パーフェクトぺリオ

10/19(月曜日)です。

このブログは、歯周病に関するブログです。
毎週 月曜日 にアップしています。

パソコンが壊れてしまい、復旧の見込めないため、他の回線からのブログの書き込みになってしまいましたので、アップが遅れてしまいました。

さて、今日の話ですが、 パーフェクトぺリオについて解説します。

最近、テレビ や インターネットで大々的に でている パーフェクトぺリオ です。
このブログを見られている方は、歯周病治療に興味があると思いますので、知っている方もいらしゃるかと思います。

もちろん『パーフェクトぺリオ ってなに?』という方もいらっしゃると思いますので、
ますは、パーフェクトぺリオ とはなにかという話をしたいと思います。

パーフェクトぺリオについて 製造元の 会社のHPを読みますと パーフェクトぺリオとは、
『次亜塩素酸電解水(次亜塩素酸 と 炭酸水素ナトリウム が含まれた電解水)のことであり、これを洗口薬 や 歯科治療 等に応用することによって口腔内に存在する 虫歯細菌 や 歯周病細菌 を 破裂させ、溶菌させる』というものだそうです。

ここからは、私の個人的な見解も含め、この『パーフェクトぺリオ』について解説します。

確かに 次亜塩素酸は、殺菌作用が強い薬液として医療分野でも使用されている薬品です。

歯科分野においても 以前から 現在に至るまで使用されている薬品です。
主な使用分野として、『根管治療』があります。
『根管治療』とは、歯の神経を取除いた時や、神経のない歯の中で膿みが溜まってしまっているような時に 消毒 等の目的で行う治療です。

『根管治療』における 具体的な『次亜塩素酸』の使用方法としては、
神経の管の中に『次亜塩素酸』を入れ、消毒を行うというものです。

ただし、単に『次亜塩素酸』を入れれば、根管内部の細菌が全て死滅するのではなく、
その効果は、『次亜塩素酸の濃度』や『作用時間』に大きく左右されます。

近年では、根管治療の際には、『次亜塩素酸』以外にも 『超音波』を使用した方法 等 さまざまな方法も臨床応用されており、根管治療には、必ず使用されるというものではなくなってきています。

ただし、私が歯科大学の学生の頃(17年前)の講義では、『次亜塩素酸による根管内消毒』は、一般的なことでした。

適切な濃度で 適切な作用時間、使用方法が守られれば、『次亜塩素酸』は、殺菌作用があるのは、事実です。

しかし、『次亜塩素酸』は、歯肉、皮膚といった軟組織には 強い腐食作用を示すので、歯肉の消毒には、使用はできません。

つまり、『次亜塩素酸』単体では、根管内部という 硬い歯の内部でしか使用はできず、粘膜での使用は、不可能です。

『次亜塩素酸』は、アルカリ性であり、そのままでは強い殺菌作用はあるが、そのままでは、使用は難しいのです。
また、使用方法により、低い状態のPHのままでは、塩素ガスが発生し、危険もあります。

そこで生成方法を変え、中性から弱アルカリ性にしたものが、この『パーフェクトぺリオ』です。

製造会社からすれば、今まで『次亜塩素酸』の欠点であった 口腔粘膜の使用ができないことが、この生成方法により、安全性が高くなり、口腔内細菌に対しても効果があるという ことのようです。

このブログの文頭でも書きましたように
『…… 虫歯細菌 や 歯周病細菌 を 破裂させ、溶菌させる』
と会社のHPに書いてあります。

この文面で注目したいのが、『……破裂させ、溶菌させる』という言葉です。
『殺菌』とは書いてありません。

難しい話は、ブログですので、省略しますが、
この 『パーフェクトぺリオ』を使用すると

歯周病は治る!  とか
歯周病にならない!、
虫歯にならない!

というような 過大な期待をお持ちになっている患者様がいるのも事実です。
どうしても テレビ等で放映されると 全てが語られることはなく、どうしても過大な放映になりやすいのもです。

私自身(歯周病専門医として)の個人的な意見としては、『パーフェクトぺリオ』を使用したからといって、全ての歯周病が治ったり、歯周病にならないということは考えられないことです。

また、『パーフェクトぺリオ』の問題点として、まだまだ 歯周病治療に対する正確な研究データがないことです。

医療の世界では、 『エビデンス』という言葉が非常に重要視されます。
『エビデンス』とは、 『科学的根拠』という意味です。

『科学的根拠』がないものは、
信頼性が低い というレッテルをはられます。

『エビデンス』を得るためには、基礎研究がしっかりされていたり、臨床研究がしっかりされていたり することが重要です。

私の知っているかぎり『パーフェクトぺリオ』には、そのような 『エビデンス』を見たことはありません。

・どの程度効果があるのか?

・効果があるとすれば、どのような症例に対し、どのような効果があるのか?

・本当に安全であるのか?

等 まだまだはっきりとしていないのです。

例えば、口腔内の細菌を減少させる洗口薬液には、さまざまなものがあります。

薬局で市販されているような『マウスウオッシュ』等もそうですが、
もちろんメーカーにもより違いますが、『マウスウオッシュ』にはそれなりの効果があります。
しかし、『マウスウオッシュ』だけの効果で
歯周病にならなかったり、
歯周病細菌が全て死滅したり、
歯周病が治ったり(特に進行した歯周病)
することありません。

『パーフェクトぺリオ』を使用したからと言って
歯周病が治ったり、歯周病にならなかったり するとは考えない方が良いでしょう。

もちろんこのブログは、『パーフェクトぺリオ』の全てを否定するものではありません。
しかし、 歯周病専門医としての知識や 次亜塩素酸の薬効等を考えても 過大な評価につながっています。

今までにも 同様な 『これを使用すれば、歯周病は治る!』
というような製品が多くでてきたことがあります。

その多くは、使用される方の期待 や 過剰な宣伝から
実際の効能以上の 効果が先攻してしまい、結果的に 使用される患者様の不利益になってしまうこともありました。

事実、現在 ほとんどの歯周病はきちんとした歯科治療により、改善させることは可能ですし、徹底した予防により悪化を防ぐこともできるのです。

『エビデンス』 のあるきちんとした治療方法、予防方法が重要なのです。

次回のブログではもう少し この話について解説していきます。
次回のブログは、11月2日(月)になります。

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