最新インプラント症例ブログ

カテゴリー: 歯科の記事一覧
2007年2月22日

インプラントにおける難症例:4

インプラントにおける難症例:4

前回は骨の『リモデリング』とは
1. 骨が常に新しく作られたり、
2. 骨が溶けてなくなったり、
3. できた骨の形を持続しようとする働き
であることをお話しました。
また骨が常に新しく作られるということを『骨形成(能)』と言うこともお話しました。
今回はこの『骨形成(能)』が年齢とともに衰えるという論文をご紹介したいと思います。

骨の再生(新生)に大きな役割を行う細胞があります。
『間葉系幹細胞』です。
また聞き慣れない難しい名前がでてきました。
とりあえず骨を作る細胞だと思って下さい。
今回ご紹介する論文は年齢別にみた骨髄組織中の『間葉系幹細胞』の量の話です。

骨髄組織中の『間葉系幹細胞』の量は新生児で0.0001%
です。
単位が小さくわかりずらいので新生児での割合を1とします。
10代ではこの量(骨髄組織中の『間葉系幹細胞』)が新生時の
1/10になります。
35歳では 1/25
50歳では 1/40
80歳では 1/200
にまでなってしまいます。
つまり骨形成(能)は年齢とともにどんどんと衰えていくのです。
簡単に言うと年をとるごとに骨折した部位はくっつきにくくなるのです。

インプラント治療においては年齢とともに骨と結合(くっつく)時間が長くなる(時間がかかる)かどうかの結論はでていませんが、
一般的に20代より70代の方が骨とくっつく時間を長くすることが必要と考えられています。
骨粗鬆症の患者さんに対してはどうでしょう。
骨粗鬆症の患者さんにおいてもインプラント治療は禁忌ではありません。
インプラントの成功率をみても骨粗鬆症の患者さんとそうでない患者さんでは大きな差はありません。
しかし、インプラントと骨が結合する時間を長くとります。
通常下顎ではインプラントと骨が結合(くっつく)まで2〜4ヶ月程度の期間がかかります。
(使用するインプラントの種類によっても違います)
しかし、骨粗鬆症の患者さんはできれはこの倍の期間をとった方が良いと考えられています。

少しずつ骨に詳しくなってきましたね。
インプラント治療の基本はこの骨の性質を知ることです。

次回もこの続きです。

インプラントの大船駅北口歯科インプラントセンター


2007年2月21日

インプラントにおける難症例:3

インプラントにおける難症例:3

前回はGBR法では『骨補填材』が必要であり、一番良い骨補填材は『自家骨』であるという話を書きました。
この自家骨(骨)について知ることがインプラントを語る上で非常に重要であることも書きました。
そして骨は『リモデリング』という現象を起こすということも書きました。
今回はその続きです。

骨の『リモデリング』とは
1. 骨が常に新しく作られたり、
2. 骨が溶けてなくなったり、
3. できた骨の形を持続しようとする働きです。

こうした『リモデリング』の崩れが起ると体に異変が起ります。
わかりやすくお話すると『リモデリング』のバランス(骨の新生と 骨の吸収の代謝回転)が崩れた状態を
『閉経後骨粗鬆症(1型骨粗鬆症)』と言います。

また『リモデリング』自体の低下(骨の新生や吸収といった機能自体が低下する状態)を
『老人性骨粗鬆症(2型骨粗鬆症)』と言います。

骨粗鬆症という病名は聞いたことがあるかと思います。
特に女性の方は興味があることですよね。
骨粗鬆症は『リモデリング』が関係していたのです。
『リモデリング』が起らないと大変ですね。

『リモデリング』の一つである1. 骨が常に新しく作られるということを『骨形成(能)』と言います。
さらに難しくなってきましたね。
『骨形成(能)』とは骨の細胞の一つである『骨前駆細胞』から新生骨ができることです。
またまた難しくなってきました。
もうちょっとがんばりましょう。
『骨形成(能)』はさらに2つに分かれます。
a. 自律性骨形成
b. 移植性骨形成
の2つです。
わかりやすくお話ししますと
a. 自律性骨形成は通常子供(小学生程度まで)に見られるものです。
骨を部分的に切除しても骨の移植なしにほぼ完全に骨の再生を
期待できます。
これは年齢とともに能力が劣ってきます。
b. 植性骨形成は骨を移植することにより骨が形成されることです。

いやー今回は聞き慣れない言葉ばかりでわかりずらかったですね。
次回はもう少し簡単にお話ししたいと思います。

インプラントの大船駅北口歯科インプラントセンター



2007年2月14日

歯周病について:12

f38907c9.jpg歯周病について:12

昨日は歯周病の骨再生治療(GTR法)の術式について書きました。
今日はこのGTR法に使用する“膜”の材料について書きます。

当医院ではGTR 法に対し2種類の膜を使用します。
一つは吸収しない膜: GORE-TEX?膜(ゴアテックスメンブレン)です。
GTR法はもともとこの吸収しない膜から始まりました。
GORE-TEX?メンブレンは1969年に開発されたもので、歯科領域以外でも、人工血管や人工硬膜、縫合糸等で400万症例に使用されており、医療分野において非常に高い評価を得ている材料です。
先程書きましたようにGTR法の開発当初は歯肉の下に置いたこの“膜”は溶けない材料であったため、再度“膜”を取り出す必要がありました。
つまり2回の手術が必要なのです。
現在は“吸収する膜”が開発されたため1回の診療にて行うことができるようになりました。
当医院で使用している“吸収する膜”はコラーゲンでできており、現在鹿児島で開業している児玉利朗先生をはじめとする再生治療研究所のメンバーにて研究、開発されたもので、再生治療研究所のメンバーである私もその研究を行ってきました
この吸収する膜はTiuuse GuideTM 膜(ティッシュガイドメンブレン)と言います。
Tiuuse GuideTM メンブレンはコラーゲンからできており、吸収するため後から取り出す必要性がないので治療の回数が少なくなります。しかし、この膜には適応症が限られており、大幅に骨を再生させることはできないという欠点もあります。
しかし、2回の手術が必要ないということと、感染等のリスク(感染したとしても自然に吸収してしまうため)が少ない等からこの吸収する膜を使用することが多いです。

明日もこの続きです。


インプラントの大船駅北口歯科インプラントセンター
2007年2月13日

歯周病について:11

b7bc3b2a.jpg歯周病について:11

昨日はGTR法による骨再生の原理をお話しました。
それは歯肉は再生(治る)スピードが早いのに比べ、骨の再生(治る)スピードが遅いということでした。
そのため骨が再生(治る)前に歯肉が骨面を覆ってしまい、骨の再生場所を奪ってしまうという話をしました。
GTR法とは骨が再生する場所を確保するために骨面にシート状のGBR膜というものと置き、歯肉(粘膜)が入り込まないようにする治療法であることまでお話しました。

本日はその続きになります。
写真を見ながら解説していきたいと思います。
まず写真の左側ですが、真ん中の歯(*)は歯周病により骨が吸収してしまった状態です。両隣の歯の骨の位置と比較すると骨吸収が起っているのがわかるかと思います。
GBR法ではまず吸収してしまった部位の汚れ(歯周病細菌)の除去から始めます。汚れ(歯周病細菌)の除去を行った後、写真右のようにGTR膜を骨の上に置き、骨吸収部を覆います。この後歯肉が上に重なります。
骨の上に膜を置くことにより骨が吸収した部位に歯肉が入り込まない状態をつくります。
数カ月後、この膜の下で骨が再生しているのです
明日もGTR法の続きです。

インプラントの大船駅北口歯科インプラントセンター

2007年2月12日

歯周病について:10

3160fc00.jpg歯周病について:10

昨日の続きです。
昨日は骨と歯肉は治るスピードが違うという話をしました。
骨は治るのに何ヶ月もかかるが、歯肉は数日で治るということでした。
この治るスピードの違いが歯周病の治癒に大きな関係があるのです。

このテーマでもずっとお話してきました歯周病治療ですが、歯周病細菌除去療法であるルートプレーニングを行うと中程度までの歯周病であれば細菌を除去することができます。
歯周病治療により細菌が除去されると骨吸収の進行は止まります。
基本的に骨は一生涯作られる(再生する)能力がありますので、歯周病細菌による病的な骨吸収がなくなると理論的に骨は自然に回復(再生)をしてきます。
(完全にもとの状態に戻ることはありませんが、多少の骨の再生は起ります)
しかし、現実的にはほとんど骨再生は認められません。
これは先程話しました『骨と歯肉は治るスピードが違う』ということにつながります。

歯周病細菌が除去されると骨が吸収してできた部位にさまざまな生体組織の再生が起ります。
一番最初に治ってくるのが歯肉です。
歯肉は治りが早いということを最初にお話しましたが、骨吸収によりできた穴やデコボコした部位に歯肉が治ってしまい、骨が再生する場所を奪ってしまうのです。
骨は治りが遅いため、骨が治ろうと思ったときにはその場所はすべて歯肉が先に侵入してしまっています。
骨は再生する能力は持っていますが、歯肉の治りが早いためその能力を発揮することなく終わってしまいます。
そこで歯肉が骨の治りを邪魔しないようにします。
これがGBR法なのです。
治療方法として吸収が止まった骨の上(骨面)に『膜(シート状のもの)』を置きます。
穴を掘った土の上にビニールシートを置くようなものです。
この穴が吸収した骨の穴だと思って下さい。
膜の役割は歯肉の侵入を防ぐことです。
ビニールシートがあるために上から穴の中になにかが入り込まないようになることと同じです。
この膜を『GTR膜』と言います。
GTR膜が歯肉の侵入を防ぐことにより膜の下で骨は時間をかけゆっくりと再生することができます。
GTR膜は骨を再生させる特殊な薬ではなく、単に歯肉の侵入を防ぐシート状の膜なのです。

明日はこのGTR法についてさらに詳しくお話します。

インプラントの大船駅北口歯科インプラントセンター


2007年2月12日

歯周病について:9

歯周病について:9

ホームページのメインテナンスのためひさしぶりのブログです。

前回は歯周病の細菌除去療法であるルートプレーニング法の後に歯周ポケットの再検査を行いまだ問題が残る部位に対して歯周外科処置を行うことをお話ししました。
今回は歯周外科処置の中も骨や歯周組織の再生に重点をおいた歯周組織再生治療GTR法についてお話します。
GTR法とは歯周組織再生誘導法と言い、英語ではGuided Tissue Regeneration techniqueと書きます。
この頭文字をとってGTR法と言います。

GTR法は1982年にS.Nymanらにより発表された歯周病治療の新しい方法です。
これは歯の周りに必要な組織を再生させて、歯の支持構造をできるかぎり元の状態に戻すという方法です。
わかりずらいと思いますのでもう少しくだけてお話します。
基本的に骨は一生涯作られ続けていくものです。
例えば腕を骨折したとします。ギブスをし、暫く安静(固定)しておくと骨はくっつきます。
通常は年齢に関係なくこの現象は起ります。
つまり骨を治す(作る)細胞は一生涯起るのです。
しかし、この骨の再生スピードは非常に遅いものです。
骨折が2〜3日で治る(くっつく)ことはありません。
数カ月かかります。
骨の治りは遅いのです。
それに対し皮膚や口腔粘膜の治りは非常に早いものです。
指を切ったとします。
身体に大きな異常がない人は通常傷口は数日で治ります。
感染等や重度糖尿病等の全身疾患がなければ一般的に皮膚や口腔粘膜の治りは早いものです。
この骨と口腔粘膜の治りの速度の違いが歯周病が治癒するのに大きくかかわってきます。
明日はこの続きです。

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2007年2月5日

歯周病について:8

歯周病について:8

前回は歯周病治療の第一段階である『歯周病細菌除去療法』である『ルートプレーニング』についてお話ししました。

今日はその後の段階の治療についてお話します。

ルートプレーニング後、約1ヶ月程度治りを待ちます。
そして歯周病の初診時に行った検査(歯周病ポケット検査)を再度行います。
この歯周病シリーズでは検査についてお話してませんでしたが、お解りにならない方はHP歯周病の治療を参考にして下さい。
ルートプレーニングを行うと初診時にポケットが6mm以下の部位は一般的にこの治療で治ることがほとんどです。(歯周病にはさまざまな状態があり、また治癒にも個人差もあります)
しかし、初診時に7mm以上であったり骨の吸収状態によってはルートプレーニングでも完全には治りません。
基本的にルートプレーニングは初期から中程度に対する治療です。
ルートプレーニング後の再検査を『歯周病の再評価』と言います。
この再評価の結果、まだ問題が残っている部位に対しては歯周外科治療という段階に入ります。
外科処置と聞くと恐い感じがするかもしれませんが、治療はルートプレーニングでは取りきれなかった感染物質の除去を徹底して行うことです。
得に御心配されることではありません。
この時に骨の吸収が認められる部分は骨を再生させる再生療法を併用することもあります。

明日は歯周病の治療の中でも失った骨を再生させる治療法である。
GTR法やエムドゲイン法についてお話します。

インプラントの大船駅北口歯科インプラントセンター


2007年2月3日

歯周病について:7

歯周病について:7

 今日も歯周病についてです。
昨日は歯周病の最終的な結末として歯が抜け落ちるという話しをしました。
また骨が吸収してしまうとその後の治療が困難になってしまうこともお話しました。

今日も歯周病の治療についてお話します。

歯周病細菌が歯肉の中に侵入し、歯の根の内部にまで侵入することをこの歯周病シリーズの中でお話しました。
また歯周病細菌がいっぱい生存している汚れは歯根の表面にべったりとこびりつていることもお話しました。
そうした汚れた歯周病細菌を取除くことが歯周病治療の第一歩です。
当医院ではこの治療を患者さんに『歯周病細菌除去療法』とお話しします。
単に『汚れを取りましょう』とか『歯石を取除きましょう』という言い方はしません。
それは歯周病とは歯周病細菌による感染であることをご理解していただきたいからです。
そのため歯石を取るのではなく歯周病細菌を取除くといった意味を含めてお話します。
『歯周病細菌除去療法』は専門用語で『ルートプレーニング』と言います。
先程説明しましたように歯の根にへばりついた歯石や根の根の内部にまで侵入した歯周病細菌を取除く治療です。
具体的な治療方法は『キュレット』という器具を歯肉の中に挿入していきます。
この器具の写真はHPの歯周病の治療の中にありますので参考にして下さい。
その際にそのままキュレットを挿入すると痛みがありますので麻酔をします。
麻酔は痛みがないように行います(この麻酔方法はHP:左にある“歯の話し”の中の“笑気麻酔”を参考にして下さい)。
麻酔後、キュレットを用いて歯石を除去し、歯の根の中にまで感染を起こしている根面の滑沢化を行います。

明日はこの続きです。

インプラントの大船駅北口歯科インプラントセンター



2007年2月2日

歯周病について:6

歯周病について:6

 昨日は歯周病が進行した最終段階として骨の吸収が起ることをお話しました。
また骨が吸収してしまった結果、歯は自然に脱落(抜け落ちる)してしまいます。
問題なのは骨が吸収してしまった後です。
骨が吸収した結果、後の治療が困難になります。
抜け落ちた歯の周囲の歯にも影響は及んでいます。
暫くすると周囲の歯も歯周病が悪化し、ダメになってしまいます。
義歯を作製しようとしても支える骨がないため義歯も合わなくなってしまします。
またインプラントをしようと思っても骨が吸収してしまった結果、できないもしくは、できても骨を増大させる治療が必要になり大変なことになります。
いいことはありません。
歯周炎になってしまった場合、早期に治療を開始するか、治療が困難な場合には抜歯をすることが必要です。治療しないまま放置したり、完全にダメな状態で抜歯しないでいた場合には問題は大きくなってしまいます。

歯周病は早期に発見できればできるほど治る確率は高くなりますし、後に問題を生じさせません。

早期発見、期治療です。

インプラントの大船駅北口歯科インプラントセンター

2007年2月1日

歯周病のついて:5

歯周病のついて:5

 昨日は歯周病細菌がポケットの深いとことに侵入してきた結果、生体と戦い、膿みとなることをお話しました。
今日はさらに進んだ状態です。
汚れとともに歯周病細菌はさらに深いところに進みます。
今度は歯を支えている骨にまで達することになります。
骨は侵入してきた歯周病細菌により感染しないように自らの骨を吸収させて歯周病細菌から遠ざかろうとします。
これが骨の吸収です。
ついに歯周病の最終段階まできました。
恐ろしい結果です。
この段階で汚れとともに侵入してきた歯周病細菌を取除かないと骨の吸収はさらに進みます。
骨はどんどんと吸収してきます。
歯はグラグラとします。
現在、歯がぐらぐらとしている方は歯周病の末期に入っていると思って下さい。
治療が行われないと歯は自然に取れてしまいます。
歯がなくなった状態というのは骨が吸収してしまった後ですからその後の治療が非常に厳しいものになります。
この続きはまた明日。

インプラントの大船駅北口歯科インプラントセンター


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