歯周病専門医サイトブログ

カテゴリー: 未分類の記事一覧
2014年11月24日

短期集中 歯周病細菌 除菌 プログラムFMD( Full Mouth Disinfection ):その6

2014年11月24日(月曜日)です。

久しぶりのブログです。

今月は本当に忙しかったです。

とてもブログを書く時間がありませんでした。
いつもご覧になっていただいている方 すみませんでした。

さて本日のブログのテーマは、前回の続きで、
『短期集中 歯周病細菌 除菌 プログラムFMD( Full Mouth Disinfection ):その6』になります。


このシリーズは、進行した歯周病を治す治療法について解説しています。
すでに6回目になりました。

始めて このシリーズをご覧になる方は、おそらく分かりにくいと思いますので、
今までの5回を先にご覧になっていただければと思います。

FMD 1回目

FMD 2回目

FMD 3回目

FMD 4回目

FMD 5回目


さて本日の内容になります。
今までのまとめも含めて解説します。

歯周病の再感染(再発) と 家族内感染(伝播)について

ここまでの話で
進行した重度歯周炎侵襲性歯周炎:しんしゅうせい ししゅうえん)の場合、
何回かに分けて 部分的に歯周病の治療(SRP/スケーリング•ルートプレーニング)を行っても
まだ 治療を行っていない部分から 歯周病細菌が感染する可能性があるため、
1日 もしくは 短期間で SRP/スケーリング•ルートプレーニングを行うことで
歯周病細菌の感染を最小限に抑えることが可能となることを解説しました。
この方法を F M D Full Mouth Disinfection )法 と言います。


しかし、進行した歯周炎(侵襲性歯周炎)では、
短期的に F M D Full Mouth Disinfection )法  を行うことで
他部位への感染は少なくなり、細菌のは圧倒的に減少はするが、
歯周病細菌の比率(割合)には、あまり変化がないことも今までのブログで解説しました。

悪性の強い歯周病細菌が残ることで歯周病は再発するのです。

そこで F M D Full Mouth Disinfection )法 の効果をさらにあげるためには、
抗菌薬による除菌療法が有効なのです(FMDと同時に行う)。



また、侵襲性歯周炎(重度歯周病)の場合、
家族内感染(伝播:でんぱ)という問題があります。

これは、歯周病治療により改善したとしても
家族内(親しい方)に 毒性の強い A.a.菌 や P.g.菌を持った人がいると
唾液から感染したり、共有する 食器 等からも感染することが分かっています。

そのため、侵襲性歯周炎(重度歯周病)の場合、
家族 や 親しい方 からの感染を防止することが大切なのです。(家族間も含めた歯周病治療)

アメリカ歯周病学会における進行した重度歯周炎(侵襲性歯周炎)の定義として、
家族内感染があげられているほどです。


このまとめで今までのことが
大まかにまとめられています。



来月は、今月よりは時間に多少余裕ができましたので、
ブログを再開します。

お楽しみに!




このブログが始まって以来 毎週月曜日にアップしていましたが、
今年の4月から毎週 大学で講義を行うことになったため、
ブログの更新が不規則になると思います。
毎週ご覧になっていただいている方も多くいらっしゃるかと思いますが、ご理解いただければと思います。
できるかぎり毎週月曜日にアップしたいと考えております。


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2014年11月3日

11月は歯周病ブログは休みです

今月(11月)は、歯周病ブログは休みになります。

今月末 に 閉め切りの仕事があるため、
ちょっとブログにまで手がまわりません。

次回のブログは少し先になりますが、
12月1日(月曜日)にアップします。

いつも楽しみにしていられる方 すみません。
2014年10月27日

短期集中 歯周病細菌 除菌 プログラムFMD( Full Mouth Disinfection ):その5

2014年10月27日(月曜日)です。

始めにお知らせです。

最近金属アレルギーの方の問い合わせが非常に増えています。
歯科では口腔内金属を撤去し、ノンメタル治療を行うことになりますが、
今までは、そうしたノンメタル治療の前に
皮膚科で金属アレルギー検査(パッチテスト)を行ってもらっていました。

しかし、検査を受ける患者さんにとっては、
他の医療施設を受診する必要性もあったり、
お近くに金属アレルギー検査(パッチテスト)を実施している皮膚科が
なかったり 等でお困りになっていられる方もいらっしゃいました。

また、皮膚科で金属アレルギー検査(パッチテスト)を実施している医院が少ないので、
皮膚科の先生が当院に患者様を紹介いただくこともありました。
(当医院では以前はパッチテストを行っていませんでしたので、
こうした場合には、再度皮膚科を受診していただくことになり、お手数をかけていました)

現在最新インプラント症例ブログ
金属アレルギー検査(パッチテスト)の話をしています。

そこで、当医院でも金属アレルギー検査(パッチテスト)を開始しましたので、
ご興味のある方は、是非以下をご覧になって下さい。
   金属アレルギー検査(パッチテスト)

このテーマは次回のブログでも続きを解説します。



さて 本日は、朝から医院の改築工事です。

今年はレントゲンや院内ランの再構築 等 さまざまな改善を行っています。
一度に行うと休診にしなければいけないこともあり、
何度かに分けて工事しています。

今回の工事は、音響システムの再構築です。

当医院の診療する場所(患者さんがすわる場所はユニットと言います)は、
個室の部屋もあれば、
半個室の場所もあります。

半個室の場合、
作業を行う医院側としては移動距離が少なくなり、
作業がしやすい点もあるため、
多くの歯科医院で取り入れられているスタイルです。

半個室の場合、
各ユニット間はパーテンションが設置されているため、
ある程度のプライバシーは保たれるのですが、
音(会話 等)がもれやすいことが大きな欠点です。

こうした点で言えば完全個室の方が良いですが、
完全個室の場合、多くの器材を1つの部屋に
設置しておくことが必要になるため、
それなりに広くないといけません。

ある程度のユニットの台数があると
それなりに広い医院でないと難しいです。

歯科の場合、
内科 等の他の科とは大きく違います。

あまりにも設備が多くありすぎるのです。

当院では、5台のユニットがありますが、
2箇所が個室で、
3カ所は半個室です。

これを全て個室にすると
おそらくユニットを4台設置するのは ちょっと難しいかもしれません。
余裕をもてば、3箇所の個室ということになるかと思います。

医院スペース、1日に診療する患者様の人数 等から考えると
はやり現状がベストと言えます。

また、完全個室といっても防音ルームではないので、
他の部屋の多少の音(会話)は聞こえることもあります。

例えば、家でもそうですよね。

マンションでも 上の階の音が聞こえることもありますし、
隣の部屋の音が聞こえることもあります。

今回の改築は、こうした音に対する対策です。

半個室という設計上、どうしても周囲の音(声)が聞こえやすいので、
スピーカーの設置方法 や 音響システムで
周囲の音を遮断するという方法です。

各 ユニット後方(半個室)新たにスピーカーを設置し、
音響 等を工夫することで
隣の音を聞こえにくくするという方法です。

音のマスキングです。


また、歯を削る音を 患者さんに聞こえないようにする方法も
近日導入予定です。

導入しましたらHP上やブログでもアップします。



音と言えば、
診療室内での音楽も大切ですよね。

当たり前ですが、病院内は、レストラン や 居酒屋、 カフェ 等 のように
お客さん同士が常に会話をしている場所ではありませんので、
基本的に静かなものです。

最近では、医院内でも環境音楽が流れている施設も多くなりましたが、
シーンとしている医院にいくとちょっと緊張しますよね。

会話も なにも音がない場所と言えば、
美術館 等があります。
これはこれで、あの シーン とした空間が心地よいですよね。
雑念がないというか
じっくりと絵画を見るのにいいですよね。

でもあのような シーン とした環境が歯科医院であった場合、
かなり緊張すると思います。

リラックスするためにも
音楽って大切です。

ただし、この音楽の種類を選択するのも結構大変なのです。

カフェ等では、ボサノバ や オルゴール、声のないヒーリング音楽 等が
かかっていることが多いかと思います。

でもこうした音楽は、中で働いている人にとっては、
結構苦痛なんですよね。

音に変化がないので、
ずっと同じ音楽が流れているというのは、辛いのです。

以前 ボサノヴァが好きということもあり、
1日中 ボサノヴァをかけていたことがあったのですが、
ボサノヴァって基本的に曲調は似ているじゃないですか
(そういうジャンルなので当たり前ですが…)

毎日 毎日 ボサノヴァを聞いていると
リラックスしなくなってくるんですよね。

毎日聞いているボサノヴァを
たまたま 他のカフェ 等でかかっていると
結構 嫌になることがあります。
仕事のことを思い出したりして、リラックスができないのです。

毎日同じ音楽が かかっている 環境で働いている方は、
どうなんですかね。
気にならないのですかね。

私は毎日朝7時には、医院に来ますので、
結構長い時間、同じ空間にいます。
毎日同じ音楽だとちょっと辛くなってきます。

CD 等で音楽を流していたこともありましたが、
毎日選曲を考えるのも大変なので、
ここ5〜6年は有線放送になりました。

なにも考えずにボタンを押すだけですから…
普通に最新J-POPなんかは 気楽ですね。

本題の前に話が長くなりました。

誰もが 歯科治療って 嫌なことですから
少しでも良い環境で診療が行えるようにしてきたいものです。




今日のテーマは、
『短期集中 歯周病細菌 除菌 プログラムFMD( Full Mouth Disinfection ):その5』
になります。


このシリーズは、進行した歯周病を治す治療法について解説しています。
すでに5回目になりました。

始めて このシリーズをご覧になる方は、おそらく分かりにくいと思いますので、
今までの4回を先にご覧になっていただければと思います。

FMD 1回目

FMD 2回目

FMD 3回目

FMD 4回目



前回までのブログでは、
進行した歯周病を治す場合、
通常の歯周病治療(スケーリング ルートプレーニング)では、
歯周病細菌の数は劇的に少なくなるものの、
悪性度の強い歯周病の最近の割合に変化が少ないことがあり、
残った悪性度の強い歯周病細菌が再発することで、
歯周病が再発してしまうことを解説しました。

そこで、前回のブログでは歯周病細菌を減らす薬を服用することで
治療効果をあげることを解説しました。


本日は さらに歯周病細菌を減らすための方法を解説します。

歯周病細菌は、歯周ポケット内部のみに生息しているわけではありません。
歯周ポケット以外にも 
唾液中 や 
口腔粘膜、
舌、
扁桃腺 
にも生息していることが
多くの研究で分かっています。

そのため、歯周ポケットのみを対象とした歯周病治療(SRP)を行うだけでなく、
口腔内全体の除菌も併用して行うことが有効なのです。

その方法が 3 D S 法( Dental Drug Delivery System )という方法です。

具体的な 3 D S の方法として、歯形を取り、患者様個人に合わせたマウスピースを作製します。
このマウスピースの内部に抗菌性の高い薬剤を入れて、除菌するのです。

また、治療期間中は、食後に抗菌性の高いうがい薬(CHX :クロルヘキシジン)を使用します。

こうしたことを徹底して行うことで、歯周病細菌を除菌し、治療した部位への再感染を最小限に
防ぐことを行います。


また、重度歯周病の場合、家族内感染(伝播:でんぱ)という問題があります。

これは、歯周病治療により改善したとしても
家族内(親しい方)に 毒性の強い A.a.菌 や P.g.菌を持った人がいると
唾液から感染したり、共有する 食器 等からも感染することが分かっています。

そのため、重度歯周病の場合、
家族 や 親しい方 からの感染を防止することが大切なのです。
(家族間も含めた歯周病治療)

重度歯周病の場合、家族内全てでの治療が必要であることは
歯科医師でも意外に知られていませんし、
家族間での治療を推奨している歯科医院も少ないです。

歯周病は感染症です。

このことをきちんと理解して治療を進めないと
重度歯周病の場合、治りません。


次回のブログでは、
歯周病細菌を減らす さらなる治療法について解説します。
FMDと併用することで効果が増します。


今日は、余談の方が長くなってしまいました!




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2014年10月20日

短期集中 歯周病細菌 除菌 プログラムFMD( Full Mouth Disinfection ):その4

2014年10月20日(月曜日)です。

始めにお知らせです。
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金属アレルギー検査(パッチテスト)の話をしています。

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ご興味のある方は、是非以下をご覧になって下さい。
   金属アレルギー検査(パッチテスト)


昨日は神戸で 日本歯周病学会 がありました。
1413715685829


歯を失う一番の原因は歯周病です。

近年では、歯を失った場合の治療法として
インプラントが第一選択しとして定着しています。

しかし、歯を失わないことが最も大切であり、
歯周病にならないように予防する ことが当然のことながら必要であり、
もし、歯周病になったとしても 早期に治療すれば十分維持させることは可能です。

しかし、あまりにも進行した歯周病になってしまうと
抜歯しか方法がない場合もありますし、
歯周病治療を行ったとしても 予後が悪いのも事実です。

早期発見、早期治療が大切なのです。


現在ブログでシリーズで解説しているFMDというテーマですが、
まさしく進行した歯周病を治すための、治療なのです。

それでは始めましょう!

今日のテーマは、
『短期集中 歯周病細菌 除菌 プログラムFMD( Full Mouth Disinfection ):その4』になります。

さて、このテーマも本日で4回目になります。
始めてこのシリーズを見られる方は、
今までのブログをご覧になっていただくことが必要です。
今日だけの内容ではなかなか分かりづらいのです。

以下をご覧になって下さい。
FMD 3回目には、1回目と2回目のまとめもありますので、
3回目だけをご覧になっていただいても良いかと思います。

FMD 1回目

FMD 2回目

FMD 3回目



それでは、本題になります。

本日は悪性度の強い歯周病細菌の除菌について解説します。

簡単に言えば 飲み薬 で細菌を減らすのです。

「えー 飲み薬で歯周病が治るの?」

というように思われるかもしれませんが、
これはちょっと違います。

誤解のないように…
最後までご覧になって下さい。

第2回のブログの歯周病治療後の歯周病細菌の変化の図では、
進行した重度歯周病炎では、
歯周病治療(SRP)を行った後でも
歯周病細菌の数は減少するが、
毒性の強い歯周病細菌の比率(構成比)は、大幅には変わらないことを解説しました。

以下の図でした。
スライド1
 



それでは、進行した重度歯周病炎の場合、
どうしたら 毒性の強い歯周病細菌を減らすことができるのでしょうか?

まず、感染を抑えるために短期間で 
SRP/スケーリング•ルートプレーニング を行います。
つまり F M D (Full Mouth Disinfection)法 を行うのです。

これは 細菌の転移(伝播:でんぱ)を防ぐためです。

次に 毒性の強い歯周病細菌(P.g.菌 A.a.菌)を除菌するための抗菌薬を服用します。
通常は、 SRP/スケーリング•ルートプレーニング を行う 治療の前から抗菌剤を服用します。

抗菌剤による 毒性の強い歯周病細菌( P.g.菌A.a.菌 )の除菌を行うのです。

以下は、 先ほどのグラフ(歯周病治療後の歯周病細菌の変化)の続きで、
抗菌剤の効果をみたデータです。

P.g. 菌(オレンジ色)は、毒性の強い歯周病細菌で、
青色の細菌は毒性の低い歯周病細菌です。
抗菌剤を併用すると 毒性の強い歯周病細菌の比率は劇的に少なくなることが認められました。

スライド2


本日はここまでです。

このシリーズは少し難し話しが多く、
分かりづらいかと思います。









このブログが始まって以来 毎週月曜日にアップしていましたが、
今年の4月から毎週 大学で講義を行うことになったため、
ブログの更新が不規則になると思います。
毎週ご覧になっていただいている方も多くいらっしゃるかと思いますが、ご理解いただければと思います。
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2014年10月13日

短期集中 歯周病細菌 除菌 プログラムFMD( Full Mouth Disinfection ):その3

2014年10月13日(月曜日)です。


今月の休診案内です。

10月18日(土曜日) 午後
10月19日(日曜日) 午前 午後
  日本歯周病学会参加のため


歯周病学会は、数多く所属している学会の中でも
非常に大切な学会です。

それは私が大学を卒業し、
歯周病科に在籍して6年かけて取得したのが
日本歯周病学会の専門医だからです。

いろいろな学会にも認定医がありますが、
この日本歯周病学会の専門医が一番大変でした。

次にスタッフ募集(アルバイト / パート)です。
詳細は、以下をご覧になって下さい。
    求人情報




それでは本日の内容になります。
今日のテーマは、続きで『短期集中 歯周病細菌 除菌 プログラムFMD( Full Mouth Disinfection ):その3』になります。



まず前回も解説しましたが、
始めてこのシリーズを見られる方や
今までの2回とも見られた方でも さらに分かってきただくために
おさらいをしたいと思います。

始めは、前回の内容と同じですので、
前回の内容をご理解されている方は、最初の方はとばして下さいね。


このシリーズであるFMDという治療を理解するためには、
一般的な歯周病治療について知っていることが前提になります。

一般的な歯周病治療とは、
「SRP(scaling root planning)/スケーリング•ルートプレーニング」
という治療です。

これは、
歯の歯肉の隙間(歯周ポケット)に器具を挿入し、
歯肉の内部に侵入した汚れ(歯石) や 細菌を取り除く治療です。

以下の動画で
「SRP(scaling root planning)/スケーリング•ルートプレーニング」
をご覧になって下さい。
21秒です。




また、
「SRP(scaling root planning)/スケーリング•ルートプレーニング」
の詳細は、以下に詳しく記載されています。
     歯周病の基本治療 ルートプレーニング について


歯周病の基本中の基本である SRP / スケーリング•ルートプレーニング ですが、
保険診療では、約4〜6回に分けて行うのが一般的です。
(歯の残っている数等によっても変わります)

ほとんどの歯が残っている方では、
1週間に1回の通院された場合、
SRP / スケーリング•ルートプレーニングが終了するまで
約1ヶ月 〜 1ヶ月半 がかかります。
確実に1週間に1回の通院が困難であれば、
2ヶ月以上の治療期間がかかることになります。

そのため、
最初(1回目)に 「SRP/スケーリング•ルートプレーニング」 を行った部位では
感染(歯周病細菌)は減少しますが、
まだ 歯周病治療を行っていない部位では、歯周病細菌が残っているわけですから
そこから 最初にSRPを行った部位に再度感染が起こってしまうのです。

歯周病細菌の転移伝播:でんぱ と読みます)が起こるのです。

そこで 短期間(1日 もしくは 数回に分けて)で 
全ての歯周病に感染した歯に対して、
「SRP/スケーリング•ルートプレーニング」を行うことで
歯周病細菌を他の歯に転移させないようにする治療方法を
F M D (Full Mouth Disinfection)法と言います。

この F M D がこのシリーズのテーマとなっています。

ここまでの内容は、第1回目の内容です。

2回目のシリーズでは、
進行した歯周病では、
毒性の強い歯周病細菌が関係していることを解説しました。

毒性の強い歯周病細菌とは、
P.g. 菌、 
P.i.菌、 
T.f.菌
A. a. 菌
という細菌です。

特に日本人の場合、
P.g. 菌 の割合が多いと
進行した重度歯周炎と言えます。

P.g. 菌が関与した
進行した歯周病のことを
侵襲性歯周炎と言います。

しんしゅうせい ししゅうえん
と読みます。

進行した重度歯周炎(侵襲性歯周炎)では、
最初に解説した歯周病治療(SRP/スケーリング•ルートプレーニング)を行うことで
歯周ポケット内の細菌(歯周病細菌)のは劇的に減少します。

細菌のは減るのです。

しかし、歯周病細菌の比率の変化は少ないのです。

進行した重度歯周炎(侵襲性歯周炎)は、
毒性の強いP.g. 菌 が多いので、
この残った細菌が歯周病の再発を起こすのです。

ここまでご理解されたことを前提として、
本日の話を始めたいと思います。


本日は
歯周病細菌検査という話です。

みなさん「ピロリ菌」という菌の名前を聞いたことがありますか?

多くの方は、名前は聞いたことがあるかと思います。

ピロリ菌は、胃の粘膜に生息している菌です。

主に胃や十二指腸などの病気の原因になります。

小児期に感染し、一度感染するとほとんどの場合、
除菌しない限り胃の中に生存しています。

ピロリ菌の感染が続くと慢性胃炎となり、
慢性胃炎が、胃潰瘍 や 胃がんの原因になることが分かってきました。

ピロリ菌の治療方法は、抗生剤を服用して除菌します。

そのため、診断としてピロリ菌に感染しているかどうかを検査することから始めることが必要です。

ちなみにピロリ菌除菌に使用される抗生剤は、
歯周病細菌にも効果があります。

話は少しズレましたが、
除菌するためには、どのような細菌が存在するのかを正しく診断することから始めることが必要です。

本日の最初にも解説しました
進行した重度歯周炎(侵襲性歯周炎)では、
毒性の強いP.g. 菌 が関与していることを解説しました。

また、今まで行われていた一般的な歯周病治療では、
汚れを取ることは可能であり、
細菌の数を少なくすることも可能ですが、
進行した重度歯周炎(侵襲性歯周炎)では、
歯周病治療を行ったとしても
毒性の強いP.g. 菌 は、残ってしまうのです。

そこで
毒性の強いP.g. 菌 の除菌が必要になります。

そのためには、
毒性の強いP.g. 菌 の感染があるかどうかを検査することが必要です。

それが今回のテーマでもある
歯周病細菌検査
ということなのです。

歯周病細菌検査の話をする前に
まず一般的な歯周病の検査について解説します。

レントゲン撮影 と 歯周ポケット検査 という方法が行われています。
以下がレントゲン検査 です。
以下は、健康な方のレントゲンです。
スライド2



以下は、重度歯周病の方のレントゲンです。
スライド1


重度歯周病の方では骨吸収が進行しているのが分かります。


次に 歯周ポケット検査 です。
歯周病の進行程度を知るために、必ず行うのが『歯周ポケット検査』です。

この検査なしでは、歯周病の進行状態を知ることはできません。

検査方法は簡単なものです。

歯と歯肉の間には、元々わずかな隙間(すきま)が存在します。

この隙間のことを『歯周ポケット』と言います。

健康な方では、この『歯周ポケット』の深さは約1〜2ミリ程度です。
測定方法は、『プローブ』(写真1)と言われる細い器具を
歯周ポケットに入れて計測します。(図1、写真2)
inspection1



先に
進行した歯周病では、
A.a.菌 ( Aggregatibacter actinomycetemcomitans )、
P.g.菌 ( Prophyromonas gingivalis )、
T.f.菌 ( Tannerella forsythensis )、
T.d.菌 ( Treponema denticola )
といった歯周病細菌の関連性が強いことが分かっていることを解説しました。

特に P.g.菌 は、
進行した重度歯周病患者様の歯周ポケットから高頻度に検出されることから
進行した歯周炎の指標となっています。

P.g.菌 の比率が高いということは、重度歯周病であり、リスクの高い状態と言えます。

一般的に行われる 
レントゲン検査 や 歯周ポケット検査では 
骨吸収が認められたり、歯周ポケットが深いことで進行状態は分かりますが、
歯周病進行の活動性を判定することは難しいのです。

例えば、歯周ポケットが5ミリであった場合、
P.g.菌が検出される歯周ポケット と 検出されない歯周ポケットでは、
その予後は大きく違います。

そのため、一般的に行われるレントゲン撮影 と 歯周ポケット検査 以外にも 
歯周病細菌検査を行うことで
P.g.菌 等 のリスクの高い歯周病細菌を特定することができるようになるため、
より確実な診断を得ることができます。

また、歯周病細菌を特定することで、
後に記載してあります 「抗菌療法」 を行うための指標にもなります。

細菌の特定をすることで
治療方針が分かってくるのです。


今日も難しい話でした。


また、次回も本日の続きです。

このシリーズはまだまだ続きます。









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2014年9月29日

短期集中 歯周病細菌 除菌 プログラムFMD( Full Mouth Disinfection ):その2

2014年 9月29日(月曜日)です。

始めに今月の休診案内です。

10月18日(土曜日) 午後
10月19日(日曜日) 午前 午後
  日本歯周病学会参加のため


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来週(10月6日;月曜日)は、
歯周病ブログは休みです。


今日のテーマは、前回の続きで
『短期集中 歯周病細菌 除菌 プログラムFMD( Full Mouth Disinfection ):その2』
になります。

ちょっとタイトルが変更になりました。

始めに 前回のおさらいです。

前回のブログでは、
まず一般的な歯周病治療について解説しました。


一般的な歯周病治療とは、
「SRP(scaling root planning)/スケーリング•ルートプレーニング」
という治療です。

これは、
歯の歯肉の隙間(歯周ポケット)に器具を挿入し、
歯肉の内部に侵入した汚れ(歯石) や 細菌を取り除く治療です。

以下の動画で
「SRP(scaling root planning)/スケーリング•ルートプレーニング」
をご覧になって下さい。
21秒です。




また、
「SRP(scaling root planning)/スケーリング•ルートプレーニング」
の詳細は、以下に詳しく記載されています。
     歯周病の基本治療 ルートプレーニング について


歯周病の基本中の基本である SRP / スケーリング•ルートプレーニング ですが、
保険診療では、約4〜6回に分けて行うのが一般的です。
(歯の残っている数等によっても変わります)

ほとんどの歯が残っている方では、
1週間に1回の通院された場合、
SRP / スケーリング•ルートプレーニングが終了するまで
約1ヶ月 〜 1ヶ月半 がかかります。
確実に1週間に1回の通院が困難であれば、
2ヶ月以上の治療期間がかかることになります。

そのため、
最初(1回目)に 「SRP/スケーリング•ルートプレーニング」 を行った部位では
感染(歯周病細菌)は減少しますが、
まだ 歯周病治療を行っていない部位では、歯周病細菌が残っているわけですから
そこから 最初にSRPを行った部位に再度感染が起こってしまうのです。

歯周病細菌の転移伝播:でんぱ と読みます)が起こるのです。

そこで 短期間(1日 もしくは 数回に分けて)で 
全ての歯周病に感染した歯に対して、
「SRP/スケーリング•ルートプレーニング」を行うことで
歯周病細菌を他の歯に転移させないようにする治療方法を
F M D (Full Mouth Disinfection)法と言います。

この F M D がこのシリーズのテーマとなっています。


ここまでが 前回のブログで解説した内容です。

前回ご覧になっていただいた方でも
復習すると さらに ご理解いただけると思います。



さて 本日はかなり難しい話になるのですが、
歯周病治療(SRP/スケーリング•ルートプレーニング)を行った後で
歯周病細菌は、どのように変化するのか?
ということを
一般的な歯周病(慢性歯周炎) と
進行した重度歯周炎(侵襲性歯周炎 しんしゅうせい ししゅうえん)
で比較してみていきましょう!


一般的な慢性歯周炎の場合
SRP/スケーリング•ルートプレーニングを行うことで
歯周ポケット内の細菌(歯周病細菌)の  は劇的に減少します。

しかし、
進行した重度歯周病(侵襲性歯周炎:しんしゅうせい ししゅうえん)の場合、
通常のSRP/スケーリング•ルートプレーニングを行うと 
細菌の  は減るものの、
治療後、約4週間程度で 
細菌叢(細菌の割合:比率)は元に戻ってしまうことが
多くの研究論文で分かっています。

つまり、進行した重度歯周病(侵襲性歯周炎)では、
歯周病治療後に 細菌のは減ってはいくものの 
毒性の強い細菌の割合(比率)は 大幅には変化しないのです。


ここで重要なポイントは、毒性の強い歯周病細菌です。
これは後で解説します。


以下は、慢性歯周炎(一般的な歯周炎) と 
重度歯周炎(侵襲性歯周炎) に対して
歯周病治療( SRP ) を行った後の 
歯周病細菌の変化(細菌の比率:割合)をみたデータの一つです。
スライド1

図が見にくくてすみません。
図をクリックすると拡大して見られます。

P.g. 菌(オレンジ色) と 
P.i.菌(紫色) と 
T.f.菌(緑色)は、
先に解説しました毒性の強い歯周病細菌です。

この細菌が存在する場合、歯周病が進行していると言えます。

治療前には 慢性歯周炎 と 
侵襲性歯周炎 
ともに 毒性の強い 
P.g. 菌 が認められます。

このP.g. 菌比率が多いと
治りにくい歯周病と言えます。


歯周病治療後(SRP後)、
慢性歯周炎では、
毒性の強い細菌 P.g. 菌 の減少(細菌の比率)が認められますが、

侵襲性歯周炎の場合、
治療後に毒性の強い細菌 P.g. 菌 の割合に
変化がないことが分かるかと思います。
(悪性度の高い細菌比率が変化していない)

再度図を掲載します。
スライド1




ちょっと難しい言葉が出てきましたので 分かりにくかったかと思います。


本日のポイントは、
P.g. 菌 は毒性の強い細菌 であり、
このP.g. 菌の割合が多いと
進行した重度歯周炎(侵襲性歯周炎)と言えます。

また、
進行した重度歯周炎(侵襲性歯周炎)では、
歯周病治療(SRP/スケーリング•ルートプレーニング)を行うことで
歯周ポケット内の細菌(歯周病細菌)のは劇的に減少します。

細菌の数は減るのです。

しかし、歯周病細菌の比率の変化は少ないのです。

進行した重度歯周炎(侵襲性歯周炎)は、
毒性の強いP.g. 菌 が多いので、
この残った細菌が歯周病の再発を起こすのです。

侵襲性歯周炎
しんしゅうせい ししゅうえん
と読みます。



本日のブログはこれで終了です。

次回(10月6日は、歯周病ブログは休みです)のブログも本日の続きです。

まだまだ続くこのシリーズです。






このブログが始まって以来 毎週月曜日にアップしていましたが、
今年の4月から毎週 大学で講義を行うことになったため、
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2014年9月22日

短期集中 歯周病治療 プログラム FMD( Full Mouth Disinfection ):その1

2014年 9月22日(月曜日)です。

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詳細は、以下をご覧になって下さい。
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今日から新しいシリーズを開始します。


今日のテーマは、
『短期集中 歯周病治療 プログラム FMD( Full Mouth Disinfection ):その1』
になります。


始めに:歯周病についての一般的な知識を学ぶ

私自身 歯周病専門医として、長く歯周病治療に携わってきました。

歯周病は軽度であれば、 
さほど治療回数も少なく(短期間)で 簡単に治療を終了することが可能です。

しかし、進行した重度歯周病(侵襲性歯周炎)であった場合には、
治療回数も多く(長期間)なることが多いです。

歯周病になると歯を支えている骨が吸収してきます。
shimiru_01


歯肉の中には、汚れ(歯石 等)が歯の根に強固にくっついています。
スライド1

 
この歯石や汚れを取る 歯周病の治療として、
「SRP(scaling root planning)/スケーリング•ルートプレーニング」
という治療法があります。

歯周病治療の基本中の基本です。
 
「SRP(scaling root planning)/スケーリング•ルートプレーニング」 とは、
歯の歯肉の隙間(歯周ポケット)に器具を挿入し、
歯肉の内部に侵入した汚れ(歯石) や 細菌を取り除く治療です。


以下の写真のような方法です。

66543332


スライド1



一般的な歯周病治療が分かったところで
今回の本題に入ります。


1.FMDによる歯周病治療とはなにか?

通常 保険診療で行う 「SRP/スケーリング•ルートプレーニング」 にかかる治療時間は、
一度に行う歯数 や 部位(前歯か奥歯か)、
歯周病の進行程度 等に よっても大きく変わりますが、
約30〜60分程度です。

この治療を約4〜6回に分けて行うのが一般的です。
(歯の残っている数等によっても変わります)

もし、1週間に1回の来院が可能であったとしても
6回に分けて「SRP/スケーリング•ルートプレーニング」 を行った場合には、
1ヶ月半の治療期間がかかります。

もちろんこれは、「SRP/スケーリング•ルートプレーニング」 だけにかかる治療期間のことです。

もし、連続して通院が難しい場合で、2〜3週間に1回の通院であった場合には、
口腔内全ての「SRP/スケーリング•ルートプレーニング」を行うためには
約3ヶ月かかることになります。

こうしたことは、治療回数が長くかかるという問題だけでなく、
進行した重度歯周病(侵襲性歯周炎:しんしゅうせい ししゅうえん)の場合、
治療効果にも大きな影響を及ぼす可能性があります。

侵襲性歯周炎 という言葉は、今後 このシリーズでよく出てきますので
覚えておいて下さい。

侵襲性歯周炎とは、毒性の強い歯周病細菌による感染で
若い方で起こっていることがあり、
家族間から感染が起こることが多いです。


4〜6回に分けて行う 一般的な歯周病治療の場合、
最初(1回目)に 「SRP/スケーリング•ルートプレーニング」 を行った部位では
当然 感染(歯周病細菌)は減少します。

しかし、まだ 歯周病治療を行っていない部位では、歯周病細菌が残っているわけですから
そこから 最初にSRPを行った部位に再度感染が起こってしまうのです。
歯周病細菌の転移(伝播:でんぱ)が起こるのです。

歯周病細菌は、移っていくのです。

感染症ですから…

そのため、進行した重度歯周病の場合(侵襲性歯周炎)の場合、
「SRP/スケーリング•ルートプレーニング」
短期間で治療を行うことで効果があると言えるのです。


そこで 短期間(1日 もしくは 数回に分けて)で全ての歯周病に感染した歯に対して、
「SRP/スケーリング•ルートプレーニング」を行うことで
歯周病細菌を他の歯に転移させないようにする治療方法を
F M D Full Mouth Disinfection)法と言います。

本日のブログは、ここまです。

F M D がどのような治療法であるかが多少分かったかと思います。


次回のブログからは、さらに詳細な内容になります。

このシリーズは、おそらく5〜6回程度に分けて解説する予定です。
もしかすると もっと長くなるかもしれませんが、

進行した歯周病である方にとっては、
大変参考になる話となりますので、
是非ご覧になって下さい。







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2014年9月8日

噛みしめ・くいしばりを防ぐために:TCH(上下の歯の接触癖)

2014年 9月 8日(月曜日)です。

このブログは、歯周病に関するブログです。

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詳細は、以下をご覧になって下さい。
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休診案内
9月23日(火)は、秋分の日のため休診となります。



今日のテーマは、『噛みしめ・くいしばりを防ぐために:TCH(上下の歯の接触癖)』になります。


暫くの間、歯周病の話ではなく
「なぜ 金属の詰め物は 取れるのか?:虫歯治療で行う 金属治療 の問題点!」
という内容で12回に分けて解説してきました。

現在 この12回分の内容をまとめています。
今週末には、まとめが終わり、HPにアップする予定です。
アップは、金属アレルギー外来 にてご覧にいただけます。

アップが完了しましたら各ブログでも報告します。


さて本日の内容です。

歯周病と噛み合わせには、非常に大きな関係があります。

歯周病を悪化させる非常に大きな要因が噛み合わせです。
噛み合わせに問題がある方は、歯周病は治りにくいです。

本日は、歯周病が悪化させる 噛みしめ や くししばり といったことを解説します。

また、この「噛みしめ や くいしばり」は、顎関節症にとっても重要なことです。


今日のブログのキーワードは、「TCH」です。

TCHってなんだろう?

こうしたことから解説していきたいと思います。


上下顎の歯が接触する時間は、1日の中で20分以下と言われています。

通常 上下顎の歯が接触するのは、
物を噛む時(咀嚼:そしゃく)と
飲み込む時(嚥下:えんげ) 、
会話時  等 に
瞬間的に触れるだけなのです。

それ以外の時間帯では、上下顎の歯が触れることは基本的にありません。

しかし、上記以外でも上下顎の歯が接触することがある場合があります。

その一つが 噛みしめ歯ぎしり 等の習癖です。

また、本を読んだり、パソコン 等 下を向く動作が多い方では、
上下顎の歯が自然に接触する機会が多くあります。

他にもスポーツ、車の運転、料理、洗髪、
「黙って集中して作業する行為」や
趣味に没頭する時 等
でも歯を接触させる機会があります。

さらに 緊張状態が続く方では、日常から歯を接触させる行為が続くことがあります。

上下顎の歯が触れない状態「安静位」と言います。

本来 咀嚼時、嚥下時、会話 等で上下顎が瞬間的に触れる以外には、
この「安静位」を保つことが重要です。

例え 強く噛んでいなくても 
上下顎の歯が触れると 口を閉じる筋肉(閉口筋)は働きます。

上下顎の歯が触れている間は、筋肉が働き続けるのです。

こうした歯の接触時間が長くなれば、なるほど筋肉は疲労してきます。

また、口を閉じる筋肉(閉口筋)が働くと、
顎の関節は上方に押さえつけられるので、顎関節の血流循環が悪くなります。

このことを例えると 
正座を長時間すると足がしびれることと同じようなことが起こっているのです。


こうした無意識中の歯の接触を
T C H( Tooth Contacting Habit ):歯列接触癖」と言います。

ここで本日のキーワードが出てきました。

TCHは、東京医科歯科大学の木野先生らのグループが発表したことです。

東京医科歯科大学の顎関節治療部は、
顎関節症で悩む患者さんが年間2.000人以上来院する世界でも有数の顎関節治療医療機関であり、
長年の臨床研究から
多くの顎関節症状のある方にT C Hの改善治療を行った結果、
非常に高い効果があったことが実証されています。

また、T C Hが生じると 顎関節部に問題が起こるだけでなく、
歯は摩耗(歯がすり減る)し、
知覚過敏症が起こったり、
歯自体にダメージが加わりダメ(咬合性外傷)になったり、
神経のない歯では折れる(歯根破折)ことが起こりやすくなります。

食いしばり や 歯ぎしり 等 のことを専門用語で「ブラキシズム」と言います。

T C H も ブラキシズムの一種ですが、
食いしばりとの大きな違いは、噛む力の大きさ(強さ)と自覚の有無です。

最大咬合力の約70〜80%の力で噛む(食いしばる)ことで
「噛んでいる」と自覚します。

通常 自覚のある 食いしばり の場合には、自覚した時点で噛むことを止めます。
また、筋肉自体も疲労するために、あまり長時間におよぶことはありません。

それに対してT C H は、単に歯が接触するだけですので、
噛む力の大きさ(強さ)は弱いです。
弱い力のために、自覚することが非常に少ないのです。

しかし、弱い力でも長時間作用すると顎関節部 や 歯 に問題が起こります。
こうした長時間の弱い力の方で問題が起こっている方が多いことが分かっています。

T C Hの治療(改善方法)として、
認知行動療法を応用したリマインダー法
(TCHを行っているが確認する合図を設定する方法)が有効とされています。

治療法については、
患者様の症状によっても対応が違いますので、
通院されている歯科医院があれば、担当医に聞いて下さい。

私自身、
認知行動療法を応用したリマインダー法は非常有効な方法であると実感しています。



来週の月曜日(9月15日)は、祝日ですので、
このブログも休みです。

次回のブログは、9月22日(月)になります。




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2014年9月1日

なぜ 金属の詰め物は 取れるのか?:虫歯治療で行う 金属治療 の問題点!:その12

2014年 9月 1日(月曜日)です。

このブログは、歯周病に関するブログです。

始めにお知らせです。
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現在は歯周病の内容ではなく、
オールセラミックの接着方法について解説しています。



今日のテーマは、
『なぜ 金属の詰め物は 取れるのか?:虫歯治療で行う 金属治療 の問題点!:その12』
になります。


本日も前回と同様に金属アレルギーの患者様の症例になります。

一般的に口腔内に金属の詰め物や被せ物がある場合、
金属を撤去し、オールセラミック治療を行います。

金属の詰め物が小さい場合には、コンポジットレジン(CR)という治療でも
金属治療を回避することができます。

これらの症例については、前回のブログをご覧になっていただければと思います。
前回と同じ写真にはなりますが、以下が治療前治療後です。

治療前
スライド1


治療後
スライド1



それでは、歯が欠損している場合で、
義歯(入れ歯)を使用されている場合には、どうなるのでしょうか?

欠損部を治療する場合、
義歯(入れ歯)以外にも インプラント治療を行い、
被せ物をオールセラミックにすることで、対応させることも可能です。
もちろん義歯ではなくなりますので、
快適にもなります。

インプラントに使用される材質は、チタンです。
チタンは、アレルギーが起こる可能性が非常に低い金属です。

しかし、チタンが100%金属アレルギーを起こさないかと言いますと
そうではありません。

実際にチタンで金属アレルギーが起こったという報告もあります。

もちろん治療前に金属アレルギー検査を行い、
チタンに問題があるかどうかを検査し、
問題がないと判断された場合には、
インプラント治療を選択されることが良いでしょう。

しかし、歯が欠損している部位があっても
患者様ご自身がインプラント治療をご希望されなかったり、

インプラント治療費の問題があったり、

全身疾患の問題 や 現在服用されている薬の問題 等により、
インプラント手術が難しい場合もあります。

また、インプラント治療は、顎の骨の中にチタン製のネジを埋め込む治療です。

そのため、治療が問題なく行えるかは、
ネジ(インプラント)を埋め込むための 骨の状態に大きく左右されます。

例えば、
歯周病を長く放置した後で抜歯した場合 や
歯が欠損した状態が長くあった後で抜歯した場合 や
歯の根が折れた(歯根破折)した状態が長く放置した後で抜歯した場合 
等 では、骨の吸収が起こっている場合があります。

この骨吸収が大きい場合には、
インプラント治療が困難になる場合もあります。

こうしたことからインプラント治療以外の方法で
欠損部を治療することになります。

金属アレルギーの方では
欠損部がある場合には、
インプラント以外の治療方法では、
ブリッジ(オールセラミックブリッジ) もしくは 義歯になります。

ブリッジが適応されない場合には、
はやり義歯しかありません。

しかし義歯(部分入れ歯)の場合、金属アレルギーの方では問題が起こります。

部分入れ歯では、義歯を維持させるために、金属製の金具が付きます。

以下の写真が金属製の金具が付いた義歯です。
部分入れ歯


一般的な義歯は、このような金具が付きます。
金具は審美的にも問題を生じます。

そのため、金属の金具が付かない義歯を作製することが
金属アレルギーの患者様にとって必要になります。

金属製の金具のない義歯のことを
ノンクラスプ デンチャーと言います。


本日は、そのような方の症例(オールセラミック治療 と ノンクラスプ デンチャー)をアップします。

以下が初診時です。
18写真1


上顎左右の奥歯 と 下顎左右奥歯が欠損しています。
残っている歯にも金属製の被せ物が装着されています。

多くの被せ物は、セラミックと言われる素材です。

「セラミックは、金属でないのでは?」
と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、
通常「セラミック」と言われる素材は、
表面(見えている部分)は、白い(セラミック)ですが、
内部は金属でできています。

以下の
左側がオールセラミック
右側がセラミックです。
セラミックの比較


セラミックの正式名称は、
陶材焼き付け鋳造冠(メタルボンド)と言います。

金属製のフレームにセラミックを焼き付けて作製されています。

そのため、金属アレルギーの方では、
こうしたセラミックを撤去し、
オールセラミックに変更することが必要になります。
赤丸印が再製が必要な部分です。
18写真2


以下が治療後です。
18写真3


欠損部にはノンクラスプ デンチャーを作製しました。
18写真4




ノンクラスプ デンチャーの詳細については以下をご覧になって下さい。
    審美性の高い 金具なしの義歯(ノン・クラスプ・デンチャー)



このように金属アレルギーの方では、
さまざまな治療方法で口腔内から金属を撤去します。


治療費
オールセラミック 1歯:54.000円(消費税込)

ノンクラスプ デンチャー 
片側だけの場合   :108.000(消費税込)
両側にまたがる場合 :129.600(消費税込)

*現時点での消費税率です。

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2014年8月19日

なぜ 金属の詰め物は 取れるのか?:虫歯治療で行う 金属治療 の問題点!:その11

2014年 8月18日(月曜日)です。

このブログは、歯周病に関するブログです。

現在は歯周病の内容ではなく、
オールセラミックの接着方法について解説しています。


今日のテーマは、
『なぜ 金属の詰め物は 取れるのか?:虫歯治療で行う 金属治療 の問題点!:その11』になります。

もう このテーマも11回目をむかえました。


このシリーズを全て見られた方は、だいぶ
『なぜ 金属の詰め物は 取れるのか?:虫歯治療で行う 金属治療 の問題点』
についてお分かりになってきたと思います。

現在 これまでのシリーズをまとめてHPにアップする準備をしています。
「金属アレルギー外来」のページにアップします。

アップが完了しましたら
ブログでも報告しますので、ご覧になって下さい。

本日は、症例(ビフォーアフター )報告です。

主訴は、金属アレルギーのため、口腔内金属を全て撤去し、オールセラミック治療を行いたいとの
ことで来院しました。

以下は初診時の口腔内写真(写真1)です。
スライド1


上下顎 左右側 ともに 多くの歯で金属製の詰め物や被せ物が装着してあります。

奥歯のみが噛み合っており、上下顎の前歯が噛み合っていないオープンバイトという状態です。

上顎右側の奥から4番目の歯は、白い状態に見えますが、これは仮歯のままです。


治療計画

まず下顎です。
小さい金属製の詰め物は、コンポジットレジン(CR)●印 
という樹脂を詰める治療を行う計画を立てました。

コンポジットレジン(CR)利点は、
1.保険が適応されますので患者様の治療費負担は少ない治療法です。
2.1回の治療で終了できます。
3.基本的に金属を撤去するだけなので、歯を必要以上に削る必要はありません。
   *大きさにより違いますが 3割負担の方で約1.000円です
   *2014年保険診療計算で初診料やレントゲン等の検査は含まれません
   *噛み合わせ等によりCRが適応されない方もいらっしゃいます

コンポジットレジン(CR)欠点は、
1.強度は比較的弱いので、上下顎がしっかりと噛む場所では不適です。
2.また、金属部分が大きい部位でも不適です。
3.セラミックと比較すると変色を起こします。

次に上顎です。
オープンバイト(前歯は噛み合ずに奥歯のみが噛み合っている)のため、
強度を重要視して金属部分撤去後は、
全てオールセラミック治療を行う計画を立てました。
●印はオールセラミックの部分的な詰め物、
●印は全体的に被せるオールセラミックです。
スライド2



治療経過です。
下顎左側の奥歯です。
この部分は、少し前のブログでもアップしました。
コンポジットレジン(CR)による治療です。
健康保険が適応されるのも利点ですね。
下顎左側の*印の歯の治療ステップを見てみましょう。
スライド3


ステップ 1:治療前
スライド4



ステップ 2:金属を除去
金属片が口腔内に飛び散らないようにゴムのシート(ラバーダム)を装着し、
金属片および虫歯も除去
スライド5



ステップ3:CR充填後
スライド6



ステップ 4:治療後
スライド7

削った穴につめたCRをきれいに研磨し、終了です。



次に上顎左側の奥歯です。
*印の歯の治療ステップを見てみましょう。
スライド8



ステップ 1:治療前
スライド9



ステップ 2:金属を除去
スライド10

金属片が口腔内に飛び散らないようにゴムのシート(ラバーダム)を装着します。
削ると金属片が飛び散っているのが分かるかと思います。
ラバーダムがなければ大変なことに…


ステップ 3:オールセラミック装着後
スライド11



次に上顎右側です。
*印の歯の治療ステップを見てみましょう。
スライド12



ステップ 1:治療前
スライド13



ステップ 2:金属を除去
スライド14

金属片が口腔内に飛び散らないようにゴムのシート(ラバーダム)を装着します。
削ると金属片が飛び散っているのが分かるかと思います。
ラバーダムがなければ大変なことに…
一番奥歯はCRです。


ステップ 3:オールセラミック装着後
スライド15



以下は、治療後の上下顎の写真です。

治療前
スライド1



治療後
スライド1



次回のブログは、9月1日(月)になります。
8月はいろいろなところで発表があり、ちょっと忙しくなるので…



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