歯周病専門医サイトブログ

2013年12月の記事一覧
2013年12月23日

金属アレルギーの話 12回目:金属アレルギーは治るのか?

2013年12月23日(月曜日)です。

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このブログは、歯周病に関するブログです。
毎週月曜日 にアップしています。

現在は歯周病に関する内容ではなく、
金属アレルギーについて掲載しています。



今日のテーマは、『金属アレルギーの話 12回目:金属アレルギーは治るのか?』になります。

まず、金属アレルギーが治るのか?
という答えから説明したいと思います。

金属アレルギーが完治することはありません。

しかし、治らないということでもありません。

まず金属アレルギーについて簡単に説明します。

口腔内金属がアレルギーの原因となっている場合、
口腔内で使用された金属から溶け出したイオン(金属イオン)が
生体内に入り込み、それを生体が異物と認識します(感作)。

そして、次に侵入してくる金属イオンに対して
身体を守るために働く機能が「免疫」なのです。

金属アレルギー反応とは、
身体に侵入してくるイオン(金属イオン)から生体を守る
「防衛監視システム」なのです。

そのため、一度「感作」されると
原因物質(アレルギーを起こす金属)と接触するたびに
反応が起こってしまうのです。

それでは、金属アレルギーは治らないのでしょうか?

いいえ、
金属アレルギーの症状が治ることもありますし、
軽減することもあります。

事実、パッチテスト 等で金属アレルギーに陽性反応が認められた場合で、
口腔内金属を撤去することで アレルギー症状が治る方もいらっしゃいます。

現在金属アレルギーと最も因果関係の高いと言われているが
「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)」
という皮膚疾患です。

しかし、
金属アレルギー と アレルギー疾患 を確実に結びつける根拠は少なく、
口腔内金属を撤去した結果、
アレルギー症状が治ったとか 
軽減した
ということしかいえないのも事実です。

しかし、口腔内金属を撤去することで症状の悪化を防ぐことにつながります。

以前のブログでも書きました
「金属アレルギーの話 6回目:なぜ歯科金属はアレルギーを起こすのか?(金属がイオン化しやすい条件)」
で詳しく解説してありますが、ここでも簡単に解説します。

金属アレルギーの症状を患者様に説明する際に、
以下のように説明をすることがあります。

「コップ」を人間の身体、
「水」をアレルギーとなる物質(金属)
とします。

「コップ」に「水」を注ぎます。
コップが小さいと 水を少し入れただけでも 
「水」はすぐに溢れてしまいます。
この溢れた状態が「金属アレルギー」が発症した状態です。

「コップ」が大きければ、ある程度「水」を入れても溢れません。

しかし、「コップ」がいくら大きくても
注ぐ「水」の量が 大量に注がれた場合には、
「水」はすぐに溢れてしまいます。

「コップ」が非常に小さければ、
注ぐ「水」の量が極端に少なくても
「コップ」からすぐに「水」が溢れてしまいます。

金属アレルギーが発症する方は、
もちろん金属に触れることが前提となりますが、
「コップ」つまり、生体の許容量の大きさにもよります。

「コップ」の大きさは、人によって大きく変わります。
子供 と 大人でも違いますし、
全身的な状態や
生活環境によっても変わってきます。
体調が不良であったり、
睡眠不足が続いたり、
ストレスが続いたり、
食生活が乱れたり、
等 さまざまなことで「コップ」の大きさは変わってきます。

もちろん「コップ」を大きくすることも大切ですが、
「コップ」に入れる「水」の量を少なくすることが大切です。

「水」を「コップ」に入れない、
「コップ」に入れる「水」の量を少なくすること
が大切なのです。

つまり、
金属アレルギーの原因を
身体に入れないことが重要なのです。

そのため、口腔内金属を徹底して少なくすることが
症状の改善、軽減になりますし、
今以上の悪化を防ぐことにもなります。

金属アレルギーの症状の代表的なこととして
「ピアス」の使用による金属アレルギー反応があります。

ピアスは、皮膚を貫通して 皮下組織に直接金属部分が触れるため、
指輪 や ネックレス といった装飾品によりも起こりやすいです。

もし、ピアスによる金属アレルギーが疑われた場合には
当然のことながら「ピアス」の使用を止めますよね。
ピアスから流出する金属イオンが生体内に入り込まないようにすることが
最大の防御だからです。

口腔内金属も同様であり、
コップ(生体)に注がれる 水(金属イオン)を少なくしないと
金属アレルギー症状がどんどんと起こってしまうのです。

もちろん、
口腔内に使用されている金属の種類 や
治療してある歯の数、
被せ物の古さ、
口腔内にあった期間
によっても変わってくるでしょうし、
体調不良があったり、
睡眠不足が続いたり、
ストレスが続いたり 
等の生活習慣も大きく影響してきます。

また、金属を多く含む食品の摂取によっても その効果は変わってきます。
金属アレルギー検査により高頻度で陽性反応が起こる「ニッケル」は、
チョコレートコーヒー に多く含まれています。

そのため、金属アレルギー症状の改善のためには、
口腔内金属の撤去だけでなく、
生活習慣、食生活習慣 ともに見直すことが必要になるのです。


金属アレルギーを治すためには、
口腔内金属を撤去し、オールセラミック や レジン 等を使用した「ノンメタル治療」を行うことは
非常に有効ですが、
食生活 等の生活習慣を見直すことも必要なのです。

ちなみに 金属アレルギーの方は、タバコは禁止です。
タバコには4000種以上の物質が含まれています。
その中でも ニコチン や タール、一酸化炭素などは、有害物質としてご存知のことと思います。
タバコにも「ニッケル」をはじめ金属アレルギーの原因物質が含まれているため、
禁煙が必要です。


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2013年12月16日

金属アレルギーの話 11回目:金属アレルギー改善治療(セレックオールセラミック治療)

2013年12月16日(月曜日)です。

年末はみなさんお忙しいこともあるかと思います。
1ヶ月前から いっぱいだった 予約も ここ数日でキャンセルが多くでています。
年内は、12月29日(日)まで診療しております。
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今日のテーマは、『金属アレルギーの話 11回目:金属アレルギー改善治療(セレックオールセラミック治療)』になります。


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本日は、金属を一切使用しないオールセラミック治療の一つとして
「セレック オールセラミック」
について解説します。

通常セラミックといわれる素材は、
歯科技工士という方が手作り(ハンドメイド)で作製します。

非常に高い技術が必要であり、
作製にも時間がかかります。

「セレック オールセラミック」は、こうしたセラミックを
人の手ではなく、
コンピューターが設計し、
ミリングマシンという器械がセラミックのブロックを削りだすことで作製するセラミックです。

「セレック オールセラミック」は、単に金属を使用しないことだけでなく、
今までの治療にはない さまざまな特徴があります。

以下は、「セレック オールセラミック治療」を写真とともに解説していきます。


ステップ1
歯がかけている部分があるだけでなく、
歯の中で虫歯が存在するため黒っぽく見えています。
p_img01

ラバーダムを行い、金属を撤去します。
ラバーダムは、削除した金属片が口腔内に飛び散らないようにするために非常に重要なことです。
虫歯を除去後、
光学3Dカメラ撮影に備えます。
p_img02

歯を削った後、3D光学カメラで歯を撮影します。

数十秒で撮影は終わります。

そのため、今まで型取りが苦手だった方にも有益です。

しかし、状況によっては、当日スキャンできない場合もあります。
また、従来治療のように型取りを行う場合もあります。


ステップ2
これでセラミックを作製する準備は完了です。
p_img04

モニター上で歯の形態や噛み合わせの調整を、あらゆる角度から行い、理想的な形にしていきます。
設計後は様々な色のセラミックブロックから最適な色のものを選定します。


ステップ3
ミリングマシンと呼ばれる機械(CAM)が、コンピュータで設計されたデータをもとにセラミックブロックを削り出し、修復物を精密に整えていきます。
以下がセラミックを削りだす「ミリングマシン」です。
p_img05



以下は、セラミックブロックがセットされたミリングマシンの内部です。
p_img06


以下は、セラミックブロックを削っているところを拡大した写真です。
p_img07



ステップ4
完成したセラミックを口腔内に装着します。

治療前
p_img08


治療後
p_img09




このようにセレックオールセラミックは、
コンピューター上にスキャンされたデータから
自動的にミリングマシン(セラミック自動制作器)がセラミックを削りだします。

歯科技工所に依頼することなく歯科医院で修復物を作製できるので、
今までのセラミックよりも圧倒的に短期間に作製が可能であり、治療費が安くできます。
また 規格生産された高品質なセラミックブロックを使用するため耐久性が高いのが特徴です。


次回のブログは、12月23日(月)になります。

次回のブログは、「金属アレルギーは治るのか?」になります。
最も知りたいことの一つであると思います。


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2013年12月9日

金属アレルギーの話 10回目:金属アレルギー改善治療   (オールセラミックによるノンメタル治療)

2013年 12月 9日(月曜日)です。

診療時間変更のお知らせ
12月15日(日)は、15:30までの診療となります。
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今日のテーマは、『金属アレルギー改善治療(オールセラミックによるノンメタル治療)』になります。


金属アレルギーの検査については、以前解説しましたが、
結果の結果、金属アレルギーがあった場合には、具体的にどうしたら良いのでしょうか?
本日は、具体的な金属アレルギー治療について解説します。

金属アレルギー検査については、以前のブログを見て下さい。
    金属アレルギーの話 7回目:金属アレルギー検査


治療法1: アレルゲンと診断された以外の金属を使用する!?
パッチテスト(金属アレルギー検査)で
陽性(アレルギー反応が認められた金属がある)と断定された以外の金属を
使用することも一つの方法と言われていますが、
この方法はお勧めできません。

実際に金属アレルギーについて記載された書籍 等の情報でも
「アレルギー反応で陰性(問題なし)と判断された金属の使用も考えられる」
というようなことを書いてあることがあります。

しかし、できるかぎり陰性(問題なし)と判断された金属であっても
使用は避けるべきです。

その理由として、パッチテストで陽性(問題あり)と判断されれば、
その金属がアレルギーの原因となりますが、
 
陰性(パッチテストで反応がない)であったとしても
絶対にその金属にアレルギーの問題がないとは言い切れないのです。

パッチテストで陰性であっても、実際には問題となっている可能性があるの 
です。
こうした状態を偽陰性と言います。

また、現時点で陰性と判断された金属(問題がないとされた金属)であっても
今後ずっと問題がない(安全)とは言い切れないのです。

例えば、「ニッケル アレルギー」患者の半数以上の人に
「コバルトアレルギー」があると報告されています(交差反応)。

金属アレルギーの方の場合には、
どのような金属であっても使用しない方が安全であると考えられます。

また、費用的な問題もあります。
健康保険で使用される金属は「12%金銀パラジウム合金」と言います。
その組成は、メーカーによっても多少違いますが、
銀46% パラジウム20% 銅20% 金12% 
その他(亜鉛・ガリウム・イリジウム・インジウム)2%
というような状態です。

金属アレルギーの方は、高確率でパラジウムに陽性反応があります。
もし、パラジウムを使用しない金属というようにする場合には、
金属アレルギーの可能性の低い金属を使用することが必要です。

例えば、チタンが考えられます。

しかし、チタンを使用した被せ物等は、健康保険の対象ではありませんので、
結果的に保険適応外(自費診療)となります。
当然のことながら健康保険よりは、高額になります。

また、「12%金銀パラジウム合金」に使用されているですが、
金属アレルギー陽性率の高い、ニッケル や コバルトと比較すれば、
確かにパッチテストで陰性となる可能性もありますが、
といっても歯科で使用される金の詰め物 や 被せ物 は、純金ではありません。
純金では加工が困難なため、他の金属も含めて作製されています。
合金です。

そのため、金なら大丈夫ということではありません。
もちろんパッチテストで金が陰性反応であっても
偽陰性という可能性もあるのです。

そのため、パッチテストで陰性反応と診断された金属を使用しても絶対に安全とはいきれないのです。
陰性反応とされた金属で新しく作成しても、
後で問題が起これば、撤去が必要です。
それが、健康保険が適応されない金属であれば、費用的な負担も大きくなります。

そうであれば、始めから金属を使用しない治療(ノンメタル治療)が望ましいです。



治療法:2 レジンによる治療(健康保険 適応治療)
レジンとは、樹脂(プラスチックのようなもの)を使用した治療で、
健康保険が適応されるため、コストを抑えることが可能です。

また、通常 1回の治療で行えるため通院回数も少なくてすみます。
(虫歯の状態 や 被せ物形態 等によって異なります)

さらに 基本的に どこの歯科医院でも対応が可能です。
(ノンメタル治療には、いくつかの重要なポイントがあるため
 理想的には金属アレルギーの治療を十分理解、熟知されており、
 経験豊富な歯科医院の方が良いでしょう。)
 
しかし、レジンという素材には、
健康保険が適応され 治療が比較的簡単な点もありますが、欠点もあります。

レジンは、強度(耐久性)に問題があるため、
しっかりと噛む部位 や 歯を覆うような被せ物には適応できません。
通常は、前歯の歯の間にある虫歯 や 奥歯であっても上下顎がしっかりと
噛み合ないような部位に使用されます。

実際に、金属を撤去し、レジンでの治療が可能であるのかを歯科医院で判断してもらうことが良いでしょう。

耐久性 等を考え、レジンを使用することが適応であった場合には、
治療の簡単さ、治療費の安さを考えると良い選択肢です。


治療法:3 オールセラミックによる治療
金属アレルギーの方の口腔内の治療法で最も優れているのが、
オールセラミックによる治療法です。

よく患者様から受けるご質問の中で、
セラミックオールセラミック は違うのですか?」
と聞かれます。

一般的に言われる「セラミック」という素材には、金属が使用されています。

「セラミック」の見えない内部(内側)は金属製です。

一般的に言われるセラミックの日本語の名称は、
陶材焼付金属冠(金属陶材焼付冠)と言います。

金属のフレームに瀬戸物を焼き付けて作製されているため、
内部には金属が使用されているのです。

実際にオールセラミックセラミックを見て比較して見ましょう。
セラミックの比較


上記の写真のように一般的に言われるセラミックには、
内部に金属が使用されているのです。


本日のブログはこれで終了です。
次回は、オールセラミックについて解説します。



次回のブログは、12月16日(月)になります。



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2013年12月2日

金属アレルギーの話 9回目:入れ歯 と 金属アレルギー

2013年12月 2日(月曜日)です。

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今日のテーマは、『金属アレルギーの話 9回目:入れ歯 と 金属アレルギー』になります。

入れ歯を使用している方で金属アレルギーを発症する場合があります。
なぜ入れ歯で金属アレルギーが起こるのでしょうか?

入れ歯には、「部分入れ歯」 と 「総入れ歯」があります。
義歯形態



通常の部分入れ歯には、入れ歯を動かなく固定するための
「クラスプ」という金属製の金具が付きます。
以下の写真のような金属製の金具です。
部分入れ歯



このクラスプは金属製ですから
金属アレルギーが発症する可能性があるのです。

それでは、部分義歯を使用している場合には、どうしたら良いのでしょうか?

金属の金具(クラスプ)のない義歯を使用することが良いです。
金属の金具のない義歯を
「ノンクラスプ デンチャー」
と言います。

下の写真の
側が一般的な部分義歯です。
側がノンクラスプ デンチャーです。
ノンクラスプ参考例


この義歯の欠点の一つとして、保険が適応されないことです。

費用は歯科医院により異なりますので、通院先の歯科医院でご確認されて下さい。

また、ノンクラスプデンチャーと言っても さまざまなタイプがあります。
ピンク色のプラスチック製の部分に使用されている材質にも
いろいろな素材があります。

場合によっては、一部金属製の素材が使用されている場合があります。
(レストと言われる ほんの小さい一部分ですが…)

ノンクラスプデンチャーの詳細については、以下のページをご覧になって下さい。
ノンクラスプデンチャーの費用、
ノンクラスプデンチャーの適応症例、
ノンクラスプデンチャーの特徴、
ノンクラスプデンチャーの欠点、
ノンクラスプデンチャーの作製方法(治療手順)、
ノンクラスプデンチャーの種類
等が記載されています。


     審美性の高い 金具なしの義歯(ノン・クラスプ・デンチャー)



このシリーズもだいぶ長くなってきました。
今後は以下のような内容で解説する予定になっています。

• 10回目:金属アレルギー改善治療(オールセラミックによるノンメタル治療)

• 11回目:金属アレルギーは治るのか?

• 12回目:全ての口腔内金属を撤去する必要性があるのか?

• 13回目:食生活の改善で金属アレルギーが治る?

• 14回目:危険な金属アレルギービジネスに注意!

の予定です。
*予定ですので変更になる場合があります
 さらに追加の可能性もあります


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