最新インプラント症例ブログ

カテゴリー: インプラント最新情報(NEW)の記事一覧
2009年1月12日

P.R.P法

1/12(月曜日)です。
今日は、『P.R.P』の話になります。

このブログの『今週インプラント手術報告』でも良く書きますが、
最近は、インプラントの難症例が非常に多いのです。

インプラントの難症例とは、
インプラントを埋込むための骨の状態が悪いということです。
骨が吸収してしまっているのです。

このブログを見ていられる方の中にもインプラント治療を考えているが、
歯科医院で『骨が吸収してしまってインプラントは難しい…』と言われた方もいらっしゃるかと思います。

骨の吸収が高度に起ると治療は大変困難になります。

今日のテーマは、吸収した骨を再生するための一つの方法をご紹介します。
それが、『 PRP 』です。

『 PRP 』とは『 Platelet Rich Plasma 』の略で
日本語では『 多血小板血漿 』と言います。

『 PRP 』とは『血液中の血小板を濃縮した血漿』のことであり、
近年、『 PRP 』が歯肉の治療や骨の増殖を促進する物質であることが、多くの研究により解明されてきています。( Saltz ら1991、Anitua 1999、Kassolis 2000 )

『 PRP 』を おおさっぱに言いますと濃度の濃い血液のことです。
骨の再生に大切な細胞がいっぱい詰まっています。
『 PRP 』を使えば、なんか骨がいっぱいできそうですよね。

この治癒に必要な成分が凝縮された『 PRP 』を歯周病やインプラント治療に応用することにより早期の回復が期待できます。

インプラント治療では、GBR法 ソケットリフト法 サイナスリフト法 スプリットクレスト法(リッジエクスパンジョン法)等に併用します。

骨の再生能力が高まります。

ただし、『 PRP 』を行えば、どのような状態でも骨が回復するわけではありません。
適応症があります。

また、GBR法は、骨の状態にもよりますが、治療の大変さがあります。
治療後に腫れたりする可能性もあります。

また、上顎の奥歯において骨の吸収が高度に認められる場合には、 サイナスリフト法という治療を行うことがあります。
この治療においても『 PRP 』を併用することがあります。
しかし、この サイナスリフト法はかなり大変な治療であり、術後の腫れも大きくなります。

今日の結論として、骨の吸収が高度にあってもインプラントはできます。
現在では、『 PRP 』
GBR法 ソケットリフト法 サイナスリフト法 スプリットクレスト法(リッジエクスパンジョン法)等多くの治療法が開発されており、今まで行えなかった状況でさえ
インプラント治療を可能にしています。
しかし、これらの治療に伴う大変さは必ずあります。

一番大切なことは、骨を吸収させない(悪くさせない)ことです。

私は 歯周病専門医ですので、当医院には重度の歯周病の患者様が多くいらっしゃいます。
しかし、 歯周病専門医であっても全ての歯を残すことはできないのです。
進行した歯周病であった場合、抜歯するしかない場合もあります。

また、あまりにも進行した歯周病の歯を放置することは非常に危険なことです。
先程書きました骨の吸収が起ってしまうのです。
また、歯周病細菌は、必ず他の歯にも感染します。
感染が拡大すると最終的には、全ての歯を失うことになってしまいます。
つまり総入れ歯になってしまうのです。

重度歯周病の患者様には このような話をしますが、
それでも、歯周病の治療を希望しなかったり、
ダメな歯の抜歯を希望されない場合があります。
そうした場合、感染はどんどんと進行してしまいます。
骨が吸収するのです。

その結果、何年か後にはさらに多くの歯を失うことになります。
歯を失って始めて
歯がないことの大変さ、
入れ歯の大変さ
を実感されます。

そして、固定式であるインプラント治療をご希望されることになるのですが、
その時にはすでに高度の骨吸収が起っており、
『インプラントができない!』
『インプラントができても非常に難症例であり、治療が大変!』
ということになってしまっています。

病気は進行すると治療することが困難になってしまいます。
例えば、糖尿病でも軽度であれば食事療法で改善することも可能ですが、
重度になると合併症を併発することも多くなり、
場合によって『死』の可能性も高くなります。
そのような状態では医師も手のつけようがなくなってくることもあります。

病気とは、早期発見、早期治療が最も大切です。



次回のブログは1/15(木曜日)になります。
次回は、今日の続きで、『歯周病の恐ろしさ!』です。


今週(1/9〜11)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
日々の臨床で、どのようなことを行っているか 知っていただきたいと思い 今年から始めました。
それでは、今週のインプラント手術の中から下顎にインプラント埋入を行った1症例について解説します。

元々 歯根破折を起こしており、
そのままの状態で長期間放置されていたケースです。

歯根破折した部位から感染が起こり、骨が高度に吸収してしまっているケースでした。

そのため、インプラント治療前に骨を増大させる治療法を行いました。
GBR法です。

そして骨が再生(増骨)するまで約3〜4ヶ月待ちます。

その後インプラントの埋込みになります。
今回はその手術だったのです。

それでは、GBR法を行った結果、骨は100%元に戻った(回復した)のかと言いますと
違います。

100%骨を元に戻すことは不可能です。

今回は、ある程度の回復(増骨)が達成できたため、インプラント治療が可能でしたが、
どうしても時間(期間)がかかってしまいました。

ストローマン・インプラント  ( I.T.Iインプラント)  SLAタイプ が1本でした。

手術時間は、約15分程度でした。

今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 約2〜3ヶ月後に型を取り、
3. 型取りの後、 約10日で完成した被せ物を装着し、完了です。

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2009年1月8日

インプラント症例報告:即時負荷インプラント

1/8(木曜日)です。

今日は、昨年末のこのブログが終わった後に行ったインプラント手術について書きたいと思います。

昨年末(12月最後)のインプラント手術報告

毎年 年末になると
『なんとか年内に治療を終わらせたい!』
『年内にきちんとした歯をいれたい!』
『年内に噛めるようにしたい!』
といった希望が多くなります。

年末年始に出かけるため、それまでに終わらせたいということもあるかと思います。

昨年末には、歯がほとんど欠損している方が
『できるだけ早くインプラントで噛めるようにしたい!』
『歯がないので、早急に見た目を改善したい!』
というご希望がありました。

そこで行ったのが、即時加重(負荷)・インプラント です。

これは、インプラントを埋め込むと同時に固定式の仮歯を作製する治療です。
今まで入れ歯をされていた方でも インプラント手術直後に固定式の仮歯になるため、
当日から入れ歯なしで食事が可能になります。

ただし、この方法は全てのケース(症例)に適応できるわけではありません。
詳細は、以下を御覧になって下さい。
即時加重(負荷)・インプラント

さて今回のケースは、上下顎合計で13本のインプラントの埋め込みです。
一度に13本のインプラントの埋入はなかり多いです。

骨の状態は部分的には吸収が認められましたので、
何本かは、 『スプリッティング法』 『GBR法』 『ソケットリフト法』を行いました。

安定の悪いインプラントは、仮歯の土台にはできませんので、安定の良かったインプラントのみを選択肢、固定式の土台として利用しました。

骨の増大(再生)を促進させるため、 『 P.R.P法 』を行いました。
『 P.R.P法 』は、骨再生にとって安全性が非常に高いため、近年注目されている方法です。

使用したインプラントは全て ストローマン・インプラント  ( I.T.Iインプラント)  SLAタイプです。
即時加重(負荷)・インプラント を行ったインプラントは、・ 直径4.1ミリ、長さ12ミリ です。

手術時間は、約120分程度でした。
その後、仮歯の作製に約60分程度かかりました。

治療開始前には、歯がなかった状態でしたが、帰りには、固定式の歯になりました。
埋め込む本数が多いため、明日以降になると腫れは大きくでると思いますが、
1日で固定式になる利点は多くあります。
もともとほとんど歯がなく、審美的にも問題があったり、噛めない状況が
1日で改善できるのですから…

今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 約4ヶ月後に型を取ります。


次回のブログは、1/12(月)になります。
新しいテーマになります。


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2008年5月15日

抜歯即時インプラントの現状:その1

5/15(木曜日)です。


今日から新しいテーマになります。
『抜歯即時インプラントの現状:その1』です。

今日から新しいテーマになります。

まず、『抜歯即時インプラントとは?』ということから解説したいと思います。

抜歯した部位にインプラントを行う場合、抜歯部が治癒するまで、2〜6ヶ月程度待ち、

その後インプラントを埋入するため、最終的に治療が終了するまで、

下顎で3〜9ヶ月、上顎で7〜11ヶ月程度の治療期間がかかります。

患者様にとっては、『できる限り早く治療を終了したい』と考えられるのは、当然のことです。

そうしたことから抜歯した直後(当日)にインプラントを埋入する

『抜歯即時インプラント』が開発されました。

この治療法は、患者様にも歯科医師にも有益な治療法であることから

非常に良く行われるようになりました。

しかし、時間(期間)の経過とともに問題点も出始めてきたのです。

今回のこのテーマは、抜歯即時インプラントの現状を解説するものです。

以下は、抜歯即時インプラントの写真です。

以下は、治療前の状態です。
歯が折れて抜歯しなければ、ならない状態でした。

bassi1
クリックすると拡大されます







下記は、抜歯した直後にインプラントを埋入しているところです。
抜歯した穴にインプラントを埋入するため、切開もいりません。
bassi2
クリックすると拡大されます








次回からさらに詳細を解説します。



次回のブログは5/19(曜日)になります。
次回は、今日の続きで、『抜歯即時インプラントの現状:その2』です。





この前のブログで、日本で認可されていない海外で作製された義歯等に問題があった報告をしましたが、同じような記事(共同通信社)があったので、紹介します。

『100倍近くの血糖降下成分 中国製カプセル』

大阪市は5/7日、服用した男性が低血糖症状で一時入院した中国製カプセル「男根増長素」について、

血糖降下作用のある糖尿病治療薬成分が通常の国内医薬品の約50-100倍含まれていたと発表した。

1日の最高投与量の10倍以上に当たるという。

市によると、1カプセルから糖尿病治療薬成分「グリベンクラミド」122.7ミリグラムのほか、

性的不能治療薬バイアグラの主成分を検出した。

国に承認された医薬品に含まれるグリベンクラミドは通常1日分が1.25-2.5ミリグラムで、

1日の最高投与量は10ミリグラム。

男性はインターネットで購入して服用し、手足が冷たくなるなどの症状が出た。

同名製品をめぐっては、今年2月から3月にかけ広島、福島、埼玉の各県で同様の被害が起きている。




食の安全といい、さまざまなところで問題が出ていますね。

今週(5/13〜14)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
日々の臨床で、どのようなことを行っているか 知っていただきたいと思い 今年から始めました。
それでは、今週のインプラント手術の中から上顎にインプラント埋入を行った1症例について解説します。

上顎の前歯部は、骨の幅が多少少ない状態した。

骨幅は、約3ミリです。(6ミリ程度の骨幅が理想的です)

今回は、『骨幅が少ない』『前歯部である』 ということから アンキロス・インプラントを選択しました。(4本埋入)

また、インプラントの埋入と同時に骨を増大させる治療法『GBR法』 も併用しました。
手術時間は、約15分程度でした。

今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 約3〜4ヶ月後に型を取ります。

治療費
今回の治療費は、
インプラントが1本21万円(税込)×4本
ですので、合計840.000円(税込)になります。

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2008年2月4日

オベイド・ポンティック:審美的に治療を行うために…その1

2/4(月曜日)です。

2/2(土曜日)、2/3(日曜日)は、 日本口腔インプラント学会(関東甲信越支部)でした。
診療が忙しかったため、全ての治療を他の先生にまかせることができず、2/2の午後のみ参加してきました。
最近のインプラント学会はものすごい人数です。
私が始めてインプラント学会に参加した15年前と比較するとくらべものになりません。
それだけ、歯科医師の興味も高いということです。

特に私が大学生だった頃には、授業でインプラントの講義はありませんでしたので、
それ以前に卒業した先生は、学会等で知識を身につけたいと思っているのでしょう。

さて、今日から新しいテーマです。

『オベイド・ポンティック:審美的に治療を行うために…』になります。

まず、『ポンティック』とはなんのことでしょうか?
『ポンティック』について説明する前にブリッジについて解説したいと思います。
ブリッジを理解するとポンティックは自然と分かってきます。
ブリッジとは歯のない部分に歯を作製する治療方法の一つです。

例えば、前歯が1歯欠損していたとします。
この場合の治療方法として
1 インプラント
2 義歯
3 ブリッジが考えられます。

それぞれの特徴は以下のようになります。
1 インプラント
  インプラントは欠損周囲の歯を削らず、欠損のみに人工の根(多くはチタ
  ン製)を埋め込むものです。
  利点は、
  治療のために周囲の健康な歯を削らない。
  固定式のため違和感がない。
  義歯(入れ歯)やブリッジのように他の歯に負担をかけない。
  が挙げられます。
  欠点として、
  治療期間が長い(最短でも2ヶ月程度)。
  手術を必要とする。
  保険がきかない。
  
2 義歯
  義歯とは“ 入れ歯 ”のことです。
  利点として
  治療のために周囲の健全な歯を削る必要性がない。
  型を取れば、約1週間で完成するため、治療期間が短い。
  麻酔もすることがない。
  ほとんどの義歯は保険が適応される(全ての治療の中で最も安価)。
  欠点として
  取り外しのため、食後には取り外し、清掃が必要になる。
  食事や会話中に取れたりする可能性がある。
  プラスチック製のものが口の中に入るので、違和感が強い。
  部分義歯の場合、義歯を安定させる金具がつき、審美性に問題がある。
  義歯を固定する歯が歯周病等の場合、金具で支えている歯に負担がかかる。
  等があります。
  多くの方はこの義歯を希望しないのが現状です。

3 ブリッジ
  ブリッジは欠損部の両側の歯を削り(全周約1〜2ミリ程度削る)、欠損 
  部を含めた被せ物を装着するものです。
  利点として
  固定式のため、義歯のように取り外すことがないため、違和感が少ない。
  歯を削り、型を取れば、1週間程度で完成する。
  欠点として
  歯(ケースによっては健康な歯を)を削る必要性ある。
  保険の場合、奥歯は金属製である。
  ポンティックが存在するため、その形
  態により清掃性や発音に問題が生じる可能性がある。

ここで、ようやくポンティックがでてきましたね。
このポンティックについての詳細は後で解説しますので、
ここでは上記の欠損部に対する3つの治療法について理解して下さい。
  
以下は、インプラント義歯ブリッジの比較写真です。

3tunochiryouhou
クリックすると拡大されます。





次回のブログは2/7(木曜日)になります。
次回のテーマは『欠損を治療する3つの方法の続き』と『ポンティックとは?』です。

今週(2/1〜2/3)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
日々の臨床で、どのようなことを行っているか 知っていただきたいと思い 今年から始めました。
それでは、今週のインプラント手術の中から下顎にインプラントを4本埋入した1症例について解説します。

骨の状態はかなり悪く、欠損状態(歯がなかった期間)が長かったため、
骨の吸収が起ってしまっていました。
こうした歯がない部分の骨吸収はよく起ることです。
不適切な義歯の使用や歯が抜けたままにしていると顎の骨は吸収してきます。
骨は機能圧(噛むカ)が加えられることによりその高さや幅は維持されます。
歯周病に問題がなく歯がきちんとあれば顎骨の吸収はほとんどありません。
しかし、抜歯を行うと個人差はありますが、必ず顎骨は吸収していきます。
現在義歯をしている方はわかると思いますが、
義歯を作成しても数年経つと顎骨が吸収するために合わなくなっていきます。
数年おきに顎骨が吸収した分を裏打ちしたり、再製したりする必要性があります。
今回の患者様も歯がなくなってから10年以上経過していました。

もちろん、歯がなくなった原因にもよりますが、
歯周病が進行していたり、歯の根が折れた状態でいると 骨はどんどんと吸収してしまいます。

  この続きおよび詳細は以下をご覧下さい。(クリックして下さい)
   ・歯がないと顎の骨はどんどんと吸収していきます!

下顎において骨の垂直的な吸収が大きい場合、一番問題となるのは、下顎神経との関係です。

下顎神経(下歯槽神経)は通常、骨吸収がない場合、下顎の下方1/3〜1/4ぐらいに位置しています。(個人差はかなりあります)

下の写真は下顎神経を表した下顎の透明模型です。
赤い線が下顎神経です。
kagakusinnkei
クリックすると拡大されます。







歯周病等で骨が吸収した場合、骨は 歯がある下顎骨の上部から吸収が始まりますので、
骨吸収があるとインプラントを埋入する際には骨の高さが不足します。

下の動画は、骨の吸収を解説したビデオです。
お時間がある方はご覧になって下さい。(4分51秒)



インプラントと神経の位置関係ですが、
約2〜4ミリ程度の距離が必要です。

つまり、下顎神経の上2〜4ミリの位置までしかインプラントの埋入はできません。

今回は、下顎神経(下歯槽神経)までの距離が12ミリでしたので、安全性を考え、8ミリの長さのインプラントを埋入しました。

下顎神経までの距離は2ミリあれば、問題ないという論文学的なデータもありますが、
インプラントを埋入する際の機械的刺激も影響されることがありますので、
3〜4ミリは距離をとった方が不難です。

そのため、今回は下顎神経まで4ミリの距離を保つために、8ミリの長さのインプラントを選択しました。

こうした神経との関係にはきちんとした検査が必要です。
    この詳細は以下を参考にして下さい。(クリックして下さい)
     ・SimPlantの導入(コンピュータによる最先端インプラントシュミレーションソフト)
   
使用したインプラントは、
ストローマン・インプラント   ( I.T.Iインプラント)

SLAタイプ  直径4.1mm 長さ8mmが4本でした。

麻酔方法は虫歯の治療で行うような普通の歯科麻酔です。
インプラントの埋入本数が少なかったり、
インプラント手術に際し、さほど不安がない方にはこうした簡単な麻酔方法でインプラント埋入を行います。
もし、インプラント治療に不安がある場合には
『静脈内鎮静法』
にて麻酔を行います。

骨のには大きな問題がなかったために、 『GBR法』は必要ありませんでした。


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2008年1月31日

プラットホーム・スイッチング:platform switching:その6

1/31(木曜日)です。

プラットホームスイッチングの6回目になります。
今日のテーマは、プラットホーム・スイッチングの歴史になります。

今回のテーマである、プラットホーム・スイッチングは偶然から生まれました。

これは、イタリアのDrジャンパオロ.ビンチェンツィがインプラント本体に土台(アバットメント)を装着する際に、規定のものよりも小さい(細い)アバットメントを装着してしまったことから始まりました。

インプラントの被せ物が装着し終わった患者様をメインテナンスにて経過観察していたところ
、おもしろい現象に気がつきました。

現在までの原則からすると、
インプラント本体(フィクスチャー)と
土台(アバットメント)の結合部からは
吸収するはずの骨がまったく吸収していなかったのです。

* インプラントの創設者であるDrブローネマルクもこの発見の前に
この原理の研究をしていたとも言われています。

その後、ニューヨーク大学のDrターナーにより、プラットホーム・スイッチングは臨床応用されるようになりました。

今日はこれから出かけるところがあるので、プラットホームスイッチングについてはこれで終わりです。

プラットホーム・スイッチングについては、今後まとめてホームページに掲載します。

次回のブログは2/4(月曜日)になります。
次回から新しいテーマになります。
新しいテーマは、『オベイド・ポンティック』です。
近年、患者様の審美に対する希望がどんどんと強くなってきています。
『オベイド・ポンティック』とは、審美性を考えた治療法です。
お楽しみに!

今週(1/29〜30)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
日々の臨床で、どのようなことを行っているか 知っていただきたいと思い 今年から始めました。

それでは、今週のインプラント手術の中から以前にインプラントを埋入したが、感染を起こしたため、インプラントを摘出後に今回再度インプラントを埋入した1症例について解説します。

このケースは4ヶ月程前に上顎に1本のインプラントを埋入しました。
その後、暫く来院ができずにいたことも関係していたのかもしれませんが、型を取る段階で、インプラントが感染しているのが分かりました。
若干ですが、インプラントが動揺していたのです。
欠損部位は奥から2番目で、欠損部位の両側には天然歯が存在していました。
欠損部が、歯と歯の間に位置していたたこともあり、ブラッシングが確実にできなかったことが大きな原因であったかもしれません。
インプラントの蓋(後で解説しますが、今回は1回法インプラントです)に汚れがかなり付着していました。

このようにインプラント手術後に感染を起こすことは非常に稀ですが、1年に1〜2ケースは起ることがあります。
特に歯周病であった場合には大きな問題があります。(今回のケースは歯周病が原因でダメになった分けではありません)
歯周病が存在する状態で、インプラントを行うと、インプラントにも歯周病の細菌が感染するのです。
インプラントが歯周病細菌により感染した状態を インプラント周囲炎と言います。
インプラント周囲炎の詳細は以下を参考にして下さい。
・インプラント周囲炎

先程書きましたように、今回のインプラント手術は 1回法という方法を行いました。
インプラントの1回法手術とは、インプラントの埋入手術の際にインプラントの上部(蓋の部分)が直接口腔内に見えます。
2回法インプラント手術とは、インプラント本体を歯肉の中に完全に埋め込んでしまう方法です。
以下の図を参考にして下さい。

11
クリックすると拡大されます










どちらの方法が優れているということではありません。
骨の状態や使用するインプラントメーカー等、さまざまな理由により1回法2回法を選択します。

患者様において、1回法の利点は、手術回数が1回で済むことです。
2回法は、手術時にインプラントを歯肉の中に埋入するため、型を取る段階で、埋まっているインプラントを歯肉の上に見えるようにする処置が必要になります。
今回の症例では、始めのインプラント手術の際には、骨の状態等から 1回法を選択しました。

1回法の欠点として、インプラントの蓋の部分が口腔内に露出しているため、感染のリスクが2回法と比較すると高いことがあります。

2回法の場合、インプラントが全て、歯肉の中に埋め込まれているため、基本的に外(口腔内)からの感染はありません。

私が主に使用している ストローマン・インプラント  ( I.T.Iインプラント)は、 1回法として開発されたものですが、2回法としても使用します。

1回法にするか? 
2回法にするか? 
は、骨の状況等だけではなく、患者様の口腔内の清掃状況によっても変わります。

口腔清掃状況が確実ではないと判断した場合には、骨の状況等を考えると1回法が適しているインプラントの場合でも、
2回法を選択することもあります。

さて、手術後にインプラントが感染したと考えられた場合には、どのような処置をするのでしょうか?

まず、インプラントを摘出します。
麻酔後、インプラントを埋入した方向と逆方向にインプラントを回すことにより、わりと簡単に摘出できます。
感染して骨と結合(くっついて)いないのですから…

インプラント摘出後は、骨の状況にもよりますが、1〜3ヶ月程度待ちます。

その後、再度インプラントの埋入を行います。

最初に書きましたように、インプラント手術後に感染を起こすことは非常に稀ですが、インプラントを手がけている先生であれば、必ず経験することです。

大切なのは、その後の対応です。

感染していることを早期に判断できないと、インプラントを支えている骨はどんどんと吸収してしまいます。

感染により、骨が吸収してしまった場合には、次にインプラントを行うのが困難になってしまいます。



今回使用したインプラントは、
ストローマン・インプラント   ( I.T.Iインプラント)

SLAタイプ  直径4.1mm 長さ10mmが1本でした。

麻酔方法は虫歯の治療で行うような普通の歯科麻酔です。
インプラントの埋入本数が少なかったり、
インプラント手術に際し、さほど不安がない方にはこうした簡単な麻酔方法でインプラント埋入を行います。
もし、インプラント治療に不安がある場合には
『静脈内鎮静法』
にて麻酔を行います。


また、埋入方法はドリルをほとんど使用しない、 『スプリッティング法』を応用しました。
この方法も年々増えて来ている方法です。
当医院においても骨の柔らかい上顎では、ほとんどの症例において行っている方法です。

手術時間は1本のみでしたので、約5分で終了です。
おそらく腫れることはないでしょう。



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2008年1月28日

プラットホーム・スイッチング:platform switching:その5

1/28(月曜日)です。
プラットホームスイッチングの5回目になります。
今日のテーマは、プラットホーム・スイッチングの利点と欠点
になります。

前回までの話の中で、プラットホーム・スイッチングを応用するとプラットホーム(インプラントとアバットメントの接合部)位置での骨が吸収しないことがわかりました。

それでは、プラットホーム・スイッチングが どの程度 プラットホームでの骨の吸収を防止できるかという 論文を 結論のみ 簡単に紹介したいと思います。

研究対象は、世界4大インプラントの一つで、
最も歴史の長いインプラントである ブローネマルク・インプラント と
プラットホーム・スイッチングの先駆けである アンキロス・インプラント を比較するという研究です。
結論として、埋入6ヶ月後のプラットホーム周囲の骨の吸収は、
ブローネマルク・インプラント 平均1.88ミリ
アンキロス・インプラント 平均0.77ミリ
でした。
プラットホーム・スイッチングを応用した アンキロス・インプラント がいかに骨吸収を防止するインプラントであることが分かります。

それでは、この骨吸収がどのように審美性に影響を及ぼすか ということですが、
骨の吸収があるとそれに伴い、歯肉も退縮していきます。
歯肉が退縮した場合、
歯が長く見えたり、
場合によってはインプラントの接合部の金属が見えてくることがあります。
あまり、見えない奥歯であれば、さほど大きな問題となることはありませんが、
前歯部の場合、問題となることがあります。

先程の研究において ブローネマルク・インプラントと アンキロス・インプラント では骨の吸収には約1ミリ程度の差がありました。
1ミリというと さほど違わないように感じますが、これは大きな差です。
特に、元々骨の幅がないような場合にはプラットホーム・スイッチングは有効な方法です。

また、プラットホーム・スイッチングは骨の吸収を防止するだけでなく、
歯肉の厚み自体を 厚く保つことが可能です。
下図にあるようにプラットホーム・スイッチングは、
土台(アバットメント)自体が細くなるため、
その周囲の歯肉の厚みを確保できます。
インプラント本体(フィクスチャー)より上方に出来る
歯肉の量は、幅の1.5倍とされているので、
細いアバットメントの周囲にできる厚い歯肉のため、
歯肉の高さも高く維持されることになります。
歯肉の高さが維持されれば、
歯肉の退縮も少なくなります。
また、歯肉の厚みが確保できるため、血流量を確保できるという利点もあります。
血液循環が良くなることにより、歯肉退縮も防止できるのです。

puratto5
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それでは、プラットホーム・スイッチングの欠点はどのようなことでしょう?

まず、プラットホーム・スイッチングの歴史が浅いということです。
プラットホーム・スイッチングの歴史は、この後で解説しますが、偶然から生まれた方法です。
そのため、基礎研究が若干遅れています。
また、臨床的評価(研究)もまだ完全であるとは言えません。
そうした研究には今後期待したいと思います。

私自身もプラットホーム・スイッチングについては非常に興味を持っていましたが、私が主に使用している
ストローマン・インプラント(I.T.Iインプラント)
には、まだ対応していなかったことと
まだ、十分納得できる臨床データがなかったために、経過を見ていたということです。
しかし、多くの臨床家達が使用を始め、良い結果を得てきていることから私自身も使用を始めました(2008より)。


次回のブログは1/31(木曜日)になります。
次回のテーマは『プラットホーム・スイッチングの歴史 と まとめ』です。

今週(1/25〜27)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
日々の臨床で、どのようなことを行っているか 知っていただきたいと思い 今年から始めました。
それでは、今週のインプラント手術の中から傾斜埋入インプラントを行った1症例について解説します。

治療部位は上顎の奥歯です。
奥歯に3歯分の欠損がありました。

通常、3歯分の欠損がある場合、3本のインプラントを埋入するのではなく、
2本のインプラントを埋入し、ブリッジとします。

ブリッジについてお分かりにならない方は こちらを参考にして下さい。

インプラントが安定するためには、できる限り長いインプラントを埋入することが必要です。
長さの短いインプラントでは、しっかりとした安定は得られません。

今回のケースでは、上顎奥歯の骨の状態はかなり悪く、欠損状態(歯がなかった期間)が長かったため、骨の吸収が起っていました。

歯がないと骨が吸収してしまう現象は以下をご覧下さい。
歯がないと顎の骨はどんどんと吸収していきます!

上顎の奥歯において骨の吸収が大きい場合、 サイナスリフト法 『ソケットリフト法』を行うのですが、
そのような方法を行わないでも骨が少ない場所に長いインプラントを埋入する方法があります。
それが、今回のケースで行った インプラントの傾斜埋入です。

傾斜埋入方法の詳細は以下を参考にして下さい。
今回は省略させていただきます。
・インプラントの傾斜埋入

下の写真は傾斜埋入を行った症例(今回の症例ではありませんが、傾斜埋入が非常に良く分かる典型的なケースです)です。

yamasina
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レントゲン写真の真ん中にあるインプラントの上には上顎洞という空洞が存在しており、インプラントを埋入するための高さがほとんど存在していません。
つまり、長いインプラントを埋入することができないということです。
そのため、両端のインプラントは上顎洞を避け、骨が存在する部位に斜めにインプラントを埋入したケースです。

それでは、斜めにインプラントを埋入することの問題点はあるのでしょうか?
傾斜埋入の欠点はないのでしょうか?

ブリッジ等の複数のインプラントを埋入する場合、基本的に、 インプラントの傾斜埋入の問題はありません。

ただし、術者(歯科医師)の技術的な難しさがあります。
インプラントの傾斜埋入は難易度が高いのです。

つまり、インプラント手術自体の難しさです。
適切な位置に傾斜させて埋入することはきちんとした術前の診査と技術力が必要です。

また、最終的な被せ物の作製時(型を取ったりする過程も…)でも通常の治療よりは難しくなります。

このブログでも良く書きますが、上顎の奥歯にインプラントを行う際、
骨の高さや幅がしっかりしていることは少なく、
多くの場合、骨の吸収が高度に起っていることが多いのです。

そのような場合、さまざまな治療方法を組み合わせて行うことが必要です。
今回の インプラントの傾斜埋入もそうしたテクニックの一つです。

今回使用したインプラントは、
ストローマン・インプラント   ( I.T.Iインプラント)

SLAタイプ  直径4.1mm 長さ12mmが2本でした。

麻酔方法は虫歯の治療で行うような普通の歯科麻酔です。
特にご心配されるようなものではありません。
インプラントの埋入本数が少なかったり、
インプラント手術に際し、さほど不安がない方にはこうした簡単な麻酔方法でインプラント埋入を行います。
もし、インプラント治療に不安がある場合には
『静脈内鎮静法』
にて麻酔を行います。

また、埋入方法はドリル(骨に穴を形成する器具)をほとんど使用しない 『スプリッティング法』を行いました。
ドリルをさほど使用せず、骨の幅を押し広げながらインプラントを埋入するこの方法は骨にダメージが加わりにくく、術後の腫れが少ない治療法です。

手術時間は2本のみでしたので、約10分で終了でした。



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大船駅北口歯科インプラントセンターインプラント 歯周病 専門医

神奈川県横浜市にある 日本歯周病学会歯周病専門医 国際インプラント学会認定医の歯科医院
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2008年1月24日

プラットホーム・スイッチング:platform switching:その4

1/24(木曜日)です。

プラットホーム・スイッチングの4回目です。

今日は『従来のインプラントのおける骨吸収像』になります。

まず、前回までの話のまとめから始めたいと思います。
下図を参考にしながらご覧下さい。

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クリックすると画像は拡大されます。










インプラントには、インプラントの接合部(インプラントとアバットメントの結合部)が存在します。

この接合部のことをプラットホームと言います。

通常、インプラント手術の際には、このプラットホームを骨頂のちょうど上に位置するように埋入します。
これは、インプラントと骨がくっついた後で、このプラットホームに土台(アバットメント)を装着するためです。
プラットホームが骨の深い位置に埋入されていた場合には、後で、土台(アバットメント)をつけつことができなくなってしまいますし、プラットホームが骨頂のかなり上方に位置した場合には、境目(接合部)が歯肉から見えてしまうため、審美的に問題があるからです。

そのため、インプラントを埋入する際には、骨の頂上付近にプラットホームが位置するようにします。

しかし、インプラント埋入後に起ることがあります。

このインプラントの接合部(インプラントとアバットメントの結合部)
つまり、プラットホームから1〜2ミリ下方まで、骨が吸収することがあります。

上図の “1” の状態ですね。

これは、『体内と外界とを閉鎖するには一定の厚さの上皮が必要である』と言う生体の原理(Biological Width)によって起ることです。

骨の吸収が起った場合、それに伴い、歯肉も退縮する可能性があります。
歯肉が退縮すると審美的に問題が生じます。

こうした歯肉の退縮は必ず見られるものではありません。
骨の幅がしっかりしていたり、歯肉の厚みがしっかりあった場合には歯肉の退縮は起りにくいのです。

逆に言えば、治療前に、骨の吸収があったり、歯肉が薄い場合(難症例です)には、治療後に歯肉が退縮する可能性があります。

プラットホームスイッチングとは、上図の “2” のようにインプラントの接合部(インプラントとアバットメントの結合部)くびれさせることにより、骨に加わる炎症波及を防止し、歯肉の厚みを確保することにより、骨の吸収を防ぐというものです。

それではインプラントの骨吸収のレントゲン像を実際に見ていただきたいと思います。
下の写真の左側インプラントを見るとV字状(カップ状)に骨の吸収が認められます。

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画像をクリックすると拡大されます。










インプラント周囲の骨がカップ状に吸収しているのが分かるかと思います。

次回のブログは1/28(月曜日)になります。
次回のテーマは『プラットホーム・スイッチングの利点と欠点』です。

今週(1/22〜23)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
日々の臨床で、どのようなことを行っているか 知っていただきたいと思い 今年から始めました。
それでは、今週(1/22〜23)のインプラント手術の中からサイナスリフト法後にインプラント埋入を行った1症例について解説します。

初診時に上顎の奥歯の被せ物が取れたとのことで来院されました。
被せ物が取れた理由は歯根破折 です。
歯根破折 を起こすと割れた部位から血液や唾液、食物等が入り込み感染を起こします。
感染を起こすと『膿み』となり、歯の根の周囲の骨が吸収してしまいます。
骨の吸収はあっという間に進行していきます。
歯が折れたりした場合には、できる限り早期の抜歯が必要です。

話は戻りますが、今回のケースは歯根破折した期間が長かったため、骨の吸収がかなり起ってしまいました。

そのため、被せ物が取れた時には骨の高さはほとんどない状態でした。
それでは、上顎の奥歯で骨が吸収した場合の状態および問題点について説明したいと思います。
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画像をクリックすると拡大されます。





以下は、上の図を参考にしながら見て下さい。
上顎の奥歯の上方には 『上顎洞底』という空洞が存在しています。
今回はこの『上顎洞底』について解説していきたいと思います。
『上顎洞底』は、上顎の奥歯の上に存在する骨の空洞になっている部分のことです。
この空洞は頬骨の奥に存在し、鼻腔へとつながっていて、鼻柱骨により左右に分かれています。
この上顎洞の働きは完全にはわかっていません。
多くの場合、歯が存在するとこの上顎洞と上顎の骨の距離は一定の幅がありますが、歯周病等で骨が吸収してしまうと上顎と上顎洞との距離が薄くなってしまいます。
その結果インプラントを行えないことがあります。

上図の説明です。

A  正常な状態です。
  つまり、歯がある状態で上顎洞までの距離があり、十分な骨の高さがあります

B 歯を失った後でも上顎洞までの距離があり、十分な骨高さがある場合です。
インプラントを行うのに問題はないケースです。

C 歯周病等で骨が吸収してしまったために上顎洞までの距離がなくなり、
インプラントを行うのに十分な骨の高さがない状態です。
上顎にインプラントを希望する患者さんの多くは(60%以上)このような状態
です。
このように歯を抜いた場所は年々やせて、場合によっては1〜2mm程度の高さ
 しかない方もいらっしゃいます。

今回も骨の高さが約1ミリ程度しか残っていませんでした。

そこで、上顎洞内部に骨を移植し、骨の増大(再生)をはかる治療法を行いました。
この上顎洞内に骨を再生させる治療法を サイナスリフト法と言います。
今回はこの サイナスリフト法についての詳細は省略させていただきます。
サイナスリフト法については こちらを参考にして下さい。

今回はこの サイナスリフト法を約6ヶ月前にすでに行っていた患者様です。
今日は、上顎洞内に骨が再生したことを確認した後のインプラント埋入手術です。

このように高度に骨が吸収しても、 サイナスリフト法等の骨の再生治療を行えば、インプラント治療は十分可能です。

しかし、こうした サイナスリフト法には時間がかかりますし、
治療後の腫れも伴うことがあり、患者様にとっては負担が高い治療法です。

骨が吸収しすぎないうちに対応することが最も大切です。

さて話を今回のケースに戻します。


使用したインプラントは、
ストローマン・インプラント   ( I.T.Iインプラント)

SLAタイプ  直径4.1mm 長さ10mmが1本でした。

今回の治療前に1本のインプラントは埋入済みになっていたため、今回は追加の1本のみのインプラント埋入でした。

麻酔方法は虫歯の治療で行うような普通の歯科麻酔です。
インプラントの埋入本数が少なかったり、
インプラント手術に際し、さほど不安がない方にはこうした簡単な麻酔方法でインプラント埋入を行います。
もし、インプラント治療に不安がある場合には
『静脈内鎮静法』
にて麻酔を行います。

手術時間は1本のみでしたので、約4分で終了です。
おそらく腫れることはないでしょう。

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大船駅北口歯科インプラントセンターインプラント 歯周病 専門医

神奈川県横浜市にある 日本歯周病学会歯周病専門医 国際インプラント学会認定医の歯科医院
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2008年1月21日

プラットホーム・スイッチング:platform switching:その3

1/21(月曜日)です。

プラットホーム・スイッチングのの3回目です。

今日は『インプラント埋入後に骨が吸収する?』になります。

puratto2
クリックすると画像が拡大されます。






上の写真は前回お話しました。『インプラントの構造』です。
この構造が基本になります。

インプラント手術時に埋め込むインプラント本体を『フィクスチャー』と言います。
このフィクスチャーが骨と結合するまで、下顎で約2〜3ヶ月、上顎で約3〜4ヶ月待ちます。
その後、インプラント本体に土台を装着し、型を取ります。
この時の土台を『アバットメント』と言います。
アバットメント(土台) は ネジ式になっており、フィクスチャー(インプラント本体)に回して固定されます。
(通常の機械に使用する“ネジ”とほとんど同じようなものです)

この『フィクスチャー』『アバットメント』の接合部(境目)が
問題となります。
いくら精度を高めても必ず境目は存在します。

インプラントの接合部(フィクスチャーとアバットメントの接合部)は通常のネジとは比べものにならないくらい精度が高いものですが、この接合部の隙間を完全に無くすことはできません。

このわずかに生じた隙間(マイクロギャップ)は細菌が増殖するためのスペースになる可能性があるのです。

この接合部に炎症が及ぶと生体の原理(Biological Width)から
骨は吸収するようになります。
吸収する距離は約1〜2ミリです。
これは、『体内と外界とを閉鎖するには一定の厚さの上皮が必要である』と言う生体の原理によって起ることです。
生体の原理(Biological Width)は私達歯科医師が、インプラントを学ぶために非常に大切な事項の一つなのです。


以下はインプラント埋入後に起る骨吸収についての論文の一部です。
『インプラント埋入後に機能圧を加えて最初の1年で、接合部に約1mmの
 骨の収が生じる』
Alberktsson T:Int J Oral Maxillofac Impl 1(1):11-25,1986 
Esposito M:Clin Oral Impl Res 4(3):151-157,1993
Javanovic SA: Pract Periodont Aesthet Dent 11(5):551-558, 1999
Saadoun AP: Pract Periodont Aesthet Dent 11(9):1063-1072,1999

まとめますと、
『従来のインプラント本体(フィクスチャー)と土台(アバットメント)では、その境目(接合部)から約1〜2ミリ程度 骨は吸収する』
ということです。

さらに詳しく説明しますと、
プラットホームスイッチングでは、
境目(接合部)が内側に設定されるため(接合部にステップがあるため)、インプラントと骨との接合部が粘膜で覆われる。
その結果、歯肉の厚みが増える。
歯肉の厚みが増えると血流量も増え、細菌に対する粘膜の抵抗力も増える。
これが、骨の吸収を防ぐというものです。


(下図を参考しして下さい)

puratto3
クリックすると拡大されます











例えば、10ミリの長さのインプラントを骨の中に埋め込んだとします。
インプラント自体は完全に骨の中に埋め込まれたとします。
しかし、時間の経過とともにインプラント周囲の骨は吸収を起こし、
おおよそ数年後には約1〜2ミリの骨が吸収を起こし、
最終的には骨に埋まっているインプラントの部分は8〜9ミリになってしまいます。

もちろんこうしたことは全てのケース(すべてのインプラントメーカー)に起るわけではありませんが、多くのインプラントには起りやすい現象です。
そのため、こうしたことをあらかじめ考慮したインプラントの埋入方法を行ったりすることがあります。
また、こうした骨の吸収を最小限に防ぐ形状のインプラントも存在します。

次回のブログは1/24(木曜日)になります。
次回のテーマは『従来のインプラントのおける骨吸収像』です。





今週(1/18〜20)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
日々の臨床で、どのようなことを行っているか 知っていただきたいと思い 今年から始めました。

それでは、今週のインプラント手術の中からインプラント埋入と同時 『GBR法』および 抜歯即時インプラントおよびを 『ソケットリフト法』行った1症例について解説します。

上顎に3本のインプラントを埋入し、1本は骨の幅が少なかったため(骨の幅が細いため)、骨幅を増やす 『スプリッティング法』とインプラント埋入と同時の 『GBR法』を行いました。
また、1本は 抜歯即時インプラント
もう1本は 『ソケットリフト法』でした。

骨の幅は狭いところで、約3ミリ、平均では、約4〜5ミリ程度でした。
今回使用したインプラントの直径は4.1ミリです。
直径4.1ミリのインプラントを埋入するためには骨の幅が6ミリ以上ないといけません。
つまり、埋入したインプラントの周囲に1ミリ以上の余剰な骨が存在することが必要です。
しかし、上顎にインプラントを埋入する多くのケースでは、今回のように骨幅が少ないことが多く、インプラント治療を困難にしています。
そのため、骨幅を広げる 『スプリッティング法』や骨を増大させる 『GBR法』が必要になってきます。
また、1カ所は骨の高さが非常に少ない状態でした。
実際の骨の高さは5ミリ程度でした。
これでは、長さが5ミリ以下のインプラントしか埋入できないことになります。
長さ5ミリ以下のインプラントでは、安定が非常に悪いのが現状です。
インプラントとしては適していません。
そのため、 『ソケットリフト法』を行い、長さ10ミリのインプラントを埋入することにしました。
詳細は、 『ソケットリフト法』をご覧になって下さい。

使用したインプラントは、 ストローマン・インプラント  ( I.T.Iインプラント)
SLAタイプ 直径4.1mm 長さ10mmが3本でした。

麻酔方法は 『静脈内鎮静法』 です。
静脈内鎮静法は寝ている間に治療が終了するため、治療を受ける患者様にとっては楽な麻酔方法です。

今回も通常のインプラント埋入以外にさまざまな治療法がでてきましたね。
各治療方法についてお分かりにならない方は下記を参考にして下さい。
『GBR法』
『スプリッティング法』
『ソケットリフト法』
抜歯即時インプラント

今回のように1回の手術で骨幅を増大させる 『スプリッティング法』 『GBR法』そして骨の高さが少ない場合に行う 『ソケットリフト法』を行うことは治療を受ける患者様にとって非常に有効な方法です。
治療回数や治療期間の削減になります。
インプラント治療は骨の幅が十分あれば、治療を受ける患者様にとってもさほど負担のないものですが、骨の幅や高さが少ない場合(吸収している場合)には、
さまざまな治療法を行うことが必要であり、患者様にとって負担となります。
そのため、できるかぎり、手術回数を減らす方法を行いたいと思います。

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2008年1月17日

プラットホーム・スイッチング:platform switching:その2

今日は、プラットホーム・スイッチングの2回目になります。

一般的なインプラント構造について解説していきます。

インプラントは下図のように大きく分けて
3つの構造(パーツ)からできています。

1 フィクスチャー(インプラント本体)
2 アバットメント(土台)
3 上部構造(被せ物、補綴物)

プラットホーム・スイッチングを理解するためには、
まずは、
インプラントの基本構造を知ること、
インプラントと骨の関係を知ることが
基本になります。

上記のフィクスチャー、アバットメント、上部構造をよく覚えておいて下さい。

今日のプラットホーム・スイッチングの話はこのインプラントの構造のみです。今朝は出かけなければならないところがありまして…

詳細は インプラントの構造を参考にして下さい。

puratto2
画像をクリックすると拡大されます。






次回のブログは1/21(月曜日)になります。
次回のテーマは『インプラント埋入後に骨が吸収する理由』です。


今週(昨日)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
日々の臨床で、どのようなことを行っているか 知っていただきたいと思い 今年から始めました。
それでは、今週のインプラント手術の中から 『GBR法』
を行った1症例について解説します。

このケースはインプラントと同時 『GBR法』
ではなく、インプラント治療 『GBR法』
を行ったものです。

このブログを見ている方の多くは 『GBR法』
について知っている方が多いと思いますが、簡単に 『GBR法』
について説明したいと思います。

インプラントを行うためにはしっかりとした骨が存在することが第一条件です。
しかし、歯周病 の放置や 歯を欠損のままにしていた等により骨が吸収し、いざインプラントを行おうとしても顎骨は吸収し、痩せ細ってしまっていることが多いのが現状です。
ホームページやブログのさまざまなところでも書いていますが、インプラント が長期的に安定するためには長く太いインプラントが埋入されることが必要です。
そのためにはしっかりとした骨でないといけません。
骨の幅や高さなない場合には骨を増大させる治療 『GBR法』)が必要になってきます。

『GBR法』には大きく分けて2つの方法があります。
まず、一つ目の方法ですが、骨が大幅に吸収している場合にはあらかじめ骨を増大させる方法を行います。
吸収部に骨を移植し、周囲骨と一体化するまで待ちます。
一般的にこの期間は3〜6ヶ月かかります。その後インプラントを埋入しますのでトータルの時間は非常にかかります。
この方法を ステージドアプローチと言います。
今回行った治療法です。

それに対し、骨の吸収が少ない場合(若干の骨吸収程度)には、インプラントの埋入と同時にGBR法を行います。
これは上記の方法とは異なり治療期間が短縮できます。
この方法を サイマルテイニアスアプローチと言います。
私が行うインプラント治療において約半分がこの方法を用います。

さて今回、 ステージドアプローチGBR法を行いましたが、この理由として、骨の吸収が非常に大きかったためです。
なぜ骨の吸収が起ったのでしょうか?
その原因は歯根破折 です。
歯の根が折れてしまったのです。
歯の根が折れてしまった場合、基本的には抜歯です。

歯根破折 した直後に抜歯すれば、さほど問題はないのですが、
歯根破折 状態で暫く時間が経過すると割れた部位から感染を起こし、膿みとなります。
膿みは、周囲の骨を吸収させてしまうので、割れたままにしておくと骨はどんどんと吸収してしまいます。

今回は歯根破折したまま、かなりの期間が経過してしまったため、骨の吸収はかなり大きいものでした。

もちろん、 『GBR法』により骨を回復させることは可能ですが、
時間もかかり、患者様の負担も大きいものです。

できれば、避けていきたい治療です。

やはりこのような状態にならないように早めの対応が最も大切です。

GBR法に使用した材料は 『自家骨』および、『人工骨』です。
使用した人工骨は 『β―TCP』 です。

自家骨は、今回の治療部位の周囲から採取しました。

また、 GBR膜 として非吸収性Gore-Tex膜を使用しました。
Gore-Tex膜は吸収しない膜のため、後で取り出す必要性がありますが、今回のような ステージドアプローチGBR法では、再度手術が必要(今度はインプラントを埋入)なため、その時に膜の除去を一緒に行います。


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2008年1月14日

プラットホーム・スイッチング:platform switching:その1

今日から新しいテーマです。
『プラットホーム・スイッチングとは?』になります。

今、インプラントの世界で最も話題(2007)になっているのが、
『プラットホーム・スイッチング:platform switching』です。

プラットホーム・スイッチングとは、
『インプラントの太さよりも 上部構造の立ち上がりの太さを細くすることにより、インプラント上部まで 骨を誘導することが可能』になります。
その結果、インプラント周囲の骨が生理的に下がらないようになります。

なにがなんだか分かりませんよね。

このプラットホーム・スイッチングを説明することは非常に難しいことです。
しかし、今後のインプラント界を大きく変化させるようなことなのです。
この項目では、このプラットホーム・スイッチングについて 基礎 から
利点、今後の課題まで、図解で説明していきたいと思います。

また、2007年現在において、全てのインプラントメーカーがこのプラットホーム・スイッチング に対応しているわけではありません。
まだ、ごく一部のメーカーのみが採用しているシステムです。

2007年現在のプラットホーム・スイッチング採用メーカーの一部

1  アンキロス
2  アストラテック
3  3i
4  バイコン

世界で最も歴史のあるブローネマルク・インプラント (ノーベルバイオケア社)も2007年の ワールドカンファレンスでプラットフォーム・スイッチング・アダプターを発表しました。

このように、今後は多くのインプラント製造メーカーがこのシステムを採用するでしょう。

当医院においても今までは主として ストローマン・インプラント   ( I.T.Iインプラント)を使用してきました。

その理由として
1 きちんとした基礎研究のもとになりたっている
2 インプラントメーカーとして世界で2番目に古いメーカーであり、
  臨床経験が長い。(それだけ信頼度が高い)
3 数あるインプラントメーカーで最も使用されているインプラントで
  ある。
まだまだ、理由はありますが、 ストローマン・インプラントは世界をリードしていると言ってもいいでしょう。

しかし、 ストローマン・インプラントのみが100%良いということではなく、
インプラントを使用する部位や骨の状況、最終補綴形態(被せ物の形)等により、他のメーカーの方が優れている場合もあります。
そうしたことから当医院では、
今まで、アストラテック・インプラント や
スプライン・インプラントも使用してきました。

しかし、審美性が重要視されてきた近年では、
さらに審美性を追求するためのインプラントシステムに人気が集中しています。
その一つが『アンキロス・インプラント』です。

このテーマである『プラットホーム・スイッチング』を使用したインプラントでることと、『 ジルコニア・アバットメント』が使用できる利点があります。

当医院においても2008年より、このアンキロス・インプラントを導入していきます。
ただし、現在のところメインはストローマン・インプラントとしますが、
おそらく、アンキロス・インプラントもかなりの数になると思います。
実際に今まで、ストローマン・インプラントを使用していた歯科医師の一部はアンキロス・インプラントを使用し始めています。
その評価は年々高まってきています。

プラットホーム・スイッチングを学ぶことは今後のインプラントを知るうえでも大切なことになります。

それでは、ちょっと難しい話になりますが、プラットホーム・スイッチングの解説を次回から始めたいと思います。

* このテーマ(プラットホーム・スイッチング)は2007のデータをもと
に作製した内容です。
  2007年現在、プラットホーム・スイッチングの研究データはまだ完全に
出そろっていません。
今後はさらに新しいデータが加わる可能性があります。
もし、新たに研究(論文)データが加わった場合には、ホームページ上で
追加していきます。


次回のブログは1/17(木曜日)になります。
次回のテーマは『プラットホーム・スイッチング:インプラント構造』です。



今週(昨日)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
日々の臨床で、どのようなことを行っているか 知っていただきたいと思い 今年から始めました。

それでは、1/11〜13日で5件の手術がありましたが、その中で、上顎の多数歯欠損に対しインプラント埋入と同時にGBR法およびソケットリフト法を行った1症例について解説します。

患者様は上顎が無歯顎です。(虫歯等で、抜歯した後です)
奥歯は骨の吸収がかなり進行しており、骨の移植を行う必要性のある サイナスリフト法が必要なくらい、状態は良くありませんでした。(骨の高さは1ミリ程度しかありません)

もともとの歯があった状態にまで、回復させるためには、奥までインプラントを埋入し、 ブリッジとすることが考えられます。
しかし、先程書きましたように奥歯は骨の吸収が著しく、このままでは、インプラントは難しい状態です。

そこで、患者様にさまざまな治療方法を説明したところ、
奥までは、インプラントを埋入しないで、前歯部から中間程度の部分まで、インプラントを埋入する計画にしました。

通常、上顎の歯は14歯あります。
今回は一番奥までは歯を作製しない治療法を選択しました。
この理由は先程説明しました 奥に骨がないため、同部に骨を増大(再生)させるためには、治療期間がかかり、治療に伴う患者様の負担も大きく、全てを行うと治療費も高額になってしまうからです。

しかし、完全に奥まで歯がなくても、固定式(ブリッジ)となるわけですから、
歯がまったくない今までとはまったく違います。
治療が完了したら、快適な生活になるでしょう。

さて、治療内容ですが、
使用したインプラントは、
ストローマン・インプラント   ( I.T.Iインプラント)

SLAタイプ  直径4.1mm 長さ10mmが1本
SLAタイプ  直径4.1mm 長さ8mmが4本
SLAタイプ  直径4.1mm 長さ6mmが1本でした。

今回はインプラントの長さとしては短いものです。

短いインプラントの理由として、前歯部においても骨が吸収しており、鼻腔底(びくうてい)と言われる
鼻の穴近くまで、骨の高さがなくなっていたためです。

今回は少しでも、インプラントの高さを獲得するため、鼻腔底のギリギリまで、インプラントを埋入しました。

こうした難症例の場合には術前の診査が大切です。
CT撮影を行い、術前に インプラントのシュミレーション(シンプラント使用)を行うことが非常に大切になります。

麻酔方法は 『静脈内鎮静法』 です。
静脈内鎮静法は寝ている間に治療が終了するため、治療を受ける患者様にとっては楽な麻酔方法です。
麻酔は当医院の麻酔科医が担当します。

今回は骨の高さがないだけでなく、骨の幅も非常に少ない状態でした。
通常、インプラントの直径は約4ミリあります。
直径4ミリのインプラントを埋入するためには、骨の幅は6ミリ存在しないといけません。
しかし、今回は骨の幅は薄いところで、約3ミリです。
そのため、骨の幅を増大させる 『スプリッティング法』を応用し、
さらに骨の幅を増大させる 『GBR法』も行いました。

また、奥では、 『ソケットリフト法』 も行いました。

骨の幅や高さが非常に少ない“難症例”はさまざまな治療法を組み合わせて治療を行います。

日本人のインプラントは欧米人と比較して、難症例であると言われています。
それは、保存不可能な歯の抜歯するタイミングがかなり遅れ、大幅に骨吸収を起こしてから、インプラント治療を選択する傾向にあるからです。
また、骨の幅や高さが欧米人と比較してもともと条件が悪いこともあります。

上記のように骨の状態悪い場合でも、さまざまな治療法を行うことにより、インプラント治療は可能ですが、
そのためには、治療時間もかかり、治療費もかかり、治療における患者様の負担も多くあります。

できるかぎり、“難症例”にならないうちに治療をされることが大切です。

今回のインプラント手術参考資料
サイナスリフト法
ブリッジ
ストローマン・インプラント
( I.T.Iインプラント)
SLAタイプ
CT撮影
インプラントのシュミレーション(シンプラント使用)
『静脈内鎮静法』
静脈内鎮静法
『スプリッティング法』
『ソケットリフト法』
『GBR法』


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神奈川県横浜市にある 日本歯周病学会歯周病専門医 国際インプラント学会認定医の歯科医院
I.T.Iインプラント認定医でもあり、 GBR法 サイナスリフト 審美インプラント等の難症例も行います。
HPでは 治療費(費用)の説明や インプラント症例 無料相談コーナーもあります。

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