最新インプラント症例ブログ

カテゴリー: インプラントの被せ物の記事一覧
2008年7月3日

ブリッジ、インプラント、被せ物 の平均寿命は?:その3

7/3(木曜日)です。

今日も前回の続きで、『ブリッジ、インプラント、被せ物(差し歯、セラミック、金属冠…等)の平均寿命は?:その3』になります。


ブリッジの生存率が低いのは なぜか?

それでは、ブリッジの生存率が、インプラントと比較して低いのはなぜでしょうか?

まず、ブリッジと言っても
神経がある歯のブリッジ』と
神経のない歯のブリッジ』とでは違います。

神経のない歯は、もろく 通常の咬む力でも割れてしまうことがあります。

以下の話は、このブログでもよく書く内容です。

神経のない歯の状態を患者さんに説明する時に “木” に例えてお話しすることがあります。
生き生きとした は、たたいたり、蹴ったりしても折れたりすることはありませんが、枯れた木は、折れる可能性があります。
神経を取った歯枯れた木と同じような状態になります。

神経のない歯は、血液供給がなくなるため、脆くなってしまうのです。

また、神経のない歯は、虫歯になっても 痛み を感じることがありません。
そのため、無症状のまま虫歯は進行してしまいます。
神経のない歯のブリッジの場合、1歯が虫歯になっても ブリッジはすぐには、取れません。
他の土台の歯でくっついているためです。
そのため、虫歯が進行してしまい、ブリッジが取れた時には、ダメ(抜歯)となってしまうことが多いのです。

また、ブリッジの欠点として、土台部分の歯で、歯のない部分の力(噛む力)も支えているため、負担が加わりやすいのです。

例えば、1歯欠損(1歯分の歯がない場合)のブリッジでは、土台となる2歯で、3歯分の歯を作製します。
つまり、土台となる歯には、通常の1.5倍の力が加わることになります。

ブリッジは、過重負担となってしまうのです。

噛み合わせがしかりしていれば、問題が起らないこともありますが、
多数歯の欠損を無理矢理、少ない土台でブリッジをしたような場合には、
時間の経過とともに、土台は、荷重負担となり、噛む力でダメになることもあります。

また、ブリッジとなる土台の歯が、歯周病であった場合、
土台が噛む力に耐えきれないこともあります。

また、人間が人工的に作製したブリッジは、厳密に言えば、歯との『境目』が存在します。
歯とブリッジ(人工物)との『つなぎ目』です
『段差』と言ってもいいでしょう。

これは、『歯科医師』の技術力(削る精度、型を取る精度) や ブリッジ本体を作製する『歯科技工士』の技術力 にも大きく左右されます。

また、ブリッジに使用する素材にも左右されることもあります。

より精度の高いブリッジを作製するためには、使用する素材(材料)や
『高い技術力をもった歯科技工士』が作製することが大切です。
ブリッジは、患者様個人に合わせた完全なるオーダーメードですから…

ただし、最高の素材(材料)や、『高い技術力をもった歯科技工士』の作製したブリッジでは、保険診療では、難しいことも事実です。

例えば、保険診療で使用できる素材(金属等の材料)は、1種類しか認められていません。
これは、健康保険ができてから今まで ずーっと変わりません。

しかし、歯科材料は、日々進歩しています。
できるかぎり、変形の少ない素材や、精度の高い素材が日々 開発されています。
日本の保険診療はそうしたことにまったく対応していないのです。

日本の保険診療で使用しているような材料(特に金属材料)は、世界的にみれば、あまり使用されていないのが現状です。

また、『高い技術力をもった歯科技工士』が十分な時間をかけて、丁寧にブリッジを作製すると、
ものすごく時間がかかります。
例えば、ブリッジ一個を作製するのに 1週間以上もかかることがあります。
一個(1人分)ですよ。
しかし、保険診療の中で 決められた費用で、採算が取れるようなブリッジを作製しようと思ったら、1日に何個(何十個)も作製しなければなりません。
当然時間的にも無理がかかりますので、最高のレベルでのブリッジは作製できません。

他の業界で例えれば、『カバン職人』がいたとします。
1個の『カバン』を作製するのに、1週間も2週間もかったとします。
1ヶ月間がんばっても2〜3個しか作れなかったとします。
それを1個5000円で売っていたら 間違いなくつぶれますよね。
材料費を引いたら赤字です。

保険で被せ物(クラウン)を作製する場合、歯科技工士の報酬は、
1個 約3.000〜4.000円(材料込み)です。
1個作製するのに1週間もかかっていれば、材料費を引くと1ヶ月の給料は、1万円にもなりません。
当然つぶれてしまいますよね。
そのため、無理をして1日に何十個も作製しなければならないのです。

これは、保険診療で、被せ物1個の費用が決まっているからです。
決まった料金の中で作製しなければなりません。

インプラントの被せ物(インプラントブリッジ)の場合、治療費は、歯科医院ごとに決定されます。
より精度の高い被せ物を作製しようと思えば、『高い技術力をもった歯科技工士』に 作製を依頼することが必要です。
しかし、『高い技術力をもった歯科技工士』は、作製時間もかかるため、コストも高くなります。
その分、歯科技工士は、十分な時間をかけて作製することが可能となります。
これは、完成したブリッジの精度に反映されます。

歯科の被せ物は、患者様 個人個人に合わせた完全なる『オーダーメード』ですから…

しかも非常に技術力を必要とする仕事です。

天然歯のブリッジ と インプラントのブリッジの精度は、こうしたことに大きく影響されます。

ちょっと話がズレてしまいましたが、
今日は、話が長くなってしまったので、続きは、また次回にします。

次回のブログは7/7(月曜日)になります。
次回は、今日の続きで、『ブリッジ、インプラント、被せ物(差し歯、セラミック、金属冠…等)の平均寿命は?:その4』です。


今日は、話が長くなってしまったので、『今週のインプラント手術報告』は お休みさせていただきます。


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2008年6月30日

ブリッジ、インプラント、被せ物 の平均寿命は?:その2

6/30(月曜日)です。



今日も前回の続きで、『ブリッジ、インプラント、被せ物(差し歯、セラミック、金属冠…等)の平均寿命は?:その2』になります。


前回の生存率のデータをもとにし、インプラントブリッジ生存率のデータを具体的に見ていきましょう。

ブリッジは、装着後約10年で50〜70%が生存(残る)

インプラントは、装着後約10年で90〜95%が生存(残る)

という論文が多いのです。

これだけを比較するとインプラントの方が優れているということになります。

しかし、この平均生存率は、患者様 個々によりかなり違います。

例えば、
 1. 歯周病はないか?
 2. 噛み合わせには、問題がないか?
 3. ブラッシングが毎食後きちんとできているのか?
 4. 歯ぎしり等は、ないのか?
 5. 全身疾患(糖尿病 等)は、ないか?
 6. 喫煙していないか?
 7. もともと持っている(歯周病細菌 や 虫歯菌)のリスクは、高くないか?
 8. 定期検査(メインテナンス)をきちんと受けているか?
 9. 被せ物の精度
等 さまざまな因子のより治療の予後(将来性)は変わってきます。

また、ブリッジの場合には、土台となる歯が『神経があるか ないか』によってもかなり違います。

上記の生存率は、さまざまな条件により異なるのです。

あくまでも平均です。

しかし、
ブリッジインプラント のどちらが長く持ちますか?』
という質問があれば、
『インプラントの方が多くの臨床研究(論文)によれば、平均的には、トラブルも少なく、生存率は高い!』
と言ってもいいでしょう。

ただし、インプラントは、平均生存率が高い といっても100%ではありません。

先程、ブリッジ生存率が、装着後約10年で50〜70%と書きましたが、これは、あくまでも平均的なデータです。

ブリッジが20年、30年と問題なく経過している症例もあれば、
ブリッジをして、1年、2年でダメ(抜歯)になる症例もあります。

ダメになるかならないかは、ブリッジ自体の耐久性ではなく、
歯自体の問題 等 上記の1〜9の問題があるからです。

歯自体がダメになってしまえば、当然ブリッジもダメになるわけです。

インプラントは、ブリッジと比較して成功率は、かなり高いものですが、
1〜2年でダメになる症例もあります。

そのため、ブリッジが良くてインプラントが悪いということではありません。

しかし、こうした生存率のデータは、治療方針を決定する上で非常に参考になります。


次回のブログは7/3(木曜日)になります。
次回は、今日の続きで、『ブリッジ、インプラント、被せ物(差し歯、セラミック、金属冠…等)の平均寿命は?:その3』です。


今週(6/27〜29)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
日々の臨床で、どのようなことを行っているか 知っていただきたいと思い 今年から始めました。

それでは、今週のインプラント手術の中から上顎の奥歯にインプラント埋入を行った1症例について解説します。

患者様は、約6ヶ月前、上顎の奥歯にインプラント治療を希望されて来院されました。
しかし、レントゲン検査の結果、骨の高さは、1ミリ以下であり、そのままでは、インプラントは、まったくできない状態でした。

インプラントを埋入するためには、最低でも6ミリの骨の高さがないと行えません。
理想的には、10〜14ミリ程度の骨の高さがあることが必要です。

患者様は、1ミリ程度しかありませんでしたので、まったく不可能ということでした。

そこで、骨が吸収している部位に骨の移植を行いました。
サイナスリフト法です。

骨が吸収してインプラントができないのであれば、
『骨を増やせば良いのでは?』
と思われている患者様が多くいらしゃいます。

もちろんそうした治療( サイナスリフト法)を行えば、骨を増大(増やす)ことは可能です。
ただし、あまりにも骨が吸収している場合には、治療は困難になってしまいます。
治療後の腫れ や 治療費等を含め、患者様の負担は大きくなります。

また、骨吸収があまりにも大きい場合には、骨を増やす(増大する)ことができなくなってしまうこともあります。

前回のブログのインプラント手術報告にも書きましたが、骨吸収を早く防止することは、その後の治療を簡単にします。

話は、今回の症例に戻ります。
上顎の奥歯に高度の骨吸収が認められていたため、約半年前に サイナスリフト法を行いました。

今回は、レントゲン写真で、骨の増大(再生)を確認できたため、インプラントの埋入になりました。

埋入したインプラントは、合計で5本です。

使用したインプラントは、 ストローマン・インプラント   ( I.T.Iインプラント)   SLAタイプ
です。
全て、直径4.1ミリ、長さ10ミリです。
元々(初診時)、骨の高さが1ミリしかなかった状態でしたが、 サイナスリフト法により、10ミリの長さのインプラントが埋入できました。


また、先程骨の再生(増大)に約半年かかったと書きましたが、移植した骨が半年で100%安定した骨になるわけではありません。
そのため、今回埋入したインプラントがさらに安定しやすいように 『スプリッティング法』を応用しました。
この方法は、ドリルをさほど使用せず、骨の幅を押し広げながらインプラントを埋入します。
サイナスリフト法を行った後で、まだ骨の成熟が100%完了していないような場合には、有効な方法です。
また、ドリルをほとんど使用しないため、骨にダメージが加わりにくく、術後の腫れが少ない治療法でもあります。

さらに骨の増大(再生)促進のため、 P R P法を併用しました。
P R Pは、ご自身の血液を利用した骨増大法ですので、安全性が高い方法です。
最近は、美容整形外科でよく使用されているようですね。

麻酔方法は、 『静脈内鎮静法』 です。
静脈内鎮静法は、寝ている間に治療が完了できるため、治療時間が長くかかる場合や、ご不安が強い患者様に対しては非常に有効な方法です。

手術時間は、 静脈内鎮静法であったため、時間がかかり、約60分程度でした。


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2008年6月26日

ブリッジ、インプラント、被せ物 の平均寿命は?:その1

6/26(木曜日)です。


今日から新しいテーマになります。
シリーズになります。
『ブリッジ、インプラント、被せ物(差し歯、セラミック、金属冠…等)の平均寿命は?:その1』です。

今回のテーマは、『ブリッジ、インプラント、被せ物(差し歯、セラミック、金属冠…等)の平均寿命は?』です。
つまり、『歯科で治療した部位がどれくらいもつのか?』
ということです。

患者様にとっては、最も気になるところです。

特に、一度治療した部位がダメになった場合や
残っている歯が少ない場合、
何度も治療を繰り返している場合、
インプラント等の自費診療で高額な治療費がかかった場合など
治療した部位が、どれくらい保つのかは、大変心配であるかと思います。

もちろん一度治療した部位が、一生ダメにならないことが一番ですが、現実問題として、一度治療した部位が100%大丈夫という治療方法はありません。

それでは、『ブリッジ、インプラント、被せ物の平均寿命』について解説したいと思います。

その前に、
『ブリッジ、被せ物(差し歯、セラミック、金属冠…等)』とは? 
どのようなものが説明したいと思います。

もちろん分かっていらっしゃる方の方が多いかと思いますが、これがどのようなものか分からないと先に進めないので、説明します。

『ブリッジ』とは、歯が欠損している場合の治療法であり、
欠損した部位の両側の歯を削り、被せ物を行う治療法です。

歯が1歯もしくは、2歯等の欠損があった場合には、、一般的に行われる治療法です。

ブリッジ、インプラント、義歯について違い等は、下記の項目および、下記動画をご覧下さい。

      ・ブリッジ、インプラント、義歯について違い






さてここで、ブリッジ、被せ物(差し歯、セラミック金属冠…等)の平均寿命についてのデータを紹介します。

被せ物の種類       平均寿命

ブリッジ         約8年

セラミック         約8年

クラウン(金属冠)     約7年

これは、多くの論文から得られた情報をまとめたものです。
どう思われますか?

次にインプラントの平均寿命ですが、インプラントについてのデータは、まだまだはっきりとはしませんが、多くの研究論文から
10年以上は問題なく機能する
とされています。(2007年現在)

これは、インプラントの歴史は、他の治療と比較してまだ浅く、インプラント自体も年々進化しているものであり、過去のインプラントのデータとは、違うインプラントになっているためであり、過去のインプラントと現在のインプラントを単純に比較検討することが困難だからです。

そのため、『10年以上は問題なく機能する』
という言い方しかできないのです。

ただし、状況が良ければ、40年以上経過しているインプラントも多数あります。

インプラントは、現在のインプラントの状況を考えると、歯周病や噛み合わせに注意し、きちんと メインテナンスを受けていただければ、長期間維持されることと思われます。


次回のブログは6/30(月曜日)になります。
次回は、今日の続きで、『ブリッジ、インプラント、被せ物(差し歯、セラミック、金属冠…等)の平均寿命は?:その2』です。


今週(6/24〜25)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
日々の臨床で、どのようなことを行っているか 知っていただきたいと思い 今年から始めました。

それでは、今週のインプラント手術の中から上顎前歯部にインプラント埋入を行った1症例について解説します。

この2日間は、インプラント埋入と同時の骨増大法(GBR法が多かったです。
GBR法を行うということは、骨の吸収が起っていたということです。

その中でも上顎前歯部に、かなりの骨吸収を起こしていたケースについて解説します。

この患者様は、初診時、上顎の前歯部が 歯根破折していました。
歯根破折(歯の根が割れていた)していた状態を長く放置してしまったため、割れた部分から 血液や 細菌が 侵入し、感染を起こし、骨が吸収してしまったのです。

こうなると治療は大変です。

話は今回のケースとは違いますが、先週、同じように 上顎前歯部が 歯根破折を起こした患者様が来院されました。

食事中に、神経のない 被せ物をした 上顎前歯部が、『パキ』と音がしたそうです。
歯が少しグラグラしていたため、すぐ来院されました。

来院時、痛みはまったくありませんでした。

検査後、歯根破折を疑ったため、被せ物を除去しました。

やはり、歯の根が中間部あたりで折れていました。
こうなると抜歯しか方法はありません。

現状を患者様に説明したところ、非常にご理解が高かったため、抜歯を行うことに同意していただけました。

非常に賢い選択です。

歯根破折した場合、できるかぎり早期に抜歯することがその後の治療を大きく左右します。

先程書きましたように、 歯根破折は、痛みを伴わないことが多いため、患者様の多くは、抜歯をためらってしまうのです。

しかし、 歯根破折した状態を放置することは、非常に危険なのです。
割れた部位から感染を起こし、骨はどんどんと吸収してしまうのです。

今回手術を行った患者様は、まさしく そのようなケースです。

骨吸収が進行すると、インプラント治療自体も複雑になりますし、治療後の腫れも起る確立も高くなります。

そして一番は、インプラント治療後の審美性です。
骨が高度に吸収してしまうと、いくら骨増大法(GBR法)を行っても 100%元の状態に回復できるわけではありません。

歯肉が退縮した結果、 『歯と歯の間に隙間がでたり、歯が長く見える』こともあります。

そのため、骨が高度に吸収してしまった場合、審美性に大きな問題を残すことがあります。

『早く、抜歯していれば良かった…』 と
ほとんどの患者様は、言います。



今回使用したインプラントは、 アンキロス・インプラントです。
最近は、前歯部の審美性が重要視される部位には、使用する頻度が多くなってきたメーカーです。

骨が吸収して不足していた部分には、 自家骨 人工骨(β―TCP)を50%づつの割合で混合したものと、
『吸収性膜を使用しました。

手術時間は、約15分程度でした。


今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 約3〜4ヶ月後に仮歯の作製をし、
3. 型取りの後、 約10日で完成した被せ物を装着し、完了です。


治療費
今回の治療費は、
インプラントが1本21万円(税込)です。
この中には、治療中のレントゲン撮影や薬代、GBR法、GBR膜の費用、も全て含まれています。




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神奈川県横浜市にある 日本歯周病学会歯周病専門医 国際インプラント学会認定医の歯科医院
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2008年2月21日

インプラントの難症例:どのような状態が難症例か?:その2

2/21(木曜日)です。
今日も前回の続きで、骨の吸収を起こす“3つの理由” その2になります。

その2 歯根破折により骨が吸収してしまった!
  歯の根が割れてしまうことはよくあります。
  この原因の多くは 神経がない歯で起こります。
  神経のない歯はもろく通常の咬む力でも割れてしまうことがあります。
  こうした状態を 患者さんに説明する時に ” 木 “ に例えてお話しすること
  があります。
  生き生きとした木はたたいたり、蹴ったりしても折れたりすることはあり
  ませんが、枯れた木は折れる可能性があります。
  神経を取った歯も枯れた木と同じような状態になります。
  神経のない歯は血液供給がなくなるため、脆くなってしまうのです。

  歯の根が破折してしまった場合、折れている場所にもよりますが、
  ほとんどの場合 >抜歯となります。
  ここで問題なのが、折れてしまった歯が何とかならないものだろうかと考
  え、抜歯をためらい、時間が経過してしまうことです。
  破折したままの状態でいると破折した部分から感染が起こり、
  周囲骨の吸収が起こります。
  骨の吸収が大きく起こるとその後にインプラントを埋入する場合に非常に
  不利な状態になります。
  もし、歯根破折と診断された場合には早期に対処(抜歯となることが多い)
  する必要性があります。
  骨の吸収がほとんどない場合には抜歯と同時にインプラントが埋入
  ( 抜歯即時インプラントを参照)できますし、
  骨の吸収が軽度から中程度であれば抜歯と同時にインプラントを埋入し、
  さらにGBR法( 『GBR法』を参照)を行うことになります。
  しかし、長期間破折を放置しておくと吸収は大きくなり、インプラントを
  行うのに条件が悪くなります。
  歯根破折をそのままにしておくと難症例になります。



次回のブログは2/25(月曜日)になります。
次回は、今日の続きで、『骨吸収を起こす3つの理由:その3』です。


今週(2/19〜20)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
日々の臨床で、どのようなことを行っているか 知っていただきたいと思い 今年から始めました。
それでは、今週のインプラント手術の中からサイナスリフト法後にインプラント埋入を行った1症例について解説します。

今回のケースは、初診時に 上顎の左右ともに奥歯が4歯欠損していたため、インプラントによる治療を希望されて来院された患者様です。

診査の結果、上顎の奥歯は、高度に骨吸収を起こしており、場所によっては、約1ミリ高さしか存在しない状態でした。

通常、インプラントを適切に埋入するためには最低でも6〜8ミリ程度の骨の高さがないと行えません。

今回は、場所により 骨の高さが 1ミリですので、そのままインプラントを埋入するにはまったく無理な状態でした。

このように、1ミリ程度の骨の高さしか存在しない場合、インプラントを埋入するためには、 サイナスリフト法を行うしか方法はありません。

サイナスリフト法とは、骨の移植を行い、骨の高さの増大を行う治療方法です。

『なんだ、骨の移植を行えば、できるのか!』

と 思われるかもしれませんが、
この治療法は時間がかかり、
治療後の腫れも わりと強く起る治療法です。

治療期間は、 サイナスリフト法を行い、骨ができるまで、個人差はありますが、6〜12ヶ月です。

骨が再生後にインプラントの埋入になります。

そして、インプラントを埋入し、骨と結合するまでさらに6ヶ月程度はかかります。

つまり、治療期間は合計で、12〜18ヶ月程度はかかることになります。
場合によっては、もっとかかることもあります。

また、 サイナスリフト手術直後には、腫れが伴います。

この腫れは インプラント治療の中でも最も高頻度で起ります。
また、腫れの程度は、3〜10日間程度起ることがあります。
場合によりさらに続くこともあります。

私の経験上、 サイナスリフト法後に ほとんど腫れないという方も 今までにはいらっしゃいましたが、
基本的に 腫れると思っていただいた方が良いでしょう。

しかし、今回のように 骨の高さが1ミリしか存在しない場合には、 サイナスリフト法を行うしかありません。

サイナスリフト法の詳細については下記を参考にして下さい。
  ・ サイナスリフト法

話は戻ります。

今回の症例は、約7ヶ月前に サイナスリフト法を上顎の左右に行いました。

今回は、その片側のみにインプラントの埋入を行ったのです。

埋入したインプラントは、1本のみです。
2本は、 サイナスリフト法と同時に埋入を行ってあります。

それでは、 サイナスリフト法のみを行う治療と
サイナスリフト法同時にインプラントを埋入する方法の違いですが、
骨の高さは少ないが、3ミリ程度あり、インプラントを埋入する時にインプラントが安定できる状態であれば、同時に行います。

しかし、インプラントの安定が得られないようであれば、
無理せず、 サイナスリフト法のみを行い、
骨がきちんとできて(再生して)からインプラントの埋入を行った方が安全です。

今回の症例は、場所によっては、3ミリ程度の骨の高さがあったので、その部分には サイナスリフト法同時にインプラントの埋入が行えたのですが、
1ミリしか骨の高さがない場所は、前回 骨の再生治療のみ行ったのです。

そして、7ヶ月経過し、骨が再生したため、今回のインプラント埋入となりました。

使用したインプラントは、
ストローマン・インプラント   ( I.T.Iインプラント)

SLAタイプ  直径4.1mm 長さ10mmが1本でした。

麻酔方法は虫歯の治療で行うような普通の歯科麻酔です。

今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 約6ヶ月後に型を取り( サイナスリフト法後なので通常より時間がかかります)、
3. 型取りの後、 約20日で完成した被せ物を装着し、完了です。


今回のように骨の吸収が著しい場合には、治療期間がかかり、大変なのです。

骨が吸収しないようにすることが大切です。

骨が吸収する3つの理由については、現在シリーズで書いていることですので、次回のブログもご覧になって下さい。


いつもはこれで終了ですが、今回は確定申告時期ですので、お役立ち情報を書きたいと思います。

        医療費の確定申告

歯科で行ったインプラント治療等の自費診療確定申告の対象になります。
是非 確定申告して下さい。

医科、歯科で支払った医療費が一定の金額以上の場合は控除の対象になります。
1年間(1月1日から12月31日)に医科、歯科の治療費(保険、自費診療とも含まれる)として支払った金額の合計が10万円以上の場合は控除の対象になります。(ただし上限は200万円までです)
具体的な控除額は(支払った医療費―保険等で補填された額)
―10万円もしくは所得金額の5%(いずれか低い金額)です。
確定申告時に源泉徴収票と一緒に医療費の領収書を税務署に提出します。

* 領収書の再発行はできませんので領収書は大切に保管して下さい。
* 通院にかかった交通費も対象になります。
 (しっかりとした交通費の内訳(車、電車、タクシー等) と 領収書 が必要です)

医療費控除:参考例

所得金額500万円(妻:所得なし、子供2人)で、1年間に支払った医療費の合計が100万円だった場合。
100万円―10万円=90万円が医療費控除になり、所得税として9万円、住民税として77,500円の合計167,500円が還付されます。

* 上記は参考例であり、年度、特別減税等は考慮していません。
  詳細は税務署にお問い合わせ下さい。



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2008年2月14日

オベイド・ポンティック:審美的に治療を行うために…その4

2/14(木曜日) バレンタインデー ですね。
妻から義理?チョコ♡をもらいました♡

今日のテーマは、オベイド・ポンティックの4回目で、『オベイド・ポンティックとは?』 になります。


ここまでで、ポンティックについては だいぶお分かりになったかと思います。
オベイドとは、卵型を意味します。
オベイド・ポンティックとは、前回の鞍状型、船底型、リッジラップ型とは違った形態です。

ちょうど歯肉の上に卵を乗せたような形態です。
今までのポンティックの欠点を補うように、1980年代後半になり、新しく開発された形態です。
このオベイド・ポンティックが開発されて以来、前歯部等の審美性を追求する場所には高頻度で使用されています。
下図を参考にして下さい。
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次にオベイド・ポンティックの方法について説明します。

      オベイド・ポンティックの作製方法

このオベイド型のポンティックは、今までのポンティックの作製方法とは大きく違う点があります。
今までのポンティックは、型を取り、歯科医師の指示のもと、ブリッジを作製する歯科技工師さんが形態を作製します。
つまり、ブリッジの作製段階(歯科技工段階)で決定するものなのです。
しかし、オベイドポンティックは、まったく違う行程で作製します。

一般的なオベイドポンティックは、型を取る前に、歯肉を形態修正を行います。
歯肉の形態修正?

分かりやすく説明しますと歯肉に麻酔をし、歯肉を若干除去し、くぼみを人工的に作るのです。
くぼみができた歯肉の上に仮歯でできた卵形のポンティックを歯肉に当たるように設置します。
そして、形態修正した歯肉が治るまで、そのままの仮歯で過ごしていただきます。

2週間程度し、仮歯のブリッジを撤去すると歯肉は卵が置けるような形態になっています。
この状態を確認した上で型を取るのです。

通常のポンティックよりは手間時間がかかります。
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オベイド・ポンティックのもう一つの方法として、
歯肉の形態修正をまったくせず、ブリッジの型を取ります。
そして、型から作製した模型上で、先程行ったように模型の欠損部を削り、卵型にします。
つまり、口腔内では、麻酔をしたり、歯肉を削ったりせず、模型上でこの作業を行うのです。
そして出来上がったオベイド・ポンティック・ブリッジを仮歯を外して、装着するのです。
模型上で、削って作製してあるため、実際の歯肉とはすぐには合いません。
歯肉を若干押すようにしてブリッジを装着します。
ブリッジの装着時には時間が多少かかります。

この模型上でオベイド・ポンティック・ブリッジを作製する方法は簡単なのですが、
実際に口腔内の歯肉を削らないので、オベイド形態にする量に限界があることと、
オベイド・ポンティック・ブリッジを装着後に変化する歯肉の状態を予想しにくいことがあります。
きちんと行うためには、やはり、型を取る前の段階で、麻酔をし、歯肉の形態修正を行った方が良いでしょう。

これで、オベイド・ポンティックについては全て終了です。

今回のように このブログは、かなりマニアックな 歯科(インプラント)情報を掲載しています。
そのため、
『難しすぎて分からない!』
『もっと基礎的な話が聞きたい!』
という意見もあります。
そこで、
簡単な『インプラントの基礎の基礎ブログ』を別に開設することにしました。
基礎ブログ新規開設については、またご報告致します。


次回のブログは2/18(月曜日)になります。
次回からは、新しいテーマになります。
『インプラントの難症例:どのような状態が難症例か?』です。
お楽しみに!

今日は、オベイド・ポンティックの話が長くなってしまったので、いつも書いています今日のインプラント手術報告は休ませていただきます。

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大船駅北口歯科インプラントセンターインプラント 歯周病 専門医

神奈川県横浜市にある 日本歯周病学会歯周病専門医 国際インプラント学会認定医の歯科医院
I.T.Iインプラント認定医でもあり、 GBR法 サイナスリフト 審美インプラント等の難症例も行います。
HPでは 治療費(費用)の説明や インプラント症例 無料相談コーナーもあります。
2008年2月11日

オベイド・ポンティック:審美的に治療を行うために…その3

2/11(月曜日)です。

今日のテーマは、オベイド・ポンティックの3回目で、『ポンティックについてさらに詳しく…』になります。

前回までの内容で、ポンティックとは、ブリッジの欠損部のことであることがお分かりになっていただけたと思います。

ポンティックは欠損部の歯肉の上に乗っかっているだけのものです。
当然、歯肉とくっついているわけではありません。
単に歯肉の上の乗っかっているだけなのです。
そのため、ポンティック部分には食事をすると多少の食物が溜まります。
通常これは、さほど気になることはありません。
(ちなみに私自身も前歯はブリッジになっており、ポンティックがありますが、食事中 特に気になることはありません…体験済みです。)

しかし、場合(個人差はあります)により、歯がない部分は時間の経過とともに痩せていく傾向があります。(歯肉が退縮してく)
これは、歯がないと噛む力が直接骨に加わらないため、骨が痩せてくる現象が起るためです。
この詳細は こちらを参考にして下さい。

ポンティック部分の歯肉が痩せてくると
その部分に食物が詰まりやすくなったりします。
また、審美的にも問題が出てきます。

それでは、一般的なポンティックの形について解説したいと思います。

通常のポンティックの形態
一般的なポンティックの形態は以下の図のようになります。
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1 鞍状型(あんじょうがた)
  馬の鞍(くら)のように歯肉をまたぐように設定されています。
  物が詰まりにくいのですが、逆に清掃性が難しいという欠点があります。

2 船底型(ふなぞこがた)
  通常、下顎の奥歯に使用するタイプです。
  船の底のような形をしているため、このような名前になっています。
  清掃性に優れています。
  しかし、上顎の前歯部にこの形態を採用した場合、発音に問題が生じやす
  いことがあります。

3 リッジラップ型
  通常、上顎の前歯部に採用する形態です。
  発音と清掃性を考慮すると優れた方法です。
  しかし、歯肉に圧力が加わりにくいので、歯肉が痩せてくることがありま
  す。
  歯肉に圧力が加わるということは、その下にある骨にも圧力が加わるため、
  骨が吸収しにくいことがあります。(全てのケースではありませんが…)
  この詳細については こちらを参考にして下さい。


ここまでで、ポンティックについてだいぶ お分かりになったと思います。

次回のブログは2/14(木曜日)になります。
次回のテーマから いよいよ本題に入ります。
『審美性を重要視したオベイド・ポンティックとは?』です。

今週(2/8〜9)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
日々の臨床で、どのようなことを行っているか 知っていただきたいと思い 今年から始めました。

それでは、今週のインプラント手術の中からインプラント埋入と同時骨増大治療(GBR法)および骨幅拡大治療(スプリットクレスト法)を行った1症例について解説します。

症例は上顎の前歯部です。
初診時にすでに、前歯が2歯分欠損しており、欠損部の両側の天然歯2歯を土台として、ブリッジをしていました。
その土台である天然歯が歯根破折してしまったため、抜歯となったケースです。

歯根破折についての詳細は以下を参考にして下さい。
    ・ 歯根破折

ホームページやこのブログでも良く書きますが、
神経のない歯は脆く、歯根破折する可能性が非常に高いのです。

この歯根破折についての論文は多く報告されており、
2004年にAxelssonが報告した論文によると、
30年間の長期にわたり、歯の喪失率をまとめた結果、
歯を失った原因で最も多かったのは、『歯根破折』であったとしています。

歯根破折は、歯周病や虫歯で抜歯となったことよりも多かったのです。

神経のない歯は寿命が短いのが現状です。

もちろん虫歯が深かったり、痛みがあった場合などは、神経を取り除く必要性がありますが、できるかぎり歯の神経を取らない方が将来的な予知性は高くなります。

もっと言えば、神経を取るような状態にまで、虫歯を放置しないということです。

虫歯治療も早く行えば、神経も取らずに、簡単に行えます。

早期発見、早期治療が最も大切なのです。

話は今回の症例に戻りますが、2歯は 歯根破折していたため、抜歯になりました。

また、もともと歯がない部分(ポンティック部)は、骨の吸収が著しく認められました。

歯がない部分の骨は、力が加わらないため、骨がどんどんと痩せていくのです。
今回のようにブリッジの歯がない部分(ポンティック)は、力が直接骨に加わらないため、痩せていきます。

歯が欠損していると骨が痩せてくる原因については以下を参考にして下さい。
歯がないと骨は痩せていきます

この症例では、骨が痩せた結果、厚みが2〜3ミリ程度しかありませんでした。
今回使用したインプラントは直径が4.1ミリでしたので、骨の幅がぜんぜん足らないことになります。

骨の厚みが2〜3ミリしかない部分に、直径4.1ミリのインプラントを埋入するのですから、無理があるのは当然です。

通常、4ミリ程度のインプラントを埋入するためには、骨の厚みが6ミリはないとダメなのです。

そのため、今回は骨の幅を押し広げる方法を併用してインプラントの埋入を行いました。
この方法を 『スプリットクレスト法』と言います。

上顎の骨が薄い場合には良く行う方法です。(骨の状態により下顎でも行うこともあります…)

今回はインプラント埋入前にこの 『スプリットクレスト法』を行い、骨幅を増大させてからインプラントの埋入を行いました。

それでも骨の幅が不十分な場所には、β―TCPという人工の骨を使用し、骨の増大治療( 『GBR法』)を行いました。

『β―TCP』は人工的に生成された骨なので、それ自体が完全に骨になったりすることはありませんが、ご自身の骨や血液中の細胞が混ざることにより、骨に置換しやすいものです。
また、完全人工生成のため、非常に安全性が高いのも特徴です。
日本において 『β―TCP』は、歯科よりも整形外科等で、複雑骨折の治療等で普及している材料です。

また、 GBR膜 として吸収性『コラーゲン膜』を使用しました。
吸収性膜は、歯肉とのなじみも良く、インプラント同時の GBR法 では世界的に最も使用されている膜で、吸収性膜なしでは、 インプラント同時GBR法は成り立たない治療法です。
日本人にインプラント治療を行う場合、骨の幅が不十分であることが多く、
多くのケースにおいて GBR法を行います。
当医院においてもインプラント治療の約半数はGBR法を併用しています。
吸収性膜なしでは、インプラント治療は行えないと言ってもくらい重要な材料です。

使用したインプラントは、
ストローマン・インプラント   ( I.T.Iインプラント)

SLAタイプ  直径4.1mm 長さ10mmが2本でした。

麻酔方法は虫歯の治療で行うような普通の歯科麻酔です。
インプラントの埋入本数が少なかったり、
インプラント手術に際し、さほど不安がない方にはこうした簡単な麻酔方法でインプラント埋入を行います。
もし、インプラント治療に不安がある場合には
『静脈内鎮静法』
にて麻酔を行います。

今回の治療は、骨吸収等があり、 『スプリットクレスト法』 『GBR法』を併用したため、腫れる可能性があります。

インプラントに対する患者様の不安なこととして、治療後の痛み腫れがあります。

骨の状態に問題がなく、インプラントの治療本数も少ない場合、
手術後に腫れることはほとんどありません。
しかし、今回のような場合には腫れる可能性があります。
腫れた場合、2〜7日程度腫れます。
もちろん個人差はあります。
また、手術後の過ごし方にもよります。
しかし、腫れたからといっても痛みが長く続くようなことはほとんどありません。


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2008年2月7日

オベイド・ポンティック:審美的に治療を行うために…その2

2/7(木曜日)です。

普段木曜日は休診ですが、2/10(日曜日)が臨時休診のため、本日は診療になります。

今日のブログはオベイド・ポンティックの2回目になります。

まず、前回のおさらいから始めたいと思います。
歯が欠損した場合の治療方法として
1 インプラント
2 義歯
3 ブリッジ
があることを説明しました。

まずこのことを理解していただくためにお分かりにならない方は以下の動画をご覧になって下さい。(2分29秒)


これで、歯がない部分に対する“ 3つの治療 ”について理解されたかと思います。
それでは、今回のテーマであるポンティックの話を始めます。
ポンティックとは、ブリッジの歯がない部分にある
人工の歯のことです。
以下の図を参考にして下さい。
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クリックすると拡大されます。






ブリッジの欠損部に対する部位がポンティックであることはご理解いただけたと思います。
このポンティックは、天然歯に対する名称だけではなく、インプラントにも使われます。
例えば、歯が3歯欠損していたとします。
インプラントで治療を行う場合、2本のインプラントを埋入し、ブリッジとします。
インプラントとインプラントの間に存在するのが、ポンティックです。

このポンティックには、さまざまな形態があります。

今回のテーマであるオベイド・ポンティックは、ポンティックの形態の一つなのです。

今日はこれで終了です。


次回のブログは1/14(月曜日)になります。
次回はポンティックについてさらに詳しく解説します。

今週(2/5〜6)のインプラント手術報告

この2日間はインプラントの手術がありませんでした。
そのため、今日は別の話をしたいと思います。

アタッチメント義歯の話です。

この方法は、(総入れ歯)や歯が多数ない方(部分入れ歯)に行う治療法です。

通常、歯が1本もない場合、
完全固定式(元々歯があった状態まで回復できます)にするには、
6〜8本のインプラントを埋入し、ブリッジとします。
このような治療法を行うと、入れ歯ではなくなります。
非常良い治療法です。
しかし、インプラントの埋入本数が多くなるため、治療費がかかります。

そのため、 最小限のインプラント(2本)を埋入し、
そのインプラントを義歯の安定のために、利用する治療法
があります。
この治療を『アタッチメント義歯』と言います。

まず、2本のインプラントを埋込みます。
インプラントが骨と結合するまで、2〜3ヶ月待ちます。
もちろん手術直後から義歯は使用できます。
そして、義歯とインプラントが結合したら、
インプラントと義歯をつなぐアタッチメントという金具を装着します。
これにより義歯とインプラントは強固に固定されますので、
義歯が落ちてくるということはありません

現在義歯を使用している方には、費用や治療期間、手術に際する負担が非常に少なく
効果が高い治療法です。

また、部分義歯を使用している方で、義歯の金具(金属製)が見えて審美的に問題があると思われている場合にも効果的です。
部分義歯を支えている金具の変わりにインプラントとアタッチメントで義歯を固定します。
義歯の大きさが小さい場合、1本のインプラントでも可能な場合もあります。

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2007年9月8日

オールセラミックジルコニア:(ジルコニア関連のマニアックな話編)その5

今日はオールセラミックジルコニアの最終回です。

ジルコニアの特徴 その5:金属アレルギーの心配がない!

『金属アレルギー』が最近、多くなったと思います。
また、実際には金属アレルギーではなくても口腔内に金属の詰め物や被せ物を装着したくないと希望される方も非常に増えています。
金属アレルギーの代表的な症状としては指輪やピアス、ネックレスといった金属製のアクセサリーをしていると皮膚が赤くなり、かゆくなるような症状です。
これはりっぱな『金属アレルギー』です。
このアレルギーが発症する理由は、金属が汗等により金属中のイオンが体内に流出した結果、生体の拒絶反応が起ったためです。
とくにピアスは皮膚を貫いているため、金属アレルギーが発症しやすいと言われています。
日本の歯科では保険診療においては被せ物の全てが金属を使用しています。
また使用できる金属も『12%パラジウム合金』と言われるものです。
『12%パラジウム合金』は同じ金属でもアレルギー反応が出やすい金属です。
また歯科で使用する代表的な金属のうち、アレルギー反応が出やすい順番として
1 ニッケル
2 コバルト
3 クロム
4 亜鉛
5 銅、 
6 銀、
7 プラチナ、
8 金
9 チタン
です。
チタンは安定が良く、アレルギー反応が最もでにくい金属です。
そのため、インプラントにも適しているわけです。
ちなみに上記の金属は合金、つまり純度が低いとイオン化しやすく、アレルギー反応も出やすいのです。
先程の『12%パラジウム合金』はアレルギー反応が多い金属が非常に多く使用されている合金です。
ニッケルやコバルト、クロムも歯科では多用されている金属の一つです。
また、歯科では『アマルガム』という金属が使用されています。
されていた(過去形)。と言った方が良いかもしれません。
私自身は使ったことはありませんが、時々患者様の口腔内を見ると
『アマルガム』が使用されている治療を見ます。
『アマルガム』は水銀、銀、銅が含まれています。
(現在は水銀が入っていないアマルガムが一般的に使用されています)
私からすれば、『アマルガム』がまだ歯科の保険診療の中にあるなんて考えられないことです。
他にもっといい材料はいっぱいあるのに…
日本の保険診療はかなり遅れていますからね。

金属アレルギーの方は治療する際には担当歯科医師に相談されて下さい。
また、ニッケルはアクセサリーに多用されている金属です。
これも注意が必要です。

『私は金属アレルギーかどうか分からない』
という方は皮膚科で
『パッチテスト』という検査を受けて下さい。
歯科医院で口腔内を見ただけでは金属アレルギーなのかどうかを判断することはできません。
また、どの金属に反応しているのかも分かりません。
そのため、金属アレルギーが疑われる方は是非、皮膚科で『パッチテスト』を受けて下さい。
基本的に金属アレルギーを完治させる方法はありません。
『パッチテスト』の結果、反応があった金属の使用を避けることがまず第一です。
しかし、金属アレルギーの難しいところは、現在アレルギー反応がなくても
(もしくは反応がでていない金属でも)、今後、急にアレルギー反応が出る可能があります。
そうしたことからも、金属アレルギーが疑われる方は金属を使用しない『オールセラミック』は非常に良い材料と言えます。

ジルコニアについてだいぶ分かったと思います。
オールセラミックジルコニアは今後歯科を変えていく素材になるでしょう。
現在の問題点としては保険が適応されないことと、作製する歯科技工所が少ないことです。(CAD/CAMという器械が高額であり、まだ日本では普及していないため)

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2007年9月7日

オールセラミックジルコニア:(ジルコニア関連のマニアックな話編)その4

大変な台風でしたね。
私の家は海の前なので、台風のたびに心配です。

今日はジルコニアの特徴 その4です。

ジルコニアの生体親和性になります。

今までのセラミッククラウンは数年が経過し、歯肉が退縮し歯の根元が見えてくると歯肉とセラミックの境目が黒く見えてくることがあります。     
私達はこの現象を『ブラックライン』や『ブラックマージン』と言います。
そのため、歯肉が退縮し、『ブラックマージン』が見え審美的に問題を生じるとセラミックを再製する必要性がありました。             
ジルコニアは金属を全く使用しないため、歯肉が退縮しても『ブラックマージン』が見えません。
また歯肉とのなじみが良いことも挙げられます。
歯肉とのなじみが良いことはジルコニアがインプラントの素材にも使われ始めていることからも言えます。
現在、インプラントの素材は純チタンでできています。
理由は骨を結合し、生体親和性があるものがチタンのみとされているからです。
以前には人工サファイヤや他の金属もインプラントの素材として使用されてきましたが、どれも予後が悪く、現在はチタンのみになっています。
しかし、最近はジルコニアのインプラントも開発されています。
まだまだ実用化には時間がかかりますが、医科でも人工関節に使用されているように生体親和性が良い点からも実用されるかもしれません。
もし、インプラント本体のジルコニアが実用化されれば、究極の審美インプラントになるでしょう。
歯科の分野でのオールセラミックを臨床で使用しているとたしかに歯肉の炎症が少ないと実感しています。

明日はジルコニアとアレルギーについてです。
最近は金属アレルギーがだいぶ増えてきていると実感しています。
ジルコニアはもちろん金属ではないので、金属アレルギーの心配はいりません。
明日のテーマは今まで使用していた、歯科材料と生体との関係についてです。

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2007年9月6日

オールセラミックジルコニア:(ジルコニア関連のマニアックな話編)その3

台風が接近していますね。
大事にならなければいいのですが…

さて今日もオールセラミックジルコニアのマニアックな話の続きになります。

ジルコニアの特徴 その3:連結が可能!ブリッジが可能!
今までのオールセラミッククラウンは単独の歯(1歯、1歯)に限られていました。
つまり、 ブリッジには適応されていませんでした。
その理由は強度の問題で連結した長いブリッジは壊れてしまうからです。
ジルコニアはブリッジにも対応可能です。
しかし、あまりにも長いブリッジにはまだ完全には対応していません。
それは10歯程度の長いブリッジであるともし、ほんも少しでも歪み等の誤差があると歯やインプラントにフィットしないからです。
また、先日書きましたようにジルコニアは元々ブロック状の物をコンピューターで削り出すわけですが、大きなブリッジであるとこのジルコニアブロック自体も非常に大きな物になってしまいます。
さらにジルコニアブロックが大きくなるとそれを削り出す機械(CAD/CAM)自体も大きくなります。
さまざまな問題からジルコニアは4歯程度のブリッジとなっています。
ほとんどのジルコニアを使用したCAD/CAMを作製しているメーカーは
4歯程度までの作製が可能になっています。
しかし、ゼノテックシステムと言われるものは多数歯のブリッジにも対応しています。
今後は多数歯のブリッジにも対応したCAD/CAMシステムが開発されると思われます。

CAD-CAM-1








台風になると犬の散歩に行けないですよね。


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