最新インプラント症例ブログ

カテゴリー: インプラントの記事一覧
2008年9月4日

患者様から受ける質問特集:その7

9/4(木曜日)です。


今日も前回の続きで、『患者様から受ける質問特集:その7』になります。

時々メールで、『他の歯科医院でインプラント手術を受けたが…』というような質問もきます。
今日はそうした質問の話になります。


質問12
 先日、他歯科医院でインプラント手術を受けたのですが、次の日に大きく腫れました。 このようなものなでしょうか?
また、腫れを早くひく方法はありませんか?

回答12
 インプラント治療(手術)において腫れることはあります。
骨の状態が良く(骨の吸収がない)、インプラントの本数が少なく、手術時間があまりかからない場合には、腫れる確率は非常に低いものです。
また、腫れたとしても大きく腫れることはさほどありません。
しかし、骨の状態が悪い場合には、骨を増大させる治療法( GBR法)を行う必要性があります。この場合には、腫れる可能性が高くなります。

しかし、治療を受ける患者様にとっては、どのような状態でも腫れるのは“ 嫌 ”なものです。

そこで、少しでも腫れないようにすることが大切です。
以下のことを注意することが大切です。

1 出された薬は必ず服用する(抗生剤等)
  ただし、薬を服用後、気分が悪くなったりした場合には、中断し、
  主治医に連絡して下さい。
2 入浴は避ける(シャワー程度なら大丈夫)
3 飲酒は避ける
4 運動は避ける
5 安静にする
6 手術した側では、できるかぎり食事を避ける
  手術当日は、できるかぎり軟らかい食事にし、長時間口を動かすようなこ
  とをしない。
7 うがいをしすぎない(適度に)
  うがいをしすぎると逆に出血が多くなることがあります。
  手術部位では、手術で生じた血液が固まり、“かさぶた”ができます。
  うがいをしすぎるとこの“かさぶた”が取れてしまい、
  出血しやすくなります。

ここまでは、一般的なことです。
それ以外に、

8 安静にするといっても帰宅後、すぐ、横にならない(寝ない)。
  これは、手術部(顔)を心臓より低い位置にすると、血液が手術部位
 (顔面)に行き渡りやすいためです。 
  その結果、腫れやすくなります。
  手術後帰宅した場合には、イスに座る等にして“横にならない”ことが
  大切です。
  また、手術当日は、枕を少し高くして寝る等も効果的です。
9 手術部位を冷やす。
  ただし、長時間冷やし過ぎると血行が悪くなり、逆効果になります。
  1回に冷やす時間は、10〜20分程度が良いでしょう。
  そして、同じ程度の時間をあけ、再度冷やすことが良いでしょう。
10 手術部位には、触らない(指、舌等)。
   歯ブラシ時には、注意する。(歯ブラシで糸をひっかけてしまいます)

また、治療前には、以下のようなことも重要になります。

11 忙しい時や体調不良の時には手術をしない。
   また、手術予約当日に体調不良になった場合には、無理せず、
   キャンセルする。
12 現在の体調が悪い場合には、内科等できちんと検査をし、全身状態を
   把握することが大切です。
   例えば、糖尿病の状態で手術を行うと手術後の治癒(治り)が悪いので、
   インプラント治療前に主治医と相談することが大切です。
13 現在服用している薬は、必ず術前に報告する。
    脳梗塞や心臓病等の既往があり、薬を服用されている方は、
   特に注意が必要です。

14  禁煙する!
   これは、治療前だけではなく、手術直後にも言えることです。

さらに感染に注意することが必要です。
感染防止には、以下のことが重要です。

15  歯周病等の問題がある場合には、インプラント手術前に必ず治療する
   ことが大切です。
   歯周病細菌が、インプラント手術部位にも感染します。
   傷口から細菌感染するとそれが原因で腫れます。
16 処方された『うがい薬』をきちんと使用する。
   7番目で『うがいをしすぎない』と書きましたが、規定された回数は
   必要です。
   通常、『クロルへヘキシジン洗口剤』や『イソジン洗口剤』が
   処方されます。
17 手術部以外の歯は、きれいに歯ブラシを行う。
   口腔内が不潔であると手術部位に感染しますので、衛生的にすることが
   必要です。
18 義歯を使用している方は義歯を徹底してきれいにする。
   (無理して義歯を使用しない)



次回のブログは9/8(月曜日)になります。
次回は、今日の続きで、『患者様から受ける質問特集:その8』です。

『今週のインプラント手術報告』はお休みさせていただきます。

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2008年9月1日

患者様から受ける質問特集:その6

9/1(月曜日)です。
今日も続きで、『患者様から受ける質問特集:その6』になります。

今日の質問は、
『インプラントは何年保つの?』
『インプラントはダメになるの?』
『インプラントは一生保つの?』
等の質問です。
インプラント治療を考えている患者様の多くは、
『インプラントは天然歯より強い(保つ)』
と考えているようです。
しかし、これは間違いです。
インプラントもダメになります。

今日はそうした話をしたいと思います。


質問11
 インプラントは、一生保つのでしょうか?
ダメになったりしないですか?

回答11
 インプラントは虫歯になることはありませんが、歯周病にはなります。
また、他にもダメになる原因はあります。

インプラントは、人工の物だからといってダメにならない ということではありません。
ご自身の歯がダメになると同じように インプラントもダメになる可能性はあります。

例えば、インプラントの歯の部分になる『セラミック』等は、欠けたりする可能性があります。
毎日噛むことにより被せ物は必ず磨り減るのです。
例えば、右で良く噛む人は 右側が磨り減ったりします。
特に、『歯軋り』や 『くいしばり』がある方は磨り減り方が大きいものです。
ですからセラミック等の被せ物は消耗品です。
噛む力によってはセラミックに日々負担がかかり、かけたりする場合もあります。

インプラントは、天然歯と違い『歯根膜』というクッションのようなものが存在しないため、噛んでも動かない(沈み込まない)ので噛む力が直接インプラントの被せ物にかかります。

被せ物を装着した時にはそうならいように噛み合わせの調節を行いますが、時間の経過とともに噛み合わせは変化し、インプラント部に負担がかかってくることがあります。
特に問題となるのが、先程説明しました『歯軋り』や『くいしばり』による問題です。
私達がインプラントを行う際に最も注意するケースです。
先程インプラントには天然歯と違い『歯根膜』というクッションが存在しないために噛む力が直接加わるという話しをしました。
『歯軋り』や『くいしばり』がある方はこうした力をさらに受けやすいのです。
こうした傾向が強い方にはインプラントをお勧めしないこともあります。

次にインプラントがダメになる原因として、最初に書きましたように 歯周病があります。
インプラントが歯周病になった状態を 『インプラント周囲炎』と言います。
『インプラント周囲炎』になるとご自身の歯(天然歯)を抜歯するようにインプラントも除去(撤去)しなければなりません。
よく、歯周病の方がインプラント治療を受けられる際に 以下のような質問があります。
『インプラントを埋入した隣の歯が歯周病でダメになった場合、先に行ったインプラントを利用して歯を作製することはできますか?』
このような質問です。
ご自身の歯(天然歯)が歯周病でダメになるような状態であれば、
その時には、隣に行ったインプラントもおそらくダメになるでしょう。
ダメになっていなくても 『インプラント周囲炎』にはなっています。
インプラント治療を受ける患者様の多くは、
『自分自身の歯(天然歯)は、ダメになってもインプラントはダメにならないだろう』
と考えています。
これはまったくの間違いです。
逆に言えば、ご自身の歯が歯周病でダメになった場合、その後にインプラントを行っても歯ブラシ等の生活習慣が改善されなければ、インプラントも 『インプラント周囲炎』でダメになります。

『リスク』と言えば、 『インプラントと喫煙の関係』も大きく影響します。

また、それ以外の『リスク』として、食生活運動睡眠ストレス 等の生活習慣もインプラントがダメになる大きな因子です。

インプラント自体は、金属(純チタン)でできた人工の物ですが、インプラントを支えている『骨』や『歯肉』は、患者様ご自身のものです。
生活習慣が乱れ、病気になれば、『骨』や『歯肉』も弱ってきます。
当然、インプラント自体もダメなる確率が高くなります。


次回のブログは9/4(木曜日)になります。
次回は、今日の続きで、『患者様から受ける質問特集:その7』です。


今週(8/29〜31)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
それでは、今週のインプラント手術の中から上顎の前歯部にインプラント埋入を行った1症例について解説します。

上顎前歯部は、このコーナーでもよく解説する部位です。
前歯部は、他の部位と比較して審美性が大きな問題となるため、難易度が高い部位です。

特に骨の吸収が大きい場合には、完全な審美性を獲得するのは困難です。

前歯部にインプラントを行う場合、十分な骨の高さや幅が存在していることは少なく、ほとんどの症例において骨の増大治療(GBR法)を併用します。

それでは、『骨が少なければ、GBR法で、増大(再生)すれば大丈夫では?』
と思われるかもしれません。

しかし、GBR法は魔法の治療ではなく、どんな状態であっても思い通りに骨を元通りに再生(復元)できるわけではありません。

また、難症例であればあるほど、治療は困難を極めます。

治療のわずかな “エラー” が審美性を損なう結果を生んでしまうこともあります。

また、骨を大幅に増大させるということは移植する骨の量も多くなります。

難易度の高い骨の増大治療(GBR法)は、患者様の負担も大きく、 治療後の腫れが長く続くこともあります。


今回のケースでも骨の吸収は、非常に多く、 CT撮影による インプラントのシュミレーション(シンプラント使用)では、骨幅は、『3ミリ以下』でした。
大幅なGBR法が必要になります。

また、GBR法では、骨を増大するために、『人工の骨』や『ご自身の骨( 自家骨)』を使用します。

使用した『人工の骨』は、 β―TCPです。

β―TCPは完全に人工に生成された骨です。

『β―TCP』は人工的に生成された骨なので、それ自体が完全に骨になったりすることはありませんが、ご自身の骨や血液中の細胞が混ざることにより、骨に置換しやすいものです。

また、完全人工生成のため、非常に安全性が高いのも特徴です。

日本において 『β―TCP』は、歯科よりも整形外科等で、複雑骨折の治療等で普及している材料です。

また、 GBR膜 として吸収性『コラーゲン膜』を使用しました。

吸収性膜は、歯肉とのなじみも良く、インプラント同時の GBR法 では世界的に最も使用されている膜です。

吸収性膜なしでは、 インプラント同時GBR法は成り立たない治療法です。

日本人にインプラント治療を行う場合、骨の幅が不十分であることが多く、

多くのケースにおいて GBR法を行います。

当医院においてもインプラント治療の約半数はGBR法を併用しています。

吸収性膜なしでは、インプラント治療は行えないと言ってもくらい重要な材料です。

使用したインプラントは、 プラットホーム・スイッチング システムの アンキロス・インプラントです。

アンキロス・インプラントは、インプラント自体が細く、幅の狭い部位に適しており、審美的な部位に効果を発揮する プラットホーム・スイッチング になっています。

手術時間は、約15分程度でした。

今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 約3〜4ヶ月後に型を取り、
3. 型取りの後、 約10日で完成した被せ物を装着し、完了です。


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2008年8月25日

患者様から受ける質問特集:その4

8/25(月曜日)です。

今日も前回の続きで、『患者様から受ける質問特集:その4』になります。

インプラント治療における『腫れ』や『痛み』についてです。
インプラント治療を考えている患者様にとっては、非常に気になることですよね。


質問9
 インプラント治療に不安があります。
まず、痛みがあるのか? 
そして、腫れるのか?
ということです。

回答9
インプラント治療は、必ず腫れるものではなく、必ず腫れないということでもありません。
インプラント治療後に『腫れるか』、『腫れないか』は、さまざまな要因により違います。

まず、『骨の状態』と『インプラントの埋入本数』です。
骨の高さや幅に問題がなく、1〜3本程度の少ない埋入本数であれば腫れる可能性は低いかと思います。
しかし、同じ治療を行っても個人差があり、腫れる方もいれば腫れない方もいるのが現状です。
しかし、骨の吸収が大きく、インプラントを埋入するために、どうしても骨の増大治療(GBR法)を行う必要性がある場合には、腫れる確立は高くなります。

次に、 衛生面(手術環境)です。
インプラントが成功するためには衛生環境はかかせないことです。
できるかぎり、空調や器具、全てにいたるまで管理された手術室が必要です

また、治療後に腫れる原因として、多いのが内出血です。
分かりやすく例えると、手や足をぶつけた時に腫れることと同じです。
手や足等をぶつけると皮膚下の血管が損傷し、破れます。
その結果、皮膚内部で出血を起こすのです。
これが腫れです。
インプラント手術を行うと、必ず出血は起ります。
出血が多い場合には腫れる確立は高くなります。
手術範囲が大きかったり、インプラントの本数が多かったり、手術時間が長くかかった場合等です。

このような内出血を抑える方法としては、
可能なかぎり、手術範囲を小さく行う
うがいをし過ぎない
治療後の注意事項を厳守する
  
また、インプラント治療後の注意事項として、
手術当日はお風呂を避ける
運動等を避ける
すぐに横にならない。また、就寝時は枕を高くして寝る(頭を下げた状態にすると血液が手術部位に溜まりやすいため、すぐ横になるよりは、起きてイスに座ったりした方が良い)
手術部位を間欠的に冷やす
等が考えられます。

さらに全身的な問題で腫れることがあります。
例えば、糖尿病の患者様で、血糖値が安定していない場合(血糖値が高い)には、治りが悪くなる(長引く)とともに、腫れも強くでます。
また、 抗血小板薬や抗凝固薬(アスピリン、ワルファリン等) を服用されている方は、出血が止まりにくいため、手術後に腫れる確立が非常に高くなります。
その他全身的に問題がある場合も同様に腫れやすくなります。

まとめますと、インプラント治療後に
『腫れるか』
『腫れないか』は、
1. 骨の状態(骨の吸収が大きい:GBR法が必要な状態)
2. インプラントの埋入本数が多い
3. 手術環境(衛生面)
4. 手術後の注意事項の厳守(入浴禁止、安静にする…等)
5. 全身状態(糖尿病 等)
6. 服用薬(抗血小板薬や抗凝固薬 等)
等のさまざまな因子によって決まってきます。

その中でも最も大きい原因は、『骨の状態』です。
骨の吸収が大きい場合には、腫れる確立が高いと思って下さい。

次に痛みですが、先程の1〜6のような状況でなければ、痛みも起る確立は低いものです。
通常、当医院では、インプラント手術前後を含め、5回分の痛み止めを処方します。
90%以上の方は、この5回分の痛み止めを全て服用されることはありません。
平均、手術後に1〜2回程度服用する程度です。
これは、腫れがある程度あっても痛みはほとんどないことが多いのです。
しかし、稀に痛みが続く方もいらっしゃいます。
年間400〜500本程度のインプラント手術を行っている当医院において、数人程度の方で、1週間以上 痛みが続くといったことを経験します。
また、痛みの感じ方の程度には、個人差があるのも事実です。

一般的には、腫れの大きさに比例して痛みも大きくなります。
つまり、骨の吸収が大きいような難症例では、痛みが出る確立も高くなるのです。

結論として、骨の状態等(先程の1〜6の事項)に問題なければ、
『腫れ』や『痛み』はさほど気になることはありません。
しかし、骨の状態等に問題があるような難症例は、
『腫れ』、『痛み』共に起こりえることです。


次回のブログは8/28(木曜日)になります。
次回は、今日の続きで、『患者様から受ける質問特集:その5』です。


今週(8/22〜24)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
日々の臨床で、どのようなことを行っているか 知っていただきたいと思い 今年から始めました。

ここ数日のインプラント手術は、非常に難症例が多かったです。

つまり、骨の幅や高さが圧倒的に少ない状態でした。

今日は、1症例の紹介ではなく、全ての症例に共通することについて解説します。

この3日間で行ったインプラント手術(4ケース)は、全て上顎です。
上顎にインプラントを行う場合、骨が少ない場合が多いのです。
特に、上顎において、骨の『高さ』が少ない場合、治療は、困難を極めます。

骨の吸収が起ることにより、骨の高さは減少してしまいます。
骨吸収が起る原因については、以下を参考にして下さい。
   ・歯根破折
   ・歯周病
   ・歯を欠損のままにしていた

今回の症例においても さまざなな原因により、骨吸収が進んでしまったのです。

インプラントを埋入する場合、使用するインプラントの長さが非常に重要なことになります。
つまり、できるかぎり 長いインプラントを埋入することが大切なのです。

長いインプラントと短いインプラントでは、長いインプラントの方が将来性(成功率)が高いのです。

特に、上顎と下顎を比較すると上顎の方が骨の硬さが柔らかいのです。
そのため、上顎では、より長いインプラントを埋入することが必要になります。
しかし、先程説明したように、現実的には、上顎においては、骨吸収を起こしていることが多く、長いインプラントを埋入できないのです。

具体的には、上顎の奥歯において、安定性が良いと考えれられるインプラントの長さは、10ミリ以上です。
これは、欠損の数 や 埋入本数 等にもより違いますが、10ミリ以上あった方が安全性が高いのです。

しかし、今回の症例の多くでは、骨の高さが5ミリ以下でした。
少ないところでは、3〜4ミリです。

そのため、より長いインプラントを埋入するためには、さまざまな方法を行う必要性があります。
それが以下の方法です。(参考にされて下さい)
   ・ソケットリフト法
   ・サイナスリフト法

また、今回のケースの多くは、骨の高さだけでなく、幅も非常に少ない状態でした。
そのため、以下の方法も行いました。
  ・GBR法
   ・スプリッティング法

さらに、今回行った症例の多くは、インプラントの埋入本数も多かったこともあり、
難症例だったのです。

麻酔は、多くのケースで、静脈内鎮静法を行いました。



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2008年8月21日

患者様から受ける質問特集:その3

8/21(木曜日)です。


今日も前回の続きで、『患者様から受ける質問特集:その3』になります。

今日の質問は、

まず、『1回法と2回法の違いについて』です。
インターネットでインプラントのことを調べられている方は、多くの知識をお持ちです。
その中で、1回法と2回法について疑問をもたれ、インターネット等でご質問をされる方も多いのです。

次に、インプラントの使用本数についてです。
多数の歯が欠損している場合、必然的にインプラントの治療本数も多くなります。
インプラントの使用本数が多くなると治療費も高くなります。
患者様にとっては大変なことです。
少しでもインプラントの本数は少なくできないのか?
逆に少なくするとインプラントの成功率は下がるのか?
等多くの疑問をお持ちです。

今日は、そうした質問の回答になります。


質問7
 インターネットでいろいろ調べると、インプラントの治療法には、1回法と2回法があることが分かりました。
そして1回法は、感染する可能性があるため、2回法の方が良いとありましたが、本当なのでしょうか?

回答7
 インプラントの治療には、 1回法と2回法があります。
2回法は、インプラントの手術時に、インプラント本体を歯肉の中に埋め込んでしまうため、感染をする可能性は非常に低くなります。
2回法で感染するとすれば、手術直後の歯肉がまだ治癒していない段階になります。
2回法に比較して、1回法は、手術直後からインプラントが歯肉の上に見えるため、感染のリスクはありますが、決して高いということではありません。
1回法のインプラント手術の最大の利点は、手術回数が1回で終了するということです。
患者様にとっては、2回の手術が必要になることは負担となります。
また、1回法か 2回法のどちらを選択するかは、単に手術の回数を減らすためではありません。
骨の状態が悪い場合には、インプラント埋入と同時に骨の増大治療( GBR法)が必要になります。
この場合には、2回法になります。
基本的に1回法か2回法かの選択は、骨の状態等により決めるものです。
当医院では、治療期間の短縮や患者様の口腔清掃状態等を考慮し、1回法が良いと考えられた場合には、できるかぎり1回法で治療を行うようにしています。
しかし、口腔清掃が悪い場合には、1回法が適応でも2回法にすることもあります。
話は少しズレてしまったところもありますが、結論として、1回法だからといって感染しやすいということではありません。
多くの論文からも1回法と2回法の成功率の差はありません


質問8
 奥歯が4歯欠損しています。
この場合何本のインプラントが必要でしょうか?
1欠損に1本必要と書いてあるホームページもありますし、2本でブリッジでも大丈夫と書いてあるところもあります。
本当のところはどうなのでしょうか?

回答8
 インプラントの必要な本数は、決まっているものではありません。
骨の状態 や 噛み合わせに 等により必要な本数が決まってきます。
例えば、噛み合わせに問題がなく、長いインプラントが埋入できれば、4歯欠損の場合、2本のインプラントでもまったく問題ありません。
また、欠損部位によっても違います。
奥歯の場合、噛む力が加わりやすいので、ある程度の本数が必要な場合がありますが、
最も噛む力が加わりにくい 下顎の前歯部では、6歯欠損でも2本のインプラントでブリッジが可能なこともあります。
また、骨の硬さにもよっても違います。
柔らかい骨は、インプラントの安定が悪いため、本数を多くした方が良い場合があります。
通常、上顎の骨は柔らかく、下顎の骨は硬いのです。
特に上顎の奥歯は、骨が柔らかいものです。
例えば、同じ欠損数であり、骨の高さや幅が同じであっても、上顎の奥歯と下顎の奥歯では、必要なインプラントの本数は違います。
上顎の方がインプラントの本数を多くする場合が多いのです。
10歯の欠損があった場合でも、骨が硬く、非常に長いインプラントが埋入できれば、
4本のインプラントで10歯を作製するブリッジが可能なケースもあります。


次回のブログは8/25(月曜日)になります。

次回は、今日の続きで、『患者様から受ける質問特集:その4』です。


今週(8/19〜20)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
日々の臨床で、どのようなことを行っているか 知っていただきたいと思い 今年から始めました。
それでは、今週のインプラント手術の中から上顎の前歯部にインプラント埋入を行った1症例について解説します。

今回行った症例は、上顎の前歯部が欠損した状態で長期的に時間が経過していました。

長期的に歯が欠損していると骨は吸収を起こします
今回のケースも骨の幅が吸収している状態でした。

具体的に言えば、骨幅は約3ミリでした。
インプラントに必要な骨幅は、最低でも6ミリです。
つまり今回は、必要な骨幅の約半分程度しか骨が存在しなかったのです。

そこで、インプラントを埋入すると同時に骨の幅を増大させる治療法を行う必要性がありました。

その方法が
1. 『GBR法』
2. 『スプリッティング法』です。

今回は、インプラント埋入と同時にその両方の治療を行いました。

このような方法は、インプラント手術の際にかなりの頻度で併用するものです。

特に、上顎の前歯部では、骨の増大治療なしでインプラントを埋入することの方が少ないのです。

しかし、問題点として、骨の増大治療( 『GBR法』)を行うと100%元の状態に回復できるわけではありません。

骨の状態を完全に回復できない場合、インプラント治療後にも 審美性に問題を残す(歯と歯の間に隙間がでたり、歯が長く見える)こともあります。

そうしたことを考えれば、できるかぎり良い状態でインプラントを行うことが非常に大切です。

さて、今回の症例に話を戻します。

骨幅が3ミリでしたので、先に骨幅を押し広げる 『スプリッティング法』を行いました。
この治療により、骨幅は、5ミリ程度まで拡大することができました。

そして、広がった骨幅にインプラントを埋入しました。

使用したインプラントは、 アンキロス・インプラントを2本です。

アンキロス・インプラントの直径は、3.5ミリです。

一般的なインプラントよりは、若干直径が細いインプラントです。
そのため、骨幅が狭い(少ない)場合には 適しています。

また、 アンキロス・インプラントを埋入と同時にさらに十分な骨幅を獲得するために、 『GBR法』も行いました。

手術時間は、約20分程度でした。

今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 約3〜4ヶ月後に型を取ります。

治療費
21万円(税込)×2本です。
この中には、治療中のレントゲン撮影や薬代、型を取る費用、被せ物の費用、
今回の スプリットクレスト法 GBR法の費用も全て含まれています。


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大船駅北口歯科インプラントセンターインプラント 歯周病 専門医

神奈川県横浜市にある 日本歯周病学会歯周病専門医 国際インプラント学会認定医の歯科医院
I.T.Iインプラント認定医でもあり、 GBR法 サイナスリフト 審美インプラント等の難症例も行います。
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2008年8月14日

患者様から受ける質問特集:その1

8/14(木曜日)です。

今日から新しいテーマです。
このところ難しい話ばかりでしたので、今日からは、簡単な話にしたいと思います。

それでは、『患者様から受ける質問特集:その1』を始めたいと思います。

毎日のように患者様からメール相談が来ます。
また、ネット上の歯科関連のポータブルサイトでも
歯科に関連する質問コーナーの回答者をしています。

本当にいろいろな質問があります。
質問にお答えすることで、私自身も勉強になることもあります。
『こんなことが分からなかったんだ』とか
『こうした質問が非常に多い』とか
診療室では、直接聞けなかったことでも
メールでは、話せる!
ということも多くあるようです。

その中からインプラントに関連する質問について解説していきたいと思います。


質問1
 現在海外で生活しており、こちらで、インプラント治療を行う予定です。
しかし、こちら(海外)で使用予定のインプラントメーカーを調べてみると
日本では、あまり使用されていないインプラントのようです。
日本であまり使用されていないインプラントメーカーであった場合、
もし日本に帰国した時に、メインテナンスは受けられるのでしょうか?
また、修理等が必要になった場合、大丈夫でしょうか?

回答1
 メインテナンスに関しては、問題ありません。
日本の多くの歯科医院でフォーローアップ(メインテナンス)できます。
しかし、インプラントの被せ物やインプラント自体に問題が生じた場合には、対応が困難になる可能性があります。
例えば、被せ物が取れた場合や、破損した場合で、再度型を取らなければならなかった場合ですが、インプラントの型は、それぞれのインプラントメーカーに合わせた型を取る装置(器具)があります。
そのため、日本であまり使用されていないインプラントメーカーであると
対応が困難になる可能性があります。
そうした点を現在の担当の先生にあらかじめ聞いておくことが必要です。
また、今後生活の拠点が日本になるのであれば、帰国後にインプラントを考えることも一つの方法です。
インプラント治療は治療後の後のケアー(メンテナンス)が非常に大切です。


質問2
 インターネットを見ると、インプラント手術と同時に仮歯が入るということが書いてあるのですが、本当ですか?

回答2
インプラント手術後の仮歯には、いくつかの方法があります。
まず一つは、インプラント自体に仮歯が付くのではなく、周囲の歯に仮歯を固定する方法や、仮の入れ歯を作製する場合もあります。
もう一つの方法としては、インプラント手術日にインプラントに直接仮歯を付けることもあります。
これを『インプラント即時負荷(荷重)』と言います。
通常、インプラントを骨に埋入(手術)する場合、インプラントと骨が結合するまで、2〜4ヶ月程度待ちます。
その後、インプラントに力を加えることが可能になります。
しかし、インプラント埋入時に骨との安定が良い場合等のいくつかの条件がそろえば、手術当日にインプラントに直接仮歯を付けることが可能になります。
ただし、『インプラント即時負荷(荷重)』には、骨の状態や噛み合わせ、インプラントの長さ、本数等多くの条件がそろわないと行えません。
そのため、多くの場合、インプラントに直接仮歯を付けるのではなく、周囲の歯を利用し、固定したり、義歯を利用します。
例えば、上の前歯が1本欠損していた場合、欠損に仮のプラスチックの歯を置き、両側の歯に透明な接着剤で固定します。
これは、審美的にも問題が起ることはほとんどありません。
ただし、歯がほとんどない場合等で、固定する天然歯が存在しない場合には、暫くの間義歯になります。
実際にどのような状態になるのかは、検査を行えば分かります。


質問3
 現在、歯周病で歯がグラグラしており、通院中の歯科医院で抜歯を勧められています。
しかし、抜歯には抵抗があり、保つところまで抜歯せず、使用し、最終的取れてしまったらインプラントを行いたいと考えていますが、大丈夫でしょうか?

回答3
 歯周病は、放置すると歯を支えている骨が吸収(溶けていく)してく病気です。
現在歯がグラグラするということは、歯周病はかなり進行していると考えられます。
おそらく骨の吸収もかなり進んでいると思われます。
インプラント治療は、骨にチタンでできたネジを埋入する方法です。
インプラントが将来にわたり どれだけ安定するかどうかは、できるかぎり長いインプラントが骨内に埋入できるかがポイントです。
現在のまま、歯周病を放置するとさらに骨吸収は進んでしまいますので、
その後にインプラントを行おうと思ってもインプラントができない、もしくは、非常に困難になることがあります。
また、歯周病は放置すると他の歯にも感染します。
現在は、1歯のみがグラグラしているのかもしれませんが、時間の経過とともに、他の歯も歯周病になり、グラグラとしてきます。
インプラントを行うかどうかは別にしても、歯周病の治療は必ず行わないといけません。
そのまま放置すると将来的には、ほとんどの歯がなくなり、場合により総義歯になる可能性もあります。


次回のブログは8/18(月曜日)になります。
次回は、今日の続きで、『患者様から受ける質問特集:その2』です。


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2008年7月24日

インプラント治療の際に、抗血小板薬、抗凝固薬は中止する必要性があるのか?:最終回

7/24(木曜日)です。


今日も前回の続きで、『インプラント治療の際に、抗血小板薬、抗凝固薬は中止する必要性があるのか?:最終回』になります。


『抗血小板薬、抗凝固薬』服用患者様の抜歯時の注意事項

それでは、『抗血小板薬、抗凝固薬』を服用している患者様(PT-INR 3以下の場合)の抜歯時の注意事項は、どのようなことなのでしょうか?

抜歯後、止血を抑えるコラーゲンスポンジ等の材料を抜歯した穴に入れ、緊密に縫合を行い、完全に止血してから治療を終了することです。

PT-INRが3以下であれば、ワーファリンを服用したままでも抜歯後の出血の発現率は2.5%〜7.5%であり、十分止血可能な範囲とのことです。



万が一、『抗血小板薬、抗凝固薬』を中止する場合には、いつから中断すれば良いか?

先程書きましたように基本的に、歯科医院にて抜歯やインプラント 等の出血を伴う治療の際には、『抗血小板薬、抗凝固薬』の中断は、必要ありませんが(PT-INR 3以下の場合)、
出血量が多くなる等の可能性がある場合で、どうしても『抗血小板薬、抗凝固薬』の中断が必要と判断された場合には、使用している薬の種類により、中断時期が違います。

参考例)
・ ワルファリン:処置3〜5日前から中断
・ アスピリン(バイアスピリン):処置7日前から中断
・ 塩酸チクロピジン(パナルジン):処置10〜14日前から中断
  *アスピリンやバイアスピリンの作用時間は、血小板の寿命(10日前後) 
   に等しい。
・ シロスタゾール(プレタール):処置3日前から中断
  *通常、48時間以内には体外に排出されるため
・ 塩酸サルポグレラート(アンプラーグ):処置1日前から中断
  *半減期が短いため

*上記は、一般的な日数であり、具体的な中断日数等は、担当医の判断により
 ます。


次回のブログは7/28(月曜日)になります。
次回から新しいテーマになります。
『治療費を抑える方法』です。

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今週(7/22〜23)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
日々の臨床で、どのようなことを行っているか 知っていただきたいと思い 今年から始めました。
それでは、今週のインプラント手術の中から上顎にインプラント埋入を行った1症例について解説します。

昨日行ったインプラント手術は、非常に簡単でした。

なぜかと言いますと、骨の幅や高さに大きな問題がなかったためです。

埋入部位は、上顎の奥歯です。

通常、上顎の奥歯にインプラントを行う場合、骨が吸収しており、
骨の高さが少ない場合が多いのです。


手術時間は、約15分程度でした。

今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 約2〜3ヶ月後に型を取り、
3. 型取りの後、 約10日で完成した被せ物を装着し、完了です。
意外に治療回数はかからないものなのです。

治療費
今回の手術を含め、5歯欠損の治療費の合計は、
インプラントが1本21万円(税込)×3本、
最終的な被せ物は、
手前がハイブリッドセラミックで1歯105.000円(税込)×2歯分、
奥が金属製で73.500円(税込)×2歯分
ですので、合計1.060.500円(税込)になります。
この中には、治療中のレントゲン撮影や薬代、型を取る費用、被せ物の費用も全て含まれています。

医療情報コーナー
共同通信社に以下のような記事がありましたので掲載します。

HIV陽性、上半期で58人 献血抗体検査で

今年の1-6月の間に献血した人のうち、エイズウイルス(HIV)抗体検査で陽性となった人は58人だったことが15日、日赤の集計(速報値)で分かった。
 10万人当たりの陽性者は過去最多だった昨年平均の2.065人を上回る2.316人。
都道府県別では大阪が最も多い16人で、東京9人、千葉が5人と続いた。

エイズは、日本でも急激に増えています。



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2008年7月21日

インプラント治療の際に、抗血小板薬、抗凝固薬は中止する必要性があるのか?:その3

7/21(月曜日)です。

今日も前回の続きで、『インプラント治療の際に、抗血小板薬、抗凝固薬は中止する必要性があるのか?:その3』になります。


現時点(2007)でのガイドライン と まとめ

今日も前回の続きで、少し難しい話になります。

欧米において、『抗血小板薬、抗凝固薬』を服用しながらの抜歯が可能かどうかについて、論文が発表されました。

PerryらがBr Dent Jに発表したもので、
INR(PT-INR):2〜4 の治療域にあれば、重篤な出血のリスクは非常に小さく、逆に休薬により血栓症リスクが増大することを踏まえ、
「外来の歯科外科処置を行う大多数の患者では抗凝固薬を中止してはならない」ことが、推奨されている。

* INRとは、血液凝固系検査の国際標準化比値のことであり、International Normalized Ratioの略である。

日本人の場合は、PT-INR値を2.0以上3.0未満 に設定することが、出血と梗塞のリスクが低いことが分かっています。
*2008年現在

しかし、逆に以下のような報告もあります。
医師116人を対象に行ったアンケート結果(2006)によると、
抜歯時にワルファリンを中止・減量する医師が約70%
抗血小板薬を中止する医師は約86%
であった。

つまり、『抗血小板薬、抗凝固薬』を服用している患者様の場合、
医療サイドでも中断(一時停止)してから抜歯等の処置を行うという意識がまだ高いことが伺えます。

ちなみに抜歯時にワルファリンを中断すると答えた医師は、約17%しかいませんでした。

まとめ として、『抗血小板薬、抗凝固薬』PT-INR 3以下の場合)を服用していても、歯周病外科、インプラント治療、抜歯 等の 出血を伴う治療の際に、薬を中断する確実な理由はありません。

特に、『人工弁置換術後』の患者様では、抜歯時に『ワルファリン』を中断してはいけません。

ただし、患者様個々の状況をふまえ、医師、歯科医師との連携により検討することも大切です。


次回のブログは7/24(木曜日)になります。
次回は、今日の続きで、『インプラント治療の際に、抗血小板薬、抗凝固薬は中止する必要性があるのか?:最終回』です。


今週(7/18〜20)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
日々の臨床で、どのようなことを行っているか 知っていただきたいと思い 今年から始めました。
それでは、今週のインプラント手術の中から上顎にインプラント埋入を行った1症例について解説します。

上顎に歯が1本もない患者様です。
いわゆる総義歯の方です。
総義歯(総入れ歯)の方の場合、インプラントによる治療法には、2つの方法があります。

一つは、6〜8本程度のインプラントを埋入し、ブリッジとして完全固定式にする方法です。
固定式のため、義歯のようにご自身で取り外すことがないため、もともと歯があった状態のように食事ができます。

ずーっと総義歯(総入れ歯)のだった場合、このようにインプラントによるブリッジになると非常に喜ばれます。
義歯ではなくなるのですから…

しかし、この治療の最大の欠点は、治療費です。
インプラント自体を6本程度埋入しますので、費用がかかります。
インプラント1本の埋入費用は、21万円(税込)です。
それ以外に、被せ物の費用もかかります。
材質の種類によりますが、1歯73.500円(税込)〜157.500円(税込)かかります。

次に治療費を抑える方法として、
義歯にはなりますが、インプラントを応用することにより安定の良い義歯を作製することができます。
まず、2〜4本のインプラントを埋込みます。
そしてインプラントと義歯をつなぐアタッチメントという金具を装着します。
この金具(アタッチメント)により義歯とインプラントは強固に固定されますので、義歯が動いたり、落ちてくるということはありません。
また、顎の形の状態や噛み合わせにもよりますが、固定力が強いため、
義歯を非常に小さくできるという利点があります。
  *顎の形態や噛み合わせによります
状況によっては、義歯の口蓋の部分を取除くことができ、通常の義歯とははるかに小さくできますので、違和感はかなりなくなるかと思います。
  *顎の形態や噛み合わせによります
この場合の費用ですが、インプラント以外に金具(アタッチメント)の費用(1個:52.500円(税込)がかかります。


さて、話は戻りますが、今回の患者様は、完全固定式を希望されたため、
上顎の6本のインプラントを埋入する計画になりました。

今回は、2回目のインプラント埋入でした。

しかし、骨の幅が非常に狭く、部分的には、2ミリ程度しかありませんでした。
インプラントの直径は、約4ミリですので、骨幅が全く足らないことになります。
実際に必要な骨幅は、6ミリはないといけません。

そのため、インプラントを埋入すると同時に、骨の幅を広げる治療 『スプリッティング法』および、骨の幅を増大させる治療法 『GBR法』を併用しました。

また、奥歯においては、骨の高さも非常に少なかったため、長いインプラントを埋入するための、 ソケットリフト法も行いました。

使用したインプラントは、 ストローマン・インプラント  ( I.T.Iインプラント)  SLAタイプ 直径4.1ミリ、長さ10ミリ が5本でした。

麻酔方法は、 『静脈内鎮静法』 です。
今回の手術は、非常に難易度が高いため、このような麻酔方法が効果的です。

手術時間は、静脈内鎮静法であたため、約60分程度でした。

今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 約3〜4ヶ月後に型を取りを行います。



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2008年7月17日

インプラント治療の際に、抗血小板薬、抗凝固薬は中止する必要性があるのか?:その2

7/17(木曜日)です。


今日も前回の続きで、『インプラント治療の際に、抗血小板薬、抗凝固薬は中止する必要性があるのか?:その2』になります。

『抗血小板薬、抗凝固薬』使用時の歯科治療における注意事項

前回に続き、難しい話ですが…

患者様が、『抗血小板薬、抗凝固薬』を服用されている場合、
歯周病の手術 や インプラント治療、抜歯 等を行う際、
歯科医師、そして患者様も治療後の出血や 出血性合併症を心配し、『抗血小板薬、抗凝固薬』中止(一時停止)する例があります。

ところが現在、薬の中止(一時停止)が本当に必要なのかどうか、疑問が持たれています。

『抗血小板薬、抗凝固薬』中止(一時停止)することが逆に問題を生じるのではないか?
ということです。

このことを裏付ける多くの報告があります。

報告1)
『米国のWahlの報告(Arch Intern Med., 158: 1610-16, 1998)によると、
ワルファリン中止し、抜歯した患者様(493例 542回)において、
5例(約1%)で血栓塞栓症が起こり、うち4例が死亡した』
つまり、ワルファリンを中止して抜歯した場合、100人中、1人は、脳梗塞を起こし、場合により、死の危険性もある ということです。

報告2)
Maulazら(Arch Neurol., 62: 1217-20, 2005)によると、
アスピリン療法中に 脳梗塞を発症した群 と 発症しなかった群 とを比較したところ、
薬を中止していた患者様の割合は、
発症群4.2%、非発症群1.3%で、
薬を中止していた患者様の脳梗塞の発症が高いことを報告しています。

報告3)
国立循環器病センターの報告(Thromb Res., 118: 290-93, 2006)では、
抗凝固療法例で脳梗塞を発症した23例中、抗凝固薬を意図的に中止していた例が8例(うち4例は抜歯による)あった。
中止例は退院時要介護が71%と、非中止例の21%に比べ予後が著明に悪くなっていたとしている。

報告4)
慶應病院では、
ワルファリン、抗血小板薬とも継続下で抜歯を行っている。
ワルファリン単独58例、抗血小板薬単独27例、両者併用23例で抜歯を行ったところ、後出血を見たのはワルファリン服用の2例のみであり、止血シーネで容易に止血できた。
ワルファリンの治療域は日本では1.6〜2.8に設定されており、この範囲で確実な止血処置を行えば抜歯時の止血にほぼ問題はない。
としている。

こうした多くの報告から
日本循環器学会の抗凝固・抗血小板療法ガイドラインでは、
「抜歯時には抗血栓薬の継続が望ましい」となっています。

ただし、患者様の状態により異なる場合もあるため、抜歯の際には、担当医師との事前相談が非常に大切になってきます。

*さらなる詳細は次項で解説

今回のテーマは、興味のない人には、難しい話です。
しかし、どんな治療もそうですが、医療には、必ず学術的な根拠があるのです。



次回のブログは7/21(月曜日)になります。
次回は、今日の続きで、『インプラント治療の際に、抗血小板薬、抗凝固薬は中止する必要性があるのか?:その3』です。


今週(7/15〜16)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
日々の臨床で、どのようなことを行っているか 知っていただきたいと思い 今年から始めました。
それでは、今週のインプラント手術の中から下顎にインプラント埋入を行った1症例について解説します。

今回のケースは、初診時に骨の吸収が大きく、インプラントができない状態でした。

そこで、あらかじめ骨の増大治療GBR法を行いました。

骨の吸収が大きい場合には、このように骨を増大(増骨)する必要性があります。
骨が再生(増える)までには、約3ヶ月程度の期間が必要です。

今回は、GBR法後のインプラント治療です。

GBR法には、2種類の膜が使用されます。

まず、吸収性膜です。
骨吸収がさほど大きくない場合や、インプラントと同時にGBR法を行う場合には、高頻度で使用される膜です。
膜自体は、自然に吸収され、比較的使用方法が簡単な膜です。

次に、非吸収性膜です。
骨吸収が大きい場合や、GBR法単独で、使用される頻度が高い膜です。
骨の増大効果が高いものですが、膜は、自然には、吸収しないため、後で、取り出す必要性があります。
吸収性膜と比較して技術的には、難しい膜です。

今回は、骨吸収が非常に大きかったため、非吸収性膜を使用したGBR法を行いました。

そして、今回の手術では、非吸収性膜を撤去すると同時にインプラントの埋入を行いました。

非吸収性膜の撤去とインプラント埋入を同時に行うため、

結果的には、2回の最小限の手術回数で治療が行えます。

使用したインプラントは、 ストローマン・インプラント  ( I.T.Iインプラント)  SLAタイプ 直径4.8ミリ、長さ10ミリ が1本でした。

手術時間は、約15分程度でした。

今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 約2〜3ヶ月後に型を取り、
3. 型取りの後、 約10日で完成した被せ物を装着し、完了です。


治療費
最初に行ったGBR法の費用は、52.500円(税込)
インプラント埋入時には、21万円(税込)、
最終的な被せ物は、105.000円(税込)になります。


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2008年7月14日

インプラント治療の際に、抗血小板薬、抗凝固薬は中止する必要性があるのか?:その1

7/14(月曜日)です。
今日から新しいテーマになります。
『インプラント治療の際に、抗血小板薬、抗凝固薬は中止する必要性があるのか?:その1』です。


非常に難しいタイトルですね。

そうです。
この話は、非常に難しい話になります。(マニアックな話です)

抗血小板薬抗凝固薬アスピリンワルファリンといった言葉にまったく聞き覚えのない方は、読まなくてもいいような内容です。
上記の言葉に少しでも覚えがある方は、お読みになって下さい。

分からない方には、『抗血小板薬、抗凝固薬』なんて、なんのことか さっぱりだと思います。
しかし、『抗血小板薬、抗凝固薬』を服用している方は、興味がある話だと思います。

なぜこのような話をするのかと言いますと、上記のような 薬 とインプラント治療には 大きな関係があるからです。

現在、高齢化社会が加速しており、歯科医院でも多くのご病気をかかえた
患者様が来院されます。
また、ご病気とともに、多くの薬を服用された方も来院されます。

ご病気をかかえている方の歯科治療で、問題となる処置の一つとして、
抜歯 や 歯周病外科処置、インプラント手術 といった出血を伴う行為があります。
出血を伴う治療を行う際に、『血サラサラにする薬』を服用されている方の場合、
問題となることがあります。
この『血サラサラにする薬』が、『抗血小板薬、抗凝固薬』です。

今問題となっているのが、抜歯やインプラント手術等の出血を伴う処置の際に
『抗血小板薬、抗凝固薬』を中断することで、逆に問題を引き起こしてしまうことがあります。

それでは、難しい話になりますが、まず先に、『抗血小板薬、抗凝固薬』について解説したいと思います。
(この薬の意味が分からないと先に進めないので…)

まず、『抗血小板薬』の代表的な薬が、『アスピリン』です。
『聞いたことがある!』 と思われたかもしれません。
アスピリンは、たいへん歴史の古い薬で、解熱鎮痛薬として長年使われてきました。
通常、薬局で売っているものがこれです。
今回お話するアスピリンは、少量では、血小板の働きをおさえて、血液が固まるのを防ぐ作用をします。
これは、狭心症や心筋梗塞、脳卒中(脳梗塞)などの治療に用いられています。

次に、『抗凝固薬』の代表的な薬が、『ワルファリン』です。
『血栓』の予防として使用されています。
血管内で血液が固まり、血流を止めてしまう状態を『血栓』といいます。
心筋梗塞や脳卒中(脳梗塞)がその代表です。
国内では 1962年に市販が開始され,それ以降現在にいたるまで抗血栓療法の基本的薬剤として使用されています。

現在(2007年)、約300万人がアスピリンを服用、約100万人がワルファリンを服用しています。

そのため、『抗血小板薬、抗凝固薬』を服用されている患者様が歯科医院を受診される確立は非常に高いものであり、インプラント治療や抜歯といった出血を伴う治療の際には、『薬を中断して治療を行うか』 ということが、非常に大切なことになります。

結論から話しますと、『抗血小板薬、抗凝固薬』継続(服用)しながら治療を行う必要性があります。
(もちろん 条件はあります。詳細は、後で解説します)

今回から、このような話をシリーズで解説していきます。

以下は、『抗凝固薬、抗血小板薬』の代表的な薬です。
服用されている患者様は、出血を伴う歯科治療を受けられる際には、必ず担当歯科医師に申告して下さい。

・抗血小板薬 :ワルファリンカリウム(ワーファリン®)

・抗血小板薬 :アスピリン(バイアスピリン®、バファリン81®)
        塩酸チクロピジン(チクロピン®、バナルジン®)
        ジピリダモール(ペルサンチン®、アンギナール®)
        シロスタゾール(プレタール®)
        イコサペント酸エチル(エパデール®)
        塩酸サルポグレラート(アンプラーグ®)
        トラピジル(ロコルナール®)
        ベラプロストナトリウム(ドルナー®、プロサイリン®)


次回のブログは7/17(木曜日)になります。
次回は、今日の続きで、『インプラント治療の際に、抗血小板薬、抗凝固薬は中止する必要性があるのか?:その2』です。


今週(7/11〜13)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
日々の臨床で、どのようなことを行っているか 知っていただきたいと思い 今年から始めました。

それでは、今週のインプラント手術の中から下顎にインプラント埋入を行った1症例について解説します。

今日紹介するケースは、下顎の奥歯に1本のみ埋入した症例です。
特に難しい症例ではありません。

いつもは、難症例であったり、複雑なケースを紹介しますが、今回は、非常に簡単な症例です。

なぜかと言いますと、患者様は、今回の奥歯1歯分以外にも
前歯部の欠損部に対してもインプラント治療を考えています。

しかし、前歯部は、骨吸収が大きく、今回行った臼歯部より、難しい症例です。

難しいいということは、治療時間(手術時間)もかかり、治療後の『腫れ』も起る可能性が高いということです。

患者様は、インプラント治療は始めてであり、治療に対する不安がありました。

そのため、それぞれの症例に対し、治療後に起ることを十分説明させていただいた結果、
まず、治療が難しくない(簡単な)部分のみを行い、治療の大変さを実際に体験していただき、
その後、前歯部のインプラント治療を考えたいとのことでした。

これは、賢明な方法であると思います。
治療に際し、ご不安がある場合、一度に行う必要性はありません。

使用したインプラントは、 ストローマン・インプラント  ( I.T.Iインプラント)  SLAタイプ 
直径4.8ミリ、長さ10ミリ が1本でした。

今回は、骨幅も十分あり、簡単な症例でしたので、
手術時間は、約7〜8分程度でした。

今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 約2〜3ヶ月後に型を取り、
3. 型取りの後、 約10日で完成した被せ物を装着し、完了です。

治療費
今回の手術を含め、1歯欠損の治療費の合計は、
インプラントが1本21万円(税込)、
最終的な被せ物は、ハイブリッドセラミックで1歯105.000円(税込)
ですので、合計315.000円(税込)になります。
この中には、治療中のレントゲン撮影や薬代、型を取る費用、被せ物の費用も全て含まれています。



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2008年7月7日

インプラント治療の際に、抗血小板薬、抗凝固薬は中止する必要性があるのか?:最終回

7/24(木曜日)です。


今日も前回の続きで、『インプラント治療の際に、抗血小板薬、抗凝固薬は中止する必要性があるのか?:最終回』になります。


『抗血小板薬、抗凝固薬』服用患者様の抜歯時の注意事項

それでは、『抗血小板薬、抗凝固薬』を服用している患者様(PT-INR 3以下の場合)の抜歯時の注意事項は、どのようなことなのでしょうか?

抜歯後、止血を抑えるコラーゲンスポンジ等の材料を抜歯した穴に入れ、緊密に縫合を行い、完全に止血してから治療を終了することです。

PT-INRが3以下であれば、ワーファリンを服用したままでも抜歯後の出血の発現率は2.5%〜7.5%であり、十分止血可能な範囲とのことです。



万が一、『抗血小板薬、抗凝固薬』を中止する場合には、いつから中断すれば良いか?

先程書きましたように基本的に、歯科医院にて抜歯やインプラント 等の出血を伴う治療の際には、『抗血小板薬、抗凝固薬』の中断は、必要ありませんが(PT-INR 3以下の場合)、
出血量が多くなる等の可能性がある場合で、どうしても『抗血小板薬、抗凝固薬』の中断が必要と判断された場合には、使用している薬の種類により、中断時期が違います。

参考例)
・ ワルファリン:処置3〜5日前から中断
・ アスピリン(バイアスピリン):処置7日前から中断
・ 塩酸チクロピジン(パナルジン):処置10〜14日前から中断
  *アスピリンやバイアスピリンの作用時間は、血小板の寿命(10日前後) 
   に等しい。
・ シロスタゾール(プレタール):処置3日前から中断
  *通常、48時間以内には体外に排出されるため
・ 塩酸サルポグレラート(アンプラーグ):処置1日前から中断
  *半減期が短いため

*上記は、一般的な日数であり、具体的な中断日数等は、担当医の判断により
 ます。


次回のブログは7/28(月曜日)になります。
次回から新しいテーマになります。
『治療費を抑える方法』です。

8/10(日)〜8/14(木)は、夏期休暇になります。


今週(7/22〜23)のインプラント手術報告

今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
日々の臨床で、どのようなことを行っているか 知っていただきたいと思い 今年から始めました。
それでは、今週のインプラント手術の中から上顎にインプラント埋入を行った1症例について解説します。

昨日行ったインプラント手術は、非常に簡単でした。

なぜかと言いますと、骨の幅や高さに大きな問題がなかったためです。

埋入部位は、上顎の奥歯です。

通常、上顎の奥歯にインプラントを行う場合、骨が吸収しており、
骨の高さが少ない場合が多いのです。

しかし、昨日の症例は、骨の高さも幅も問題がなかったケースでした。
そのため、手術時間は、約15分程度でした。

使用したインプラントは、・ ストローマン・インプラント ・ SLAタイプ 直径4.8ミリ、長さ10ミリ が1本でした。

今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 約3〜4ヶ月後に型を取り、
3. 型取りの後、 約10日で完成した被せ物を装着し、完了です。
意外に治療回数はかからないものなのです。

治療費
インプラントが1本21万円(税込)
最終的な被せ物は、
手前がハイブリッドセラミックで1歯105.000円(税込)
ですので、合計315.000円(税込)になります。

この中には、治療中のレントゲン撮影や薬代、型を取る費用、被せ物の費用の全て含まれています。



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