歯周病専門医サイトブログ

2015年5月の記事一覧
2015年5月25日

金属アレルギー治療の最前線:オールセラミック:その3

2015年6月9日(月曜日)です。


このブログは「大船駅北口歯科 歯周病専門サイト」です。

今日のテーマは、
『金属アレルギー治療の最前線:オールセラミック:その3』になります。

このテーマも3回目です。

ここまでの話をまとめると
第1回目では、オールセラミック治療は世界的に急速に普及してきており、
金属を使用しないメタルフリー治療が常識になってきていることを
データを見ながら解説しました。

もう金属を使用した歯科治療は過去の治療といっても良いでしょう。

これからは、金属を一切使用しない治療に変わっていくことになります。

ただし、噛み合わせの点 等から金属を使用した方が良いケースもありますので
最終的な判断は、口腔内のさまざまな状況をみて決めることになります。

しかし、今後の歯科治療は、
金属を使用しないメタルフリー治療が進んでいくことは間違いありません。


これは、メタルフリー治療には、多くの利点があることはもちろんですが、
患者様からのメタルフリー治療の希望が
多くなってきていることもあります。



さて、今までの2回の話では、
一般的に行われてきた金属製の詰め物は、
金属製の詰め物の 熱膨張係数の違いや
セメントと言われる物で着けているため、
しっかりと歯とくっついているわけでないことから取れやすく、
虫歯になりやすいことを解説してきました。

厳密に言えば、
セメントは、歯と接着しているのではなく、
歯と金属の間に固まって維持させているだけのものなのです。


そのため、虫歯治療を行った後は、
オールセラミックをレジンセメントでしっかりと接着することで
今まであった問題点を改善させることが可能になってきたことを解説してきました。

この接着ということが
詰め物を取れにくくさせたり、
虫歯になりにくくさせたりする大きなポイントなのです。

オールセラミックをレジンセメント
歯としっかりと接着させた治療は、
非常に有効な治療法なのです。


それでは、オールセラミックには問題はないのでしょうか?
オールセラミック治療を行なえば、
一生問題なく維持できるのでしょうか?

本日はそうした疑問を解説します。

オールセラミックの問題点についてです。




先週までの話をご覧になっていない方のために、
先週までの話を簡単にまとめます。

先週までのブログをご覧になっていただいた方も
再度見ることで
さらにご理解がしやすくなります。


オールセラミック治療は、従来の虫歯とは大きく異なる治療です。

従来の虫歯治療は、
虫歯を削った部位に金属を詰めるわけですが、
この時に使用するのがセメントです。

セメントは 厳密に言えば、
歯や金属と接着しているのではなく、
歯と金属の間に介在して固まり、金属を動かなくしている材料です。

家の庭塀でよく使用されているブロックと同じようなものです。

ブロックでできた壁は、
ブロック同士をセメントという泥状のものを
ブロック間に介在させて固まらせて、固定させます。
これによりブロックでできた壁が維持されているのです。

歯科で使用する金属と歯の間にあるセメントも同じです。

セメントは、口腔内で長く使用していると劣化します。
口腔内は非常に過酷な環境であり、

唾液 や
咬合力(噛む力)、
金属の熱膨張 による収縮、膨張の繰り返し

によって容易に崩壊(セメントが砕け、溶ける)してしまいます。

セメントが崩壊することで、
歯と金属製の詰め物に隙間(すきま)ができ、
そこから唾液 や 汚れが侵入し、
金属内部で細菌が繁殖して、再度虫歯(2次カリエス)になってしまいます。



セメントが崩壊することで
結果的に
詰め物が取れたり、
歯が欠けたりします。

また、詰め物が取れた場合、
細菌の侵入と繁殖により、
内部が虫歯がなっていることが多く、
再度治療を行うために、
さらに多くの歯を削ることになり、
場合により 虫歯が深いと神経を取り除く治療が必要になることもあります。


そうした問題点を解決するために行われているのが「オールセラミック治療」なのです。


オールセラミック治療は、歯とセラミックをしっかりくっつけるための接着方法を
があってこそ効果を発揮します。


樹脂含浸層 (じゅしがんしんそう)を介在することで
歯とセラミックが強固に接着し、
強度を増すことで、再び虫歯になることを抑制することが可能です。



また、金属を使用しないため、
審美的にも優れ、
金属アレルギーの原因にもなりません。


それでは、オールセラミック治療は万能な治療なのでしょうか?

なにか問題点はないのでしょうか?



オールセラミック治療にも欠点があります。

まず、オールセラミックは、レジンセメントで付けることで、
強固に歯と接着することが可能となります。

しかし、噛み合わせの問題 等から破損(壊れる)する可能性がないわけで
もありません。

しかし、もしセラミックが破損したとしても
再度セラミックを再製すれば良いことになります。

金属治療の場合、金属が取れると内部では虫歯になっていることが多く、
場合によっては、虫歯の進行が大きく、神経まで達していることもあります。

もし、神経を取るようなことになってしまえば、
歯へのダメージはさらに大きくなります。

歯を長く維持させるためには、
神経を取らない方が良いのです。



オールセラミックの他の欠点として、
保険が適応されないこともあります。

しかし、近年ではオールセラミックの費用も
以前と比較すると だいぶ安価になってきています。
当医院でも新しいオールセラミック作製システムを導入してから
以前の半額になっています。


今後オールセラミック治療が普及するにつれて、
さらに治療費は下がることが予想されます。


次にオールセラミック治療の成功率のデータを説明します。


以下は、オールセラミック治療についての成功率のデータになります。


シロナデンタルシステムズ株式会社が公表している臨床研究データによると、 
従来法のセラミックインレー(部分的なセラミックの詰め物)
の15年後の残存率は約68%とされています。

つまり、従来のセラミックインレー(部分的なセラミックの詰め物)は、
15年後には約3分の1が破折、脱離 等のトラブルが発生しているという
結果です。
  
当医院で取り扱っている オールセラミック(セレック)
15年後の残存率を調べた臨床研究によれば、
約93%と非常に高いデータがでています。

上記のようにオールセラミック(セレック)の臨床成績は、非常に高い
ものですが、それでも100%ということではありません。

こうした点もオールセラミック治療の今後の課題になります。

しかし、上記の約93%というデータは、
過去のレジンセメントを使用したデータであり、
接着方法についてもここ数年で
さらに向上すべく改良されています。

セラミックのブロックの精度も向上しています。

こうしたことを考えると
今から15年経過した時点で、
現在行なっている方式での成功率のデータをとれば、
オールセラミック治療の成功率は、
格段に向上していることでしょう。


日々医療技術は向上しているのです。


次回も本日の続きとなります。



このブログが始まって以来 毎週月曜日にアップしていましたが、
現在 毎週 大学病院で外来診療と講義を行うことになったため、
ブログの更新が不規則になると思います。
毎週ご覧になっていただいている方も多くいらっしゃるかと思いますが、ご理解いただければと思います。
できるかぎり毎週月曜日にアップしたいと考えております。


最新インプラント症例ブログは下記をクリックして下さい。
最新インプラント症例ブログ

インプラント基礎ブログは下記をクリックして下さい。
インプラント基礎ブログ

口臭外来ブログは、下記をクリックして下さい。
口臭外来ブログ

メール無料相談は こちらをクリック                          歯科治療で分からないこと や ご心配ごと をメールして下さい。基本的に、当日に回答させていただきます。

インプラントオンライン見積もりは こちらをクリック
欠損部からインプラントの治療費や治療期間(治療回数)等をお答えします。

インターネット・オンライン予約 はこちらをクリック
休診日でも24時間 オンラインで予約が行えます。


大船駅北口歯科サイトは、以下をクリック              
インプラントなら横浜の大船駅北口歯科
2015年5月18日

金属アレルギー治療の最前線:オールセラミック:その2

2015年 5月18日(月曜日)です。


このブログは「大船駅北口歯科 歯周病専門サイト」です。

昨日は、
国際口腔インプラント学会
出席のため、院長は不在でした。

昨日もさまざまな話が聞けて良かったです。

こうした情報を明日からの臨床に取り入れることができるよう
日々精進です。


さて今日のテーマは、前回の続きで
『金属アレルギー治療の最前線:オールセラミック:その2』
になります。

前回のブログでは、世界的にオールセラミックは急激に普及してきているということを解説しました。

本日のブログは、昨年にも話しました内容ですが、
金属治療 と オールセラミックの違いについて解説します。

これは単に
金属色か
白いか
ということではありません。


金属治療にはさまざまな問題があるのです。


金属製の詰め物をされている方の中には、
「金属の詰め物が取れてしまった!」
という経験をお持ちの方がいらっしゃるかと思います。


本日は、この金属製の詰め物がなぜ取れるのか?
ということを説明しながら
金属製治療の問題点について解説します。


金属の詰め物が 取れたり、 
金属の詰め物を行っている歯が欠けてしまったり
という経験がある方は、非常に多いのではないでしょうか?

また、金属製の詰め物が取れた時に
「中で大きく虫歯になっていた」
「神経を取ることになるまで虫歯が進行していた」
という経験をされたことがある方も 多くいらっしゃるかと思います。

一度虫歯の治療を行った歯が 再度虫歯になることを
「2次カリエス」と言います。

実際の2次カリエスについて見てみましょう!

以下の写真では、
金属製の詰め物を行っている歯が欠けたり、
歯と金属製の詰め物の境目から黒くなっており、
明らかに内部で虫歯が進行していることを疑わせる状態が分かります。

なぜこのようなことが起こるのでしょうか?

なぜ金属製の詰め物の下(中)で
虫歯が進行(2次カリエス)してしまったのでしょうか?

こうした原因 および 金属治療の問題点について解説したいと思います。
スライド1


まず金属製の詰め物の問題点について解説していきます。

もちろん 金属性の虫歯治療には利点もあります。
保険が適応される、
材料自体の強度が強い
等 の良い点もあります。

しかし、金属製の詰め物の治療は、過去の治療であり、
問題点があるのも事実です。
金属製治療で最も問題として大きいのが、
詰め物の脱離(取れてしまうこと)です。

始めに記載した
「金属性の詰め物が取れる」
「取れた詰め物の中で虫歯が進行している」
といったことは
一度治療を行った歯が 再度治療が必要になるだけでなく、
さらに歯を削る量が増えたり、
神経を取ることになったりする可能性もあります。

虫歯治療は、虫歯になった感染部分を取り除き、
削った穴を 歯以外の修復材料(金属製)で埋めることです。
当然のことながら 削った歯は再生しませんので…

そのため、
削った穴を埋めた修復材料が取れてしまったりすることは
当然のことながら 良いことではありません。

現在の歯科医学では、一度虫歯になった歯を治療する方法で
絶対(100%)に再度虫歯にならないという治療法はありません。

そのため、現時点で可能なかぎり再度虫歯(2次カリエス)にならない
ようにするための治療が大切になります。

そのためには、今まで行われてきた金属性の詰め物の問題点について
きちんと理解していくことが必要になります。

もちろん 再度虫歯にならないためには、治療方法だけでなく、
患者様自身の食生活、口腔清掃管理 等
患者様ご自身で改善しなければいけないことも多くあります。

また 歯並び 被せ物の精度 改善しなければならない問題もあります。


以下では、金属製の詰め物の脱落過程の一つを図説します。
図1は歯の基本的な構造で
図2は虫歯になった状態です。
むし歯になっている部分を削りとることで、感染をこれ以上進まないようにします。
スライド1



図3は、虫歯を取り除き、詰め物を装着するための穴を削った状態です。
穴に金属製の詰め物を行うため、便宜上 下図のような四角い形に削ることが
必要になるのです。
従来の金属製の詰め物の治療は、セメントという材料を歯と金属の隙間に介在させて外れないようにする必要性がセメントは接着力がないので、詰め物が外れないようにするためには歯を「はめ込み型」に削る必要がありました。
図4は、型を取り、後日 削った穴に
金属の詰め物を装着している状態です。
スライド1



図5は、金属製の詰め物をセメントでつけたところです。
(合着:従来の治療方法)
この治療法は、金属製の詰め物をセメントという泥のようなもので動かないように固めた状態です。
金属製の詰め物の周囲のオレンジ色が歯 と 金属 の隙間に詰めたセメントとお考え下さい。
金属と歯では構造、性質とにも大きく違うため、さまざまな問題が起こります。
その一つが「熱膨張係数の違い」です。
スライド1



金属は熱膨張係数が大きいので、膨張 収縮を繰り返します。
図7、図8
スライド1



図 9:金属が 膨張 収縮を繰り返すことでセメントが崩壊し、
    セメントが溶け出し、隙間ができる。
   (セメントが砕けて、口腔内に流失する)
図10:隙間に ばい菌(虫歯菌)が入り込む。
スライド1



図11 詰め物の中ではばい菌が増え、虫歯になってしまう。
    金属製の詰め物の下では虫歯菌が増殖する。
図12 ついに 詰め物が取れてしまう。
スライド1



ここまでで
金属製の詰め物 や 被せ物が
取れたり、再度虫歯になってしまうことの原因の一つとして、
歯質と金属の性質上の違いと
詰め物の接着方法にあることを解説してきました。

従来の治療方法では、
歯 と 金属製の詰め物 は、くっついているのではなく、
歯と金属製の詰め物の隙間をセメントで埋めて 取れないようにしているだけなのです。

そのため、歯と金属の間にあるセメントが崩壊(壊れたり、溶け出したり)すると
隙間ができて、
虫歯になったり、取れたりするのです。

それでは、そうした問題点を解決するためには
どうしたら良いのでしょうか?



金属治療 問題点の改善方法


虫歯を削った後には、
歯質と性状の近い材質(熱膨張係数の低い材質)を使用し、
きちんと 歯と接着させることが重要!

ポイント1:オールセラミックの使用(熱膨張係数が低い)

ポイント2:レジンセメントの使用(歯質とセラミックを強固に接着)


それでは、接着というのは、どんなことなのでしょうか?
少し難しい話になりますが、接着について簡単に解説します。

歯 と セラミックを くっつける(接着する)ためには、
接着剤を使用して くっつけることになります。

ここで問題となるのが
「本当に 歯 と セラミック がくっつくのか?」
ということです。

セラミックが長期的に維持するためには、
歯を削った部分とセラミックが接着していることが重要なのですが、
歯を削った部分は、象牙質という組織が見えており、
その組成は、
無機質が69%、
有機質18%
水分13%
となっています。

この水分を含んだ有機質が接着をしにくくしているのです。

セラミックは、「無機質」という組織です。
無機質と有機質を多く含んだ物を接着させることは簡単ではないのです。

歯 以外のことで接着について説明すると分かりやすいと思います。

例えば、プラスチック同士を
アロンアルファーのような接着剤で着けた場合、
しっかりとくっつく感じがしますよね。
金属 と 金属、
プラスチック と 金属 も
接着剤でくっつく感じがしますよね。

しかし、食べ物(例えば 肉 )と金属を接着剤でつけようとすると
しっかりとは くっつかない感じがすると思います。

肉は有機質で
金属は無機質だからです。

このように素材の違いによって
接着剤でくっつきやすい物もあれば、くっつきにくい物もあります。

ちなみに歯を削る前の表面(通常口を開けると見える歯の白い部分)は、
エナメル質と言い、
その成分は、
無機質が96%、
有機質が2%、
水分が2%
で象牙質と比較すると カラカラ に乾いており、
接着しやすい状態です。

歯を削った表面(象牙質)は、水分を含んだ有機質ですので、
非常に接着剤がくっつきにくい状態です。

だいぶ前から
セラミックを歯につける治療は行われていましたが、
現在の接着技術と比較すると
歯とセラミックをくっつけることは まだまだ劣っていました。
そのため、セラミックが破損することがありました。

近年 この接着技術は格段に向上してきたため、
以前と比較すると セラミックが破損することが少なくなってきています。


接着の話をすると 非常に複雑で難しい話になりますので、
できるかぎり簡単に説明したいと思います。

まず、象牙質表面を 接着剤がくっつきやすい状態にします。
「プライマー」という薬液を象牙質に塗ります。


簡単に話しますと、「プライマー」処理することにより、
表面が凸凹し、接着表面積が増えると思って下さい。


次に「ボンディング」という薬液を塗ります。

「ボンディング」は、
先程の「プライマー」処理により起った凸凹の内部に浸透していきます。

そして強固に固まります。


その結果、象牙質と「ボンディング層」が一体化します。


この一体化した状態の歯質を
「樹脂含浸層 (じゅしがんしんそう)」と言います。


この「樹脂含浸層 (じゅしがんしんそう)」
接着に大きく影響しているのです。

この上にレジン系の接着剤でセラミックを着けるのです。

ここまでをまとめます。

水分を含んだ有機質が含まれる象牙質とセラミックは
くっつきにくいので
象牙質に
「プライマー」
「ボンディング」処理することで
「樹脂含浸層 (じゅしがんしんそう)」ができます。

この「樹脂含浸層 (じゅしがんしんそう)」
接着剤(レジン系セメント)が強固にくっつくき
セラミックと一体化するのです。

また、セラミックとレジンセメントがくっつきやすくするために
シランカップリングという処理を
セラミック表面に行うことも必要です。

スライド1



だいぶ難しい話になりましたね。


次回も本日の続きになります。





このブログが始まって以来 毎週月曜日にアップしていましたが、
現在 毎週 大学病院で外来診療と講義を行うことになったため、
ブログの更新が不規則になると思います。
毎週ご覧になっていただいている方も多くいらっしゃるかと思いますが、ご理解いただければと思います。
できるかぎり毎週月曜日にアップしたいと考えております。


最新インプラント症例ブログは下記をクリックして下さい。
最新インプラント症例ブログ

インプラント基礎ブログは下記をクリックして下さい。
インプラント基礎ブログ

口臭外来ブログは、下記をクリックして下さい。
口臭外来ブログ

メール無料相談は こちらをクリック                          歯科治療で分からないこと や ご心配ごと をメールして下さい。基本的に、当日に回答させていただきます。

インプラントオンライン見積もりは こちらをクリック
欠損部からインプラントの治療費や治療期間(治療回数)等をお答えします。

インターネット・オンライン予約 はこちらをクリック
休診日でも24時間 オンラインで予約が行えます。


大船駅北口歯科サイトは、以下をクリック              
インプラントなら横浜の大船駅北口歯科
2015年5月11日

金属アレルギー治療の最前線:オールセラミック

2015年 5月11日(月曜日)です。

このブログは「大船駅北口歯科 歯周病専門サイト」です。

久しぶりのブログです。
ゴールデンウィーク中頃から大風邪をひきまして、
とてもブログを書くこともできませんでした。

ほぼ4日間はなにも食べられず、
昨日ようやく少し食べれるようになりました。

今日はほぼ治ってきましたので、久しぶりのブログとなります。



今日のテーマは、
『金属アレルギー治療の最前線:オールセラミック』の話になります。


最近本当に金属アレルギーの患者様の来院が多いです。

また、金属アレルギーかどうか分からないが、
口腔内から金属を撤去して欲しいという方も本当に多くなりました。


金属治療は、世界的にも相当に減少してきています。

まず以下のデータから見ていきましょう。
スライド1

上記は、米国で、2007年と2013年に
歯科で使用された材料の内訳です。

固定性補綴物とは、
被せ物(差し歯)とか
ブリッジという物です。


メタルセラミックとは、
一般的にセラミックと言われる被せ物のことです。
メタルセラミックは、表面は白いセラミックなのですが、
セラミックだけだと強度が弱いので、内部に金属製のフレームを作製し、
そのフレームの表面にセラミックを焼き付けて作製されています。
そのため、セラミックといっても、内部や内側は金属製となります。
昔、セラミックをいれた という方の多くは、このタイプです。


オールセラミックとは、
金属を一切使用しない素材です。
今回の大きなテーマです。


次に
全部鋳造冠 です。
これは、被せ物が全てが金属で作製されているタイプです。
日本人の口腔内にはかなり大きくの全部鋳造冠が存在しています。
世界的にも非常に珍しい口腔内と言えます。

海外の方から見ると
日本人は、口を大きく開けると
ほんとの人に金属製の被せ物や詰め物が認められるので
不思議がられるものです。

他にもハイブリッドセラミック 等の素材も使用されていますが、
今回は、ほとんどを占める 上記の3種類で話をしていきます。


それでは、2007年のデータから見ていきましょう。
スライド2


2007年時点では、
メタルセラミックが65.3%
オールセラミックが23.9%
全部鋳造冠が    8.0%
という使用状況でした。

基本的にアメリカは、歯科は自費診療ですので、
被せ物に金属製を使用することはあまりありません。
また、審美性を非常に重要視する国ですので、
見える部位に金属を入れたがる方も少ないです。


日本ではまったく違うデータになりますよね。
日本は圧倒的に金属製が多いです。
日本で同じ時期にデータを取れば、
まあ95%は、金属を使用した固定性補綴物になるかと思います。

日本では以前より前歯は、保険で白い被せ物は作製可能でしたが、
表面はプラスチック製で、内部だけでなく、裏側も金属製がほとんどです。

ちなみに日本と同じ材質で治療している国は、
他国ではほとんど存在しません。

その一つが使用されている金属です。

世界的には、口腔内に使用される金属は、
金合金(金の含有率が75%以上)を使用することが一般的です。

しかし、日本保険制度では、
金の含有率を12%まで落としてあります。

日本で使用されてる金属は、12%パラジウム合金と言います。
ちなみに約50%は銀です。

これは、戦後歯科医療制度の中で、比較的安価に材料を設定するために
考案された一つの案であり、
それが長い年月変わりなく、引き継がれているのです。


日本の歯科の常識は、
世界では常識ではないのです。

日本の医療が世界で進んでいるなんて
歯科に限っていえば
違います。




話は、ちょっとずれてしまいましたので、
戻りましょう。

次のデータは、2013年の米国で作製された固定性補綴物の内訳です。
スライド3


メタルセラミックが16.9%
オールセラミックが80.2%
全部鋳造冠が    2.2%
という使用状況でした。


アメリカでは、2013年の時点で

金属を使用している被せ物は、わずかに2.2%しかなく、
日本で未だに使用されているメタルセラミックでさえ16.9%となっています。

ほとんどがオールセラミックとなっているのです。

これは後数年後になれば、
どうなるのでしょうか?


また、急激な変化が起こった理由はどこにあるのでしょうか?


その理由を大きく分けると以下になるかと思います。


1.患者様からのメタルフリーの需要が増加した
     金属アレルーギーを避けたい
     審美的な治療を行ないたい


2.近年のオールセラミックの成功率の高さ向上した


3.オールセラミックの技工費が格段に低下した


4.世界的に金合金の価格が高騰することで金属製治療の方が
  圧倒的に高い治療となってしまった


5.オールセラミックは基本的にミリングマシンという器械が
  オールセラミックのブロックを削りだしていくのですが、
  この技術の急激な向上が高い精度のオールセラミックを可能にした。


6.今まで作製されていたメタルセラミック や 全部鋳造冠より
  オールセラミックの方が作製が簡単であり、
  歯科技工士の技術差が少なく作製が可能になった


今までの歯科で作製される被せ物は、
一つ一つが全ての行程で手作業であり、
1つ作製するのに非常に時間がかかり、
作製する歯科技工士によっても差が大きく現れるものでした。

しかし、現在の被せ物は、
コンピューター上で設計し、
セラミックのブロックを器械が削りだすという
方式をとっています。

今までは、たった一つの被せ物を作製するために
歯科技工所に依頼すると
5〜7日程度かかっていましたが、
今の作製方法ですと
本当に最短で言えば、セラミックを作製するのに
30分です。

部位によっても違いますが、
1歯だけの作製であれば、コンピューターで設計するのに5〜10分程度、
器械でセラミックを削りだすのに15〜20分程度です。

セラミックブロックは、自動的に器械(ミリングマシン)が削りだすので、
その間は、時間が自由に開きますので、
他の作業をすることができます。


このため、コストも圧倒的に下がりました。

当院でもセラミックを削りだす機械等を導入してから数年経ちますが、
コストも以前のメタルセラミックの半分になりました。




次回から続く、新しい金属アレルギーの話は、
今まで以上に新しい話を紹介したいと思います。


ちなみにコンピューター上でこんな感じでオールセラミック等を作製しています。

歯を削った型をコンピューター上に読み込みます。
スライド08



それを噛み合わせを確認するための
バーチャル咬合器という装置をコンピューター上で設定します。
スライド04



あとは、コンピューターが半分は、自動作製してくれます。
スライド05


スライド06


スライド07


その後、ミリンマシンというのがセラミックのブロックを削りだし、
最後に色合わせ等の細かい作業は、人の手になりますが、
完成したのが以下です。

スライド09


スライド03



口腔内に入れるとこんな感じです。
スライド02



以前は、こんな感じの治療が多かったですね。
スライド01



今後もちょっと忙しい日々が続きますので、
ブログも不定期になるかもしれませんが、
是非ご覧になって下さい。




このブログが始まって以来 毎週月曜日にアップしていましたが、
現在 毎週 大学病院で外来診療と講義を行うことになったため、
ブログの更新が不規則になると思います。
毎週ご覧になっていただいている方も多くいらっしゃるかと思いますが、ご理解いただければと思います。
できるかぎり毎週月曜日にアップしたいと考えております。


最新インプラント症例ブログは下記をクリックして下さい。
最新インプラント症例ブログ

インプラント基礎ブログは下記をクリックして下さい。
インプラント基礎ブログ

口臭外来ブログは、下記をクリックして下さい。
口臭外来ブログ

メール無料相談は こちらをクリック                          歯科治療で分からないこと や ご心配ごと をメールして下さい。基本的に、当日に回答させていただきます。

インプラントオンライン見積もりは こちらをクリック
欠損部からインプラントの治療費や治療期間(治療回数)等をお答えします。

インターネット・オンライン予約 はこちらをクリック
休診日でも24時間 オンラインで予約が行えます。


大船駅北口歯科サイトは、以下をクリック              
インプラントなら横浜の大船駅北口歯科
最近の投稿
カテゴリ
アーカイブ

PAGE TOP