最新インプラント症例ブログ

2007年3月23日

切開しないインプラント治療

996600ab.JPG昨日、ブログで書いていました『インプラントの難症例:骨の話』をその1〜その4までの4つに分けてアップしました。
またその続きである『インプラント治療に使用する人工骨(β-TCP)の話』および『GBR法で使用するコンポジット移植材』その1〜その2までをまとめてアップしました。

数日中にこの前までお話していました。『老化:テロメア』と『老化:活性酸素』をまとめてアップする予定です。


          切開しないインプラント治療

 インプラントをインターネットで検索していると『切開しないでインプラントが行えますので腫れません』と言うような宣伝がありますが、これは本当にできるのでしょうか?安全なのでしょうか?
答えはできます。
ただし、かなり症例は限定されますし、厳密な診査が必要です。
切開をしないということは患者さんにとっては非常に楽な治療です。
治療時間もかかりませんし、腫れもほとんどないと思います。
しかし、切開をしないと骨の状態を正確に把握することは困難です。
そのため切開しないで行う場合はCT撮影を行い、それをコンピューターで処理し骨の状態を正確に把握することが必要です。
そうしたことを行うためのコンピューターシステムは現在いくつかのメーカーから開発、販売されています。
診査の結果、骨の幅や高さにまったく問題がないとわかった場合のみ切開なしでの治療は可能となります。ただしこのようなCT撮影からコンピューター処理を行うと診査の費用はかなりかかります。
現実的には骨が十分あるような場所はそうしたコンピューターシステムを利用しなくても通常の歯科医院にあるレントゲン撮影で十分に判定できます。
特にCT撮影しなくても十分問題なくインプラント手術は行えます。
CT撮影を行う場合というのは通常の診査やレントゲン撮影で骨の高さや幅が厳しい(少ない)といった場合です。このような場合にはCT撮影をし、詳細なデータを集めます。場合によってはコンピューターでシュミレーションを行い、より正確なデータを集めます。当医院でも非常に厳しい状態ではこのようなことも行います。
結論として切開をしないでインプラントを行うことは可能ですが、症例はかなり限定されます。十分骨があり、審美的に問題のない下顎の奥歯であればできるかもしれません。しかし、上顎の前歯部のような審美性が求められる場所には危険であると考えられます。日本人の場合、特に上顎前歯部は骨が薄いことが多く、インプラント埋入と同時に骨増大法(GBR法)を行うことが多くあります。特に唇側の骨が薄いことが多く、薄いままでインプラントを埋入するとその薄い骨は吸収を起こします。その結果歯肉が退縮を起こし審美的に問題を残すことになります。
私自身は切開をしないでインプラントを行うことは基本的にしません。それは骨の状態を完全に把握できない状態で行うことはリスクがあるからです。
ただし例外はあります。
抜歯即時インプラントです。上顎前歯部で抜歯後に骨が十分存在することがわかった場合(CT等の診査を行う必要性があります)です。
上顎前歯部の場合、抜歯をしてから時間が経つと骨の吸収が起り、審美性を損なう場合があります。そうした場合には抜歯即時インプラントを行うことになります。
治療方法としては抜歯を行い、その穴にインプラントを入れます。抜歯した穴とインプラントの直径が合えば縫合もしません。患者さんにとっては抜歯とインプラント手術が一度にでき、切開もせず、縫合もしないためもっとも楽な治療です。
しかし先程も書きましたように条件が完全に一致する症例は少ないのが現状です。また私自身は日々の臨床の中でインプラントの多くは骨の増大法(GBR法)を伴うことが多く、現実問題として切開しないで行うことは難しいであろうと感じています。
また切開しないで行えるような症例(骨の高さや幅が十分ある)であれば、例え切開したとしても切開の幅も小さくてすみますし、簡単に行えます。簡単に行えるということは腫れる可能性も非常に少ないということです。そうであればわざわざリスクをおかして切開なしで行う理由はないと思います。
これは私個人の意見で切開なしの治療を全て否定するわけではありませんが、おそらくインプラント治療の経験豊富な先生の多くは同じような意見をもっていると思います。
ただし今後は切開なしで行える症例があれば積極的に考えていきたいと思います。それは患者さんのとって利益のあることだからです。
切開無しのインプラントと安全、確実性、難しい話ですが、相反することもありますが、考えなければならない議題の一つだと思います。

インプラントの大船駅北口歯科インプラントセンター
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