッ素は虫歯予防として世界中に使用されています。

現在フッ素は虫歯予防として水道水の添加のみでなく、フッ素の歯面塗布、フッ素入り歯磨材、フッ素洗口、フッ素錠剤等で世界中に使用されています。しかし、日本においてはフッ素の普及は非常に遅れています。

日本の虫歯医療には最も重要なことが欠けている。それはフッ素の利用である。

虫歯は予防するものという意識が非常に少ないのが現状です。

1985年にFDIとWHOは先進国において虫歯が著しく減少しているにもかかわらず、虫歯減少の少ない日本に対して、以下のように報告しています。「日本の砂糖消費量は先進国の中では最も少ない。歯科医師数は人口2000人に対して歯科医師 1名と充実した状態であり、優れた歯科医療が提供されている。さらに保健所では妊婦、母子、幼児を対象とした歯科保険指導や、虫歯予防サービスが行われている。しかし、他の先進国と比較したとき、日本の虫歯医療には最も重要なことが欠けている。それはフッ素の利用である」としている。
日本においては、痛くなったら治療するという考えがまだあり、虫歯は予防するものという意識が非常に少ないのが現状です。

フッ素によって虫歯はある程度予防できるのです。

ただし、フッ素は万能薬ではありません。食生活や歯ブラシを怠れば意味がありません。

またフッ素の使用方法もきちんと理解しないと効果がないばかりでなく、問題が起こる可能性もあります。
フッ素の正しい使用方法を理解することで虫歯は防げるのです。

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