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カテゴリー: 歯科の記事一覧
2007年3月4日

インプラントにおける難症例:14

22225d98.JPGインプラントにおける難症例:14

前回は『皮質骨』と『海綿骨』の特徴として
1.『海綿骨』は骨を新生(再生)させる骨の細胞は多いが
早く吸収(溶ける)する
2.『皮質骨』は骨を新生(再生)させる骨の細胞は少ない
  が吸収は遅い
そして私達インプラント医は通常、骨の新生(再生)のために『海綿骨』を好んで使用することを書きました。
しかし、骨を新生(再生)させる状況により使い分けることも書きました。

今回はこの『コンポジット移植』になります。
再度話は『インプラントにおける難症例:11』戻ります。
『自家骨』の話の時に書きましたが、骨の補填材(移植材)にとって最適なものは『自家骨』です。
『自家骨』は『骨誘導(能)』をもつ唯一の移植材です。
(厳密には他のものありますが、現時点で臨床利用できるものとして…)
何度も書くことになりますが、『骨誘導(能)』とは骨を形成(作る)する細胞を誘導(呼び集めて)し、骨を新生(添加)させることです。
つまり『自家骨』は骨を作る細胞を呼び集めることができる移植材です。

たしかに『自家骨』は骨の新生(再生)に非常に優れています。しかし、自家骨を採取(使用)するということは体の他の場所から取ってこなければいけません。
特に多くの量(自家骨の量)を必要とする場合には採取(取ってくる)場所自体(骨の量自体)も大きく(多く)なります。
こうしたことは患者さんにとって大変なことです。
そのため『自家骨』と『人工骨』を混合(ミックス)して使用します。
『GBR法』や『サイナスリフト(上顎洞底挙上術)』の多くはこの方法で行っています。
どれくらの割合で『自家骨』と『人工骨』を混合(ミックス)するかと言いますと50%-50%です。
この割合は手術状況や自家骨の種類(自家骨にも種類があります。これは後で解説します)により異なります。

ここまではこのシリーズ11の内容です。

それでは『自家骨』単独と『自家骨と人工骨』のミックスでは骨の新生(再生)に違いがあるのでしょうか?
『自家骨』単独の移植は骨の新生(再生)にとって非常に有効ですが、経時的に(時間とともに)吸収していく傾向があります。
つまり『自家骨』を単独で移植後、骨となった(骨ができた)後に時間とともに吸収(少なく)していきます。
その量は『皮質骨』や『海綿骨』、移植する状態等によりだいぶ違いますが、20〜50%程度の吸収が認められると多くの論文で報告されています。
『コンポジット移植』は海綿骨よりも吸収しにくい『β-TCP』や吸収しない『ハイブリッドセラミック』を混合(ミックス)してあるため時間の経過とともに吸収していくのを防ぐ働きがあります。


このシリーズのまとめです。

インプラント治療においてインプラントを埋入するために骨の幅や高さがない場合には骨の増大を行わないといけません。
そして骨の新生(再生)を行う『GTR法』や『サイナスリフト(上顎洞底挙上術)』においては骨の移植(骨補填材)が必要となります。
その骨補填材(移植材)には『自家骨』、『他家骨』、『同種骨』、『人工骨』があり、感染の問題等を含め、現在日本において臨床に使用できるのは『自家骨』と『人工骨』であることをお話しました。
また移植した『骨補填材』はそれ自体が骨になるのではなく、吸収し、次第に骨に置き換わることをお話しました。
このことを『リモデリング』と言います。
そして骨の新生(再生)に最も効果(重要なのは)があるのは『自家骨』でした。
『自家骨』には『骨誘導(能)』と『骨伝導(能)』があり、
骨の新生(再生)に有利なのは『骨誘導(能)』であることをお話しました。
しかし、『自家骨』を採取(取ってくる)するには採取する場所が必要であり、患者さんにとっても大変なことです。
そのため、できるかぎり手術部位から自家骨を採取し、不足分は『人工骨』をミックスする『コンポジット移植』が近年よく行われている治療法であることをお話しました。
また当医院では『人工骨』には安全性の高い『β-TCP』と『ハイドロキシアパタイト』という材料を使用することをお話しました。

今回のこの話は非常に難しく分かりづらかったと思います。
第一回から今回までがんばって見ていただいた方はかなりの『骨のツウ』になったと思います。

今回のシリーズはさらに内容を追加し、まとめ、いずれ
HP(“インプラントの基礎知識”の中の“マニアックな話”)の中で掲載したいと思っています。

次回からは新しい内容になります。

インプラントの大船駅北口歯科インプラントセンター

2007年3月3日

インプラントにおける難症例:13

09ad5964.JPGインプラントにおける難症例:13

『コンポジット移植材』の続きです。
前回は『骨』には2種類あり、それは『皮質骨』と『海綿骨』であることを書きました。

1.『皮質骨』は骨の表面にある硬い骨のことです。
  そして下顎の骨は『皮質骨』が多い場所です。
2.『海綿骨』はその内部(皮質骨の内側)にある柔らかい
  骨です。
  特徴として骨の新生(再生)を起こす細胞が豊富に含ま
  れています。そのため『GBR法』や『サイナスリフト(上
  顎洞底挙上術)法』には最も適した骨です。
  上顎の骨は『海綿骨』が多い場所です。

上記が『皮質骨』と『海綿骨』の特徴でした。

今回は『皮質骨』と『海綿骨』の特徴をさらに書きたいと思います。

今までの『皮質骨』と『海綿骨』の特徴を話すと『海綿骨』の方が非常に優れているということになります。
通常私達インプラント医は『GBR法』を行う際、好んでこの『海綿骨』を使用します。
しかし、骨の新生(再生)に対し、多くの骨の細胞を含んでいることだけが『海綿骨』の特徴ではありません。
それ以外の特徴を知ってこそ、効果的(有益な)治療が行えるのです。
『海綿骨』の欠点として早く吸収(溶けやすい)ことが挙げられます。
骨の幅や高さが大幅にない時(骨が大幅に吸収してしまっている時)にはできるかぎり骨の幅や高さを確保したいものです。
骨が回復(再生)するには時間がかかります。
例えば、腕や足を骨折した場合、骨がくっつくまで何ヶ月と期間がかかります。
『GBR法』においても骨が新生(再生)するまでには期間(時間)がかかります。
その期間は状態にもよりますが3〜6ヶ月程度です。
このテーマの最初にも書きましたが、根本的な話として
移植した骨がそのままくっついて骨になるのではありません。
移植した骨の中に生存している骨の細胞や既存の周囲からの骨に生存している骨の細胞が骨を作ります。
このことを『骨伝導(能)』と言うことを前に解説しました。
そして『移植した自家骨』は細胞が住む『家』なのです。
『移植した骨(家)』の中で新しく骨の細胞が増え、新しい骨を新生(再生)させるのです。
できた骨は『新しい家』なのです。
できれは『新生した骨(新しい家)』ができる直前まで『移植した骨(家)』があってくれた方が骨の細胞にとってはいいことになります。

ここで話を『海綿骨』に戻します。
『海綿骨』の欠点として早く吸収(溶けやすい)ということを書きました。
早く溶けてしまうとできた骨の高さや幅は思って以上に新生(再生)されないことになります。
骨の幅や高さを十分新生(再生)させたい時には『皮質骨』も有効になります。
つまり『皮質骨』は溶けにくいのです。
吸収しにくい(溶けにくい)ということは移植した形を保ちやすいということになります。
これが『皮質骨』の利点です。

私達インプラント医は『GBR法』で骨移植(自家骨移植)を行う際、その状況(状態)により『皮質骨』と『海綿骨』を使い分けているのです。

また今後お話をする機会があると思いますが、『皮質骨』を主に利用した『GBR法』を『ブロック骨移植』や『オンレーグラフト』と言います。
まあこれは特殊な治療法で、実際に行える歯科医師自体も非常に少ない治療法です。
インプラントの中でも特殊な治療法と思って下さい。

『自家骨』の中でも『皮質骨』と『海綿骨』についてだいぶ分かってきたと思います。

ここまでがんばってみられている方はもうすでにかなりの『ツウ』です。

通常、患者さんでここまで知っている方はいないでしょう。


インプラントの大船駅北口歯科インプラントセンター
2007年3月2日

インプラントにおける難症例:12

02aff9a1.JPGインプラントにおける難症例:12

前回は『コンポジット移植材』についての概要をお話しました。
今回はさらに詳しくお話したいと思います。
前回も書きましたがこの『コンポジット移植材』が『GBR法』や『サイナスリフト(上顎洞底挙上術)法において私が現在行っている方法です。

『自家骨』移植に使用される骨にはさらに2つの種類に分かれます。
『皮質骨』と『海綿骨』です。
この2つの骨も骨の増大手術を行う際に非常に重要なキーワードになります。

1.『皮質骨』は骨の表面にある硬い骨のことです。
2.『海綿骨』はその内部(皮質骨の内側)にある柔らかい
  骨です。

この2つの骨の性質はだいぶ違います。
まず『海綿骨』の方が分かりやすいのでこちらから解説したいと思います。
『海綿骨』の特徴として骨の新生(再生)を起こす細胞が豊富に含まれています。
骨の新生(再生)を目的とした『GBR法』や『サイナスリフト(上顎洞底挙上術)法』には最も適した骨です。
この『海綿骨』は先程書きましたように『皮質骨』の内側
にあるため場所(骨を採取する場所)によっては採取(骨を取る)するのに困難な場合があります。
下顎の骨はこの硬い『皮質骨』が厚く(多く)、その内部にある柔らかく骨の新生(再生)に有利な骨の細胞を多く含んでいる『海綿骨』を採取(取る)ことが難しいのです。
逆に上顎は硬い『皮質骨』は少なく、柔らかい『海綿骨』が多くあります。

つまり上顎には骨が新生(再生)するための骨の細胞を多く含んでいる『海綿骨』が多いため『自家骨』の移植材として適しているのです。

『GBR法』や『サイナスリフト(上顎洞底挙上術)法』を
行う際に『自家骨』の移植が必要になりますが、『自家骨移植』の最大の欠点として骨を採取する部位が必要になります。
そのため患者さんの負担を軽減こととして『GBR法』を行う際にはできるかぎりその手術部位から骨を採取することにします。
上顎においてインプラントと同時に『GBR法』を行う際には
インプラントを埋入した周囲の骨を利用することになります。上顎の骨は『海綿骨』が多いため骨の新生(再生)には非常に適しています。
しかし、下顎においては『海綿骨』を採取するのは上顎より困難になります。

次回も『海綿骨』と『皮質骨』の話しになります。

インプラントの大船駅北口歯科インプラントセンター
2007年3月1日

インプラントにおける難症例:11

f0a15960.JPGインプラントにおける難症例:11

このシリーズの9回では『人工骨』の中の『ハイドロキシアパタイト』についてお話しました。
また前回のシリーズ10回では『人工骨』の中の『リン酸三カルシウム(TCP)』について解説しました。

今回は『コンポジット移植材』についてです。

『自家骨』の話の時に書きましたが、骨の移植材にとって最適なものは『自家骨』です。
『自家骨』は『骨誘導(能)』をもつ唯一の移植材です。
(厳密には他のものありますが、現時点で臨床利用できるものとして…)
何度も書くことになりますが、『骨誘導(能)』とは骨を形成(作る)する細胞を誘導(呼び集めて)し、骨を新生(添加)させることです。
つまり『自家骨』は骨を作る細胞を呼び集めることができる移植材です。

たしかに『自家骨』は骨の新生(再生)に非常に優れています。しかし、自家骨を採取(使用)するということは体の他の場所から取ってこなければいけません。
特に多くの量(自家骨の量)を必要とする場合には採取(取ってくる)場所自体も大きくなります。
こうしたことは患者さんにとって大変なことです。
実際の臨床においても患者さんに『骨の移植を行うために手術部以外から骨を取ってきます』とお話するとほとんどの患者さんはびっくりします。
それはそうですよね。
まさか『骨の移植』をするとは思っていませんし、手術部(インプラント部やGBR部)以外から骨を採取(取ってくる)とも思っていませんから。

ただし、私達治療する側からすると骨の増大治療(GBR法)を行う場合、『自家骨』を使用することは第一選択です。
骨の新生(再生)効果が高いことが実証されているからです。
しかし、移植手術に対する患者さんご自身の大変さや採取する量の問題等もあり、全ての症例において行うわけではありません。
そのため現在行っているのが『コンポジット移植』です。
これは『自家骨』と『人工骨』を混合(ミックス)して使用する方法です。
『GBR法』や『サイナスリフト(上顎洞底挙上術)』の多くはこの方法で行っています。
どれくらの割合で『自家骨』と『人工骨』を混合(ミックス)するかと言いますと50%-50%です。
この割合は手術状況や自家骨の種類(自家骨にも種類があります。これは後で解説します)により異なります。

論文学的(Jensen 1998の報告では)には『コンポジット移植材』の約30%は『自家骨』が必要とされています。
これは先程の自家骨の種類以外にも混合(ミックス)する『人工』の種類も影響します。

難しい話ですね。
若い歯科医師に話すことに近い内容です。
また次回はこの続きになります。

これを読破すれはかなりの“ツウ”になりますよ。

インプラントの大船駅北口歯科インプラントセンター


2007年2月28日

インプラントにおける難症例:10

93abc09f.JPGインプラントにおける難症例:10

前回は『人工骨』の中の『ハイドロキシアパタイト』についてお話しました。
今回は『リン酸三カルシウム(TCP)』についてです。

『リン酸三カルシウム(TCP)』の正式名称は『Tricalcium phosphate』と言い、その組成はCa3(PO4)2で骨材料として使用されるものとしては2種類の変態があります。
変態というのは組成が同じで結晶構造の異なる物質のことです。
その一つがβ型であり、今回のテーマである『β-TCP』になります。
もとはカルシウムのリン酸塩の粉末を加圧下、1000〜
1300℃で焼成されたものです。
『β-TCP』は歯科の臨床上小さな顆粒状態で使用されます。使用する用途により異なりますが、大きさはコマ粒より小さいものです。
『β-TCP』自体が骨になるわけではありません。
『β-TCP』が生体内に移植された後、周囲の骨の細胞(御自身の生体内で生きている骨の細胞です)が『β-TCP』に入り込み次第に骨に置き換わっていきます。
『β-TCP』はその時吸収を起こします。
『β-TCP』が少しずつ吸収し、骨に置き換わる過程を専門用語で
『リモデリング』と言います。
しかしどのような条件でも骨に置き換わるわけではありません。
御自身の骨の細胞が生きていけるような状態でないといけません。
例えばコップの中に血液を満たしたとします。
骨の細胞はそのコップの中で生きることはできますが、コップの外に出ることはできませんし、コップの外で生きることはできません。
生体内でも同じようなことが起きます。
血液が充満しているような状況(血流の良い状況)では骨の細胞もいきいきしており、その結果、移植骨である『β-TCP』も骨に置き換わりやすいという環境になります。
骨の表面に単に移植材『β-TCP』を置いても骨にはなりにくいため、骨表面からわざと出血を起こしやすいようにします。
出血を起こすと移植した『β-TCP』は血液に被われることになります。
血液の中には骨の増殖を促す細胞が含まれています。
このようにわざと骨表面から出血を起こすことを『ディコルチケーション』と言います。
『β-TCP』の吸収することが良い点です。
しかし欠点として早く吸収しすぎてしまうと骨にはならないということです。

『人工骨』は前回解説しました『ハイドロキシアパタイト』と今回の『β-TCP』で終了です。
『人工骨』には他に硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、生体活性ガラスという材料がありますが、これらについては現在歯科臨床ではあまり使用されていないため省略させていただきます。

なんだかわからない話ですみません。
毎回難しい話ですが、もう何回かはこのシリーズです。
シリーズ終了後、全体をまとめHP上でアップしたいと思います。

次回は『コンポジット移植材』についてです。


インプラントの大船駅北口歯科インプラントセンター
2007年2月27日

インプラントにおける難症例:9

24d33251.JPGインプラントにおける難症例:9

前回は『異種骨』についてお話しました。
『異種骨』はGBR法やサイナスリフト法を行うにあたり効果がある移植材であることをお話しました。
しかし、その素材上使用するかしないかは歯科医師自身の考えによるものです。
ちなみに日本では厚生労働省の認可をうけているものもありますが、海外の論文で『効果有り』とされていても日本では認可を受けていないものもあります。

今回は『人工骨』です。
人工骨には大きく分けて以下の種類があります。
1. ハイドロキシアパタイト
2. リン酸三カルシウム(TCP)
3. 硫酸カルシウム
4. 炭酸カルシウム
5. 生体活性ガラス
です。
化学の授業みたいで疲れますね。
もちろん名前を覚えることはありません。
『こんなものが使われている』と思っていただければいいと思います。
『ハイドロキシアパタイト』は人工の骨移植材(骨補填材)として歯科の中で最も普及している材料の一つです。
あまり難しいとなんなので、簡単にその性状をお話します。
『ハイドロキシアパタイト』は無機質でできているもので、骨の基本的な構成成分です。
良い点はとも悪い点とも言えるのが生体内で吸収しないということです。
吸収しないということは移植しても『ハイドロキシアパタイト』自体は骨にはならないということです。
移植した場所に単に存在するだけのものです。
本来インプラントとして望まれる骨移植材(骨補填材)は一定期間その形態を維持し、その後骨に置き換わることです。
つまり骨が新生(再生)するのには時間がかかります。
あまり早期に吸収してしまうと骨はできないからです。
先程『ハイドロキシアパタイト』は吸収しないと書きましたが、それでは骨にならないから意味はないということになります。
しかし、吸収しないという点は良いことにもつながります。
この利点については後で説明します。

次回は『リン酸三カルシウム(TCP)』です。

インプラントの大船駅北口歯科インプラントセンター
2007年2月26日

インプラントにおける難症例:8

cd37da1e.JPGインプラントにおける難症例:8

前回は『他家骨、同種骨』には『DFDBA』と『FDBA』という物があり、『DFDBA』はヒト脱灰凍結乾燥骨、『FDBA』はヒト非脱灰凍結乾燥骨であることをお話しました。

今回は『異種骨』についてお話します。
『異種骨』とは?
人間以外の動物の骨のことです。
動物もヒトと同じ骨をもつ生き物ですから人工の骨よりは骨の新生(再生)には優れていると考えられます。
しかし、当然と言えば当然ですが、動物の骨をヒトにそのまま移植すると拒否反応が起ります。
そのため、医療に使用される異種骨は化学的処理をほどこすことと、高温で焼成することにより拒否反応が起る有機質部分を除去したものが使用されています。
化学処理や高温焼成をした動物の骨はその構造自体は変化しませんが、生きた骨の細胞はなくなってしまうため『骨誘導能』はなくなってしまいます。
骨伝導能はありますが…
ここでおさらいです。
1. 『骨伝導(能)』とは骨を形成(作る)ための足場のこと
2. 『骨誘導(能)』とは骨を形成(作る)細胞を誘導(呼び集めて)し、骨を新生(添加)させること
『骨伝導(能)』は骨を新生(再生)させるのに非常に大切であることは先にお話しました。
そうすると『異種骨』は『骨伝導(能)』がないからダメなんだ。
ということになりますが、そうではありません。
骨の構造自体が変化しないということは非常に大切なことなのです。
骨の構造が残っているということは移植後に起る『骨伝導(能)』にとって大切です。
『骨伝導(能)』とは骨を形成(作る)ための足場であることを何度もお話しました。足場とは骨の細胞が生きる(新生する)場所なのです。
例えるなら『骨伝導(能)』とは骨の細胞が生きる“家”です。
骨の構造を保っている『異種骨』は細胞が新生(再生)するための“いごこちがいい家”なのです。

『異種骨』では欧米で高い評価をうけている物があります。
ここで名前を出すのはなんなので『Bio…』としておきましょう。
日本の歯科界でも一時期有名な移植材でした。
有効性を示す論文は多数あります。
また適切な化学処理と焼成をしているため拒否反応は起らないとされています。
しかし、日本では厚生労働省の認可がおりていません。
今後も日本での認可は難しいかもしれません。
その理由の一つとして皆さんもご承知の『狂牛病(BSE)』に代表されるプリオンからの感染リスクです。
『狂牛病(BSE)』と聞くと皆さんぎょっとしますよね。
しかし、実際には『食』としての動物とは違います。
化学処理を行い、1000℃以上の高温で焼成した物はすでに骨の構造だけ残し、動物の骨とは違うものになっています。
難しい話をすると化学処理とは免疫反応が起る部分(テロペプチド鎖)を切断してあり、拒否反応は起らなくなっているとされています。
しかし、いくら安全と言っても当医院では『異種骨』は使用しません。患者さんに『牛や豚の骨を使用します』と言ったらほとんどの人は『嫌』と言うでしょう。
また患者さんに安全性の話を十分ご理解されるまでお話するのは非常に難しいことです。
そこまでして使用する理由はありません。
私は『異種骨』を使用しません。
他に選択肢があるのですから…
安全で効果の高いものを使用します。
それが医療です。

インプラントの大船駅北口歯科インプラントセンター

2007年2月25日

インプラントにおける難症例:7

インプラントにおける難症例:7

前回自家骨はGBR法を行うにあたり『骨誘導能』があり、非常に有効な移植材であることをお話しました。
しかし、自家骨を採取するため場所が必要であり、患者さんにとってそれは大変なことであることもお話しました。
(『骨誘導能』とは骨を作る細胞自体を呼び集める能力のことです)

今回は自家骨以外の移植材についてお話したいと思います。

GBR法に使用される『骨移植材(骨補填材)は以下のような種類があることを前回お話しました。
1 自家骨
2 他家骨、同種骨
3 異種骨
4 代用骨
です。
今回は2番目の『他家骨、同種骨』についてです。
海外において使用されている『他家骨、同種骨』には
『DFDBA』と『FDBA』という物があります。
a. 『DFDBA』は
  ヒト脱灰凍結乾燥骨(demineralized freeze-dried bone allograft)
b. 『FDBA』は
  ヒト非脱灰凍結乾燥骨(freeze-dried bone allograft)
の頭文字を取った略語です。
つまり他の人間の骨です。
米国では組織銀行(ティッシュバンク)があり、ヒトの骨は使用されています。
安全性については米国組織銀行協会(American Association of Tissue Bank)の指標する基準に達していれば感染の問題はないとされています。
米国の他家骨移植は年間約500.000症例行われており、そのうち歯科に関連する症例は年間約200.000症例あります。
現時点で感染例は報告されていません。
他骨が使用されている大きな理由として自家骨移植(ご自身の骨のこと)は骨(自家骨)を採取する場所を確保しなければならず骨(自家骨)の採取する量や、骨(自家骨)を採取することで患者さんが大変(苦痛が伴うこと)なことです。
他骨移植は患者さんにとっても治療する側にとっても楽なことです。
また歯科領域においては骨の新生(再生)に効果があるという報告が多数あります。
しかし、日本では免疫的な問題、感染の問題だけでなく、倫理上の問題からも使用は難しいと考えられます。
そうした良い面はこの後の『異種骨』でもお話ししたいと思います。
ただし、個人的には安全性があるからといって他のヒトの骨を使用したくありません。
ちなみに当医院では使用しません。
先程お話しましたように米国の論文を中心として『DFDBA』や『FDBA』の臨床応用報告はあり、その効果も認められています。
フォローするわけではないですが、骨の再生という面を考えれば良いものであると考えられます。

ちなみに『DFDBA』や『FDBA』は日本では厚生労働省による認可は受けていません。
ただし、認可は受けていなくても歯科医師が患者の了解のもと使用することは違法ではありません。
日本においても使用されている先生もいるかもしれませんが、患者さの同意が絶対に必要です。

患者さんご自身も気になる場合にはGBR法等の骨移植を行う際にはどのような『骨移植材(補填材)』を使用するか聞いてみて下さい。
通常は自家骨と人工骨(また後日お話します)ですが…

それではまた次回

インプラントの大船駅北口歯科インプラントセンター
2007年2月24日

インプラントにおける難症例:6

53062184.jpgインプラントにおける難症例:6

前回は
1. 骨伝導能
2. 骨誘導能
についてお話ししました。
1. 骨伝導能とは骨を形成(作る)ための足場のこと
2. 骨誘導能とは骨を形成(作る)細胞を誘導(呼び集めて)し、骨を新生(添加)させること
ということでした。

わかりずらいかもしれません。
それではこの骨伝導能と骨誘導能がどのようにGBR法にかかわってくるのかということをお話したいと思います。

今回はもう少し簡単にしたいと思います。

GBR法に使用される『骨移植材』には以下の種類があります。
1 自家骨
2 他家骨、同種骨
3 異種骨
4 代用骨
です。

骨を新生(再生)させるために最も良い物(材料)は『骨誘導能』があることです。
つまり骨を作る細胞自体を呼び集めることができるからです。
『骨誘導能』をもった材料こそ最も優れたことになります。

上記の4つの『骨移植材』の中で『骨誘導能』があるのは自家骨のだけです。(他家骨も考えられなくはないですが、一般的な意見ではないので…)
それではなにも考えずにGBR法では自家骨だけを使用すれば良いということになります。
しかし、これは難しいことです。
自家骨とは患者さんご自身の骨のことです。
どこからこの骨を採取(取ってくる)かということになります。
通常、自家骨はインプラントやGBR法を行う(麻酔をする)部位の周辺から採取します。
同じ部位であれば麻酔も新たにしなくてよいですし、患者さんにもさほど苦痛はありません。
しかし、インプラント(GBR法)と同じ部位から骨を採取できる量には限界があります。
また同じ部位から採取できないこともあります。
そのためインプラントやGBR法の手術部位以外から骨を採取することが必要になってきます。
そうなるとまた新たに骨を採取するための場所に麻酔を行う必要性があります。
それは患者さんにとって苦痛なことであるり、治療も大変になり、腫れもひどくなります。
そのため、自家骨以外の骨を使用することも治療の選択肢になります。

自家骨はGBR法を行うにあたり『骨誘導能』があり、非常に有効な移植材ですが、自家骨を採取するため場所が必要であり、患者さんにとってそれは大変なことです。

そのために自家骨以外の移植材が必要となってくるのです。

次回は自家骨以外の移植材についてです。

インプラントの大船駅北口歯科インプラントセンター


2007年2月23日

インプラントにおける難症例:5

2e4e15a6.jpgインプラントにおける難症例:5

前回は骨形成(能)は年齢とともに衰えていくことをお話しました。
骨形成(能)とは骨が新生(できること)することです。
インプラントにおいては若年者よりは高齢者の方が骨と結合(くっつく)までの時間を長くとった方より良いということもお話しました。
また骨粗鬆症の患者さんにおいてインプラントを行うことには問題はないこともお話ししました。
しかし、通常の患者さんと比較して結合するまでの期間(時間)を長くすることが必要であることもお話しました。

今回はインプラントにおいて骨の移植を行う際に『骨形成(能)』とともに重要なキーワードである
1. 骨伝導(能)
2. 骨誘導(能)
についてお話したいと思います。
またまた聞き慣れない難しそうな名前がでてきましたね。
1. 骨伝導能とは骨を形成(作る)ための足場のこと
2. 骨誘導能とは骨を形成(作る)細胞を誘導(呼び集めて)し、骨を新生(添加)させること
難しい言い方ですので、わかりやすくお話しますと

1. 骨伝導(能)は歯を抜いた場所で起る現象と同じようなことです。
つまり、抜歯すると骨の中に歯(歯の根)があった穴があきます。
この穴は時間とともに骨に置き換わって(埋まって)きます。
どうして抜歯した穴が骨で埋まってくるのかと言いますと、
まず抜歯した部位に血液が溜まります。この溜まった血液のことを『血餅』といいます。
『かさぶた』のようなものです。
『血餅』は血液の塊です。
骨は空洞のようななにもないところにはできません。
骨の細胞が生きのびることはできないからです。
(骨の細胞は血液の中が好きですから…)
骨を作る細胞はこの血餅の中で生きることができるのです。
血餅とは骨の細胞が生きられる場所なのです。
骨の細胞があるからこそ、骨は新生(再生)されるのです。
骨伝導(能)とは骨ができる“足場”なのです。

次に2. 骨誘導能ですが、前回骨の再生(新生)に大きな役割をなす細胞として『間葉系幹細胞』という細胞がでてきました。
骨を作る細胞のことです。
簡単に説明すると骨誘導能とは骨を作る細胞を呼び集める能力のことで、骨を作る細胞が集まったことで骨が新生(再生)するのです。

今回も聞き慣れない名前ばかりでわかりずらかったと思います。
骨伝導能、骨誘導能
この2つのキーワードは自家骨だけの話ではなく、今後お話する
人工の移植材でも非常に重要な言葉になります。
ぜひ覚えておいて下さい。

また次回もこの続きです。

難しい話ですが、見て下さい。

インプラントの大船駅北口歯科インプラントセンター

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