最新インプラント症例ブログ

2011年1月10日

最新インプラント症例:87回目

1/10(月曜日)です。
このインプラント症例ブログは毎週 月曜日木曜日にアップしていますが、暫くの間は 月曜日だけになります。(ちょっと忙しいので…すみません)

『87回目のインプラント症例』になります。
今年 最初の インプラント症例です。
昨年は、400本を超える インプラント治療を行いました。
難しい症例も多かったですね。
インプラント治療と言っても
非常に簡単な治療もありますし、
大変な難症例もあります。
今年も この「最新 インプラント症例 ブログ」では、
さまざまなケースを 分かりやすく 解説していきたいと思います。
多くの症例をご覧になっていただくことで
ブログをご覧になっている患者様に当てはまるようなケースも
あることでしょう。

この「最新 インプラント症例 ブログ」では、
単に「インプラントを行いました!」という内容ではなく、
「このような考えのもと このような工夫をして 治療を行った!」
というような具体的な内容でお伝えすることが大きな特徴です。
これは、他のHPでは まず記載していないような内容です。
ご興味のある方は、今年も是非ご覧になって下さい。


それでは 早速始めます。

本日の症例は、10年程前の症例です。
初診時には、歯周病が非常に進行しており、
下顎のほとんどの歯が 指で触れても グラグラ な状態でした。
歯肉が腫れることは日常であり、
出血、痛みを伴い、噛むことすらできない状態でした。
本来、下顎が全て存在している場合 14歯あります。
この14歯のうち 10歯以上が グラグラ な状態でした。
また、上顎も多くの歯が歯周病により骨吸収を起こしていました。
上顎も奥歯に関しては、70%以上の骨吸収を起こしている部位も認められました。
本当に非常に進行した重度歯周病でした。
骨吸収の詳細は また後で解説します。

以下は、初診時のレントゲン写真です。
10年程前の症例ですので、かなり写りが悪いのですみません。
10年前は、現在のようなデジタル レントゲンではなく、
フィルムを使用したレントゲンでした。
デジタル レントゲンフィルム レントゲンを 他の例え で説明します。
デジタル レントゲンは、現在のデジタル カメラ です。
フィルム レントゲンは、昔のフィルム を使用したカメラ です。
保存しておいたレントゲンのフィルムが劣化したのです。
保村方法が良ければ フィルムのレントゲンでも長期的に劣化しづらいのですが、
カルテの中にそのまま保管してあったので、今回見た時にはすでに劣化が進んでいたのです。
以下が10年程前の フィルムのレントゲンです。
スライド01

先にも説明しましたように 下顎の歯はほとんどがグラグラです。
指で触ってもすぐ取れそうな歯も多くあります。
歯周病が原因という歯もありますし、
虫歯にもなっている歯もあります。
スライド02

また、上顎の奥歯もすでに 歯周病が進行しており、
グラグラしています。
スライド03

このレントゲンでは分かりづらいので、
いつものように 骨吸収の状態を分かりやすくするために
下顎の 骨吸収の状態を線で書いたのが以下のレントゲンになります。
青線が骨吸収を起こす前の骨の位置です。
赤線は、現在の骨の位置です。
スライド04

かなりの骨吸収が起こっているのが分かるかと思います。
さらに わかりやすくするために、
骨吸収部位を赤色で表示します。
スライド05

下顎は どの歯をとっても保存することは無理な状態でした。
下顎は、全ての歯が抜歯と診断されました。
もちろん、私は歯周病専門医 ですので、
骨が吸収が進行した重度歯周病
歯がグラグラ している重度歯周病であっても
歯周病治療
GTR法
エムドゲイン法
等の骨再生治療を行い、治療をします。
しかし、全ての歯周病を治療できるわけではありません。
あまりにも歯周病が進行してしまった場合には 抜歯になります。
他の言い方をすれば、抜歯しか方法がない歯を 無理に治療しようとすると
治らないだけでなく、歯周病細菌が他の歯にも感染したり、
骨吸収がさらに大きくなってしまいます。
骨吸収がさらに大きくなると 最終的に抜歯となった後で次の治療が困難になってしまいます。
もちろん 他の歯へ感染した場合には、もっと重篤な問題が起こります。
感染は確実に多くの歯を失う結果となってしまうのです。
今回の症例では、下顎は保存することは不可能な状態でした。
スライド06

下顎の左右のある奥歯(親知らず)は、最初の段階では保存することにしました。
(インプラント治療後に親知らずは抜歯します)
この理由は、抜歯後に暫くは義歯(入れ歯)を使用していただく必要性があり、
その義歯の安定のために どうしても親知らずが必要だからです。
以下は、下顎を抜歯した後です。
スライド07

次に上顎の骨吸収も見てみましょう!
先程と同様に
上顎の 骨吸収の状態を線で書いたのが以下のレントゲンになります。
青線が骨吸収を起こす前の骨の位置です。
赤線は、現在の骨の位置です。
スライド08

これも同様に さらに わかりやすくするために、
骨吸収部位を赤色で表示します。
スライド09

かなりの骨吸収があるのが分かるかと思います。
上顎の奥歯もグラグラの歯が多くあります。
スライド10

これらの グラグラしている上顎の奥歯も どうしても 抜歯が必要でしょうか?
スライド11

結論からお話すると
上顎は、徹底した歯周病治療 を行い、
保存することに決定しました。
この理由にはいくつかあります。

1つ目は、患者様ご自身のご希望として
「下顎が全て抜歯となってしまったため、上顎は なんとか抜歯しないでいたい!」
というご希望をもっていました。

2つ目に 治療費の問題がありました。
下顎は、抜歯後にインプラント治療を行う計画になりました。
全ての歯がないため、多くのインプラントが必要になります。
当然のことながら治療費が高額になります。
そのため、上顎は可能なかぎり 費用を抑えたいと考えていらっしゃいました。

3つ目は、骨吸収が大きいため、上顎を抜歯した後の治療方法が難しいことです。
具体的には、骨吸収が大きいため、
抜歯後にインプラント治療が非常に難しい状態であったからです。

そのため、上顎の グラグラしている 奥歯はなんとか保存することに決定しました。
スライド12


下顎の治療方法に戻ります。
先にも説明しましたように
下顎は、抜歯後にインプラント治療を行うことになりました。
ここで問題があります。
重度歯周病の状態を長く放置したために
骨吸収が非常に大きくなっていました。
スライド13

この骨吸収が今後の治療計画を大きく左右するのです。
それでは、一般的に下顎に14歯分が欠損していた場合 
どのようなインプラント治療計画になるのでしょうか?
下顎に骨吸収がさほどない場合には、
14歯欠損に対して 6本のインプラントを埋入して
14歯分のセラミック等の被せ物を作製します。
インプラントによるブリッジです。
治療費が最も抑えられる治療方法です。
スライド14

インプラントを埋入する部位は、上記のような場所です。
具体的には、
奥歯の4歯欠損に対して、4歯欠損の両端に1本づつインプラントを埋入します。
つまり、2本のインプラントで4歯分を作製するブリッジとなるのです。
残りの前歯部の6歯欠損に対しては、欠損の両端に2本のインプラントを埋め込み
6歯分のセラミック等の被せ物を作製するインプラントブリッジとします。

インプラントブリッジは、
左右の奥歯と
前歯部の3つの部位に分割されて作製されます。
スライド15


これが最小限のインプラントの本数を使用した場合の
スタンダードな治療計画です。
しかし、全ての症例でこのようになるわけではありません。
その理由の大きなポイントとして、骨吸収があります。
骨吸収が大きい場合には、
結果として 短いインプラントしか埋め込むことができません。
短いインプラントしか埋め込むことができない場合には、
インプラントの本数を増やして強度を増すことが必要です。
つまり、6本のインプラントでなく、
8本とか 10本のインプラントが必要であるということです。
また、インプラントを埋め込む部位も変わってきます。
理想的な部位にインプラントを埋入するためには、骨吸収が少ないことがポイントになります。
骨吸収が大きい部位にインプラントを埋め込むことは難しいのです。

インプラントの治療の中には、骨吸収を起こした部位に対して
骨を増大させる治療法があります。
これをGBR法(骨増大法) と言います。
しかし、このGBR法(骨増大法) は 魔法の治療ではありません。
GBR法(骨再生治療)には限界 があるのです。
また、骨吸収が大きければ 大きい程 治療も大変になります。
その結果として、治療後に腫れが大きくなったり、痛みを伴うことがあります。

インプラントの治療計画を立てる場合には、
単に口腔内だけを見て判断するのではなく、
患者様のご希望!
治療費の問題!
骨吸収等の状態!
等を考慮して最終的な判断を行うのです。

今回のケースでも
骨吸収が大きいことと
治療後の腫れ を最小限にする(治療後の患者様の負担を最小限にする)
治療費を最小限にする
といったことを考慮した結果
以下のような部位にインプラントを埋入することにしました。
スライド17

インプラントの使用本数は、最小限の6本です。

以下が約10年経過したレントゲンです。
スライド18


使用したインプラントは、ストローマンインプラント(ITIインプラント) です。
GBR法(骨増大法)
カンチレバー
といった方法を駆使して
最小限のインプラントの本数(最小限の治療費)と
最小限のダメージ(腫れ 等)が可能となりました。

ちなみにインプラントモニターを使用した場合には 治療費は以下になります。
インプラント1本 :168.000円(消費税込)×6本
被せ物   1歯分: 84.000円(消費税込)×14歯分
合計 2.184.000円(消費税込)になります。

上記以上に治療費を抑える方法もあります。
例えば、奥歯を白い被せ物にしないで 金属製にすれば
1歯分: 58.800円(消費税込)になります。
また、14歯分の被せ物を作製しないで
12歯分の被せ物だけにしたり、10歯分の被せ物にすることも一つの方法です。
つまり、一番奥まで歯を作製しない方法です。
もし、6本のインプラントを埋入して 10歯分の被せ物にして奥2歯分を金属製の被せ物にした場合の治療費(インプラントモニター)は、以下になります。
合計 1.747.200円(消費税込)

当医院のインプラント治療費用の中には、
治療中のレントゲン撮影や薬代、
土台(アバットメント) の費用、
仮歯 の費用、
治療経過のレントゲン撮影、
セラミック等の被せ物の費用、
スプリッティング法(リッジエクスパンジョン法)
OAM(大口式)インプラントシステム
GBR法(骨増大法:インプラント埋入と同時の場合)
ソケットリフト法 の費用、
静脈内鎮静法(眠っている間に終了します) の費用も含まれています。
治療計画以上の追加費用はありません。
全て含まれた費用です。

治療後 下顎のインプラントに問題ないのは もちろんのことですが、
上顎もトラブルなく、長期的に維持されています。
上顎の左側の奥歯は、骨吸収は大きいですが、
噛み合わせの安定が得られたこと
患者様の歯磨きの状態が非常に良いこと
きちんとメインテナンス(定期検査) に通院されていること
もあり、づっと大きな問題なく維持されています。
スライド19


ちなみに 上顎が全て欠損していた場合には、
6本もしくは8本のインプラントが必要になります。
下顎より本数が多く必要な場合があります。
この理由として、
上顎の骨は、下顎の骨より柔らかいため 安定が悪いこと!
上顎は、下顎より骨吸収を起こしていることが多いため、短いインプラントしか埋入できないことが多いこと!
があります。
以下は、上顎が全て欠損している場合の治療参考症例です。
スライド16



次回のブログは1/17(月曜日)になります。
次回もまだまだ続く『インプラント症例』です。
さまざまケースを紹介しますので、きっと あなたと同じような症例があるはずです。



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I.T.Iインプラント認定医でもあり、 GBR法 サイナスリフト 審美インプラント等の難症例も行います。
HPでは 治療費(費用)の説明や インプラント症例 無料相談コーナーもあります。
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