最新インプラント症例ブログ

2007年1月8日

世界中で歯科治療の考え方はだいぶ違います

世界中で歯科治療の考え方はだいぶ違います。

一つの症例をディスカッションする時、それぞれの国により治療方針はだいぶ違います。
例えば日本、ヨーロッパ、アメリカだけでもだいぶ違ってきます。
治療方針の違いがでてくる原因として医療費の問題があります。
御承知のとおり日本では歯科治療のほとんどは健康保険が使用でき、患者さんは治療費の一部のみを支払うことになります。
アメリカでは例外はありますが、歯科治療は基本的に自費診療となります。
例えば、歯周病の歯があったとします。
日本では保険診療を使用すると状態にもよりますが、1本あたり数千円で治療可能になります(実際には1本単位ということにはなりませんし、歯周病の状態により違います)。しかし、アメリカでは自費診療になりますのでそれなりの費用がかかります。
アメリカで歯周病の治療を行った後、もし治療した歯がダメになったとします。
患者さんは高額な治療費を払ったのにダメになればショックですし、抜歯後の治療費(義歯にするとかインプラントにするとか)もまたかかります。
歯周病でダメになった場合には歯を支えていた骨の吸収も起っており、その後にインプラントを選択する場合には不利(治療困難)になります。
初診時の治療計画の選択に誤りがあったのではないかということで場合によっては歯科医師が訴えられることもあります。
初診時にダメになる可能性があったなら何故行ったのか?歯周病治療以外の選択肢はなかったのか?等です。
そう考えると重度歯周病であった場合、無理に残すよりはできるかぎり早期に抜歯し、(骨が吸収しないうちに)インプラントとした方が良いという考え方になります。
また確率の問題にもなります。
重度歯周病の生存率とインプラントの生存率です。
基本的な考えとしてアメリカでは確率の低い治療は第一選択肢にはなりません。
そう考えると問題のある歯はどんどんと抜歯し、インプラントにした方が確率的に予後が良いとも考えられますし、歯科医師も予知性のある治療を説明したとして、もしインプラントがダメになっても治療方針という点では訴えられる可能性も低くなります。
患者さんにとっても成功率の高い治療法を選択した方が最終的には治療費もかからないかもしれません。治療にかかる期間や回数も少なくできます。
しかし、日本では確率の問題だけで抜歯するかどうかの選択肢になることは少ないと思います。
治療費という点でもそうです。
先程説明しましたように歯周病の治療は保険診療で行えます。
しかし、インプラントをしたとすると1本で30〜50万円程度かかります。(自費診療ですので医院によって違います。)
患者さんとしては歯周病の治療を行っても1〜2年程度しかもたないのであれば別ですが、ある程度の期間もたすことができればインプラントよりも歯を保存する方のが多いと思います。
しかし日本でもし、歯周病の治療に1歯30万円かかたとします。
数年しかもたないとすれば歯周病の治療を選択する人はだいぶ少なくなると思います。
日本とアメリカどちらが治療方針とし正しいかということではなくその背景にはさまざまなことがあり、最終的には総合して考えることになります。
私個人の考え方としては天然歯はできる限り保存していきたいと思っています。
歯周病の治療(場合によりGTR法やエムドゲイン法等の再生治療)を行えば改善できる歯も多くあります。
しかし、場合によっては抜歯せざるえないこともあります。
歯周病が進行しすぎてしまった状態です。歯周病の治療を行っても改善が認められないような状態になってしまうと残念ながら抜歯しかありません。
逆にこのような状態を放置すると他の歯にも歯周病細菌が感染してしまいます。
また歯の周囲の骨もどんどんと吸収してしまい。最終的に抜歯となった場合、次の治療が困難になってしまいます。
義歯を作製するにも骨の吸収のため安定が悪くなり、インプラントを行うにも骨が痩せてしまい、骨の移植手術が必要になります(あまりにも骨の吸収が進行しているとインプラントができない場合もあります)。
患者さんの中には歯周病の進行が著しく、抜歯しかない状態であったとしてもどうしても抜歯を避けたいという思いで、そのままにしておく方がいらしゃいます。最終的に強い痛みや自然脱落したりして歯を失うことになりますが、その時には周囲の歯にも歯周病細菌が感染してしまっており、他の歯も抜歯せざるをえない状態になります。また先程書きましたように骨の吸収も起り、次の治療を難しくしてしまいます。
重度に進行した歯を残すことは難しいことで早期に抜歯した方が良いことも多きあります。
最終的な判断は私達歯科医師の立場から考えることだけではなく、現在の歯の状態や治療方法、治療費、将来性、歯を残すことの利点、欠点等を患者さんにお話し、十分納得され上で決めていきたいと思っています。
単に生存率や確率等で決めるものではありません。

この続きはまた書きたいと思いますが、今週は論文の締めきりが近づいているため1週間程度ブログを休ませていただきます。
再開は1/15(月)を予定しています。


インプラントの大船駅北口歯科インプラントセンター


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