最新インプラント症例ブログ

2007年3月4日

インプラントにおける難症例:14

22225d98.JPGインプラントにおける難症例:14

前回は『皮質骨』と『海綿骨』の特徴として
1.『海綿骨』は骨を新生(再生)させる骨の細胞は多いが
早く吸収(溶ける)する
2.『皮質骨』は骨を新生(再生)させる骨の細胞は少ない
  が吸収は遅い
そして私達インプラント医は通常、骨の新生(再生)のために『海綿骨』を好んで使用することを書きました。
しかし、骨を新生(再生)させる状況により使い分けることも書きました。

今回はこの『コンポジット移植』になります。
再度話は『インプラントにおける難症例:11』戻ります。
『自家骨』の話の時に書きましたが、骨の補填材(移植材)にとって最適なものは『自家骨』です。
『自家骨』は『骨誘導(能)』をもつ唯一の移植材です。
(厳密には他のものありますが、現時点で臨床利用できるものとして…)
何度も書くことになりますが、『骨誘導(能)』とは骨を形成(作る)する細胞を誘導(呼び集めて)し、骨を新生(添加)させることです。
つまり『自家骨』は骨を作る細胞を呼び集めることができる移植材です。

たしかに『自家骨』は骨の新生(再生)に非常に優れています。しかし、自家骨を採取(使用)するということは体の他の場所から取ってこなければいけません。
特に多くの量(自家骨の量)を必要とする場合には採取(取ってくる)場所自体(骨の量自体)も大きく(多く)なります。
こうしたことは患者さんにとって大変なことです。
そのため『自家骨』と『人工骨』を混合(ミックス)して使用します。
『GBR法』や『サイナスリフト(上顎洞底挙上術)』の多くはこの方法で行っています。
どれくらの割合で『自家骨』と『人工骨』を混合(ミックス)するかと言いますと50%-50%です。
この割合は手術状況や自家骨の種類(自家骨にも種類があります。これは後で解説します)により異なります。

ここまではこのシリーズ11の内容です。

それでは『自家骨』単独と『自家骨と人工骨』のミックスでは骨の新生(再生)に違いがあるのでしょうか?
『自家骨』単独の移植は骨の新生(再生)にとって非常に有効ですが、経時的に(時間とともに)吸収していく傾向があります。
つまり『自家骨』を単独で移植後、骨となった(骨ができた)後に時間とともに吸収(少なく)していきます。
その量は『皮質骨』や『海綿骨』、移植する状態等によりだいぶ違いますが、20〜50%程度の吸収が認められると多くの論文で報告されています。
『コンポジット移植』は海綿骨よりも吸収しにくい『β-TCP』や吸収しない『ハイブリッドセラミック』を混合(ミックス)してあるため時間の経過とともに吸収していくのを防ぐ働きがあります。


このシリーズのまとめです。

インプラント治療においてインプラントを埋入するために骨の幅や高さがない場合には骨の増大を行わないといけません。
そして骨の新生(再生)を行う『GTR法』や『サイナスリフト(上顎洞底挙上術)』においては骨の移植(骨補填材)が必要となります。
その骨補填材(移植材)には『自家骨』、『他家骨』、『同種骨』、『人工骨』があり、感染の問題等を含め、現在日本において臨床に使用できるのは『自家骨』と『人工骨』であることをお話しました。
また移植した『骨補填材』はそれ自体が骨になるのではなく、吸収し、次第に骨に置き換わることをお話しました。
このことを『リモデリング』と言います。
そして骨の新生(再生)に最も効果(重要なのは)があるのは『自家骨』でした。
『自家骨』には『骨誘導(能)』と『骨伝導(能)』があり、
骨の新生(再生)に有利なのは『骨誘導(能)』であることをお話しました。
しかし、『自家骨』を採取(取ってくる)するには採取する場所が必要であり、患者さんにとっても大変なことです。
そのため、できるかぎり手術部位から自家骨を採取し、不足分は『人工骨』をミックスする『コンポジット移植』が近年よく行われている治療法であることをお話しました。
また当医院では『人工骨』には安全性の高い『β-TCP』と『ハイドロキシアパタイト』という材料を使用することをお話しました。

今回のこの話は非常に難しく分かりづらかったと思います。
第一回から今回までがんばって見ていただいた方はかなりの『骨のツウ』になったと思います。

今回のシリーズはさらに内容を追加し、まとめ、いずれ
HP(“インプラントの基礎知識”の中の“マニアックな話”)の中で掲載したいと思っています。

次回からは新しい内容になります。

インプラントの大船駅北口歯科インプラントセンター

最近の投稿
カテゴリ
アーカイブ

PAGE TOP