歯周病専門医サイトブログ

2010年5月17日

歯ぎしりは 歯をダメにする大きな原因! これを知らないと歯科は語れない!:その4

5/10(月曜日)です。

このブログは、歯周病に関するブログです。
毎週 月曜日 にアップしています。


今日のテーマは、
『歯ぎしりは 歯をダメにする大きな原因! これを知らないと歯科は語れない!:その4
になります。

このシリーズも4回目になりました。
今までの3回をご覧になっていない方は、本日のブログの前に是非今までの3回をご覧になって下さい。

本日は 歯ぎしり や くいしばり によって起こる
1.被せ物が良く取れる!
2.歯が折れる!
ということについて解説します。

良く被せ物が取れる という方は、なにかしらの問題あることが多いのです。
特に被せ物が取れた時に歯には虫歯がない場合には、
歯ぎしり や くいしばり による噛み合わせの影響が考えられます。
ぎしり や くいしばり を防止させることを考えなければ、
再度被せ物を強力な接着剤で付け直しても また取れてしまいます。
何度も被せ物が取れることは良いことではありません。
さまざまな問題が起こってきます。

また、単に差し歯 等の被せ物が取れるだけであれば まだ問題は最小限ですみます。
問題なのは、歯の根が折れることです。
歯根破折 です。
歯根破折 を起こすと基本的に抜歯になります。
歯根破折 を起こす歯は、神経がない歯です。
神経がない歯が存在しており、歯ぎしり や くいしばり がある方は注意が必要です。
歯根破折 する確立が非常に高いのです。
神経がない歯が多い方は、是非 歯ぎしり や くいしばり 防止対策を行った方が良いでしょう!

それでは、なぜ 歯ぎしり や くいしばり で歯根破折 を起こすのかという話しをしたいと思います。

歯根破折 を理解するためには、コアということを知ることが必要です。
そのため、本日のブログはこのコアについて解説します。

まず先に神経がない歯について解説します。

虫歯の治療で歯医者さんに行った時に、
「虫歯が深いから神経を取りましょう!」
といわれた経験はありませんか?
なぜ神経を取らなければならないのでしょう?
また神経は取っても大丈夫なのでしょうか?

できるかぎり神経は取らないにこしたことはありません。
神経を取った歯は 神経がある歯にくらべて問題が起こる可能性が高く、
また 神経を取った歯がもし、虫歯になったとしても 痛みを感じないため虫歯が進行しても気がつきません。
そのため かぶせもの等が脱落して 初めて気づくことが多く、そのときには
抜歯しなければならないことが多いのです。
神経を取ると問題が発生することは非常に多いのです。

ちなみに 神経を取ると圧倒的に治療の期間も長くなります。
しかし、神経を取らなければならないことも多くあります。
虫歯を取っている時に 虫歯と神経が完全にぶつかってしまった状態の場合は神経を取らなければなりません。
この状態は下記の図のようなC3の状態です。
この状態にならないためには 早期発見 早期治療しかありません。
しかし、虫歯が神経に近いだけの状態であれば保存は可能です。
虫歯のレベル







『抜随』はできるかぎり避けたいものです。
しかし、残念ながら『抜随』になった場合には下記のような治療を行います。
抜随1









上図の説明をします。
治療はまず、歯の上から穴をあけ、リーマーという針金のような器具を用いて根の中にある神経を取り除きます。
次に神経は根の先まで複雑に入り込んでいるので根の先まで確実に神経を取るために歯の根の長さを測定します。
これは上図のように根の中にリーマーを入れ、根の先に到達したかどうかの確認のレントゲンを取ることで長さを測定することができます。
またレントゲン撮影以外にも長さを計測する『器械』があります。
ここまでが、『抜随』当日の治療です。
次の図は『抜随』後の治療内容になります。
抜随2






『抜随』を行なった次の来院時に 痛みがなければ 神経が通っていた根の中に樹脂を入れ 根管を封鎖します。
この時 リーマーで測定した長さと同じ長さの樹脂を根管に入れます。
後はかぶせ物の治療を行います。
神経の治療はその状態によって違いますが、通常は2回で終了します。
なんとなく『抜随』がどのようなことかわかってきたと思います。

話しは少しズレてしまいましたが、神経を取ると言うことは 歯を削るということです。
そのため歯を削った部分を“埋め”て、その後 被せ物を行うことになります。
その時に削った部分を埋め、歯を補強するための ものが『コア』になります。
下の写真が『コア』になります。
コア






この『コア』はあくまでも『土台』であり、被せ物の『歯』ではありません。
『被せ物の歯』はこの『コア』を装着した後に型を取り、
最終的に装着します。
『コア』はあくまでも『土台』です。
その素材には一般的に
1 金属コア
2  ファイバーコア
があります。
以前はほとんどが金属コアでした。
左側が『金属コア』で
右側が『ファイバーコア』になります。

『歯根破折』が起る原因として
今まで一般的に行ってきた『金属コア』に問題があります。
『金属のコア』を使用するといくつかの問題点があります。
『金属のコア』と 歯質 は硬さが違います。
この硬さの違いの一つを専門用語で『弾性率』と言います。
簡単に説明しますと『たわみ』です。
歯や金属を“ぐっと”押した時に歪む現象です。
歯は金属と比較し、若干柔らかいものです
そのため力が加わると『たわみ(歪み)』ます。
しかし、金属は硬いため『たわみ(歪み)』が少ないのです。
この『たわみ(歪み)』の違いが問題を引き起こします。

また神経のない歯は“枯れた木”のようであることを書きました。
神経のない歯に『金属のコア』を装着することを例えると
“枯れた木”の真ん中に『金属のクイ』を打ち付けるようなものです。
つまり、『薪を斧で割る』ようなものです。
当然割れそうですよね。

ただし、神経のない歯が全て割れるのではありません。
以下のような条件があると歯根破折を起こすリスクは高くなります。
1 残っている歯質が薄くなっている。
  何度も治療を繰り返している歯は治療のたびに削られ、歯(歯根)自体が
  薄く、“ ペレペラ ”になっているため、強度が弱くなっています。

2 『コア』自体がきちんと合っていない。
  『コア』がぴったりと合っていない状態で 歯根 と接着してあると
  噛む力で、『コア』が“ グラグラ ”と動くことがあります。
  『コア』が動くということは『クイ』として作用しているということです。

3 金属製の『コア』を使用している。
  先程書きましたように『たわみ(歪み)』の違う、金属と歯質を使用するこ
  とにより、『金属性のコア』が『クイ』として働きます。
上記のようなことで歯根が破折していくのです。

そこで『ファイバーコアによるボンディング接着システム』の話です。

まず『ファイバーコア』の硬さは歯質と近似しています。
金属とは違い、『たわみ』がある程度あります。
この『たわみ』が大切なのです。

次に 以前は『金属製のコア』を接着剤で着けていたのですが、この接着剤は歯質と完全に結合しているわけではなのです。
毎日噛む力はすごいもので、それを支えている『歯(ここでは コア とします)』
にも力が加わります。
噛む力により、少しずつ『コア』と『歯質』は外れて(取れて)いきます。
そして歯の中で『コア』が動くことにより『歯根破折』を起こすのです。

『ボンディング接着システム』とは『ファイバーコア』を『歯質』と外れ(取れない)ようにする方法です。

現在の『コア』はこの『ファイバーコアによるボンディング接着システム』なくしてはできない治療法です。

まず『ファイバーコア』の硬さは歯質と近似しています。
金属とは違い、『たわみ』がある程度あります。
この『たわみ』が大切なのです。

次に 以前は『金属製のコア』を接着剤で着けていたのですが、この接着剤は歯質と完全に結合しているわけではなのです。
毎日噛む力はすごいもので、それを支えている『歯(ここでは コア とします)』
にも力が加わります。
噛む力により、少しずつ『コア』と『歯質』は外れて(取れて)いきます。
そして歯の中で『コア』が動くことにより『歯根破折』を起こすのです。

ここから新しい話です。
『ボンディング接着システム』とは『ファイバーコア』を『歯質』と外れ(取れない)ようにする方法です。

治療方法としてはまず『コア』をつける根管内部に『プライマー』という薬液を塗ります。
これは歯根内部の表面がくっつきやすい状態にする方法です。
簡単に話しますと、根管内部を『プライマー』処理することにより、表面が凸凹し、接着表面積が増えると思って下さい。
次に『ボンディング』という薬液を塗ります。
『ボンディング』は先程の『プライマー』処理により起った凸凹の内部に浸透していきます。
そして強固に固まります。
その結果、『歯根内部の歯質』と『ボンディング』が一体化します。
この一体化した状態の歯質を『樹脂含浸層 (じゅしがんしんそう)』と言います。
この『樹脂含浸層 (じゅしがんしんそう)』がこのテーマである『歯根破折』しないためのキーポイントになります。

『樹脂含浸層 (じゅしがんしんそう)』ができた後に使用する接着材は
『レジン系接着剤』と言われるものです。
『レジン系接着剤』は『樹脂含浸層 (じゅしがんしんそう)』と非常に強固に結合します。
これも先程と同世に一体化するのです。
また『ファイバーコア』の表面にも『樹脂含浸層』と結合しやすい処理を行います。
この結果、?『根管内部の歯質』と 『樹脂含浸層』と ¡『ファイバーコア』は非常に強固に一体化します。
また『ファイバーコア』は『たわみ』があります。
こうしたことを総合して『歯根破折』を防止するのです。

神経のない歯は脆く通常の噛む力でも割れてしまうことがあります。
そして歯の根が割れた場合には抜歯しなければならないことがほとんどなので、
このような治療法は大変有効です。

基本的には神経を取らないことが大切ですが、虫歯の深さ等でどうしても神経を取らなければ、ならないことは現実問題としてあります。
これはしかたがないことです。
大切なのはその後の治療方法です。
少しでも歯根破折しない治療法を行うことが大切です。

今日は話しがだいぶ長くなってしまいましたが、
歯ぎしり や くいしばり による歯根破折 の問題を理解するためには、どうしてもこのコアーを理解することが必要なのです。


次回のブログは今回の話しのまとめです。
次回のブログは、5月24日(月)になります。



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