正しい歯磨き方法:その1

2012年12月 3日(月曜日)です。

始めに歯周病ブログからのお知らせです。
12/10(月)は、歯周病ブログは休みです。
次回の歯周病ブログは12/17(月)となります。

このブログは、歯周病に関するブログです。
毎週月曜日 にアップしています。

早いもので、今年もあと1ヶ月となりました。
今年は、当医院の基本的な治療である 歯周病 と インプラント以外に
新たに口臭という診療科を開設するために1年間 学んできました。

口臭科の開設にはまだ時間がかかりますが、現在準備を整えているところです。
この1年間、口臭治療の権威である大阪のほんだ先生に指事を受けて
学んできました。

昨日もほんだ先生の門下生一同が集まった年に1回の研修会が開かれました。
300人程度いたのでしょうか?
私と北浜先生の2人で参加してきました。

口臭外来開設時には、ブログ等でお知らせします。

今日のテーマは、『正しい歯磨き方法』になります。

前回のブログでは「神経がない歯の生存率:最新版(2012.11)」という内容を解説しました。
そこで、「多くの方は 正しい歯磨き方法を理解していない !」
ということを説明しました。

虫歯になりやすい人は、本来もっている細菌の質にも問題がある可能性があるのですが、
「毎食後徹底して歯磨きをしているのに虫歯になってしまう!」
「神経のない歯が非常に多い!」
という方は歯磨き方法が間違っている場合があります。
前回も説明しましたが、
食べたらすぐ歯を磨くことが大切だ!
ということを実践されている方は、明らかに間違いです。
食べたらすぐ歯磨きを行なえば、虫歯にならない!
という考えは、間違っているのです。

細菌を増やさないことが虫歯予防にとって重要なことなの一つなのです。

このような話しをすると
「細菌を増やさないこと?」
「歯磨きをすれば、細菌が増えないのでは?」
と考えている方が多くいらっしゃいます。
これが大きな誤りなのです。

歯磨き = 細菌を増やさない
ではありません。

ここでは、正しい歯磨き方法を理解していただくための第一歩として
虫歯の成り立ちについて解説します。

ちょっと難しい話しにはなります。

来週の月曜日(12/10)は、ブログを休ませていただきますので、
本日は2回分まとめてアップします。
少し長い話しになりますが、最後までご覧になって下さい。
    
飲食後(食物を摂取後) 虫歯細菌の一部は、
多くの糖(ショ糖)から酸(乳酸)という歯を溶かす成分をつくります。
    
このにより歯が溶けてくるのです。
いわゆる虫歯になるのです。
    
しかし、この細菌の産生するは、
唾液の抗菌性 や 自浄性(洗い流す作用)等により抑えられていくのです。
    
しかし、歯を磨かないと問題が起こるのです。
この問題とは、プラーク(デンタルプラーク)が形成されるのです。
プラークとは、細菌の塊のことです。
食べかすではありません。
    
プラーク(細菌の塊り)をバイオフィルムと言います。
このバイオフィルムを知ると、歯磨きを行う重要性が分かるのです。
    
以下は、ちょっと難しい話しになりますが、正しい歯磨き方法を学ぶ基礎になります。
    
虫歯細菌の中には 食物中のショ糖から粘液性多糖体(水不溶性グルカン)を作るものが多くあります。
粘液性多糖体とは、細菌が着きやすい ネバネバしたもの と思って下さい。
    
このネバネバ(粘液性多糖体)を介して細菌が凝集していきます(細菌が集まってきます)。
    
多くの細菌が集まった状態をバイオフィルムと言います。
このバイオフィルムがあると外来からの影響を受けにくくなります。

バイオフィルムは、バリアーと思って下さい。
先にも説明しましたように通常口腔内細菌が繁殖すると
唾液により洗い流されたり、
唾液の抗菌作用により
細菌が繁殖するのが抑えられます。

しかし、バイオフィルムの中に生息する細菌は、唾液の影響を受けにくくなるためバイオフィルムの中で細菌は増殖していくのです。
    
バイオフィルムというバリアで囲まれた中に生息する細菌は、
産生した酸(乳酸)の拡散を防ぎ、唾液に流されないために局所に留まります(停滞する)。
    
そのため、虫歯予防をするためには、バイオフィルムという細菌の住処を破壊することが重要なのです。
    
簡単に言えば歯磨きを行うことです。
これでなんとなく歯磨きを行う理由が分かったかと思います。歯磨きとは、汚れを取り除くのではなく、細菌をコントロール(減少)するさせることなのです。

患者様に以下のようなご質問をすることがあります。
「口腔内に歯垢(しこう:プラーク) や 細菌が最も多く存在するのは いつかわかりますか?」

多くの患者様は以下のように答えます。
「食後 と 朝起きてすぐ です。」
これが、認識違いなのです。
歯磨き製品を販売しているメーカーによるテレビコマーシャル等で
「食後にすぐ歯を磨きましょう!」
といような 誤解を報道がなされているために
食後(食直後) = 歯磨き
という図式があるのです。

これが誤っているのです。

まず、一日のうちで最も口腔内細菌が多いのは、起床直後です。
朝起きてすぐの唾液の中に含まれる細菌数は、
1.000.000.000〜100.000.000.000個/ml です。
これは、同じ量の糞便に含まれる量に匹敵します。

また、歯垢(しこう:プラーク)中には、
10.000.000.000〜100.000.000.000個/gですから
同じ量の糞便の10〜100倍の菌が生息しています。
びっくりですね。

朝起きた状態は、お口の中は、非常に多くの細菌が生息しているのです。
そのため、歯磨きを行なう重要なタイミングは、
朝起きてすぐです。

これは十分理解できますよね。

細菌が最も多時間帯ですので、この時に歯磨きを行なうことは非常に大切です。

それでは なぜ起床時に細菌が増えるのでしょうか?

口腔内の細菌が最も多くなるのは、唾液の分泌が減少している時です。

唾液には、細菌を減少させるための抗菌物質が含まれています。
唾液を多く分泌させることが
虫歯予防、歯周病予防、口臭撃退に大きく関係してきます。

そのため、唾液の分泌が少なくなると細菌が増殖しますので虫歯になりやすいのです。

唾液の分泌が最も少ないのは就寝時です。
また、就寝前に口腔内を清潔にすることは、
就寝時の細菌繁殖に大きく影響します。

そのため、正しい歯磨き時期は、起床時 と 就寝前です。

それでは、以下のようなごご質問に対してはどのような回答になるでしょう!
「口腔内(唾液中)の細菌が最も少なく、非活動状態になって、細菌学的に最もクリーンなのはいるでしょうか?」
この質問には、ほとんどの方が間違えます。

答えは、食後です。

食後の唾液を顕微鏡でみると細菌の活動は非常に少ないのです。

これは、食事を行なうことにより、唾液の分泌が大量に出てくるからです。
唾液の分泌大量 = 細菌の増殖を抑えることが可能
ということです。

これで、細菌の増殖についてだいぶ わかってきたと思います。

食直後に歯磨き剤を使用しての過剰な歯磨きは、唾液の損失を起こします。

歯磨き後には、当然のことながら うがい を行いますよね。
この うがい により唾液は洗い流されてしまいます。

毎食後徹底した歯磨きを行なっているのに虫歯が多い方の多くは、
歯磨きの本当の意味を分かっていないのです。

食後には、食べかすが分解されて酸になります。
この酸性の状態が続くと
口の中が
酸っぱくなったり、
酸性臭がしたり、
虫歯細菌の活動が活発になったりします。
酸性状態が続くと
歯が溶け出したり(脱灰)、
虫歯になりやすくなります。

酸性状態が続くと
菌が集合してプラークとなります。

始めにも説明しましたように
このプラークを取り除くことが歯磨きの目的なのです。

食べかす を取ることが歯磨きの目的ではありません。

つまり、虫歯予防 や 飲食後の口腔内ケアーによって重要なのは、
プラークを除去し、
口腔内の酸性化をコントロールすることです。

これをpHコントロールといいます。

簡単に言えば、中和です。

専門用語では、唾液の緩衝能 と言います。

次回からも正しい歯磨き方法について解説しますが、
そこで重要キーワードとなるのが
唾液の緩衝能

再石灰化
です。

今日は、非常に長い話しになりました。

来週の月曜日はブログは休みです。

そのため、次回のブログは、12月17日(月)になります。
唾液の緩衝能
再石灰化
について解説します。
これにより虫歯になりにくい正しい歯磨き方法が分かります。

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オリコン歯科医院ランキング2012年度版発表!

オリコン(音楽のオリコンチャートが有名ですが…)の2012年度版が
公表されました。
オリコンは、音楽以外でもさまざまな分野でアンケート調査を元にしてランキングを発表しています。
当医院はインプラント治療で 11部門中 5部門で ベスト10入りをしました。
ランキングされた多くの歯科医院は、大学病院 や 規模の大きい歯科医院ばかりでしたので、当医院のような小規模の個人歯科医院が選出されることはとても喜ばしいことです。
今後も多くの患者様に支持されるよう スタッフともどもがんばってきたいと思います。

ランキングの詳細は、以下をクリックして下さい。
  オリコン2012年 インプラント治療前のケア・説明部門: 7位
  
  オリコン2012年 インプラント治療の丁寧さ部門: 10位
  
  オリコン2012年 インプラント治療結果部門: 8位
  
  オリコン2012年 治療プランの充実度部門: 10位

  オリコン2012年 治療後のアフターケア・保障制度の充実度部門: 6位

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