最新インプラント症例ブログ

2011年9月22日

最新インプラント症例115回目

9/22(木曜日)です。
毎週木曜日は休診日ですが、本日は診療しています。
本日診療ご希望の方は、電話予約で来院されて下さい!


昨日は台風の直撃で大変な方も多かったと思います。
当医院はご予約の方のキャンセルが多くあったため、
比較的余裕のある1日でした。
それでも 夕方の台風直撃の時間帯では 大雨 と 突風の中
来院された患者様が何人もいらっしゃいました。

院長の予約は混んでいるため、なかなか予約が取れない患者様は、
結構無理していらしていただいたようです。

それでもスタッフが帰れるように
5:30までの診療で 少し早めに 診療を終了しました。

都内では電車が止まり 帰れなかった方も多くいらっしゃったようで
本当に都会は、自然の力には弱いと感じさせられます。

電車の運休は始めから分かっていたので、
午前中に仕事を終わらせる等
もっと 事前にできたことがあったのではないかと思われます。
(仕事だから無理な点も多くあると思いますが…)


それでは今週末の休診のお知らせです。

• 明日(9/23:金)休診
• 明後日(9/24:土)は歯周病学会のため休診となります。



この最新インプラント症例ブログは毎週木曜日にアップしています。
『115回目のインプラント症例』になります。

本日の症例は
「神経のない歯が歯根破折した!」
という話しです。

このブログで紹介するインプラント症例ですが、
インプラントを行うということは
歯がない(欠損している)ということです。

つまり 抜歯したから 歯がない!
ということです。

その抜歯原因の多くは、
「神経のない歯が歯根破折した!」
ということなのです。

歯根破折は本当に多いです。

神経のない歯についてはこのブログでもよく紹介してきました。
始めてこのブログを読まれる方のために
簡単に神経のない歯について解説します。

神経のない歯は もろく 通常の咬む力でも割れてしまうことがあります。
こうした状態を患者さんに説明する時に
” 木 ” に例えてお話しすることがあります。
生き生きとした木はたたいたり、蹴ったりしても折れたりすることはありませんが、
枯れた木は折れる可能性があります。
神経を取った歯も枯れた木と同じような状態になります。
神経のない歯は 血液供給がなくなるため もろく なってしまうのです。

さて、本日の症例です。
本当に悩みが多いケースです。
その理由は
あまりにも神経がない歯が多いからです。

患者様は、上顎左側の奥歯が歯根破折しているために
他歯科医院で抜歯を受けたそうです。

その後の治療方針として、インプラント治療をご希望されて当医院を受診されました。
以下が初診時のレントゲンです。
スライド01

スライド02

上顎の左右の奥歯が欠損している状態です。
スライド03

なぜ抜歯となってしまったのでしょうか?
スライド04

歯周病の検査 を行いました。
歯周病の問題はまったくありませんでした。
スライド05

神経のない歯が非常に多い状態です。
以下の赤丸:●印が神経がない歯です。
いかに神経がない歯が多いのが分かるかと思います。
スライド06


ちなみに 下顎左側の奥歯は現在 歯根破折 しています。

このことを患者様に説明しましたが、
痛みがないため、このまま経過をみたいとのご希望でした。
本来であれば、歯根破折した場合には早急に抜歯することが必要です。
この理由として、歯根破折した部位から感染が起こり、
歯を支えている骨が吸収してしまうからです。
骨吸収が大きくなると 抜歯後にインプラント治療が難しくなったり、
骨吸収の状態によっては、インプラント治療自体が不可能になることもあります。
また、骨吸収が周囲の歯へも影響を及ぼします。
歯根破折した場合には、可能なかぎり早期に抜歯することが大切なのです。
しかし、痛みも 腫れも なにも違和感が感じない状態であった場合には、
抜歯に対して患者様のご理解を得ることは難しいことがあります。

今回の症例でも 患者様のご理解を得ることができませんでした。
スライド07

下顎左側の奥歯はそのままにして
患者様のご希望のあった 上顎左側の奥歯に 1本のインプラントを埋入する
治療計画となりました。
スライド09

しかし、神経のない歯が多く、将来的な不安が非常に高いケースと言えます。
スライド08

以下が治療終了後のレントゲンです。
スライド10

治療としては 特別難しいケースではありません。
しかし、将来性に非常に大きな不安を残す 患者様です。


使用したインプラントはストローマンインプラント(ITIインプラント) です。


治療費
本日の症例をインプラントモニターで行った場合の治療費は以下になります。

インプラント   1本  168.000円(消費税込)×1本
被せ物(白い歯) 1歯  105.000円(消費税込)×1歯分
合計 273.000円(消費税込)
になります。
治療費をさらに抑える方法として 被せ物を金属製にする方法があります。
金属製の被せ物は、1歯 73.500円(消費税込)になりますので、
合計 241.500円(消費税込)
になります。


それでは、神経がない歯は どれくらい保つのか?(神経がない歯の生存率)
という話しをしたいと思います。

神経がない歯の生存率は、
神経がある歯と比較すると圧倒的に低いのが現状です。

神経がない歯の生存率についての研究論文は多くありますが、
約5〜30年と言われています。

しかし、神経を取った後に 1年も経過しないうちにダメ(抜歯)となるケースもあります。

神経のない歯の生存率が約5〜30年ということは、
20歳で神経を取った人は、25歳〜50歳程度で歯がダメ(抜歯)になる確立が高いということです。
それだけ神経のない歯の将来性は低いのです。
30年以上保つこともありますが、非常に稀なケースと言えます。

また、神経がない歯に 被せ物(セラミック、金属冠) や 差し歯、ブリッジを行った場合、その被せ物は約7〜8年でトラブルが起こる確立が高いと言われています。

以下は、神経がない歯の代表的なトラブルです。

1.歯根破折を起こす!
本日のテーマともなっています歯根破折です。
神経のない歯は血液供給がなくなるため もろくなってしまうのです。
歯(根)が折れた場合には、基本的に抜歯となります。

2.虫歯になりやすい!
次に 神経がない歯は、虫歯になりやすく、虫歯の進行速度も早いのです。
神経を取った歯は、ほとんどの場合 金属製 や セラミック等の被せ物(差し歯)を行います。
こうした被せ物には、ほんのわずかですが つなぎ目(隙間:すきま)が存在しています。
段差といってもいいでしょう。
この つなぎ目 に汚れが溜まりやすく、
歯磨きが適切にできないと 被せ物の隙間から虫歯細菌が侵入し、
虫歯となってしまいます。
また、神経のない歯は、虫歯になってもしみる等の痛みが起らないため、
気が付かないうちに進行しやすいのです。

3.根の先に膿みが溜まる!
次に 神経がない歯は、根の先に膿みが溜まることがあります。
この膿みが大きくなると 腫れたり、痛みが起こったりします。
本来、歯の中にある神経は、無菌的な状態ですが、
神経を取る際に歯に穴を開けた瞬間に 外部(大気中)の細菌が神経の穴に入ってしまいます。
外部からの感染を100%防ぐことは不可能なことです。
また、歯の根(神経が通ってる根)は、非常に複雑な形態をしており、
メインの神経以外にも 細い神経(血管)が無数に存在します。
例えると 木の根っこにも 無数の細い根が存在するのと同じです。
そのため、全ての神経を取り除くこと自体 難しいのです。
残った細い血管が腐ったりすると 膿みとなることもあります。
根の先に膿みが溜まった場合には、膿みを取り除く治療(感染根管治療)を行いますが、
再発率が高いのです。
根の先に膿みが溜まっているような状態(感染根管)では、
根自体が感染しているため消毒だけでは細菌を100%取り除くことは不可能です。
特にレントゲン上で膿みの陰が大きかったり、
何度も腫れを繰り返しているような状態の場合には、
再発するリスクが高いことが 多くの論文からも明らかになっています。(再感染根管治療

以下は、さまざまな論文から得られた神経の治療の成績です。
  • 感染根管治療で 80%程度の成功率
   (50〜90%程度の成功率の論文報告が多い)
  • 再感染根管治療で 60%程度の成功率
   (50〜80%程度の成功率の論文報告が多い)

これらの論文から 根の先に膿みが溜まっているような状態で治療を行った場合(再感染根管治療)には、10人に治療を行えば 4人は膿み(腫れ)が再発するということです。



それでは、神経のない歯は どうしたら良いのでしょうか?

どうしたらトラブルなく 長く保つのでしょうか?

上記でご説明した
『歯根破折』
『根の先に膿みが溜まる』
といったことは、患者様ご自身で防ぐことは難しいのですが、
『虫歯になりやすい』ということは、予防をしっかり行うことでリスクは軽減できます。
つまり、毎食後の徹底した歯磨きが 今後を左右するのです。
また、神経のない歯が虫歯になっていると判断された場合には、早急に対応することが重要です。
神経がない歯は、冷たい等の症状がでないので、
知らないうちに 虫歯が進行して 手遅れになることがあります。
また、神経のない歯に負担をかけないことも歯根破折防止の点からは大切なことです。
これは、神経のない歯をできるかぎりブリッジにしないことや
歯がない状態のままで放置しないことも重要なことです。
歯が欠損したままでいると 残っている歯に負担が加わるのです。
残っている歯に神経がなければ、歯根破折が起こる確立も高くなるのです。
神経がない歯を生涯に渡って維持することは、さまざまなリスクがあり 困難なことです。
そのため、リスクを最小限にするための治療方法 や 毎日の管理 が重要になってくるのです。


過去の神経がない歯の歯根破折症例(ブログ)は、以下をご覧になって下さい。

歯根破折 症例

歯根破折 症例:1
歯根破折 症例:2  
歯根破折 症例:3
歯根破折 症例:4
歯根破折 症例:5
歯根破折 症例:6
歯根破折 症例:7
歯根破折 症例:8
歯根破折 症例:9
歯根破折 症例:10
歯根破折 症例:11
歯根破折 症例:12



当医院のインプラント治療費用の中には、
治療中のレントゲン撮影や薬代、
土台(アバットメント) の費用、
仮歯 の費用、
治療経過のレントゲン撮影、
セラミック等の被せ物の費用、
スプリッティング法(リッジエクスパンジョン法)
OAM(大口式)インプラントシステム
GBR法(骨増大法:インプラント埋入と同時の場合)
ソケットリフト法 の費用、
静脈内鎮静法(眠っている間に終了します) の費用も含まれています。
治療計画以上の追加費用はありません。
全て含まれた費用です。



次回のブログは9/29(木曜日)になります。
今後は毎週木曜日にアップします。

次回もまだまだ続く『インプラント症例』です。
さまざまケースを紹介しますので、きっと あなたと同じような症例があるはずです。


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神奈川県横浜市にある 日本歯周病学会歯周病専門医 国際インプラント学会認定医の歯科医院
I.T.Iインプラント認定医でもあり、 GBR法 サイナスリフト 審美インプラント等の難症例も行います。
HPでは 治療費(費用)の説明や インプラント症例 無料相談コーナーもあります。
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