歯周病専門医サイトブログ

2021年8月2日

歯周ポケットが深いとなぜ悪い!

2021年 8月 2日(月曜日)です。

このブログは「大船駅北口歯科  歯周病専門サイト」です。

今日のテーマは、
歯周ポケットが深いとなぜ悪い!

何度もこのブログでも解説していますが、
歯周病は、歯周病細菌による感染症です。

歯周病が進行すると
歯周ポケット が深くなっていきます。

その歯周ポケットの中で歯周病細菌は、
増殖していきます。

この歯周病細菌は、
酸素が少ないところで繁殖していきます。

我々が生活する空間では
酸素濃度は約21%とされています。
(高地等の諸条件によって異なります)

悪性度の高い歯周病細菌が生息しやすい
酸素の濃度は低く、
歯周ポケットが深い部分では
1%以下となります。

そのため、
深い歯周ポケット内部では、
歯周病細菌が繁殖しやすいのです。

他にも
歯周病細菌が繁殖しやすい条件があります。

歯周病細菌も生きているわけですから
食べ物が必要です。

悪性度の高い歯周病細菌の代表として、
P.g菌 という菌がいます。

このP.g菌 の餌は
血液なのです。

血液中のヘミン鉄 をエサとして、
増殖していきます。

歯周ポケットが深い部分では、出血が起こりやすくなっています。

歯周ポケットが深い部分は、
悪性度の高い歯周病細菌が繁殖しやすい
酸素が少ない環境であることと

悪制度の高い歯周病細菌のエサである
血液が存在する場所なのです。

そのために、
歯周ポケットが深いことは問題なのです。

歯周ポケットが深いと
歯周病と診断されます。

そのため、歯周ポケットを浅くさせるための
治療を行うのですが、

もともと歯周ポケットが深い場合には、
治療により、
一旦 歯周ポケットが浅くなっても
再度深くなることがあります。

歯周病の再発です。

そのため、歯周ポケットが完全に改善しない場合には、
特に定期管理が大切になってきます。

定期的に歯周ポケットの内部を
清掃して、
細菌数を減らすことがとても重要になってくるのです。

来週の月曜日も歯周病情報をお届けします。

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2021年7月26日

歯周病は生活習慣病:治療後もメインテナンスが非常に重要!

2021年 7月26日(月曜日)です。

歯周病は、糖尿病 や 高血圧 と同じような生活習慣病です。

歯周病治療を行うことで
ほとんどの方は、歯周ポケットは浅くなりなってきます。
(難治性の歯周病もあります)

しかし、
これで歯周病が完治したわけではありません。

歯周病は再発率が非常に高い疾患 なのです。

そこで
少し歯周病について解説します。

歯周病は、細菌感染症 です。

口腔内には、
数百種類の菌が存在しています。

現時点で歯周病に最も影響が大きい細菌は
以下の5菌種であることが分かっています。

P.g.菌
( Prophyromonas gingivalis )
慢性歯周炎の発症に関連が深い菌
年齢に比較して骨吸収が大きく この菌の比率が高い場合
侵襲性歯周炎と診断される 非常に悪性度の強い細菌

T.f.菌
( Tannerella forsythensis )
慢性歯周炎の発症に関連が深い菌

T.d.菌
( Treponema denticola )
慢性歯周炎の発症に関連が深い菌

P.i.菌
( Prevotwlla intermedia )
思春期性 や 妊娠性歯周炎 の発症に関連が深い菌

A.a.菌
( Aggregatibacter actinomycetemcomitans )
侵襲性歯周炎の発症に関連が深い菌 非常に悪性度の強い細菌

それでは
歯周病治療を行うと
これらの歯周病細菌は完全に消滅させることができるのでしょうか?

答えは、
「 No 」です。

歯周病治療を徹底して行うことで
歯周病細菌の数は、劇的に減少します。

しかし、
歯周病の数が「0(ゼロ)」になることはありません。

これらの歯周病細菌は、
時間の経過とともに増加傾向があります。

そのため、
歯周病治療後も
徹底した患者様ご自身の歯磨きによる管理と
歯科医院での管理(メインテナンス)がとても重要になってきます。

歯周病細菌は、
深い歯周ポケットの内部で繁殖していきます。

もともと
歯周ポケットが深い方の場合、
一度歯周病治療を行なっても
ポケットが深くなっていくことがあります。

歯周ポケットが深くなればなるほど
歯周病細菌が増えていきます。

そのため、
定期的に歯周ポケット内部を定期的に清掃していくことが
とても重要になってきます。

歯周病のリスクが低い人は
定期管理(メインテナンス)の間隔は
ある程度あいていても問題はないことが多いです。

しかし、
もともと歯周病が進行している方の中には、
非常に悪性度の高い歯周病細菌を持っている方がいらっしゃいます。

このような方の場合、
再発率は非常に高いです。

そのため、
全ての歯周病の方にとってメンンテナンス間隔は、
同じことではないのも事実です。

悪性度の高い歯周病細菌を多く持っている方では、
一度歯周病細菌が減少しても
その再発率は高いのです。

そのため、
歯周病治療後も
徹底した管理が重要になってくるのです。

来週も
歯周病情報をアップします。

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今日のテーマは、『』になります。

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2021年7月19日

歯周病の治療:その2 SRP( スケーリング  /  ルートプレーニング )

2021年 7月19日(月曜日)です。

このブログは「大船駅北口歯科  歯周病専門サイト」です。

今日のテーマは、
『歯周病の治療:その2 SRP( スケーリング  /  ルートプレーニング )』になります。

前回のブログでは、
歯周病治療で一番最初に行うスケーリング について解説しました。
2021年7月12日 歯周病の治療:その2 スケーリング  

本日は、
その次の段階で行う治療である
SRP( スケーリング  /  ルートプレーニング ) について解説します。

スケーリング は、
歯面に付着したプラークを除去することが目的であることは、
前回のブログで解説しました。

ただし、歯周ポケットが深い場合には、
スケーリングだけでは取りきれません。

歯肉の中まで侵入した汚れは、
さらに進めた治療が必要になります。

歯肉の深い部分の汚れを取る治療を
SRP( スケーリング  /  ルートプレーニング と言います。

キュレットと言われる器具を
歯周ポケットの中に入れて、歯石やプラークを取り除きます。

歯肉の中の歯根に付着している歯石は、
硬く、なかなかとることは難しいです。

以下の写真は、
抜歯した歯ですが、
歯根に硬い歯石が付着しています。

こんなのが歯肉の深い中にあるのです。

歯肉の中にある歯石は、
目で直接見えるわけではありません。

歯肉の中に器具を入れて
手探りで取り除くのです。

かなり高度の技術力が必要になります。

当医院ではSRP( スケーリング  /  ルートプレーニング
日本歯周病学会の認定歯科衛生士が行うことが多いです。

当医院には2名の
日本歯周病学会の認定歯科衛生士が在籍しています。

誰が治療するかによってその成功率は大きく変わってくるのです。

以下は、認定歯科衛生士が行ったケースです。

治療前です。
多くの歯石が付着しているのがわかるかと思います。

以下は治療後です。
歯肉の炎症はなくなっています。

来週の月曜日は、
歯周病の治療:その3
です。

さらに歯周病が進行した人の治療についてです。

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2021年7月12日

歯周病の治療:その1 スケーリング

2021年 7月12日(月曜日)です。

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今日のテーマは、
『歯周病の治療:その1 スケーリング』になります。

スケーリング は、
歯周病治療においてはじめに行う治療です。

おそらくこのスケーリング は、
多くの方が受けられたことがあるかと思います。

いわゆる歯石除去です。

スケーラーという器具を用いて、
歯面(歯根)に付着したプラークという汚れを取り除く治療です。

プラークとは?
歯の表面に付着している汚れや歯石ということではなく、
細菌のかたまりです。

歯石には、無数の細菌が含まれています。
この細菌が歯周病を発症する原因となっているのです。

プラーク自体は、
白色または黄白色をしているので肉眼では確認しにくいですが、
舌で触れると「ザラザラ」としています。

プラークが長期間経過すると
唾液 の成分により石灰化 していきます。

この状態を歯石 と言います。

歯石自体には、病原性はありません。

しかし、
歯石は硬く、
ザラザラしているため、
歯石にプラークは非常に付着しやすくなります。

そのため、
歯石は除去する必要性があるのです。

一般的には超音波スケーラー という器具を用いて行います。

こうした治療行為をスケーリング というのです。

スケーリング は、
歯科医師 や 歯科衛生士が行います。

ただし、こうした行為には処置を行う人の技術力に差がでやすいです。

当医院では、
歯周病専門医が2名、
歯周病学会認定歯科衛士が2名在籍しており、
高いレベルでの治療が可能になっています。

スケーリングは、
歯周病治療の最初に行う治療であり、
歯周病が中程度以上の場合には、
スケーリングの後に
SRP(スケーリング/ルートプレーニング) という処置を行います。

来週の月曜日は、
このSRP(スケーリング/ルートプレーニング) について解説します。

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2021年7月5日

なぜ歯周病患者さんにはメインテナンスが必要なのか?:その2

2021年 7月 5日(月曜日)です。

このブログは「大船駅北口歯科  歯周病専門サイト」です。

今日のテーマは、
『なぜ歯周病患者さんにはメインテナンスが必要なのか?:その2』になります。

前回の続きです。

前回のブログは以下 をご覧下さい。

なぜ歯周病患者さんにはメインテナンスが必要なのか?:その1  

本日はメインテナンスの有効性についてです。

歯周外科処置後にメインテナンスを行わなかった場合どうなるか?
という研究報告です。

歯周外科処置後にメインテナンス治療が行われなかったり、
歯ブラシが不十分であれば、
結果的に歯周病は再発することが多くの研究により実証されています。

研究 1.
AxellsonとLindhe(1981)は、
6年間にわたり歯周外科治療を受けた患者さんが
適切なメインテナンスが行われないとどうなるかを調べました。

2~3ケ月の間隔でメインテナンスを受け
その時に診査と指導、
および歯石除去等のクリーニングをした患者さん(メインテナンス群)と

メインテナンスを受けなかった患者さん
指導やクリーニングはしないで検査のみに来院してもらったでは
あきらかにメインテナンスを受けなかった患者さんは再発していた
という報告です。

次回も
本日の続きを解説します。

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2021年6月28日

なぜ歯周病患者さんにはメインテナンスが必要なのか?:その1

2021年 6月28日(月曜日)です。

このブログは「大船駅北口歯科  歯周病専門サイト」です。

今日のテーマは、『なぜ歯周病患者さんにはメインテナンスが必要なのか?:その1』になります。

歯周病の治療が終了したとしても、
きちんとした管理ができていないと
再発してしていくことがあります。

実際に歯周病で時間をかけて治療したにもかかわらず、
再発してしまう方もいらっしゃいます。

再発してしまう原因は
いくつものことがありますが、
歯磨きが十分にできていないこがあります。

歯磨きですが、
歯周病の治療中 や 治療終了直後は
患者様も歯磨きに対する意識が高いので徹底して歯磨きを行っています。

そのため歯周病菌も非常に少なくなっています。

しかし、
歯磨きもだんだんおろそかになっていく方もいらっしゃいます。

そのため、歯周病が再発を起こしてしまいます。

メインテナンスは、
定期的に口腔内を管理することにより、歯周組織の健康を維持していくことです。

メインテナンスに来院されることで
担当する歯科衛生士が
歯磨きが不十分な部位について説明させていただきます。

そうしたことで
再度ご自身の汚れが付着している部位について
改めて意識が高くなります。

実際にこうしたメインテナンスを繰り返すことで
患者様の歯磨き意識を高めることができます。

メインテナンスの重要性について
アメリカの歯周病学会では
歯周病のメインテナンスを 
『歯周病の治療の延長であり、
新しいあるいは再発する異常や疾患を早期に発見し、
治療しようとすることである』

としています。

そして
このメインテナンスの有効性や期間を科学的に実証する論文も多数あります。

次回のブログでは
なぜメインテナンスが必要なのかということと、
どれくらいの頻度で受ければ良いのか
ということを論文をもとに説明いたします。

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2021年6月21日

歯周病の中には若い頃から急速に進行するタイプがある:侵襲性歯周炎(しんしゅうせいししゅうえん)

2021年 6月21日(月曜日)です。

このブログは「大船駅北口歯科  歯周病専門サイト」です。

今日のテーマは、
『歯周病の中には若い頃から急速に進行するタイプがある:侵襲性歯周炎(しんしゅうせいししゅうえん)』になります。

歯周病は、歯周病細菌による感染症であることは
このブログでも何度も解説していることです。

感染している歯周病細菌の や 種類 には個人差があります。

悪性度の高い歯周病細菌 として、
最も影響が強いのが
P.g菌 という歯周病細菌です。

この ブログで頻繁に出てくる細菌ですね。

さらにP.g菌 はいくつかの型に分かれており、
特にP.g菌 Ⅱ型 は、非常に悪性度の高い歯周病細菌です。

こうした歯周病細菌に感染すると
若いころから歯周病が進行することがあります。

こうした状態を
侵襲性歯周炎 (しんしゅうせいししゅうえん)と言います。

通常、P.g菌 は、18歳以降に感染することが多いですが、

稀に小学校ぐらいから感染することもあります。

また、
歯周病が進行するためには、
単に歯周病細菌感染だけの問題ではなく、
歯周病が発症しやすい体質 であることも関係してきます。

このことを感受性が高い と言います。

歯周病は細菌感染症ですから
悪性度の高い歯周病細菌に感染しなければ
若い頃から悪化することは少ないです。

さらに歯周病細菌に対して、
感受性が高い 場合には、
歯周病が発症する確率は高く なります。

通常、
歯周病が進行している人の場合、
口腔内に汚れが多く付着していることが多いです。

つまり、歯磨きが十分に行えていない人は、
歯周病になりやすい
ということになります。

しかし、侵襲性歯周炎 の場合、
比較的汚れの付着が少なくても(歯磨きが十分にできていたとしても)
歯周病が進行していることがあります。

それは、
歯周病は、細菌感染症だからです。

汚れの有無ではなく、
悪性度の高い細菌に感染しているかどうかが大きなポイントになるのです。

通常、
歯周病の進行は、慢性的です。

歯周病が急激に進行する急性期

歯周病の進行が一時期停止している安静期 があります。

こうした2つの時期を繰り返して歯周病が進行していくことが一般的です。

安静期 の期間は比較的長いです。

一般的な歯周病は、
10年、
20年、
30年と
長い年月をかけて進行していきます。

急性期 には、
細菌が急激に増殖して、
歯を支えている骨が吸収(溶けていきます)していきます。

しかし、
急性期 の時期は
頻繁に起こるわけではないので

安静期 の時期には、
骨吸収はさほど進行しません。

安静期 の方が長い場合には、
歯周病によって抜歯となるような状態になるためには、
長い年月がかかるのです。

そのため、
一般的な歯周病は、
10年、
20年、
30年と
長い年月をかけて進行していくのです。

それに対して、
侵襲性歯周炎 は、
急性期 の時期が頻繁に起こるため、
骨吸収が短期間で生じてしまいます。

結果的に
若い年齢でも歯周病が進行してしまい、
抜歯となってしまうことがあるのです。

20歳代、
30歳代でも
歯周病で多くの歯を失っている方の場合には、
こうした悪性度の高いP.g菌(Ⅱ型) に感染している可能性があります。

このような方は、
早急に対応していくことが重要です。

侵襲性歯周炎 の場合には、
一般歯科ではなく、
歯周病専門医で治療をされた方が良いでしょう。

本日のブログはここまでです。

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2021年6月14日

歯周組織再生療法:エムドゲイン法

2021年 6月14日(月曜日)です。

このブログは「大船駅北口歯科  歯周病専門サイト」です。

ここ数回で歯周病についていくつかの話をしてきました。

2021年5月17日:歯周病の検査  

2021年5月24日:歯周病の治療計画  

2021年5月31日:歯周病の基本治療  

歯周組織再生療法:GTR法  

今日のテーマは、
『歯周組織再生療法:エムドゲイン法』になります。

前回のブログではGTR法を解説しましたが、
本日は、現在最も行われている『歯周組織再生療法:エムドゲイン法』について解説します。

エムドゲイン(EMDOGAINTM®)は、歯周組織再生誘導材料と言われるものです。

スウェーデンのビオラ社で開発された歯周組織再生誘導材料です。

エムドゲインの主成分は子供の頃、歯が生えてくる時に重要な働きをするたんぱく質の一種です。

このエムドゲインをルートプレーニングを行い、汚染組織を除去した後、
歯の根に塗ることにより、歯の発生過程に似た環境を再現します。

その結果、骨や歯肉繊維を再生させるのです。


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2021年6月7日

歯周組織再生療法:GTR法

2021年 6月 7日(月曜日)です。

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ここ数回で歯周病についていくつかの話をしてきました。

2021年5月17日:歯周病の検査  

2021年5月24日:歯周病の治療計画  

2021年5月31日:歯周病の基本治療  

今日のテーマは、
『歯周組織再生療法:GTR法』になります。

歯周病は歯周病細菌による感染症であり、
歯周病が進行すると歯を支えている骨が吸収することは、
今回のシリーズでもすでに解説してあります。

それでは、歯周病が骨が吸収してしまい、
グラグラとなった歯は、もとに戻るのでしょうか?
骨は回復(再生)するのでしょうか?

歯周病が進行した患者様にとってはとても興味のある内容であると思います。

まず結論から言いますと
再生できる状態もあれば、
まったく効果のない状態もあります。

歯周病の再生治療には、
大きく分けて以下の3つの治療法があります。
1. GTR法
2. エムドゲイン法
3. リグロス法

GTR法
『GTR法』とは、
『Guided Tissue Regeneration technique』の略で、
日本語では、『歯周組織再生誘導法』と言います。

それでは、GTR法は、
『どんな治療法であるのか?』
『骨は本当に再生するのか?』
という話をしたいと思います。

GTR法は、特殊な膜を使用して骨を再生させる治療法です。

歯周病外科治療の際に
歯肉を切開して歯周ポケット内部にあった歯石を除去すると
歯周病により破壊された骨が露出します。

この骨の吸収した凹みですが、
歯石等を取り除くと歯肉は治ろうとします。

しかし、原因を除去した後、
そのままであると 治ってほしい骨や歯肉繊維が再生する前に “歯肉 ” がそこに入り込み、治ってくれません。

具体的には歯肉の再生スピードは早いのに対して、
骨の再生スピードは遅いのです。

そのため、
骨吸収によってできた骨の凹みには、
歯肉が入り込んでしまい、
骨は再生しないのです。

そこで 原因の除去後に “別の組織” が入り込まないように
歯肉の下に ” 特殊な膜 “を置きます。

そうすることにより ” 膜 ” の下に必要な 骨 や 歯肉繊維 が再生します。

それでは、GTR法で どこまで骨の回復は可能なのでしょうか?

元の状態にまで骨が回復するのでしょうか?

答えとしては、適応症さえ合えば、骨の再生はある程度は可能です。

しかし、多くの症例では、GTR法によって十分骨の再生が可能と思われるケースの方が圧倒的に少ないのが現状です。

GTR法は、魔法の治療ではありません。

どのような進行した歯周病であっても 元の状態に回復できるわけではありません。

その理由は先程の項で説明したとおりです。

時々当医院に来院される患者様の中で、歯周病の再生治療を希望されて来院される方がいらっしゃいます。

特に他歯科医院にて抜歯と診断され、
抜歯が嫌で『どうにかならないか』

とインターネット等で検索され、
GTR法 や エムドゲイン法があることを知り
、『骨が再生できるのではあれば、抜歯にならない!』と期待を込めて来院されるわけです。

しかし、いくら歯周病専門医と言っても全ての症例でGTR法を行っているのではありません。

もし、適応症でない場合、GTR法を行っても効果がないばかりでなく、逆に悪化してしまうことさえあります。

GTR法を行う場合には、術前にきちんとした適応を守ることが重要です。

来週(2021年6月14日)はエムドゲイン法 について解説します。
現在はこのエムドゲイン法 が主流となっています。

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2021年5月31日

歯周病の基本治療

2021年 5月31日(月曜日)です。

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今日のテーマは、
『歯周病の基本治療』になります。

ここ数回で
以下の話をしてきました。
2021年5月17日:歯周病の検査  

2021年5月24日:歯周病の治療計画  

本日は実際の治療内容について解説します。

歯周病の基本治療 です。

その名のとおり、歯周病の基本的な治療です。

歯周ポケット内部に存在する歯石等の汚れを取り除くことがこの歯周基本治療の内容です。

歯周病の最も基本的な治療が『ルートプレーニング』 です。

または、『SRP(scaling root planing:スケーリング・ルートプレーニング)』とも言います。

歯周病の初期治療の中で最も重要な治療です。

『ルートプレーング:SRP』を簡単に説明すると
歯周ポケット内部に入り込んだ歯石を取り除く治療です。

歯周ポケットについては、
先日も解説しましたが、再度説明させていただきます。

歯周ポケット検査 とは、
歯周病検査で最も重要なことです。

歯と歯肉の隙間の深さを計測する検査です。

プローブという器具で歯周ポケットの深さを検査します。

1つの歯の周囲を6点計測します。

歯周ポケットが1〜2ミリであれば、問題はありません。

歯周ポケットが3〜4ミリとなると初期の歯周病となります。

歯周ポケットが5〜6ミリ程度になると中程度の歯周病になります。

歯周ポケットが7ミリ以上になると重度歯周病になります。

歯周ポケットが深いところ には 歯肉の下に歯石がついています。

また、歯根には 細菌が出す” 毒素 “ が根面に浸透しています。

そうした歯石 や 細菌を除去し、根面の汚染物質を取り除くことが、
『ルートプレーング:SRP』 なのです。

具体的な治療方法ですが、まず 歯肉に若干の麻酔をします。

ただ 歯石を除去するだけでは麻酔は必要ありませんが、
歯周ポケットの深い部分の汚染物質を除去するためには
麻酔をしないと取れないことが多いです。

歯石や汚染物質は『キュレット』(下写真)と言われる 専用の器具をポケット内部に入れ、
歯の根に沿わすように上下に動かし、歯石等の汚染物質を除去していきます。

治療時間は 歯数 や部位、状態によって違いますが、30~60分程度です。

麻酔が切れた時に若干違和感はありますが、ズキズキとした痛みが起こることは少ないです。

歯周病の基本治療が成功するかどうかは、
ブラッシングがきちんとできているか どうかということにも大きく影響します。

つまり、歯科医院で『ルートプレーング:SRP』しても
歯ブラシがきちんとできていないと再度感染してしまうからです。

よく患者様に例えとしてお話することがあります。

糖尿病の患者様 が内科を受診した場合、薬を処方することがあります。

しかし、その際に食事療法 や 運動療法 を指導しなければ、
単に糖尿病の薬を処方しても根本的な解決にはなりませんし、
良くもなりません。

糖尿病となった原因があるのですから…

また、食事療法にしても健康な方より かなり厳密なことになります。

歯周病もそうです。

根本的な原因である、汚れの付着防止(ブラッシング)を行わなければ、
『ルートプレーング:SRP』を行ってもなおりません。

特に 重度の歯周病の場合、健康な方より、何倍も時間をかけ、丁寧に行う必要性があります。

それだけ、リスクが高いのですから

歯周病の基本治療はこれだけではありません。

歯周病が進行するには、ただ単に汚れが付着しているだけではないのです。

噛み合わせの問題が起こっている場合もありますし、
虫歯が進行することで、歯周病に影響している場合もあります。

被せ物(差し歯やブリッジ)に問題があることで、歯周病が悪化していることもあります。

また歯が欠損していることで、残っている歯に負担が加わったりしていることもあります。

歯周病治療は、口腔内全体の問題と捉えていただければと思います。

歯周病が初期から中程度であれば、
この歯周病基本治療で治ることが多いです。

しかし、歯周病が重度に進行している場合には、
さらに進めた治療が必要になる場合もあります。

また、あまりにも重度の歯周病の場合には、抜歯しか方法がないこともあります。

少しでも治療が簡単に早く終わらせるためには、
できるかぎり少しでも早めに治療を開始することが重要なのです。

次回(2021年6月7日)は、
歯周病の再生治療の話です。

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