歯周病専門医サイトブログ

2014年3月3日

内科的歯周病治療:飲み薬(抗菌薬)による歯周病治療:その3

このブログは、歯周病に関するブログです。
毎週月曜日 にアップしています。

今日のテーマは、『内科的歯周病治療:飲み薬(抗菌薬)による歯周病治療:その3』になります。

今回のテーマの1回目にも説明しましたが、
この内容は以前にもアップした話になります。

飲み薬による歯周病治療は、本当によく患者様から質問される内容であり、
非常に誤解の多いことであるのです。
そのため、正しい情報をご理解いただきたいと思い、
今日も解説します。


まず、前回と同様に過去2回のブログ内容を簡単に振り返ってみましょう!

内科的歯周病治療とは、通常の歯周病治療と並行して 歯周病細菌に対して効果のある薬(抗菌薬)を併用することにより、歯周病を治そうとする治療法です。(抗菌療法)
内科的歯周病治療(抗菌療法)は、通常の歯周病治療と比較して多くの研究論文で その効果が実証されています。

適切な時期に 適切な処方が行われないと 効果がないだけでなく、
以下のようなことが起こる可能性があります。

1. 薬剤耐性(薬剤に対して抵抗性を持ち、これらの薬剤が効かない、
  あるいは 効きにくくなる現象のこと)が起こることがある!
  耐性菌については、以下のページを参考にして下さい。
    抗生剤と耐性菌の話し
 
2. 薬物アレルギーが起こる可能性がある!

3. 他の服用している薬との相互作用がある!
  例えば、ワルファリン(抗血栓薬)を服用されている方が
  ペニシリン系の抗生剤を服用すると作用を増強します。

4. 菌交代現象が起こる可能性がある!
  菌交代現象とは、抗生剤の長期投与等により正常細菌が減少し、
  通常では存在しない細菌や少数しか存在しない細菌が異常に増殖する現象のこと。

上記の中でも特に
薬剤耐性(耐性菌の出現)
菌交代現象
について考慮をしていかないと単に薬(抗生剤)を服用しただけでは、効果がないだけでなく
さまざまな問題を引き起こしてしまいます。

ここまでがおさらいです。

さて本日の内容です。
内科的歯周病治療(抗菌療法)には、日本国内で一般的に行われてる方法として以下の2つがあります。
1つ目は、抗菌薬の内服です。
いわゆる抗生剤を服用することです。
2つ目は、歯周ポケット 内部に抗菌薬を注入する方法です。

今回のテーマの話しは、1番目の抗菌薬の内服ですが、
まず先に2番目の歯周ポケット 内部への抗菌薬注入についてから始めたいと思います。
メインの抗菌薬の内服については次回以降のテーマで解説します。

歯周病が発症するためには、細菌(歯周病細菌)の存在があります。
歯周病細菌が、歯周ポケット 内部に存在することにより、
歯肉が腫れたり、歯を支えている骨が吸収します

以下の図が歯周ポケット です。
kensa_03

この歯周ポケット内部で細菌が増殖すると歯肉が腫れてきます。

歯周ポケット内部への 抗菌療法として、
日本では、「2%塩酸ミノサイクリン歯科用軟膏」という薬剤が多く使用されています。
「2%塩酸ミノサイクリン歯科用軟膏」は、軟膏であるため、細い注射器のよなものを使用して歯周ポケット 内部へ注入して使用します。
単に薬を入れるだけですので、非常に簡単な治療法です。
こうした話しを聞くと
「薬を入れるだけで歯周病が治る!?」
と勘違いされる場合があります。

本日は、「2%塩酸ミノサイクリン歯科用軟膏」歯周ポケット 内部へ注入の効果について解説します。

まず、歯肉が急激的に腫れているような方に対して
「2%塩酸ミノサイクリン歯科用軟膏」歯周ポケット 内部へ注入が効果があるのか?
ということから解説します。
日本歯周病学会で報告された研究(論文)によると
歯周病の急性症状を起こした歯周ポケット 「2%塩酸ミノサイクリン歯科用軟膏」を注入した場合、歯肉の炎症の改善と歯周ポケット内の細菌の減少が認められ、有効な治療法であると考えられます。
(梅田 他 日本歯周病学会会誌.1999;41:436-49、野口 他 日本歯周病学会会誌.1995;37:725-36 等)

次に
軽度歯周病、
中程度歯周病、
重度歯周病
の方に歯周ポケット 「2%塩酸ミノサイクリン歯科用軟膏」を注入した場合に効果があるのか?
という話しをしたいと思います。

軽度歯周病であった場合には、「2%塩酸ミノサイクリン歯科用軟膏」を使用しなくても 通常の治療と徹底した歯磨きで十分改善するため、使用する科学的根拠はありません。
逆に薬剤耐性(耐性菌) を引き起こす可能性があります。
軽度の場合には、使用しない方が良いでしょう。

しかし、中程度以上の歯周病の場合には、歯周病治療と並行して使用することにより、細菌数の減少が認められることが多くの研究報告(論文)されています。
(上田 他日本歯周病学会会誌.1992;34(3):695-700、栗本 他 日本歯周病学会会誌.1988;30(1):191-205 等)

しかし、歯周ポケット 「2%塩酸ミノサイクリン歯科用軟膏」を注入しただけで、細菌が死滅するのではありません。
歯周病が治るものでもありません。
基本は歯周病治療 を行うことを前提としています。

そのため、
「薬を入れるだけで歯周病が治る!?」
というのは誤った考え方ということです。
「2%塩酸ミノサイクリン歯科用軟膏」は、細菌の数は減少しますが、
死滅するわけではありませんので、
残った細菌があれば 再度増殖を始めます。

また、「2%塩酸ミノサイクリン歯科用軟膏」歯周ポケット への注入は、一般的に1週間に1回、4週間にわたり行うことが有効であるとされています。
しかし、現実的には、歯周ポケット 内に注入した「2%塩酸ミノサイクリン歯科用軟膏」の効果(MIC:最小発育阻止濃度)は、3〜5日程度とされています。

確しかに中程度以上の歯周病であった場合には、歯周病治療を行うとともに
「2%塩酸ミノサイクリン歯科用軟膏」歯周ポケット への注入は効果があります。

しかし、長期的な使用は
薬剤耐性(耐性菌)
菌交代減少を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。

また、あくまで歯周病治療 を行うことが前提であり、
「2%塩酸ミノサイクリン歯科用軟膏」単独で歯周病が治るものではありません。
(石川 他 日本歯科保存学会雑誌.1988;31(2):636-48、栗本 他 日本歯周病学会雑誌.1987;(29)3:930-6 他)

当医院では、出血等の炎症が強い場合で 歯周病治療を行うことを前提とした場合に 炎症消退を目的として使用することがあります。
しかし、薬剤耐性(耐性菌) を助長するリスクがあるため、「2%塩酸ミノサイクリン歯科用軟膏」を繰り返し使用することの科学的根拠は得られていないのが現状です。

適応症をきちんと守ることが重要なのです。

今日は、非常に難しい話しになってしまいましたが、
薬剤を使用する場合には、きちんとした根拠を十分分かった上で使用することが必要なのです。

次回は、今回のメインテーマである
内科的歯周病治療(抗菌療法)について解説します。



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