歯周病専門医サイトブログ

2020年11月の記事一覧
2020年11月30日

歯周病と全身疾患:歯を失うことの問題点

2020年11月30日(月曜日)です。

このブログは「大船駅北口歯科  歯周病専門サイト」です。

今日のテーマは、
『歯周病と全身疾患:歯を失うことの問題点』になります。

ここ数回で 歯周病 と 全身疾患 の関係性について解説してきました。

歯を失うことは、健康にとっても良いことではありません。

特に歯周病は、歯周病細菌による感染症であり、
歯周病細菌は、血液を介して、全身へと運ばれていきます

それがこのシリーズのテーマである
「歯周病と全身疾患」となるのです。

また歯を失うと噛むことが困難になってきます。
歯を失う原因として、もっとも大きいのが歯周病です。

下の図(2018年11月 公益財団法人 8020推進財団 の調査)では、
60歳以降になると抜歯の数は急激に増えていきます。

それに伴い、義歯(入れ歯)の使用率も年齢とともに高くなっていきます。

入れ歯より
ご自身の歯で食べることの方が
よりしっかりと噛めます。

「歯周病と認知症」の際にも説明しましたが、
アルツハイマー型認知症の患者さんは、
健康な人よりも歯の数が少なく、
「残っている歯が少ないほど脳の委縮が進んでいた」
ということが報告されています。

また、噛むことで脳を活性化することもわかっています。

そのためにも可能なかぎり、歯は長く維持された方が良いです。

年齢が高くなるにつれ、
食べることは健康にとって非常に大きな要因になります。

歯周病の方は、全身への影響も考慮して、
徹底した治療することが大切です。

歯周病による抜歯は、一般的に50歳ぐらいから始まることが多いです。
しかし、50歳から急激的に歯周病になるわけではありません。

早い方の場合には、20歳代から歯周病が始まり、
30歳、40歳でさらに進行していきます。

つまり、どれだけ早い時期に治療を開始するかが大きなポイントになります。

どのような病気もそうですが、
早期発見、早期治療が大切です。

歯周病検査も若い時期から行われた方がいいですね。

来週も歯周病による全身への影響について解説します。


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2020年11月23日

掌蹠膿疱症 と 歯周病

2020年11月23日(月曜日)です。

このブログは「大船駅北口歯科  歯周病専門サイト」です。

今日のテーマは、
『掌蹠膿疱症 と 歯周病』になります。

掌蹠膿疱症とはどんな病気か?

「 掌蹠膿疱症 」という漢字を見ても
読めない方の方が多いのではないでしょうか?

掌蹠膿疱症の読み方は、
「しょうせきのうほうしょう」
と言います。

は、「てのひら」です。

は、「あしのうら」です。

膿疱は、「液体が袋状に溜まる」病態のことです。

つまり、
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)は、

手のひら や あしのうら に液体が溜まっている状態です。

嚢胞は無菌性ですので、人にうつることはありません。

掌蹠膿疱症は、
悪くなったり、
良くなったりを 慢性的に繰り返すことが多いです。

男女比では、
男性より 女性の方が2〜3倍多く認められるという報告があります。

原因

掌蹠膿疱症のはっきりとした原因は分かっていません。

しかし、以下のことが増悪因子として考えられています。

扁桃腺炎、
副鼻腔炎、
虫歯、
歯周病
等のある方に掌蹠膿疱症が認められることが多いことから
それらの菌に対する生態反応と考えられています。

喫煙による
咽頭炎の生態反応 や
ニコチンが掌蹠膿疱症を悪化させるという報告もあります。

歯科治療による金属がある方に多く認められることから
金属に対するアレルギー反応。

私自身歯科医師ですので、
口腔内金属を撤去することで掌蹠膿疱症が改善したことを多く経験しています。

他にも「ストレス」 や 「薬剤」 の影響も言われています。

治療

なにが原因かを正確に判断することは難しいため、
原因と考えらることを排除しながら皮膚のケアを行うことになります。

皮膚への対処は、皮膚科医にご相談されて下さい。

皮膚科での治療によっても改善がない場合には、
口腔内金属の撤去 や
歯周病治療、虫歯治療を並行して行うことで改善する可能性もあります。

このシリーズは、
歯周病 と 全身疾患というテーマで解説していますが、

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)という
皮膚疾患も歯周病と関連している可能性があるのです。

来週も
歯周病 と 全身疾患との関連性についてです。


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2020年11月16日

歯周病 と 誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)

2020年11月16日(月曜日)です。

このブログは「大船駅北口歯科  歯周病専門サイト」です。

はじめに
いつものように
新型コロナウイルス感染症の話です。

第3波といってもいいほど
感染が広がっています。

現在の状況は、
緊急事態宣言の時以上にリスクが高いといっていいほどです。

コロナ禍に慣れてきていることもあり、
街中は人でいっぱいです。

ただし、ずっと自粛状態では経済は疲弊してしまいますので
経済活動をある程度戻しながら
感染対策をしていくことには多くの皆さんはご納得されていることでしょう。

そこで大切なのは、
もう一度基本に戻り、
3密を回避し、
消毒の徹底です。

特に会食事には、感染リスクが高くなりますので
特別に注意が必要です。

以下は神奈川県公式の
会食時の新マナー
「マスク会食」です。

それでは本題です。

前回までは、
歯周病 と 認知症について解説してきました。

最近は、テレビ や ネットで話題になっており、
患者様からも聞かれることがありました。

今日のテーマは、
『歯周病 と 誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)』
になります。

誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)
という病気を聞いたことがありますか?

若い方は聞いたことはないかもしれません。

その名前のとおり肺炎です。

(ガン)と聞くと
誰もが知っている病気であり、

もし ご自身がに罹患してしまった場合には、
当然ショックのことと思います。

「治るのか?」
「死んでしまうのか?」
等 
不安があると思います。

それに対して、
誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)と聞くと
癌(ガン)ほどの深刻性を感じられないかと思います。

しかし、
高齢になればなるほど肺炎は、深刻な病気となります。

65歳以上の高齢者死因のトップは肺炎です。

肺炎の原因となる一般的な細菌は、
肺炎レンサ球菌、
肺炎桿菌、
緑膿菌、
黄色ブドウ球菌などですが、

口腔内に生息している細菌、
特 に歯周病細菌も肺炎を起こすことが知られています。

口腔内には、非常に多くの細菌が生息しています。

口腔内細菌の種類は、
研究報告によりある程度の違いはありますが、
おおよそ400〜500種類が生息しているのではないかと言われています。

その細菌の数は、
糞便1gに生息する細菌数より多いとされています。

びっくりですね。

糞便より口腔内細菌の数の方が多いなんて…。

普通、
食物等を飲み込む際には
肺の入り口にあたる気道への通路が遮断されます。

これにより肺に異物が行かないようになっています。

しかし、高齢者になると
その遮断機能がうまくいかなくなり、
誤って肺に入り込んでしまいます。

これが誤嚥(ごえん)です。

この誤嚥により起こす肺炎を
誤嚥性肺炎と言います。

高齢になればなるほど誤嚥のリスクは高まります。

食事の際に咳き込むことが多い方は、要注意です。

特に歯周病患者さんにおいては、
莫大な数の細菌が生息しており、
飲食の際 や 唾液を飲み込んだ際にも
誤嚥してしまう可能性があります。

また、
歯周病原菌の中には
タンパク質を分解する酵素を作りだすことがあります。

この酵素は、
咽頭粘膜(喉の粘膜) の表面に影響を与え、
肺炎の原因となる
肺炎レンサ球菌、
肺炎桿菌、
緑膿菌、
黄色ブドウ球菌などか
付着しやすくなってしまいます。

歯周病細菌の影響で
誤嚥性肺炎の危険性はますます高まってきます。

歯周病の問題がある方は、
まず徹底して歯周病治療を行うことが必要ですし、
日々の口腔清掃(歯磨き)も非常に重要です。

また定期管理(メインテナンス)を行い、
ご自身では清掃が難しい部位(歯周ポケット内部 等)の清掃を定期的に行うことも大変重要です。

歯周病に大きく影響している口腔内細菌
ポルフィ ロモナス・ジンジバリス
(Porphyromo- nas gingivalis)
アクチノバシラス・ アクチノミセテムコミタンス
(Actinob- acillus actinomycetemcomitans)

当医院では、
こうした歯周病細菌の種類 や 数を測定することが可能です。
以下を参照して下さい。
歯周病細菌遺伝子(DNA)検査 リアルタイムPCR


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2020年11月9日

歯周病の恐怖:歯周病細菌は全身に悪影響:認知症(アルツハイマー型)その2

2020年11月9日(月曜日)です。

このブログは「大船駅北口歯科  歯周病専門サイト」です。

はじめに新型コロナウイルス感染症についてです。

だんだんと寒くなってきており、
窓を開けての換気が大変な時期になってきています。

様々な飲食店を見ても
9月ぐらいまでは、
入り口を開けたりしている店舗も見かけましたが、
最近では、締め切っているところも多くなってきています。

コロナ禍は、まだまだ終息しておりませんし、
新規感染者も増えつつあります。

経済活動を再開することには、
多くの方がご理解していることと思います。

そのため、飲食店をはじめ、
多くの場所で人出は増えています。

この点は仕方がないといいますか
当然のことでしょう。

ずっと
緊急事態宣言の時期のように
活動が止まったままではさらに失業をする人も増えてしまいます。

しかし、経済活動と感染対策の両方をきちんと行っていくことが非常に大切です。

当医院では、
冬であっても窓を開けて
換気対策をしていきたいと思います。

来院される患者様には、少し寒いこともあるかもしれませんが、
ご理解をいただければと思います。

他の感染対策も
変わらず実施しております。

感染対策の詳細は、以下をご覧になって下さい。
当院における新型コロナウイルス感染症予防対

今日のテーマは、
『歯周病の恐怖:歯周病細菌は全身に悪影響:認知症(アルツハイマー型)その2』になります。

前回のブログをまとめると

アルツハイマー型認知症は、
「アミロイドβ」といった特殊なタンパク質が脳内に溜まることで
脳の神経細胞が損傷してしまい、
記憶を担っている海馬という部分から萎縮(縮む)が始まり、
脳全体に広がっていく病気です。

歯周病と認知症については、
以前から報告されており、

近年では、
アルツハイマー型認知症患者の脳から
歯周病細菌であるP.g菌が発見されたとう研究報告があります。

また
歯周病による炎症反応で、
アルツハイマー型認知症患者さんの脳内に
「アミロイドβ」が作られることも報告されています。

本日も歯周病と認知症(アルツハイマー型)の話です。

歯周病が進行すると
歯を支えている骨が吸収してきます。

次第に歯がグラグラしてきます。

そして、
最終的に歯が抜けてしまいます。

アルツハイマー型認知症の患者さんは、
健康な人よりも歯の数が少なく、
残っている歯が少ないほど
脳の委縮が進んでいたということが報告されています。

また、
噛むことで
噛むことが脳を活性化することもわかっています。

噛むことで上下顎の神経に刺激が加わる

刺激が脳に伝わる

歯周病を放置すると歯が抜けてしまう

歯がないと…

刺激が脳に伝わりにくい…

脳の萎縮が生じる

歯周病治療で重要なのは、
早期発見、
早期治療です。


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2020年11月2日

歯周病の恐怖:歯周病細菌は全身に悪影響:認知症(アルツハイマー型)

2020年11月 2日(月曜日)です。

このブログは「大船駅北口歯科  歯周病専門サイト」です。

はじめに
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の話をしたいと思います。

このブログでも時々コロナ禍の話もアップしています。

緩和ケアちゃんねる・かんわいんちょー・Dr Palliative care JP
というYouTubeチャンネルです。

新型コロナになったトランプ大統領も摂取したと言われる
ビタミンD血中濃度 と 重症化の関係 です。

ビタミンDは、
新型コロナウイルス感染症に有効とされています。

ビタミンDを摂取することはとても重要です。

以下は、
ビタミンDを多く含む食品です。
この時期是非とも食べたいものです。

植物由来ビタミンD
きのこ類

動物由来ビタミンD

卵黄

ビタミンDは、日光浴でも体内で作ることができます。
1日30分くらいは、外に出て日光浴をすることも必要ですね。

さて本題です。
今日のテーマは、
『歯周病の恐怖:歯周病細菌は全身に悪影響:認知症(アルツハイマー型)』になります。

最近、インターネットニュース や テレビで
「歯周病と認知症」について報道がされています。

歯周病と認知症の関連については
以前より私が所属する日本歯周病学会でも報告されてきました。

認知症はいくつかに分類されますが、
歯周病との関連性があるとされているのがアルツハイマー型認知症です。

アルツハイマー型認知症は、
「アミロイドβ」といった特殊なタンパク質が脳内に溜まることで脳の神経細胞が損傷してしまい、
記憶を担っている海馬という部分から萎縮(縮む)が始まり、
脳全体に広がっていく病気です。

厚生労働省がまとめたデータによると
65歳以上の認知症者数は、
2012年で462万人となってます。  
                  
これは65歳以上の高齢者の7人に1人となっています。 

推計によると
2025年になると
65歳以上の5人に1人が認知症となるとされています。

かなり深刻なデータですよね。

認知症にならない方法 もしくは
認知症を治す方法があるとすれば
どうにかしたいものです。

現在 認知症の薬はあります。

しかし、
神経細胞を再生させたり、
神経細胞が傷つくのを防ぐ薬はまだ開発されていません。

また現状では、
認知症の薬を服用したとしても認知症は進行を止めることはできません。

そのため いかに認知症にならないかが大きなポイントになります。

先にアルツハイマー型認知症は、
「アミロイドβ」といった特殊なタンパク質が脳内に溜まることで脳の神経細胞が損傷することで生じる病気であることを解説しました。

「アミロイドβ」は従来、
脳組織で生成されるものと考えられてきました。

しかし、血液循環によって作られた「アミロイドβ」が脳内に入り込み、
神経細胞を損傷させることがわかってきました。

2019年に、
「アルツハイマー型認知症患者の脳内に、
歯周病細菌であるP.g菌(ポルフィロモナス・ジンジバリス菌)を確認した」
という研究論文が発表されました。

以前より歯周病細菌が、口腔内から血液を介して、
全身に運ばれていくことがわかっています。

九州大学の武洲准教授らの研究によると

マウスに歯周病細菌を3週間続けて投与しました。

すると 脳内にある「アミロイドβ」が10倍に増加しました。

歯周病によって歯肉内に生じた「アミロイドβ」
血管を通して体内に侵入し、
それが アルツハイマー型認知症を引き起こす可能性があるということなのです。

歯周病を予防すること
歯周病を治すことが認知症予防にとって非常に大きな要因となってくる可能性があります。

また歯周病細菌は、認知症だけでなく、さまざまな病気に関わっていることが多くの研究により明らかになってきています。

次回からのブログでもそうした歯周病細菌と全身疾患の関係性について解説します。

非常にためになる話ですので、
ご覧になっていただければと思います。

今後 他のテーマについても解説します。


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