最新インプラント症例ブログ

2008年4月の記事一覧
2008年4月28日

金具を使用しない審美性の高い義歯:ノン クラスプ デンチャー:その2

4/28(月曜日)です。

今日も前回の続きで、『金具を使用しない審美性の高い義歯:ノン クラスプ デンチャー:その2』になります。

前回のブログでは、ノン クラスプ デンチャーがどのようなものか解説しました。

今回は、ちょっと難しい話にはなります。

ノン クラスプ デンチャーの適応症

金属製の金具(バネ)がないため、義歯との固定は、

義歯の床(ピンク色のプラスチックの部分)を歯の出っ張り

に引っ掛けて固定します。

この歯の出っ張りのことを

『アンダーカット』と言います。

『アンダーカット』は、

『ノン・クラスプ・デンチャー』

動かないための『引っかかり』なのです。

『アンダーカット』が少ない場合には適応となりません。


『ノン・クラスプ・デンチャー』の種類

『ノン・クラスプ・デンチャー』と言ってもさまざまな種類

があります。

使用する材料や作製する会社によりその性質は違います。

使用する材質による種類(違い)

1 『スーパーポリアミド樹脂製:ナイロン系』

  利点
この樹脂の特徴として、義歯自体が非常に柔らかく“たわみ”があります。そのため、破折がしくにいのが特徴です。
破折しにくいということは、樹脂の厚みを薄くできるため、違和感が少ないのが特徴です。

ノン・クラスプ・デンチャーの素材としては、優れていおり、今まで主に使用されてきた素材です。

ある歯科技工所では、今まで、通常に使用していて義歯が割れたことは1回もないと言っていました。
100%割れないとは言えませんが、それほど割れにくいのでしょう。

“たわみ”があるため、『アンダーカット』に左右されにくい。

“たわみ”があるため、適応範囲が広い。
  
 欠点
柔らかい特殊な樹脂を使用しているため、修理が非常に困難です。

例えば、義歯を作製後には、ある程度期間が経つと、歯肉は必ず痩せて来ます。

歯肉が痩せた場合には、通常、『裏打ち(リライニング、リベース)』という処置を行います。
しかし、この『スーパーポリアミド樹脂製』は『裏打ち(リライニング、リベース)』が医院内では基本的にできません。
そのため、歯肉が痩せた場合には、基本的に義歯を再製する必要性があります。

破損した場合にもその場での修理がしにくい。

2 『ポリカーボネイト樹脂製』
  利点
『裏打ち(リライニング、リベース)』が可能です。
また、修理も可能です。

通常の保険の義歯(アクリルレジン)と比較すると
硬さが約2倍、衝撃に対する強さが約8倍あります。

  欠点
先程のスーパーポリアミド樹脂製よりは、硬い材質です。
そのため、義歯の厚みが必要になります。

また、“たわみ”が少ないため、スーパーポリアミド樹脂製よりは、適応範囲が狭い。

どちらの素材が優れているということは言えませんが、
壊れたり、歯肉が痩せた場合に 新しく作成することを前提であれば、柔らかい素材の『スーパーポリアミド樹脂製』の方が良いかもしれません。

修理等を重視する場合には、『ポリカーボネイト樹脂製』が優れている材料です。

現実問題として、義歯の修理がしにくいというのは、大きなマイナス点であるため、当医院では、『ポリカーボネイト樹脂製』を採用しています。

* 使用材質による問題点等は、後に詳細を記載してあります。

* スーパーポリアミド樹脂製は、修理ができないということではありませが、非常に困難です。

警告!
現在、『スーパーポリアミド樹脂製のノン クラスプ デンチャー』は、日本国内に数多く存在します。

しかし、実は、その一部(多く? ほとんど?)は、日本で作成されているものではありません。

ちょっとビックリしますね!

海外義歯(今回は、どこの国とは言いませんが…)の危険性については、今回のテーマの最後に解説したいと思います。
是非御覧になって下さい。


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2008年4月24日

金具を使用しない審美性の高い義歯:ノン クラスプ デンチャー:その1

4/24(木曜日)です。


今日から新しいテーマになります。
『金具を使用しない審美性の高い義歯:ノン クラスプ デンチャー:その1』です。

部分入れ歯は、義歯を固定するための金具が付きます。

これが、目立って“嫌”という方がいらっしゃいます。

本日ご紹介するテーマは、『金具を使用しない審美性の高い義歯:ノンクラスプ義歯』です。

『ノン・クラスプ・デンチャー』とは、部分入れ歯の
金具(バネ)がないもの
です。

『金属の止め具がない入れ歯』とも言います。

現在義歯を使用している方はわかるかと思いますが、

部分義歯(入れ歯)には、入れ歯が動かないようにするための

金属製の金具(バネ、止め具)が付いています。

この金属製の金具(バネ、止め具)が審美的に問題を起こすのです。

当医院でも、義歯はなんとか使用できるが、

『金具が見えてしまうため、どうにかならないか?』

というご要望がよくあります。

保険診療の部分義歯の場合、どうしてもこの

金属製の金具(バネ、止め具)が存在します。

『ノン・クラスプ・デンチャー』は、金属製の金具(バネ、止め具)の代わりに、

プラスチック製の義歯床で義歯を支えます。

そのため、口を開けてもが金属製の金具(バネ、止め具)

見えないので、審美性に大変優れています。

さらに、破折に強い素材で歯肉の色調と同化するのが

今までの部分入れ歯とまったく違うところです。

下の写真は、『通常の義歯』と『ノン クラスプ デンチャー』の比較写真です。
nonnshoumenn
クリックすると拡大されます。





『ノン クラスプ デンチャー』は、

日本では最近になって知られるようになりましたが、

アメリカでは50年以上の実績があります。


次回のブログは4/28(月曜日)になります。
次回は、今日の続きで、『金具を使用しない審美性の高い義歯:ノン クラスプ デンチャー:その2』です。
次回は、『ノン クラスプ デンチャー』のかなりマニアックな話になります。
現在の金具付きの義歯にご不満がある方は是非ご覧になって下さい。


お知らせ
4/25(金曜日)午後、4/26(土曜日)は 日本歯周病学会出席のため休診です。



今週のインプラント手術報告はお休みさせていただき、歯科関連の記事がありましたので、ご紹介します。

『歯の数減ると医療費アップ 4本以下の人、20本以上の1・6倍』
道国保連合会調査

 歯の数が少ない高齢者は、歯科以外の医療費が高い
ことが、北海道国民健康保険団体連合会の調査で
分かった。
歯と全身の健康の関係を、数字で裏付ける結果となった。
同連合会の調査は、満70歳以上の国民健康保険加入
者で、昨年5月に歯科を受診した患者が対象。
患者の歯科以外の同月分レセプト(診療報酬明細書)
103.418件を分析した。
それによると、20本以上歯がある人の、歯科以外の
医療費は22.660円で、
歯の数が減るに連れて医療費は増加。
4本以下では35.930円と
約1.6倍も高かった。
疾患別では、高血圧などの循環器系が28・8%で
最も多く、次いで関節障害などの筋骨格系13・2%。

ガン や 糖尿病、脳血管障害など生活習慣病に限っても、
歯が20本以上の27.730円に対し、
4本以下では約1.5倍の42.460円だった。

また自分の歯が抜けたあと、入れ歯など人工物で治療
を済ませている人 と 治療をしていない人では、
治療を済ませている人の医療費が少なかった。

調査結果について、分析を担当した北大病院歯科治療

センターの兼平孝講師は「これほどの差があるとは意外。

歯が多く残っていると食べることに意欲的になるだけ
でなく、食べ物をしっかりかみ唾液(だえき)とよく
混ぜ合わせることができる。

消化管で栄養が吸収されやすくなるので、全身の健康

状態がよくなるのではないか」とみている。


いろいろなことを調べている方がいるのですね。
参考になりました。
歯がないと健康は維持できないということですね。

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2008年4月21日

患者さんに優しいインプラント治療:その6

4/21(月曜日)です。
今日も前回の続きで、『患者さんに優しいインプラント治療:その6』になります。


優しい治療 その6:治療のゴールをきちんと設定する

難症例であれば、あるほど治療は難しくなります。

特に前歯部のように審美性が重要視される場所は、骨の状態によっては、一番難しいケースになります。

骨の幅や高さが少ない場合には、 『GBR法』を行ったり、
(GBR法についてはその1で書いたことです)

歯肉の厚みが薄い場合には、 歯肉結合組織移植等を行います。

ここで、歯肉結合組織移植について簡単に説明したいと思います。

歯肉が薄いと、治療後に歯肉が退縮する可能性が高くなります。

歯肉が下がってくる(退縮する)とインプラントの金属部分が見えてくることがあります。

奥歯の場合であれば歯肉の退縮がある程度起っても審美的に大きな問題を生じることはありませんが、

前歯では問題となります。

歯肉結合組織移植とは、歯肉退縮の予防策として歯肉の厚みをあらかじめ増やす(増大させる)治療法です。

それでは、大変な思いをして、こうした 『GBR法』 歯肉結合組織移植を行えば、

100%審美的な結果を得られるか? ということですが、そうではありません。

術前の骨の吸収が著しい場合、100%の結果を得ることは難しい場合があります。

もちろん術前の骨や歯肉の状態が良ければ、前歯部であっても、

1回の手術で、腫れも痛みもなく、短時間で、簡単に治療が終了し、

審美的に100%満足できる結果を得ることも十分可能です。

しかし、術前の状態によっては、さまざまな治療方法を行っても100%の審美性を

獲得することはできないケースもあります。

その例えとして、以下のケースがあります。

上顎の前歯を歯周病で抜歯後、同欠損部は長期間 義歯であったとします。

歯周病に加え、欠損状態が長かったために、欠損部は、高さで5ミリ程度の

骨吸収があったとします。

高さ5ミリの骨吸収があるということは、そのままの状態でインプラントを埋入すると、

完成した被せ物の歯の長さは、元々歯があった状態より、5ミリ長くなるということです。

インプラント治療により得られた固定式の前歯は5ミリ長くなってしまたのです。

このようなことはよくあることです。

そのため、インプラント治療前に吸収してしまった5ミリ分の骨を増大するための

治療を行った方がより、審美的だということになります。

しかし、高さを5ミリ高くすることは治療としては非常に大変なことです。

大幅な 骨の移植手術が必要です。

そのためには、最低でも2回、場合により3〜4回以上の手術が必要です。

もちろん、骨の移植手術は大変なことですので、治療後の腫れも起る可能性があります。

また、治療期間は、1回の手術と比較すると何倍も長くかかります。

そうした大変な治療を行えば、100%完全に回復できるかと言えば、

100%元の状態に回復させることは難しいのです。

例えば、そうした治療を行えば、97%まで、審美性を回復できたとします。

しかし、何度も手術を行わなくても1回の手術で90%まで審美性を回復できるとすれば、

あなたならどちらを選びますか?

もちろん患者様の考え方には個人差がありますし、

例え、歯が長くなったとしても、元々笑った時に歯だけが見えて、

歯肉が見えない方は、歯が長い状態でも 笑っても人には見えませんので、

審美性に問題とならない場合があります。

患者様ご自身で唇を持ち上げ見れば、歯が長いことが分かる程度です。


話は長くなりましたが、治療前に術後の状態が分かっていれば、

患者様自身も少ない治療回数で治療を行うか?

大変さはあるが、最大限の治療をするのか?

を決めることができます。

当然のことながら、患者様は治療による大変さや治療結果については正確には分かりませんので、

私達歯科医師から状況の説明を行い、アドバイスをすることになります。

『治療のゴールをきちんと設定する』ことは、

患者様の負担を少なくする大切なことなのです。

治療の方法以外にもこうしたことが『優しいインプラント治療』になるのです。



次回のブログは4/24(木曜日)になります。
次回から新しいテーマになります。
『金具を使用しない審美性の高い義歯:ノンクラスプ義歯』です。

部分入れ歯は、義歯を固定するための金具が付きます。

これが、目立って“嫌”という方がいらっしゃいます。

次回ご紹介するテーマの『金具を使用しない審美性の高い義歯:ノンクラスプ義歯』はそうしたことがない義歯です。

お知らせ
4/25(金曜日)午後、4/26(土曜日)は 日本歯周病学会出席のため休診です。

今週(4/18〜20)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
日々の臨床で、どのようなことを行っているか 知っていただきたいと思い 今年から始めました。
それでは、今週のインプラント手術の中から高度に骨が吸収した上顎にインプラント埋入を行った1症例について解説します。

部位は上顎の奥歯です。

骨の高さには問題ありませんが、幅に大きな問題がありました。

骨が吸収していたのです。

この骨吸収が起った原因は、 歯根破折でした。

歯根破折した状態で、放置していたため、感染を起こし、骨が吸収してしまったのです。

骨の幅は、約2〜3ミリ程度しかありませんでした。

インプラントの幅(直径)は約4ミリ程度ですので、2〜3ミリ程度の骨幅では、

インプラントはできないことになります。

そのため、骨の増大法が必要になります。

今回は、 『スプリッティング法』を行い、骨幅の増大を行い、さらに『GBR法』 も併用しました。

GBR法に使用した材料は 『自家骨』および、『人工骨』です。

使用した人工骨は 『β―TCP』 です。

β―TCPは完全に人工に生成された骨です。

『β―TCP』は人工的に生成された骨なので、それ自体が完全に骨になったりする

ことはありませんが、ご自身の骨や血液中の細胞が混ざることにより、

骨に置換しやすいものです。

また、完全人工生成のため、非常に安全性が高いのも特徴です。

日本において 『β―TCP』は、歯科よりも整形外科等で、

複雑骨折の治療等で普及している材料です。

また、 GBR膜 として吸収性『コラーゲン膜』を使用しました。

吸収性膜は、歯肉とのなじみも良く、インプラント同時の GBR法 では

世界的に最も使用されている膜です。

吸収性膜なしでは、 インプラント同時GBR法は成り立たない治療法です。

日本人にインプラント治療を行う場合、骨の幅が不十分であることが多く、

多くのケースにおいて GBR法を行います。

当医院においてもインプラント治療の約半数はGBR法を併用しています。

吸収性膜なしでは、インプラント治療は行えないと言ってもくらい重要な材料です。

使用したインプラントは、
ストローマン・インプラント   ( I.T.Iインプラント)

SLAタイプ  直径4.1mm 長さ12mmが1本、

直径4.1mm 長さ10mmが1本でした。

麻酔方法は虫歯の治療で行うような普通の歯科麻酔です。

インプラントの埋入本数が少なかったり、

インプラント手術に際し、さほど不安がない方にはこうした簡単な麻酔方法で

インプラント埋入を行います。

もし、インプラント治療に不安がある場合には、

『静脈内鎮静法』 にて麻酔を行います。

手術時間は、約20分程度でした。

今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 約3〜4ヶ月後に型を取り、
3. 型取りの後、 約10日で完成した被せ物を装着し、完了です。
意外に治療回数はかからないものなのです。

治療費
インプラントが1本21万円(税込)×2本、
最終的な被せ物は、
手前がハイブリッドセラミックで1歯105.000円(税込)×2歯分
ですので、合計630.000円(税込)になります。
この中には、治療中のレントゲン撮影や薬代、型を取る費用、被せ物の費用、
今回の 『スプリッティング法』『GBR法』 の費用も全て含まれています。


先日、毎日新聞にこんな記事がでていましたので、紹介します。

神奈川県:飲食店もパチンコ店もホテルも…全部禁煙??条例提案へ

 神奈川県は15日、飲食店やパチンコ店などの娯楽施設も含め、

不特定多数が出入りするほぼすべての施設を全面禁煙とし、

違反した人や施設への罰則も設ける「公共的施設禁煙条例」案の

概要を明らかにした。             

県は今年度中の制定を目指しており、成立すれば全国初だが、

たばこ販売業者らからは反発の声も上がっている。

県が発表した「基本的考え方」は、公共的施設を「不特定多数の人が

利用する施設で、室内またはこれに準ずる環境にあるもの」と定義しており、

飲食店、娯楽施設、学校、病院、百貨店、宿泊施設–など

16種を列記している。

施設内で喫煙した人や、禁煙の徹底を求める県の命令に従わない施設には罰金を科す。

ただ、事務所や共同住宅、施設内の休憩室や倉庫などは適用除外とした。


どうなるのでしょうか?

喫煙しない私としては賛成ですが…

建物内での喫煙ができなくなると路上で喫煙し、『ポイ捨て』が増えると思いますが…

禁煙条例』と『ポイ捨て』を同じレベルで考えてはいけませんが、

全ての人が、これを機に『禁煙』する わけではないので、

事実上、路上での『喫煙』は増え、

結果的に、『ポイ捨て』は増えるでしょう。

(毎日掃除している人もいるんだぞ!)

条例も大切ですが、どこで喫煙するかは、

『モラル』(もちろん健康も)の問題ですから…



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2008年4月17日

患者さんに優しいインプラント治療:その5

4/17(木曜日)です。


今日も前回の続きで、『患者さんに優しいインプラント治療:その5』になります。

優しい治療 その5:ソケットリフト法
上顎の奥歯にインプラントを行う場合、非常に難しい場合があります。
その理由として、上顎においてはインプラントを行うための骨が不足していることの方が多く、 60〜70%の方は骨の増大なくしてインプラントを行うことはできないからです。

特に骨の高さが不足していると治療は困難を極めます。

上顎の奥歯にインプラントを埋入する場合、必要な骨の高さは8〜10ミリ程度です。
しかし、先程書きましたように、上顎の奥歯が欠損している場合、骨の吸収が高度に起っていることが多く、インプラント治療を行うには高さが足りません。
具体的には、骨の高さが5ミリ以下という場合が多くあります。
こうした場合、以前は、 サイナスリフト法という治療を行う必要性がありました。
サイナスリフト法は骨を増大させるのに非常に有効な治療法です。
しかし、この サイナスリフト法の最大の欠点は、患者様に対して非常に負担が大きい治療なのです。
サイナスリフト法は、 骨移植がどうしても必要な治療です。
骨移植を行うとどうしても術後の腫れがかなり起ります。
手や足を治療するのであれば、腫れても 包帯や衣服で隠れますが、『顔面』が腫れた場合には、ちょっと困りますよね。
日常生活にも問題を生じる可能性があります。
骨移植を伴う サイナスリフト法は、上顎の奥歯において高さ的に骨吸収が高度に存在する場合には、非常に有効な方法です。
しかし、患者様にとっては、負担が大きい治療なのです。
それでは、上顎の奥歯に骨の吸収がある場合(高さが少ない場合)、他に治療法はないのでしょうか?
上顎の奥歯に骨の高さが5ミリ程度残っていれば、患者様に負担が大きい サイナスリフト法を行わなくても、『ソケットリフト法』という治療法があります。
『ソケットリフト法』は、 骨移植を行う必要性がないため、治療後に腫れる可能性が非常に低い方法です。
近年では、『ソケットリフト法』は、多くのインプラントを手がける歯科医師では一般的な方法になっています。
『ソケットリフト法』の詳細は以下を参考にして下さい。(図解で解説しています)
  ・ソケットリフト法


次回のブログは4/21(月曜日)になります。
次回は、今日の続きで、『患者さんに優しいインプラント治療:その6』です。

次回は、このテーマの最終回です。
その後は、新しいテーマになります。
『金具を使用しない審美性の高い義歯:ノン クラスプ デンチャー』を予定しています。

お知らせ
4/25(金曜日)午後、4/26(土曜日)は 日本歯周病学会出席のため休診です。

話は、大きく変わりますが、メジャーリーグベースボールの話になります。

イチローや松井の話ではありません。

『薮』投手の話です。

現在、メジャーのジャイアンツに移籍した『薮』ですが、

久しぶりの勝ち投手(2005年5月20日のアスレチック在籍以来)となったようです。

良かったですね。

なぜ『薮』の話かと言いますと、

この白星となった前にインプラントの手術を受けていたそうです。

歯が折れて、抜歯となったために、インプラント手術を行い、手術当日に仮歯をつける

『即時負荷インプラント』を行ったそうです。

投げている最中に、傷口から出血があったそうです。

なにも当番当日に手術をしなくても… と思うのですが…





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2008年4月14日

患者さんに優しいインプラント治療:その4

4/14(月曜日)です。

今日も前回の続きで、『患者さんに優しいインプラント治療:その4』になります。

優しい治療 その4:1回法インプラント

このシリーズのテーマである『患者さんに優しい治療』ですが、
インプラント治療はどうしてもインプラントを埋入する手術が必要です。
治療を受ける患者様にとっては、できるかぎり少ない手術回数で治療を行いたいものです。

インプラントの手術方法は、『1回法』『2回法』という治療方法があります。
この違いについては、下図を見ながら解説していきたいと思います。

1kaihou
クリックすると拡大されます











『1回法』は、インプラントを骨の中に埋め込んだ後、インプラントの上に付ける『蓋』が口腔内に見える状態で手術が終了します。
インプラントと骨が結合するまでそのまま待ちます。
そして、型を取る段階で、『蓋』を外し、土台を付け型を取ります。
つまり、手術が『1回』で終了するため、『1回法』と言います。

次に『2回法』ですが、インプラントを骨の中に埋め込む際に、完全に歯肉の中に埋め込んでしまいます。
そのため、手術直後は、インプラントがどこにあるか分からない状態です。
つまり、インプラント自体は歯肉の内部にあるからです。
そして先程を同様にインプラントと骨が結合するまでそのまま待ちます。
そして型を取る段階で歯肉の中に埋まっているインプラントを見える状態にします。
その際に、歯肉に切開を行い、歯肉の中に埋まっている インプラントの『蓋』を歯肉の上に出します。
つまり、2回の手術が必要なため、『2回法』と言います。

インプラントは、1950年にスウェーデンの化学者ペル・イングウァール・ブローネマルク博士によって発見されたもので、その当時は2回法でした。
このインプラントシステムはブロネマルクインプラントといい、最も歴史のあるインプラントであり、研究や臨床報告も非常に多数あり、現在でも最も信頼性のあるインプラントのひとつです。

その後、『2回法』の欠点を補うべくスイスから『1回法』のインプラントが開発されました。
これが ストローマン・インプラント ( I.T.Iインプラント)です。
現在日本において30種類以上のインプラントが使用されていますが、 ストローマン・インプラント ( I.T.Iインプラント)はその中でも最も研究報告が多く、優れたインプラントと言えるものです。
つまり、『1回法』『2回法』というものは、もともとはインプラントの開発コンセプトの違いから生じたものです。
現在のインプラントの多くはブロネマルク、 ストローマン・インプラント ( I.T.Iインプラント)を模範して作られたものです。

話は戻りますが、患者様にとっては、1回で終わる手術の方が『楽』なので、
だんだんと『1回法』が主流になりつつあります。

このテーマでもある『患者様に優しいインプラント治療』ということから考えても私は『できるかぎり』 『1回法』を選択しています。

『できるかぎり…』というのは、全てではありません。
『1回法』よりも『2回法』のが優れていることがあります。

また、『2回法』でなければ ならないこともあります。

それは、骨の高さや厚さが不足している場合などの骨再生法 (『GBR法』)が必要な場合です。 『GBR法』をインプラントと併用する場合は、感染のリスクがあるため、 ストローマン・インプラント ( I.T.Iインプラント)でも『2回法』で行います。

つまり、『1回法』『2回法』とはどちらが優れているのではなく、インプラントメーカーの開発コンセプトによって違いがあることと、 『GBR法』等の治療の併用によって異なるということです。

しかし、患者様の負担を考え、極力『1回法』で行ことは、『患者さんに優しい治療』になります。



次回のブログは4/17(木曜日)になります。
次回は、今日の続きで、『患者さんに優しいインプラント治療:その5』です。


『今週のインプラント手術報告』は、特殊な治療(インプラント手術)ではなかったので、インプラント関連の話をしたいと思います。

インプラント治療を開始する前には、必ず 『インプラント治療計画書』をお渡しし、治療内容や治療費、治療期間、保証の話 等 インプラントに関することについてお話をさせていただいております。

今日は、その際に良く質問を受けることについて解説します。

被せ物の種類についてです。
被せ物の素材の違いで、費用も変わってくるため、患者様も悩みどころです。

以下は、 『インプラント治療計画書』で患者様にお渡ししている内容の一部です。

インプラント等の歯科で使用する被せ物には、大きく分けて、
1 オールセラミック( ジルコニア
2 セラミック
3 ハイブリッドセラミック
4 金属製
があります。

特徴を簡単に説明します。

始めに、セラミックハイブリッドセラミック の違いですが、
セラミックはいわゆる『陶器』と同じようなものです。
変色はせず、審美的に最も優れています。
また、汚れが付きにくく、歯周病のような方や、ブラッシングが十分できない方には適しています。
欠点としては非常に硬いため(天然歯よりも硬い)、噛み合う歯が天然歯の場合には天然歯が磨り減ってしまうことがあります。

次にハイブリッドセラミックですが、素材としてはセラミックにレジンという物を配合して作っています。
レジンとはプラスチックのようなものです。
このレジンを配合することにより硬さを天然歯とほぼ同程度にすることができます。
噛み合う歯が天然歯の場合には天然歯を磨り減らしたりする危険性が少なくなります。

また、セラミックは、その性質から欠けたりすると修復することが困難な材料ですが、ハイブリッドセラミックの場合にはもし欠けたとしてもある程度であれば口腔内で修復が可能です。
しかし、欠点としてはセラミックに比較して審美的には若干劣ります。
レジンは吸水性があるため若干の変色を起す可能性があります。
また、その吸水性のため汚れを付着しやすいという欠点があります。

被せ物は一般的には上記の2種類ですが、奥歯で審美的に問題がない部位は金属製の被せ物がよろしいかと思います。

金属ですが、噛み合わせの長期安定からすると最も優れている材質です。
長期的にはセラミックハイブリッドセラミックと同様に若干は磨り減りますが、かけたりすることはありません。
インプラントの被せ物としては一番お勧めです。

しかし、欠点として金属製ですので見た目に問題があります。
最も奥歯であればよいかと思いますが、少し手前になると見えてしまいます。
そのため多くの患者さんは金属を避ける傾向にありますが、私達からすると安全性の高い金属がいいと思います。

結論としてどれが優れているということではなく口腔内の状態により使い分ける必要性があるかと思います。

例えば、多数歯の被せ物を行う場合、見える前の部分をセラミックハイブリッドセラミック、見えにくい奥歯の部分を金属にするという方法もあります。

オールセラミック・ジルコニアについては、下記をクリックして下さい。
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2008年4月10日

患者さんに優しいインプラント治療:その3

4/10(木曜日)です。


今日も前回の続きで、『患者さんに優しいインプラント治療:その3』になります。


優しい治療 その3:無痛治療(静脈内鎮静法)

インプラント手術と聞くと怖い感じがし、
そのため、インプラント治療を断念される方もいらっしゃいます。

インプラント治療は1〜2本程度で、骨の状態も悪くなければ、
5〜10分程度で終了しますし、腫れることもほとんどありません。
しかし、インプラントの埋入本数が多かったりした場合には、治療時間もかかるため、
患者様もご心配があることと思います。

通常、インプラント手術には、抜歯や虫歯の治療等に使用する麻酔で行います。
特別なものではありません。
そのため、抜歯や虫歯の治療がそれほど怖くない方は、
インプラント手術の際にも、通常の麻酔で十分問題ありません。

しかし、歯科治療自体が『怖い』という方にはもっと楽な麻酔方法があります。
『静脈内鎮静法』という方法です。

静脈内鎮静法を行うと治療中のことはほとんど覚えていない状態になります。
眠っている間にインプラント治療が終了することになります。
治療に不安を持っている患者さんには最適な麻酔方法です。

方法としては点滴をするように血管内(静脈内)に麻酔液を入れます(流します)。
麻酔が効くまで5〜10分程度です。
後はインプラント治療が終了するまで寝ている状態です。

欠点として麻酔が終了しても完全に切れるまで時間がかかります。
通常、静脈内鎮静法による麻酔は麻酔を終了すると5分程度で麻酔はきれます。
麻酔により目覚めた後は、ぐっすり寝て起きた状態に似ています。
すっきりとした状態です。
患者様によっては『ひさしぶりにぐっすり眠った』という方もいらっしゃる程です。
しかし、麻酔が効きやすい方はその後にも若干“ぼーと”することがまれですがあります。
患者様により麻酔終了後、
1時間程度効いている場合もあります。
そのため、静脈内鎮静法を行った時には車やバイク、自転車での運転(帰宅)はできません。
できれば付き添いの方がいらしていただいた方がよろしいかと思います。
一度静脈内鎮静法でインプラント手術を行った患者様は、
次にインプラントを行う時には
ほとんどの方が また、静脈内鎮静法による麻酔をご希望されます。

それだけ楽だったということです。

以下は、静脈内鎮静法についての『ビデオ(2分18秒)』です。
以前からHP でもアップしていましたが、ご覧になっていない方はどうぞ!






次回のブログは4/14(月曜日)になります。
次回は、今日の続きで、『患者さんに優しいインプラント治療:その4』です。


今週(4/8〜9)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
日々の臨床で、どのようなことを行っているか 知っていただきたいと思い 今年から始めました。
それでは、今週のインプラント手術の中から上顎にインプラント埋入を行った1症例について解説します。

今回はインプラントの『再埋入』についての話です。
『再埋入』というのは、一度インプラントを埋入したが、感染等により、インプラントと骨が結合しなかったため、一度摘出を行い、再度行ったということです。

通常、インプラントを埋入後には、感染の予防と安静が大切です。

安静とは、インプラントに負荷(力)が加わらないようにすることです。

インプラントと骨が結合するまでは無理な力が加わらないように安静にします。
欠損が少ない場合には問題はあまりありませんが、
総義歯のように大きな義歯を使用している場合には問題が起る可能性があります。
義歯から加わる圧力でその下にあるインプラントに負荷がかかるのです。

このようなことが起るとインプラントが骨と結合しないことが起ります。

この詳細については、明日(4/11:金)の『基礎から始めるインプラントブログ』
に掲載します。

さて、今回のケースは、このようにインプラントと骨が結合しなかったため、再度インプラントを行うことにしました。

こうしたことは滅多に起ることはありませんが、年間何症例かは起ります。

最も多いのは、インプラントに加わる『負荷(力)』です。

今回のような場合の再治療の費用ですが、最初のインプラントの治療費に含まれているため、再びかかることはありません。


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2008年4月7日

患者さんに優しいインプラント治療:その2

4/7(月曜日)です。

今日も前回の続きで、『患者さんに優しいインプラント治療:その2』になります。

このシリーズはインプラント治療の際に
『できるかぎり腫れない』
『できるかぎり痛みがない』
治療を紹介するものです。
今日はそうした治療法である『スプリッティング法(スプリットクレスト法)』を紹介します。

優しい治療 その1:スプリッティング法(スプリットクレスト法)
インプラント治療を希望されて来院される患者様の半数は、骨の幅がしっかりしていません。
そのため、骨を増大させるような治療が必要になってきます。
その中でも骨のが減少しているとインプラント治療は行えません。
骨幅を増大させる治療方法として、 『GBR法』があります。
この治療法は、骨を再生(増大)させるのに非常に効果的な治療法です。
しかし、治療自体は通常のインプラント治療よりは大変になります。
大変ということは、治療後の腫れが起る可能性が高くなる治療法です。
もちろん 『GBR法』を行えば、必ず腫れるということではありません。
もともとの骨の状態によったり、 『GBR法』の難易度によりだいぶ違いますが、腫れる可能性はあります。
しかし、骨の幅が少ない状態では、インプラントは埋入できませんので、しかたがありません。
しかし、インプラントの世界では、さまざな治療方法が開発されてきています。
その一つが『スプリッティング法(スプリットクレスト法)』という治療法です。
これは、インプラントで使用する『ドリル』を極力使用しない治療法です。
『ドリル』を使用しない ということは、骨へのダメージが加わりにくい ということです。
『スプリッティング法(スプリットクレスト法)』の解説の前に、
通常の『ドリル』を使用したインプラント埋入法について解説します。

従来、インプラント手術は『ドリル』で骨を削り、できた穴にインプラントを埋入するという方法でした。
インプラントの太さ(直径)は約4ミリ(メーカーによっても種類によっても多少違います)ですので、始めは1〜2ミリ程度の細いドリルで穴を開け、少しずつ太い『ドリル』を使用し、
最終的にインプラントより若干小さい大きさまで、骨に穴を開けます。(下図参照)

9c472241.jpg
クリックすると拡大されます。










この治療法は当たり前の治療法として行われてきました。
しかし、骨を削るため、出血を伴い、腫れ痛みの原因となっていました。

そのため、開発されたのが、『スプリッティング法(スプリットクレスト法)』です。
この治療法は最初の段階のみ非常に細い器具(ドリル等)を使用することがあります。
その後、最初の小さな穴に骨を広げる器具を挿入します。
これは『ドリル』ではありません。
骨幅を広げる器具を順次大きいものにし、穴をどんどんと拡大します。
この時、『骨は本当に広がるのか?』と思われるかもしれません。
骨には弾性があります。
骨をゆっくりと押し広げることにより、穴は少しづつ大きくなるのです。
このような骨の穴を押し広げる器具を順次大きいものにします。
分かりやすく例えると、木(板)にヌジ付きの釘をドライバーでねじ込むようなものです。

supuritto3
クリックすると拡大されます。










先に記載したようにインプラントの幅(直径)は約4ミリです。
約4ミリのインプラントを埋入するためには骨の幅は約6ミリが必要になります。
もし、骨幅が6ミリ以下の場合には、骨の幅を増させる 『GBR法』が必要になってきます。

『GBR法』の欠点として治療の難しさがあります。
5ミリ程度の骨幅であった場合、1ミリ程度の骨幅を増大させるために 『GBR法』を行うことはさほど難しくありませんが、始めの段階で1〜2ミリしか骨幅が無かった場合には、6ミリまで骨の幅を増大させることは非常に難しい治療になります。

治療の難易度が高ければ、手術時間も長くなり、治療に伴う患者様の大変さも高くなります。(腫れたり、痛みを伴うということです)
また、経験の浅い歯科医師では骨幅を4ミリも5ミリも増大させるような治療は困難を極めます。

難易度が高いということは失敗(骨が増大できない)する可能性も高くなります。
その点、骨幅を押し広げるこの治療法(スプリットクレスト法、スプリットコントロール法、OAMインプラント法等いくつかの名前があります)は、初診時に狭い骨幅であっても少しずつ押し広げることにより、 『GBR法』等を行わなくても骨幅を改善させることが可能になります。

『スプリット(スプリッティング)』とは骨を圧迫し、押し広げるという意味です。
もちろんこの方法により、 『GBR法』がまったくいらなくなったということではありません。
『スプリッティング』による骨幅の拡大量には限界があります。
しかし、確実に治療(骨幅拡大)は楽になります。
例えば、2〜3ミリ程度しか骨幅がない場合でも『スプリッティング』により、骨幅を5ミリ程度まで拡大できれば、
あと1ミリ分のみGBR法で骨幅を増大すれば、
良いことになります。
GBR法により1ミリ骨幅を拡大させることはさほど難しいことではありません。
治療の難易度も低くなりますし、リスクも低くなります。
現実の臨床では骨幅を押し広げる『スプリッティング』 『GBR法』を併用して行うことが多くあります。



次回のブログは4/10(木曜日)になります。
次回は、今日の続きで、『患者さんに優しいインプラント治療:その3』です。

今週(2/26〜27)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
日々の臨床で、どのようなことを行っているか 知っていただきたいと思い 今年から始めました。
それでは、今週のインプラント手術の中から上顎にインプラント埋入を行った1症例について解説します。

患者様は、15年程前に上の奥歯を2本抜歯したそうです。

その後、義歯を作製しましたが、違和感が強く、使用していませんでした。
奥歯がないため、噛みづらかったのですが、入れ歯をしなくても反対側でなんとか噛めたため、ずっとそのままにしていました。

今回、インプラント治療があると聞いて当医院を受診されました。

欠損部の骨の状態を診査したところ、骨の幅がかなり吸収していることが分かりました。

この原因は、歯が暫くなかったためです。
歯がないと骨には噛む力が加わらないため、骨は痩せてしまいます。
今回の患者様も15年程歯がなかったために、そうしたことが起っていました。
歯がないことによる骨吸収の詳細は以下を参考にして下さい。
       『歯がないと骨は吸収してしまいます』
どれくらい骨が吸収していたかと言いますと、
残っていた骨の厚みは約2〜3ミリでした。
今回の『スプリティング法』の話にもありましたように、
骨の厚みは6ミリないといけません。
そのため、まず、『スプリッティング法(スプリットクレスト法)』を行い、骨幅を6ミリ程度にまで広げました。
しかし、部分的には拡大が不十分な部分がありましたので、
その部分のみ『GBR法』 を行いました。
まさしく今回のテーマの治療です。

『スプリッティング法(スプリットクレスト法)』『GBR法』 を併用することにより、治療回数が少なく、腫れも最小限に抑えることが可能となります。

患者様にできるかぎり、負担にならない治療は大切なことです。

手術時間は、『スプリッティング法(スプリットクレスト法)』『GBR法』 を行ったので若干長くなり、約20分でした。

使用したインプラントは、 ストローマン・インプラント  ( I.T.Iインプラント) 直径4.1ミリ、長さ10ミリ が2本でした。

今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 約3ヶ月後に型を取り、
3. 型取りの後、 約10日で完成した被せ物を装着し、完了です。

治療費
インプラントが1本21万円(税込)×2本、
最終的な被せ物が、105.000円(税込)×2歯分、
合計630.000円(税込)になります。
この中には、治療中のレントゲン撮影や薬代、型を取る費用、被せ物の費用、
今回のスプリットクレスト法、GBR法の費用も全て含まれています。
今回はちょっと話しが長くなりますが、前回に続き、今日も歯科と健康に関する記事を紹介します。

『歯が20本以上残る70歳以上の高齢者、病気診療費37%少なく』という記事です。

北海道国民健康保険団体連合会が調査したところによると、
20本以上の歯が残る70歳以上の高齢者は、
4本以下の人に比べて全身の病気に関係した診療費が37%も少ないことが道国民健康保険団体連合会(札幌市中央区)の調査で分かった。
虫歯のない人や歯周病でない人も安く済んでおり、
歯は体全体の健康に結びつくことが統計的に立証された。

歯と健康の話は最近よくあります。



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2008年4月3日

患者さんに優しいインプラント治療:その1

4/3(木曜日)です。

今日から新しいテーマになります。
新しいテーマは、『患者さんに優しいインプラント治療』になります。

インプラント治療と聞くと、
怖い!
痛そう!
手術なんて嫌だ!
何度も通院が必要なのは嫌だ!
と考えている方もいらっしゃると思います。

やはり、治療を受けられる患者様にとっては、
痛み や 腫れがない!
手術回数 や 通院回数も少ない!
そんな治療をご希望されているのは当然のことです。

私だって、大変な治療は嫌ですから…

このタイトルである『患者さんに優しいインプラント治療』は、できるかぎり患者様に負担の少ない治療となるための話です。

その前に 『本当にインプラント治療は大変なのでしょうか?』
答えは、
簡単な治療もありますが、
大変な治療もあります。
インプラント治療の全てのケースが大変ではありませんし、
すべてのケースが簡単でもありません。
これは、単にインプラントの治療本数によるものではありません。
最大の原因は、治療前の骨や歯肉の状態に左右されるからです。


インプラント治療は、顎の骨の中に純チタンでできた人工の根(ネジのようなもの)を埋め込み、
骨とインプラントが安定後(通常2〜4ヶ月程度でインプラントと骨は結合します)、
型を取り、その上にセラミック等の被せ物を行うものです。

この治療の過程で、腫れや大変さが生じる時期は『インプラント手術時』になります。

その例えとして、
骨の厚みがあります。
インプラントの直径(太さ)は、約4ミリあります。
この太さ(直径)は、製造メーカーにより若干違いますが、
スタンダードなものとしては、約4ミリが最も多いでしょう。
それでは、4ミリのインプラントを顎の骨の中に埋め込む場合、
どの程度の骨幅があれば、良いのでしょうか?
答えは、6ミリです。
つまり、埋入したインプラントの脇に1ミリ づつの余剰な骨幅が残っていないといけません。
できれば、もっと もっと骨の幅があった方が良いでしょう。
7ミリでも 8ミリでも…
使用するインプラントの直径よりも骨の幅が多いことはインプラント治療の成功にとって最重要ポイントになります。
しかし、インプラント治療を希望される患者様の多くは、このような6ミリ以上の骨幅がないことが多いのです。

その理由として、
1  歯周病が進行してしまった!
2  歯の根が折れた状態で時間が経過してしまった!
3  歯がない状態が長く続いた!
こうしたことがあると歯を支えている骨は吸収してしまいます。
(詳細は各項目をクリックして下さい)

話は戻りますが、治療後に腫れや痛みがあることは患者様にとって苦痛となります。

インプラント治療での質問で、
『治療後に腫れたり痛んだりしますか?』
という質問がよくあります。
この質問の答えは難しいことです。
インプラントを埋入するための骨に問題がなく1〜3本程度の少ない埋入本数であれば腫れる可能性は非常に低いかと思います。

しかし、同じ治療を行っても個人差があり、腫れる方もいれば腫れない方もいるのが現状です。

特に上記に書きましたように、骨の吸収が起っている場合には、腫れる確立が高くなります。

高度に骨の吸収が起っている場合には、下記のような治療法が必要になります。
『GBR法』
サイナスリフト法

もちろん骨の吸収程度により、治療の難易度は違いますし、
難易度により、腫れの程度等も変わりますが、骨の増大法を伴う場合には腫れが起る確立は高くなります。



次回からは、『患者さんに優しいインプラント治療』の具体的な方法について解説したいと思います。

次回のブログは4/7(月曜日)になります。
次回は、今日の続きで、『患者さんに優しいインプラント治療:その2』です。


今日は、インプラント手術報告ではなく、保険の改正についての話です。

この4月に保険の改正がありました。
最近ニュースでも報道されていますが、
『後期高齢者』という新しい保険制度ができ、知っている方もいらっしゃるかと思います。
歯科でも、大きく変わりました。
そのため、3月まで受けていた治療と同じ治療を受けても支払う治療費が違うことがあります。
基本的に歯科では、ここ何十年も治療費の値上げはほとんどありませんが、
金属の原価価格の高騰が歯科にも影響を及ぼしています。
被せ物等の価格に反映されています。


歯と長寿についての記事が中日新聞(愛知県)にあったので、ご興味のある方は下記をご覧になって下さい。

『80歳で20本以上の歯を保つ「8020運動」で、達成した人の一部を対象に、
県は追跡調査を初めて実施。硬いものでもしっかりとかめる歯が、
長寿につながっている実態が裏付けられた。
「8020運動」は県が全国に先駆けて1988年に提唱し、各地に広がった。
今回、調査したのは2001、02両年度の表彰者計2150人(現在の推定年齢85歳)。
昨年11月、県が県歯科医師会に委託して対面で行った。
表彰者のうち、329人を抽出して調べたところ、
84%の276人(男性128人、女性148人)が生存し、
介護支援などを受けていない人は生存者の81%に上った。
現在も自分の歯が20本以上ある人は……』

この続きは、下記をクリックして下さい。
     •80歳20本、長寿には歯が命 84%が85歳以上生きる

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