インプラント症例:43回目

4/29(木曜日)です。
今日も『インプラント症例の43回目』です。
今日の症例は『最小限の治療!』というテーマで進めていきたいと思います。
患者様は、上顎の左右奥歯が欠損している方です。
欠損部には、義歯(入れ歯)を使用していました。
しかし、入れ歯を維持するための金具がかかっている歯がグラグラしてきたため、
『将来的には全ての歯がなくなってしまう!』
とご心配になり来院されました。
患者様は、以前から入れ歯に違和感があり『インプラント治療を行いたい!』 とのご希望を持っていらっしゃいましたが、治療に対する不安 等もあり、義歯のままでいました。
しかし、今回 上顎左側の奥歯がグラグラしてきて痛みがあり、噛めない
とのことからインプラント治療を決断されたそうです。
このブログでは、毎回さまざまなテーマでインプラント治療を行ったケースをご紹介しています。
現在、歯が欠損していてお困りの方にも当てはまるようなケースもあるかと思います。
過去のブログにさかのぼってご覧になって下さい。
さて、本日の症例に戻ります。
以下が初診時のレントゲン写真です。
スライド01
以下の写真が現在の状態です。
上顎の左右の奥歯は、義歯(入れ歯)を使用しています。
義歯の金具がかかっている上顎左側の歯がグラグラしているのです。
入れ歯は、落ちないように残っている歯に金具をかけて固定するものです。
そのため、金具がかかっている歯に負担がくわわりやすいのです。
スライド02
いつものように 骨吸収の状態を分かりやすくするために
骨吸収の状態を線で書いたのが以下のレントゲンになります。
青線が骨吸収を起こす前の骨の位置です。
赤線は、現在の骨の位置です。
スライド03
奥歯では骨吸収がかなり進行しているのが分かるかと思います。
診査の結果、上顎左側の指で触っても取れそうなグラグラの歯は、抜歯と診断しました。
スライド04
患者様の中には、グラグラしてすぐにでも取れそうな歯であっても
『自然に取れるまで 抜歯しないで そのままにしたい!』
とご希望される方もいらっしゃいます。
最終的には患者様のご希望になりますが、
今回その奥にインプラント治療を行うのであれば、
このグラグラしている歯は確実に抜歯になります。
その理由はいくつもあります。
まず、グラグラしている歯は感染しているため、
そのままにして奥にインプラントを埋入すると
インプラントにも感染がおよび インプラント自体もダメになってしまいます。
次にこのグラグラしている歯は、先程の骨吸収のレントゲン写真でも分かるように
骨吸収がかなり起こっています。
骨吸収が進行した状態で抜歯すると
インプラントを埋入すること自体が困難になったり、
骨吸収状態によっては、インプラントが不可能になったり、
骨吸収とともに起こる歯肉退縮の結果、審美的に大きく問題が残ったりします。
また、奥の欠損部にインプラント治療を行った後で、
このグラグラしている歯を抜歯した場合には、
さらにインプラントを追加埋入することが必要になるため、治療費もかさみます。
治療前に将来性をきちんと把握して治療計画を立てることが
歯科治療において非常に重要なのです。
現在、歯科的な問題で悩んでいるからこそ、このブログを見られている方が多いかと思います。
歯がダメになる前に適切な治療計画があれば、
問題は最小限に抑えることが可能になりますし、後から大変なことを避けることが可能になります。
話しはズレてしまいましたが、
上顎左側の一番奥の歯はグラグラしており、指で触っても取れそうな状態であったこともあり
患者様は この歯の抜歯を同意していただきました。
先程の骨吸収のレントゲン写真に上顎洞を記入したのが以下になります。
緑線は上顎洞です。
上顎洞(緑線の上方)は空洞です。
骨ではなく、穴が開いているのです。
上顎洞の詳細は、以下を参考にして下さい。
上顎洞
また、骨吸収した部位は赤色になります。
現在残っている骨は、緑色赤色の間のみになるのです。
スライド06
それでは、この骨吸収の状態でインプラントを埋入するとすれば、
何本のインプラントが必要なのでしょうか?
左右2本づつ?
左右3本づつ?
骨吸収が大きいため、理想的には以下のように左右4本づつです。
スライド07
しかし、このインプラント計画であると 治療費も高額になってしまうため、
患者様は一番奥までは、インプラントを埋入しないことをご希望されました。
以下のような治療計画です。
スライド08
それでは『3歯欠損に対して3本のインプラントが必要なのか?』とうことですが、
そうではありません。
長いインプラントを埋入できれば、2本のインプラントでブリッジとすることが可能です。
以下のような方法です。
スライド09
もちろんブリッジにすることにより、治療費の削減にもなります。
次に問題となるのは、
『どこにインプラントを埋入するのか?』
ということです。
スライド10
上顎の右側の奥歯では、上顎洞 の存在から長いインプラントが埋入できません。
また、初診時グラグラしていた上顎左側の抜歯した歯では、骨吸収が高度に進行してしまっていたため、適切な状態ではありません。
以下のような状態だからです。
スライド11
骨が吸収している部位には、
GBR法(骨増大法) を行ったり、
上顎洞内部に骨移植を行うサイナスリフト法(上顎底挙上術) を行えば、かなり長いインプラントを埋め込むことも可能です。
しかし、こうした治療法は、術後に腫れが大きく起こる確立が高い治療法です。
患者様も『大変な治療は避けたい!』とのご希望がありました。
そこで、インプラントを埋入する部位は、骨吸収の少ない部位にしました。
以下が最終的なインプラントの治療計画です。
スライド12
まず右側ですが、
一番奥の部分には 骨の高さが少ないため、
インプラントを埋入せず、手前2歯欠損にインプラントを埋め込みます。
そして、被せ物を3歯分作成する方法です。
こうした方法をカンチレバー と言います。
また、2本埋入する うちの 奥のインプラントは、
少しでも長いインプラントを埋入するためにソケットリフト法 を行う計画を立てました。
次に左側です。
骨吸収の大きい手前の欠損にはインプラントを埋入しないで
奥の2欠損にインプラントを行うことにしました。
また、奥の2歯欠損に対しては 少しでも長いインプラントを埋入するために、
ソケットリフト法 を行うことにしました。
それでも 一番奥の部分は、骨の高さが少ないために 少しでも長いインプラントを埋入するためにインプラントの傾斜埋入 も行う計画にしました。
今回のインプラント治療計画は、
治療の大変さ 術後の腫れ や 疼痛を少しでも避けるために
骨吸収が大きい部位にはインプラントを埋入せず、
ソケットリフト法
インプラントの傾斜埋入
カンチレバー
といった治療法を行うことで
費用的にも
治療の大変さ
最小限で行うことが可能になりました。
スライド13
以下が治療終了後です。
スライド14
使用したインプラントは、4本全てストローマンインプラント(ITIインプラント) です。
今回から上記のケースの治療費(インプラントモニターで行った場合 )も掲載します。
インプラントが1本 168.000円(消費税込)、
被せ物が1歯 84.000円(消費税込)です。
そのため 片側(左右別)の合計は、
168.000円×2本 + 84.000円×3歯分 = 588.000円(消費税込)
になります。
当医院のインプラント治療費用の中には、
治療中のレントゲン撮影や薬代、
土台(アバットメント) の費用、
仮歯 の費用、
治療経過のレントゲン撮影、
セラミック等の被せ物の費用、
スプリッティング法(リッジエクスパンジョン法)
OAM(大口式)インプラントシステム
GBR法(骨増大法)
ソケットリフト法 の費用、
静脈内鎮静法(眠っている間に終了します) の費用も含まれています。
治療計画以上の追加費用はありません。
全て含まれた費用です。
次回のブログは5/10(月曜日)になります。
来週はゴールデンウィークのため、
5/3(月)、5/6(木)のブログはお休みさせていただきます。
診療も5/3(月)〜5/6(木)まで休診とさせていただきます。
緊急の場合には、メール(info@sugiyama-d.sakura.ne.jp)でご連絡下さい。
今週(4/27〜28)のインプラント手術報告
今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
それでは、今週のインプラント手術の中から下顎にインプラント埋入を行った1症例について解説します。
昨日のインプラント手術は、骨吸収もさほどなく わりと簡単なケースでした。
下顎の奥歯に2本のストローマンインプラント(ITIインプラント) を埋入しました。
簡単な手術はいいですね。
あっと言う間に終わりました。
麻酔次回を除けば、約10分弱です。
ストローマンインプラント(ITIインプラント) は ほとんどの場合1回法 で行いますので後は、約2〜3ヶ月後に型を取るだけです。
このシンプルさがストローマンインプラント(ITIインプラント) の利点でもあります。
インプラントモニター募集(20%割引
現在、新規にインプラント症例集のページを作成しています。
さまざまなケースを見ていただくことにより、よりインプラント治療についてご理解していただきたいと思います。
そのため、症例を公開しても大丈夫という方(インプラントモニター)を募集しています。
インプラントモニターの詳細については、下記をクリックして下さい。
インプラントモニター(20%割引)
今回のモニター募集は、できるかぎり多くの症例を掲載したいと思っているため、1歯欠損も募集しています。
何歯欠損でも大丈夫ですので、ご希望がございましたらご連絡下さい。
最近インプラント治療を行う際に静脈内鎮静法(眠っている間に終了します) をご希望される方が非常に多くなってきています。
そこで、静脈内鎮静法 による麻酔をもっと多くの方にご利用していただくために 今まで3万円かかっていた費用を無料にしました。
これは、静脈内鎮静法 でインプラント治療を行いたいが、麻酔費用がかかるのがネックと考えられ断念されるケースがでてきたためです。
そのため、暫くの間 試験的に無料とさせていただくことにしました。
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I.T.Iインプラント認定医でもあり、 GBR法 サイナスリフト 審美インプラント等の難症例も行います。
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