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2013年11月25日

金属アレルギーの話 8回目:口腔内金属の除去方法

2013年11月25日(月曜日)です。

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このブログは、歯周病に関するブログです。
毎週月曜日 にアップしています。

現在は歯周病に関する内容ではなく、
金属アレルギーについて掲載しています。


今日のテーマは、『金属アレルギーの話 8回目:口腔内金属の除去方法』になります。


金属アレルギーと診断された場合には、口腔内金属を撤去することになります。
しかし、この金属の撤去が大変なのです。
小さな詰め物、
大きな金属の被せ物、
ブリッジのような大きな物でもそうですが、
接着剤で強固にくっついているため、
取り外すことは非常に大変なのです。

被せ物のようなタイプは、切れ目を入れてから撤去することも多いですが、
小さい金属製の詰め物であれば、そのまま削り取ってしまうこともあります。

この金属製の詰め物 や 被せ物を除去(撤去)する際に問題が起こります。

金属を口腔内で削ることで、多量の削りかす(削片)が飛び散ります。
削った金属片は、粘膜 や 歯肉、舌に付着するだけでなく、
飲み込むこともあります。

こうしたことで、金属アレルギーの症状を悪化させることがあります。
(フレアーアップ)

また、金属を削った削片は 非常に細かいため、
イオン化しやすいことも問題です。

ただし、こうしたことで起こる症状(フレアーアップ)は、
一時的なことであり、ほとんどの場合は心配いりません。

こうした口腔内金属を撤去する際の問題点を解決するために
「ラバーダム」という装置を使用して金属を撤去します。

ラバーダムは、ゴムのシートのことです。
このゴムのシートを歯につけて口腔内に金属の削片が飛び散らないようにします。

実際に模型を使用した写真で見てみましょう。

左側は奥から2番目の歯に作製した金属製の被せ物です。
この部分にラバーダムを装着したのが
右側の写真です。
緑色の部分がゴム製でできた シート(ラバーダムシート)です。
治療対象となる歯が周囲の歯以外は、ゴムのシートの下(中)にして
削った金属削片が口腔内に飛び散らないようにします。
8


また、口腔内に見える金属だけが問題なのではありません。

歯科材料に含まれる金属成分は、
金属製の詰め物 や 被せ物以外にも さまざまな材料で使用されています。

その一つが「コア」という土台です。
神経のない歯には、『土台』というものが装着されています。

専門用語で『コア』と言います。

神経のない歯は、まず『コア』を作製し、
その上に『セラミック』等の
被せ物を行うことになります。

コアの説明をする前に虫歯が深い場合などで
歯の神経を取る治療(抜随)についての説明から始めたいと思います。

下図1― aは、虫歯がない健康状態の歯です。
下図1−b は虫歯が大きく(深く)神経まで達した状態です。
   
虫歯が神経に触れていたり、                 
虫歯により強い痛みが起こっている場合には         
神経を取る治療が必要になります。
                      
神経を取り除く治療のことを『抜随』と言います。

下図1−c は、虫歯を削り取った時点で神経と接していたため、  
神経を取り除いた後の状態です。

歯は大きく削られているのが分かります。
このままでは 噛むこともできませんし、
歯(差し歯)を作製することもできません。
8−1img01



そこで 虫歯で削った部分を補うため と           
薄くなった歯を補強し、被せ物を作製するために、       
コアを作製します。
8−2img02


下図3がコア(コア自体)です。

このコアはあくまでも『土台』であり、
被せ物(差し歯)ではありません。

最終的な被せ物(差し歯)は、
この『コア』を装着した後に型を取り装着します。

8−3img03



以前の治療では、 この『コア』の材質は金属が多く使用されてきました。
特に保険診療においては『銀合金』のコアが多用されてきました。

現在は、金属を使用しない「ファイバーコア」が使用されるようになっています。

以下の図は、コアを歯につけたところです。
8−4img04



最終的な被せ物(差し歯)はコアを装着した後に型を取ります。

下図5になります。
8−5img05



これで「コア」についてだいぶ分かったかと思います。

話は長くなりましたが、このコアが金属製である可能性があるのです。

特に だいぶ前に治療を行われた場合や
保険診療の治療ではこの金属製のコアが使用されている可能性が高いです。

また、セラミックの被せ物を行っていたとしても、中の土台(コア)は金属製の可能性があります(可能性が高い)。

また、通常セラミックと言われる被せ物の素材は、
オールセラミックのことではなく、
見えない内部(内側)は金属製です。
一般的に言われるセラミックの日本語の名称は、
陶材焼付金属冠(金属陶材焼付冠)と言います。
金属のフレームに瀬戸物を焼き付けて作製されているため、
内部には金属が使用されているのです。

このように口腔内に使用されている金属は、口腔内から見える部分に存在するだけでなく、歯の中(金属製のコア)や セラミックの内部にも使用されているのです。

金属アレルギーに陽性反応があり、
口腔内金属を撤去する場合には、こうした見えない部分の金属も全て撤去する必要性があるのです。


オールセラミックモニター募集
現在金属アレルギーに関するHPを作製中です。
そのHPに掲載する臨床例を集めています。
そこでオールセラミックモニターを募集しています。
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次回のブログは、12月 2日(月)になります。



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2013年11月18日

金属アレルギーの話 7回目:金属アレルギー検査

2013年11月18日(月曜日)です。

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現在は歯周病に関する内容ではなく、
暫くの間 金属アレルギーについて掲載しています。

今日のテーマは、『金属アレルギーの話 7回目:金属アレルギー検査』になります。


口腔内によく口内炎ができる
金属の詰め物 や ブリッジ 等に触れる粘膜が赤くなっている
手や足、全身にアレルギー症状があったので皮膚科で治療を行って治療を行っているが治らない
等で
もしかしたら「金属アレルギーでは?」
と考えられている方もいらっしゃるかと思います。

また、歯科治療を行うにあたり、
金属製の材質を使用すると言われているが、
金属アレルギーかもしれないので心配されている方もいらっしゃいます。

金属アレルギーを疑った場合、
どこで検査すれば良いのでしょうか?
また、どのような検査があるのでしょうか?
また、検査費用はどれくらいかかるのでしょうか?

この項では、こうした内容を解説します。

1.パッチテスト
金属アレルギーを疑う場合、まず行われる検査が「パッチテスト」です。

この検査は、金属アレルギーの可能性の高い十数種類を対象とし、
金属を溶かした水溶液を 1滴ずつ 特殊な絆創膏に垂らして、皮膚に貼ります。
一般的に背中に貼ることが多いです。
この絆創膏は48時間そのままにします。
48時間後に絆創膏を剥がし、
それぞれの 金属溶液を垂らした絆創膏に触れた皮膚が
発赤(ほっせき)していたり、
水泡(すいほう)ができていたり
していれば その金属に陽性(アレルギー反応がある)と判断されます。
しかし、48時間後に陽性(発赤 等の問題が起こっていなくても)でなくても
72時間後 や それ以上 期間が経過した後で陽性と判断されることもあります。
スライド1










パッチテストの問題点!
陽性反応がでれば、その金属にアレルギー反応があることが判断できますが、
仮に陰性(パッチテストで発赤 等の反応がない)であったとしても
絶対にその金属にアレルギーの問題がないとは言い切れないのです。
(偽陰性と言います)

パッチテストの注意点

a. パッチテスト中(2日間)は、入浴は控えていただきます
  パッチテスト部が濡れない状態であれば、洗髪や下半身のシャワーは可能です。

b. スポーツ 等で汗をかくことでも 判定結果に影響が及びますので禁止です。

c. 暑い時期(夏期)にはパッチテスト自体を行うことが難しいこともあります。

d. パッチテスト中には、かゆみを伴うことがありますが、
掻いてしまうと判定が困難になることがありますので注意が必要です。

e. 金属アレルギーが疑われる方の場合、
ステロイド剤 や 抗ヒスタミン剤 等の炎症を抑える薬を使用されているこ
とがありますが、パッチテスト中は使用を中断していただきます。

d. パッチテストによる 皮膚の発赤 や 水泡の程度には個人差がありますが、
稀に強く起こることがあります。
この場合には皮膚に生じる跡が暫く残ることがあります。(6〜12ヶ月間)
こうしたことからもあまり目立たない部位に絆創膏を貼ることが必要です。
  (基本的に背中に貼ります)

パッチテストはどこで受けられるか?
皮膚科です。
しかし、どこの皮膚科でも対応可能ということではありません。
アレルギー外来をかかげている皮膚科や
金属アレルギー外来を受けられることが必要です。
来院前にHPや電話でご確認をされて下さい。

パッチテストの治療費は?
健康保険が適応されます。
健康保険3割負担の方の場合で 約1.300円
*初診料、再診料は含まれていません パッチテストのみの費用です。
*上記は2013年時点の保険費用であり、保険改正によりかわります。
*詳細は、受診されるアレルギー外来にお問い合わせ下さい。



2.リンパ球幼弱化試験
この検査は、採取した血液から 白血球の一種であるリンパ球に
疑われる金属(金属アレルギーの可能性のある金属)を混合して
リンパ球に形態変化が起こることをみる方法です。

患者様は、採血をするだけで 試験管の中で行うため、
パッチテストのように患者様の負担は少ないです。

リンパ球幼弱化試験はどこで受けられるか?
皮膚科です。
しかし、どこの皮膚科でも対応可能ということではありません。
アレルギー外来をかかげている皮膚科や
金属アレルギー外来を受けられることが必要です。
来院前にHPや電話でご確認をされて下さい。

リンパ球幼弱化試験の治療費は?
健康保険が適応されませんので、自費診療となります。
具体的な治療費は、各 皮膚科(アレルギー外来)に問い合わせて下さい。
1検体で1万円程度とされています。


3.チャレンジテスト
金属アレルギー検査として一般的に行われるパッチテストを行っても偽陰性(本当は金属アレルギーが存在するが パッチテストでは陰性反応と判断される場合)となる場合があります。

こうした場合にご自宅でも可能な試験方法があります。

具体的には、金属アレルギーが起こりやすい食品を多量に摂取することで反応をみる方法です。

アレルギー反応が起こりやすい代表的な金属として、「ニッケル」があります。
大豆 や チョコレート は「ニッケル」が多く含まれる食品です。
こうした食品を一時的に多量に食べることで
かゆみ や 発赤 が起こるかを判断する方法です。
一般的に通常の5倍程度の量を4日間服用します。
板チョコであれば、1日に3枚程度を4日間です。

* チャレンジテストを実施される場合には、
  必ず医師の指示のもと行うことが必須です。

*症状が強く現れる可能性がありますので、十分な注意が必要です。


4.歯科治療による判断(フレアーアップ)
虫歯治療 等で 金属の被せ物 等を 除去すると
削った削片が口腔内に散らばります。
こうした金属片を飲み込んだり、
口腔粘膜から吸収されることで、
一時的にアレルギー症状が悪化することがあります。

悪化した場合には、金属アレルギーに陽性の可能性が高いと言えます。

実際に歯科治療で金属を除去した際に、
アレルギー症状が悪化されたことを経験された方は、
金属アレルギーの可能性があります。

アレルギー外来がある皮膚科 等でパッチテストを受けられて下さい。



次回のブログは、11月25日(月)になります。


次回は、口腔内金属の除去方法 になります。


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詳細は、以下を参考にして下さい。
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2013年11月11日

金属アレルギーの話 6回目:なぜ歯科金属はアレルギーを起こすのか?(金属がイオン化しやすい条件)

2013年11月11日(月曜日)です。

始めに年末年始の休診案内です

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金属アレルギーについて掲載しています。


今日のテーマは、
『金属アレルギーの話 6回目:なぜ歯科金属はアレルギーを起こすのか?(金属がイオン化しやすい条件)』になります。

口腔内で使用する金属によるアレルギーは、
ピアス等の装飾品を使用したり、
金属製のベルトなどが皮膚に触れることで起こるアレルギーとは違い、
通常 すぐに(即効性)問題が起こるわけではありません。
時間が経って症状が起こることがほとんどです。

人によっては、何年、何十年後に金属アレルギー症状が発症することもあります。

もちろん 口腔内に金属があっても
臨床的に問題が起こっていない方の方が多いのも事実です。
日本人でむし歯治療を経験された人のほとんどが
口腔内に金属を使用しています。

つまり、口腔内に金属を使用したからといって
必ず金属アレルギーが起こるわけではありません。

個人差が非常に大きいのです。

こうした 金属アレルギーの症状を患者様に説明する際に、
以下のように説明をすることがあります。

「コップ」を人間の身体、
「水」をアレルギーとなる物質
とします。

「コップ」に「水」を注ぎます。
コップが小さいと 水を少し入れただけでも 
「水」はすぐに溢れてしまいます。
この溢れた状態が「金属アレルギー」が発症した状態です。

「コップ」が大きければ、ある程度「水」を入れても溢れません。

しかし、「コップ」がいくら大きくても
注ぐ「水」の量が 大量に注がれた場合には、
「水」はすぐに溢れてしまいます。

「コップ」が非常に小さければ、
注ぐ「水」の量が極端に少なくても
「コップ」からすぐに「水」が溢れてしまいます。

金属アレルギーが発症する方は、
もちろん金属に触れることが前提となりますが、
「コップ」つまり、生体の許容量の大きさにもよります。

「コップ」の大きさは、人によって大きく変わります。
子供 と 大人でも違いますし、
全身的な状態や
生活環境によっても変わってきます。
体調が不良であったり、
睡眠不足が続いたり、
ストレスが続いたり、
食生活が乱れたり、
等 さまざまなことで「コップ」の大きさは変わってきます。

もちろん「コップ」を大きくすることも大切ですが、
「コップ」に入れる「水」の量を少なくすることが大切です。

「水」を「コップ」に入れない、
「コップ」に入れる「水」の量を少なくすること
が大切なのです。
つまり、
金属アレルギーの原因を
身体に入れないことが重要なのです。

さて話は、この項のテーマに戻ります。
「なぜ歯科金属はアレルギーを起こすのか?(金属のイオン化)」
という話をしたいと思います。

歯科治療で行った金属が口腔内で溶け出し、
イオン化して体内に侵入していきます。

そのほとんどは、便として体外に排出されます。
しかし、3〜10%程度は腸管から吸収されます。
そして、腸管から吸収された一部は、汗の中に排出されます。

手(手のひら) や 足(足のうら)は、汗腺が多い場所なので、
こうした部位に金属アレルギーが起こりやすいのです。
(全身性金属アレルギー)


この金属がイオン化する原因として、
いくつかのことが考えられます。

一つ目は、口腔内金属の種類です。
金属には
イオン化しやすい金属
イオン化しにくい金属があります。

イオン化しやすい金属として
ニッケル、クロム、コバルト、銅、インジウム、イリジウム、パラジウム
等があります。
これらの金属は、歯科治療において汎用されています。

そのため、金属をまったく使用しない治療を行うことが最も有効ですが、
イオン化しにくい金属を使用することでも金属アレルギーのリスクを軽減できます。

イオン化しやすい金属は、口腔内の変化(phの酸性化)により溶け出しやすくなります。

ご存知かと思いますが、
ph(ペーハー、ピーエイチ)とは、酸性、アルカリ性の度合いのことです。
通常 口腔内のphは中性状態(pHは6.8〜7.0)を保っています。

Phの低下はさまざまなことで起こります。
主な原因は、食後に虫歯菌が酸性する酸(乳酸)等によりphの低下(酸性化)が起こります。

金属をイオン化させないためには、口腔内が酸性化した状態のままにしないことが重要です。

口腔内には、酸性に傾いた状態を中和させる機能(緩衝能)が備わっています。

この中和させる機能(緩衝能)が
「唾液」なのです。

具体的には、唾液中の重炭酸塩 や リン酸塩 が酸性に傾いたpHを中性に戻してくれます。


食後直後から口腔内は酸性に傾きます。

しかし、唾液の緩衝能により約30分で中性に回復してきます。

唾液の分泌が少ない人であったり、
唾液の緩衝能が低い人であれば、
酸性に傾いたままになってしまいます。

間食が多い人 や 加糖入り飲料を食間に好む方は、
pHが酸性状態に傾いた状態のままとなってしまいます。

また、口腔内を酸性化させないためには、食後すぐに歯磨きをしない方が良いでしょう。
この理由として、
歯を磨き後に「うがい」をすることで、
食事の際に出た唾液を喪失してしまうからです。
食事直後には、ガムを噛む等で唾液分泌を促進させることも
口腔内を酸性化させない方法と言えます。

次に金属がイオン化しやすい条件として
「ガルバニー電流(ガルバニック電流)」の存在があります。
「ガルバニー電流」とは、金、銀、アマルガム(水銀合金)など
2種類以上の金属が口腔内に存在する場合、
そのイオン化の違いにより唾液を介して流れる電流のことです。

「ガルバニー電流」の例として、
金属製のスプーンを口に入れると なにか変な味がしたり、
金属製の物を噛むと 変な感じがすることがあります。
これが「ガルバニー電流」なのです。

「ガルバニー電流」は、イタリアのルイージ・ガルヴァニ博士が
研究のためのカエルの足が金属に触れることで痙攣(けいれん)を起こすことを偶然に発見したことで名づけられた現象です。

この「ガルバニー電流」が流れると
金属が腐食しやすくなり、
金属がイオン化しやすくなります。

また、歯ぎしり や 食いしばり 等による 物理的な噛み合わせの問題によっても 金属の摩耗が起こり、イオン化しやすくなります。



次回のブログは、11月18日(月)になります。


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2013年11月4日

金属アレルギーの話 5回目:全身に起こる金属アレルギーの症状

2013年11月4日(月曜日)です。

このブログは、歯周病に関するブログです。
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今日のテーマは、『『金属アレルギーの話 5回目:全身に起こる金属アレルギーの症状』になります。

歯科治療における金属アレルギーには
「局所性金属アレルギー」

「全身性金属アレルギー」
があります。


「局所性金属アレルギー」とは、
ピアス 等 直接金属が触れた部位で起こる金属アレルギーのことです。

それに対して、
「全身性金属アレルギー」とは、
歯科治療で使用された金属がイオン化し(溶け出して)体内に吸収された結果、
離れた場所である 
手 や 足 等に起こるアレルギー反応です。

なぜ 口腔内の金属が 口腔内とは関係のない
手 や 足に金属アレルギーの症状が起こるのかと言いますと
口腔内にある金属が唾液 や 口腔内の酸性状態が続いたり、
噛み合わせ や
ガルバニー電流が生じることで
イオン化し、体内に侵入していきます。

そのほとんどは、便として体外に排出されます。
しかし、3〜10%程度は腸管から吸収されます。
そして、腸管から吸収された一部は、汗の中に排出されるのです。

手(手のひら) や 足(足のうら)は、
汗腺が多い場所なので、
全身性金属アレルギーが起こりやすいのです。

全身性金属アレルギーにさまざまな症状があります。
水泡(すいほう)ができたり、
湿疹(しっしん)であったり、
蕁麻疹(じんましん)のような状態であたり、
赤く腫れ上がったり
といろいろな病態がありますが、
通常こうした症状が現れると「皮膚科」を受診します。

手に湿疹 等の症状がでれば、日常触れる機会のある洗剤 等の化学製品を疑うこともあります。
ステロイド剤を処方されるかもしれません。

赤く腫れ、痒ければ 「虫さされ」 と指摘されるかもしれません。
抗ヒスタミン剤(かゆみ止め)の処方があるかもしれません。

足に湿疹 等がでれば、水虫を疑うこともあるかもしれません。

実際に皮膚科疾患の中には、なかなか原因が特定できないこともあるようです。

しかし、上記のような症状は、金属アレルギーでも発症するのです。

そのため、ステロイド剤 等 を使用し始めた頃には症状は軽減したが、
次第に効かなくなったり、
症状の改善が認められずに何年も期間が経過した方で
口腔内の金属を除去することで症状が改善する場合があるのです。

しかし、金属アレルギー と アレルギー疾患 を確実に結びつける根拠は少なく、金属アレルギー検査である「パッチテスト」で陽性と判断された金属を
口腔内から撤去しても症状が改善しないケースもあるのも事実です。

金属アレルギーに見識が少ない先生であれば、
手 や 足、全身に生じる 皮膚疾患が
まさか 金属が原因と思わないこともあります。

実際に金属アレルギーを疑わない皮膚科医もいるようで、ステロイド剤を何年も使用したが、治らないので患者様ご自身が金属アレルギーではないかと不安になり、歯科医院を受診されるケースもあります。

何年も皮膚疾患で悩まれている方は、
一度金属アレルギー検査を受けられてみることも一つの方法です。

現在金属アレルギーと最も因果関係の高いと言われているが
「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)」
という皮膚疾患です。



次回のブログは、11月11日(月)になります。

次回のテーマは、
「なぜ歯科金属はアレルギーを起こすのか?(金属がイオン化しやすい条件)」
という内容で解説したいと思います。

お楽しみに!




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今後も多くの患者様に支持されるよう スタッフともどもがんばってきたいと思います。

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  オリコン2012年 インプラント治療の丁寧さ部門: 10位
  
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2013年10月28日

金属アレルギーの話 4回目:金属アレルギーを起こしやすい金属(重金属)

2013年10月28日(月曜日)です。

このブログは、歯周病に関するブログです。
毎週月曜日 にアップしています。
現在は、歯周病の話ではなく「金属アレルギー」の話をシリーズで解説しています。

今日のテーマは、『金属アレルギーの話 4回目:金属アレルギーを起こしやすい金属(重金属)』になります。


先週は、金属アレルギーを起こしやすい金属として、
1. ニッケル
2. クロム
3. コバルト
4. 銀
5. 銅
6. インジウム
7. イリジウム

という 7種類の金属の特徴や問題点 等を解説しました。

本日は、
8. 亜鉛
9. パラジウム
10. 金
11. チタン

という4種類の金属について解説します。

8.亜鉛
亜鉛は、牡蠣、チーズ、レバー、卵黄 等に多く含まれています。
亜鉛は生体の必須元素です。
亜鉛が不足すると粘膜が荒れ、口内炎が生じ、味覚障害が起ることが知られています。
生体には非常に重要な金属と言えるのです。
健康な方で通常の食事取れる方には、亜鉛欠乏症は起こりませんが、
高齢で極度に食事が細い方には起こる可能性があります。
亜鉛は、生体に必須である反面、大量で高濃度は有害です。
食物による亜鉛摂取は良いのですが、工業的に作られた物の摂取(使用)は避けたいものです。
亜鉛はイオン化傾向の高い金属であり、
金属アレルギーパッチテストによる陽性率は7.3%とされています。
歯科治療で使用される銀歯(12%金銀パラジウム合金)にも微量(1%以下)ですが 使用されています。

次の金属です。

9.パラジウム
歯科治療で使用される銀歯(12%金銀パラジウム合金)の約20%に含まれています。
金属アレルギー反応が陽性となる確率の高いものです。
パラジウムにアレルギー反応がある方の多くは、ニッケルにもアレルギーを持つことが知られています。

近年では、EUを中心として、歯科治療でパラジウムを使用すること自体 問題視されており、
ドイツでは小児や妊婦に対して、
歯科治療でパラジウム合金、水銀、銅、銀アマルガムを使用しないように勧告しています。

日本の歯科医療(保険診療ではほとんどで使用されています)では、
このパラジウムは必須の材料であり、パラジウムにアレルギー反応がある方は、
基本的に金属治療は避けた方が良いでしょう。

私自身の考えとしては、将来的には日本以外の 先進国 では
パラジウムは一切使用されなくなると思います。
実際に現在海外では、パラジウムフリーが推奨されています。

それでは
何故日本ではパラジウム合金が使用されているのでしょうか?

歯科診療にパラジウムが使用された理由の一つに
口腔内に耐える硬さがあり、比較的安価であったことが挙げられます。

現在パラジウムを使用した保険適応の銀歯(12%金銀パラジウム合金)
の世界価格は高騰しており、近いうちに健康保険で作製された銀歯より、
金属をまったく使用しないオールセラミックの方が材料費が安くなるのは間違いありません。

なぜ日本の歯科医療を考える役人が
いつまでたっても金属しか認めていないのか理由が分かりません。

金属製の被せ物には確かに利点はいっぱいあります。
破損も少ないですし、長い年月作製されていたため、作製する歯科技工士も作るのに慣れています。

しかし、現在の日本の歯科医療では、
銀歯(12%金銀パラジウム合金)しか選択肢がないのも どうかと思います。

金属アレルギーの方も年々増加していると感じますし、
多くの国で金属を使用した歯科治療の問題点も多く指摘されています。

世界的な金属の高騰により材料のコストも安価とは言えません。

せめて金属アレルギー検査で陽性と診断された方は、
健康保険で金属フリーの治療が行えるようになってほしいものです。

ただし、こうしたことは金属製の治療を否定するわけではありません。
もちろん私自身も金属を使用した治療を行っています。
オールセラミックのように自費診療ではなく、
保険で対応できることも利点ですし、
歯ぎしりがあったり、噛み合わせが強い方の場合、破損するリスクが低いのも事実です。

そのため、金属を使用するのか?
金属フリーの治療を行うのか?
は、患者様の状況によって選択することが良いのです。

また、近年では破損しにくい、ジルコニア や オールセラミックも一般的な治療法として普及しています。

また、人の手ではなく コンピュター上で作製された被せ物のデータを自動で削りだし作製するセレック といわれる器械の登場で、かなり安価にオールセラミックを提供できるようにもなってきました。

当医院ではこうしたセレックを使用したオールセラミックを取り扱うようになってから今までの半額程度でオールセラミックを提供できるようになってきました。

日本の歯科保険医療も時代の流れを考えてもらいたいものです。

セレックについては、以下を参考にして下さい。

オールセラミック:セレック


次の金属の解説です。

10.金
金による金属アレルギーはないだろうと思っている方も少なくありません。

安いシルバーのピアスではアレルギーは出たが、
ゴールド(金)のピアスではアレルギーは出ないから
ゴールド(金)は大丈夫と考えられている方も多いです。

確かに金は溶けにくい性質があり、
イオン化傾向は全 金属中で最小です。

しかし、金の金属アレルギーパッチテストによる陽性率は6.8%とされ、
この数字だけをみると金によるアレルギーは高いと言えます。

また、歯科治療において金を使用した被せ物 や 詰め物をご希望される方も当然いらっしゃいますが、この歯科で使用される金は ほとんの場合 純金(24K)ではありません。

金単体(純金)であると軟らかく、加工も難しいため、ざまざまな金属が含まれています(合金)。

そのため、金属アレルギーの方でパッチテストを行ったら
金 以外に陽性反応がでたので、
金を使用した被せ物 等を希望されることがありますが、
先にも説明しましたように歯科で使用する金製品には、他の金属も含まれていますので、その含まれている金属に反応を示します。

ちなみに「ホワイトゴールド」というのがありますが、
これは 金、ニッケル、銅、亜鉛などの合金です。


次の金属の説明です。

11.チタン
チタンは、軽く、強度が強く、腐食しにくく、比較的安価のため、さまざまな製品に利用されています。

歯科治療では、インプラント治療に使用されています。

インプラントの材質として チタンが使用されている理由として、
チタンは、骨としっかりと結合(くっつく)性質を持っているからです。
これは他の金属では起こらないことです。

また チタンは、
イオン化傾向が低く、
水に溶け出しにくいため、
金属アレルギーはほとんど起こらないと言われています。

この理由として、チタンは酸素との結びつきが強く、
チタン表面に「酸化膜」という薄い皮膜を作ります。
この「酸化膜」があることで金属イオンが溶け出さないのです。

それでは チタンはまったく金属アレルギーがないのかというと
そうではありません。
チタンアレルギーは非常に稀と言われていますが、
チタンによるアレルギーは報告されています。
ご心配の場合には、事前にチタンの金属アレルギー検査を行った方が良いでしょう。


その他の問題となる金属:水銀
水銀は大問題となる金属です。
水銀というと「水俣病」を思い浮かべるのではないでしょうか?

ご存知のように 水俣病は、1956年に熊本県 水俣市で発生が確認された公害病です。

日本の化学工業会社であるチッソが海に流した廃液により引き起こされたメチル水銀化合物による水銀中毒です。

「水俣病」は、中毒性中枢神経疾患であり、
その主要な症状としては、
視力障害、聴力障害、平衡機能障害、
言語障害、手足の震え、
四肢末端優位の感覚障害、
運動失調 等があります。

症状が重篤な方では、死亡したりする例もありました。

口腔内にある金属の一部でも水銀が使用されています。

近年では使用頻度は激減していますが、ある程度の年齢以上の方の口腔内には 使用されていたのも事実です。
この水銀による問題点は重要なことですので、また別の項で詳細に解説します。




次回のブログは、11月 4日(月)になります。


次回は、「全身に起こる金属アレルギーの症状」という話をしたいと思います。

歯科治療で口腔内に使用される金属アレルギーは、
口腔内以外の部位で発症することが多いです。

手 や 足 、全身の皮膚でも起こります。

次回のブログでは、何故口腔内に使用された金属が全身に影響するのか?
という話をしたいと思います。




今月(10月)はいろいろと忙しく、
このブログ以外は、全て休みとなっています。



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2013年10月21日

金属アレルギーの話 3回目:金属アレルギーを起こしやすい金属(重金属)

2013年10月21日(月曜日)です。

始めにお知らせです。
現在、当医院の予約は非常に混み合っており、
曜日、時間帯によっては、数週間から1ヶ月先まで予約が取れない状態です。
予約をご希望の方は、できるかぎりお早めにご連絡下さい。


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現在は、歯周病の話ではなく「金属アレルギー」の話をシリーズで解説しています。

今日のテーマは、『金属アレルギーの話 3回目:金属アレルギーを起こしやすい金属(重金属)』になります。


金属アレルギーをご心配されている方や
実際に金属アレルギー症状を起こしている方は
もちろん 原因となる金属を取り除くことが必要ですが、
まず 金属アレルギーについて正しく理解することも大切です。

金属アレルギーといっても
アレルギー反応が起こりやすい金属もあれば、
アレルギー反応が起こりにくい金属もあります。

ちょっと難しい話になりますが、
中学生の頃に習った「元素周期表」という表を覚えていますか?
H(水素)、He(ヘリウム)、Li(リチウム)……といった元素が書かれている表です。
「水兵 リーベ 僕の船……」なんて覚えたことがあるかと思います。
あの元素表のことです。
この元素周期表は、
小さくて 軽いものから 大きく 重いものへ 順番に 左から右へ 上から下へ と並べられています。
この表のことを詳しく思い出すことは必要ありませんが、
金属アレルギーを起こしやすい金属は、「重金属」と呼ばれるものです。
元素周期表の右側、下側にある元素のことです。
「重金属」というとなんか悪いイメージをお持ちになる方も いらっしゃるかと思いますが、
必ずしも そうではありません。
生体に必要な金属もあるのです。

金属の性質 や アレルギーについて以下の順番で解説します。

特定の金属アレルギーについて知りたい方は、
以下から選択して下さい。
(本日は7番目のイリジウムまで解説します)

1. ニッケル
2. クロム
3. コバルト
4. 銀
5. 銅
6. インジウム
7. イリジウム
8. 亜鉛
9. パラジウム
10. 金
11. チタン


1.ニッケル 
ニッケルは、私達が日常触れる機会が最もある金属です。
そのため、最も金属アレルギーとして起こりやすいものです。

ニッケルはイオン化傾向が高く
金属アレルギーパッチテストによる陽性率は18.3%
最も金属アレルギーの高いものの一つです。

ニッケルの使用頻度が高い理由として、安価 で 加工がしやすいからです。
ピアス や ネックレス、指輪、ベルトのバックル、お金(50円硬貨、
100円硬)貨、調理器具、女性用下着に使用される金具、化粧品…等に
含まれています。

相当のものに含まれています。

特にピアスは良くないですね。
ピアスは、指輪 等の単に皮膚に触れているだけでなく、
粘膜を貫通しているため、アレルギーが起こりやすいです。

特に夏場に起こりやすいです。
汗の中に含まれる塩素イオンは、ニッケルを溶かしやすく、
溶け出したニッケルイオンが金属アレルギーの原因となります。
矯正治療で使用されるワイヤー 等 歯科治療で使用される材質の中にも一部含まれることがあります。

また、食品にもニッケルは含まれています。
チョコレート、海藻類、大豆、コーヒー、紅茶、ウーロン茶 等
にも含まれています。
そのため、ニッケルに金属アレルギー反応がある方は、上記のような食品
を大量に飲食しないことも必要になります。

ニッケルはあまりにも日常の中にあり、完全に避けることが難しい金属と言えます。
小さい頃にニッケルに触れる機会が多いほど、
のちに金属アレルギーが起こりやすくなることが言われています。
小さい頃からピアスをしたり、宝飾品を身につけないことも重要なことです。


2.クロム
クロムも金属アレルギーが起こりやすい代表的なものです。

この金属の特性として、固い、光沢がある、耐食性があることからメッキとしての利用があります。
具体的には、台所のステンレス、包丁、ドアノブ、時計の皮バンド、
ハンドバック や 靴等の革製品、塗装の染料…等に含まれています。

クロム化合物には、
3価クロム
6価クロム があります。
アレルギー性皮膚炎を起こすのは 6価クロム です。

クロムメッキ や クロム合金が汗に溶け出すのは3価クロムのため、
皮膚炎は通常認められません。

6価クロムは、アレルギーの問題だけでなく、
発ガン性の可能性もあり、 
排除する動きがEUを中心に議論されています。

ニッケルと同様に食品にも含まれています。
エビ、ホタテ、アサリ等の貝類、大豆等の豆類…等です。

クロムは、人体の必須元素でもあります。
例えば3価クロムが不足すると
糖代謝の異常が起こり糖尿病の発症に関係する可能性も指摘されています。

歯科で使用される金属では、保険診療で使用される銀歯(12%金銀パラジウム合金)には一般的に含まれていませんが、
コバルトクロム合金として義歯の一部、矯正用のワイヤーに含まれることがあります。

クロム単体、3価クロムの毒性はありません。

クロムの金属アレルギーパッチテストによる陽性率は14.5%とされています。


今日は話が長くなりますが、
もう少し続きを解説します。


3.コバルト
コバルトも金属アレルギーが起こりやすいです。

コバルトアレルギーは ニッケルアレルギーと同じ反応を示します。
ニッケルアレルギー患者の半数以上の人にコバルトアレルギーがあると報告されています(交差反応)。

ピアス 指輪等の宝飾品、化粧品に含まれています。

鉄より酸化しにくく、酸にも強く、加工しやすいことからも私達の生活の中で良く使用されています。

磁性の強いコバルトは、磁石に使用されることが多いです。

コバルトは、ビタミンB12に含まれており、人体にとって必須元素です。
コバルトが不足すると神経の働きが悪くなり、痺れ や 視力低下 が起こることがあります。

しかし、コバルトのアクセサリーを使用すると汗の中の塩素イオンにより溶け出されるため 夏場では皮膚にアレルギーがでやすいのです。

アクセサリー等で炎症が起こった場合には、すぐに使用を中断し、皮膚科で金属アレルギーテストを行うことが必要です。

歯科でも義歯などに使用されることがあります。

口腔内に使用されたコバルトは、唾液 や 酸によりイオン化(溶け出し)し、溶け出します。
多くは便として排出されますが、
数%程度は腸管から吸収され、
その一部は汗の中に排出されます。
その結果、コバルトによる金属アレルギーが発症するのです。

疑わしきは使用せずという姿勢が大切です。

コバルトの金属アレルギーパッチテストによる陽性率は14.8%とされています。



4.銀
銀はご存知のように生活の中に非常に多く使用されています。

銀は、金に次いで延びやすい金属であり、熱伝導性が高く、
デジタル機器の電気接点や配線 等でも良く使用されています。

また、抗菌作用が高いことも良く知られている性質です。

銀食器 や アクセサリー 等でも使用されています。

銀はイオン化傾向が低い金属であり、
アレルギーを起こすことは非常に稀です。

金属アレルギーパッチテストによる陽性率は0.1%
金属アレルギーの高いニッケルの陽性率18.3%と比較すると 金属アレルギーが起こる確率は低いとされています。

良く銀のアクセサリーでアレルギーがあるとされていますが、
これは、銀に反応している可能性は低く、
アクセサリーに含まれる
ニッケル や 銅 にアレルギー反応があることがほとんどです。

歯科(保険診療)においても銀は使用されることが多く、
いわゆる銀歯(12%金銀パラジウム合金)の
約半分は、銀が使用されています。
最近は減少してきましたが、神経がない歯の土台(コア)にも銀合金が
使用されることが多いです。


5.銅
銅もなじみのある金属であると思います。

人類の歴史の中でも1万年前から使用されている金属です。

銅は、金属アレルギーを起こしやすい金属でもあります。

歯科(保険診療)においても 銅は使用されることが多く、
いわゆる銀歯(12%金銀パラジウム合金)の
15〜20%程度は、銅が使用されています。

金属アレルギーパッチテストによる陽性率は4.0%程度とされています。

ニッケルほど問題は起こりにくいですが、
金属アレルギーのある方の歯科治療では避けたい金属の一つです。


長いですが、今日はもう少し続きます。
この重金属の話だけでも かなりの量になりますので、
今日で半分程度は終わらせないとなかなか先には進みませんから…


6.インジウム
インジウムはあまり聞き慣れない金属であると思います。

しかし、歯科治療では、非常に高頻度で使用されている金属です。

何度もでてきます歯科治療で使用される銀歯(12%金銀パラジウム合金)にも
微量(1%以下)ですが、使用されています。

歯科治療では、その他の保険以外の金属においても このインジウムが使用されることが多いです。

この理由として、歯科で使用されている金属は、
例えば金単体で使用されることはなく、
合金が使用されており、加工上 どうしてもインジウム 等を含有させないといけないためです。

しかし、金属アレルギーを起こしやすいため、できるかぎり避けたい金属と言えます。

参考情報として、酸化インジウムスズは、液晶パネル や プラズマパネルとして使用されています。

2006年時点の資料として、
世界のインジウムの80%を日本が輸入しており、インジウム使用大国となっています。



次が本日の最後です。



7.イリジウム
イリジウムも歯科で汎用されている金属です。
歯科治療で使用される銀歯(12%金銀パラジウム合金)にも微量(1%
以下)ですが、使用されています。
イリジウム や インジウムに金属アレルギーの反応がある方は、
歯科で使用するほとんどの金属は使用できないと言えます。



次回のブログは、10月28日(月)になります。

次回も重金属の続きです。
金属アレルギー と言っても
イオン化しやすい金属もあれば、
そうでない金属もあるのです。

もちろん個人によっても違います。

歯科金属で金属アレルギーが起こっているのであれば、
そんなことを考えずに全て金属を口腔内から除去れば良いのでは?
と考えられるかもしれません。

しかし、そうではないのです。
きちんと金属アレルギーについて知っておくことが大切なのです。

その理由として、
金属アレルギーを主訴として来院される患者様の口腔内をみると
奥歯は、ほとんど金属の詰め物 や 被せ物 が装着されていることが多いです。

前歯でも差し歯が入っていれば、そのほとんどに金属が使用されています。
一般的に使用される「セラミック」と言われる素材でも内部は金属製です。

そのため、口腔内から全ての金属製の材質を撤去しようとすると
大変なことになります。

治療期間もそうですし、
治療費といった問題もあります。

そのため、現実問題として、口腔内から全ての金属を撤去し、
メタルフリーとすることが困難な場合もあります。

こうした場合には、まず金属アレルギーに反応がある金属から撤去したり、
古い被せ物は、イオン化傾向が高いと考えられるため、
古い被せ物から撤去し、経過をみることもあります。

また、金属アレルギーは口腔内だけでなく、
身につける物や
食品にも含まれているため、
生活習慣自体を改善することも必要なのです。

そのために、
金属アレルギー治療をご希望される場合には、
まず、「金属アレルギー検査」を行い、
正しい知識を身につけることが大切なのです。



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2013年10月7日

金属アレルギーの話 2回目:金属アレルギーとは?

2013年10月 7日(月曜日)です。

このブログは、歯周病に関するブログです。
毎週月曜日 にアップしています。

前回から始まりました金属アレルギーの話です。
非常に反響が多くあり、
問い合わせも増えています。

暫くの間は、金属アレルギーについて解説していきます。

今日のテーマは、『金属アレルギーの話 2回目:金属アレルギーとは?』になります。

金属アレルギーとは

まず感作(かんさ)という話をしたいと思います。

繰り返し同じ金属を使用していると 金属から溶け出したイオン(金属イオン)が体内に入りこみ、
生体に異物だと記憶されることを感作(かんさ)といいます。

この感作により 次に侵入してくる異物からの攻撃を防ぐ 体に備わった「防衛監視システム」のことを免疫といいます。

感作されると きわめて少量の原因物質(アレルギーを起こす金属)と接触するたびに反応が起こります。

つまり 一度感作されると、金属アレルギーは長時間起こり、
金属アレルギー自体を治すことができなくなります


そのため、口腔内の金属が原因で「金属アレルギー」を起こしている場合には、
原因となる金属を取り除くことが必要になるのです。

金属アレルギーが起こりやすいこととして、
「ピアス」の使用があります。
ピアスの使用は、指輪 や ネックレス 等の装飾品によりも起こりやすいです。
その理由として
指輪 や ネックレスは、比較的厚い粘膜(皮膚)に接触していますが、
ピアスは、皮膚を貫通して 皮下組織に直接金属部分が触れるため、感作が起こりやすいのです。
特に 若年期にピアスを使用し始めた場合、
金属アレルギーが起こりやすいことが分かっています。
おしゃれ として 子供の頃からピアスをすることも
将来的に金属アレルギーを起こしやすくする大きな原因となるのです。

それでは、もう少し金属アレルギーについて詳しく解説します。

金属アレルギーには2つのタイプがあります。

先ほど説明したピアス 等 直接金属が触れた部位で起こる金属アレルギーを
「局所性金属アレルギー」
と言います。

局所性金属アレルギーは、日常のあらゆる場面でも起こることが知られています。

例えば、女性に多くみられる化粧品器具による金属アレルギーもあります。
ビューラー や 毛抜き 等で金属アレルギーを引き起すこともあります。
ビューラー や 毛抜き 等の化粧品器具には、「ニッケル」が使用されることがあり、これが原因となることがあります。
そのため、「目の周りがかゆい!」となった時に
「ファンデーション や 化粧水 アイシャドウ 等の化粧品が原因では?」
と思い、使用を中止したり、他の製品に変えても
目のかゆみが止まらない場合には、
ニッケル製品の化粧品器具が原因の金属アレルギーということも考えられます。

  *ニッケル 等の金属アレルギーを起こしやすい金属については
   今後のブログで詳しく解説します

局所性金属アレルギーは、接触することで起こる金属アレルギーですから
ピアス 等を外すこと や 原因となる金属に触れないことで症状が改善する(軽減)ことも特徴です。

歯科治療においても同様に金属が口腔粘膜に触れる部位で起こることもあります。
局所性金属アレルギーですね。
通常 皮膚のように かゆみを伴うことはほとんどありませんが、
口腔粘膜が赤くなったり、白くなったりします。
舌に生じると味覚障害を起こすこともあります。
稀に 強い痛み や 灼熱感を起こすこともあります。

金属アレルギーのもう一つのタイプとして、
「全身性金属アレルギー」があります。
これは、歯科治療で使用された金属がイオン化し(溶け出して)体内に吸収された結果、
離れた場所で起こるアレルギー反応です。

手 や 足に起こる かぶれ や 湿疹(しっしん)等の症状です。

それでは なぜ 口腔内の金属が 口腔内とは関係のない
手 や 足に金属アレルギーの症状が起こるのでしょうか?

口腔内にある金属がイオン化し、体内に侵入すると
そのほとんどは、便として体外に排出されます

しかし、3〜10%程度は腸管から吸収されます。
そして、腸管から吸収された一部は、汗の中に排出されるのです。

手(手のひら) や 足(足のうら)は、汗腺が多い場所なので、
全身性金属アレルギーが起こりやすいのです。

緊張すると手のひらに汗をかく
というのも緊張により交感神経が優位になり、
汗腺の多い 手のひら に汗をかくのです。
そのため、汗をかきやすい夏場には、金属アレルギーの症状が強く起こりやすいのです。

これでなんとなく、金属アレルギーが分かってきたと思います。

次回からは、さらに詳細に解説していきます。
このシリーズを全てみると
歯科で起こっている金属アレルギーがだいぶ理解できると思います。


次回のブログは、10月21日(月)になります。
10月14日は祝日のため、ブログも休みです。



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2013年9月30日

金属アレルギーの話1回目:歯科治療と金属アレルギー

2013年 9月30日(月曜日)です。

始めに院長不在案内です。
10月6日(日)
口臭学術講演出席のため院長不在となります。


このブログは、歯周病に関するブログです。
毎週月曜日 にアップしています。

今週から暫くの間 歯周病をテーマにした内容ではなく、
金属アレルギーについて解説したいと思います。
この理由として、最近金属アレルギーを主訴として来院される患者様が激増しているからです。

今日のテーマは、『金属アレルギーの話1回目:歯科治療と金属アレルギー』になります。


はじめに
金属アレルギーで来院される患者様は、年々増加しています。
最近では、金属アレルギーの患者様で
「口腔内金属を除去してほしい!」
という方が多くいらっしゃいます。

本日から始めるこのシリーズでは、歯科で使用される金属を中心に

• 歯科治療と金属アレルギー
• 金属アレルギーについて
• 金属アレルギーを起こす金属の種類
• 金属アレルギーの問題点
• 金属アレルギーの治療法

等 について解説したいと思います。

まだまだ 書き始めた時点なので、細かい内容はこれから考えますが、
このシリーズを全て見ると
歯科で起こる金属アレルギーについて相当のことが分かるかと思います。


• 歯科治療と金属アレルギー
世界的にみて日本人の口腔内は、非常に多くの金属が使用されていることが
知られています。
本当に稀な国といってもいいでしょう。

例えば、外国の方がしゃべったり(会話したり)した時に
「 キラット光る金属 」を見たことがありますか?
あまりそうした記憶がない方がほとんどだと思います。

それに対して、日本人の口腔内で
「 キラット光る金属 」を見たことがある方は本当に多いと思います。

実際に ご自身の口腔内にも
金属性の被せ物 や 詰め物が入っている方も
多いのではないでしょうか?

日本人は、世界的にみて 本当に稀な民族であることは確かなことです。

この理由として、良くも 悪くも 健康保険で ほとんどの歯科治療が認められているからです。

海外のほとんどの国では、歯科治療を行う場合に
ある程度の治療費がかかることが多く、
被せ物自体も自費(保険診療で認められていない)であることがほとんどです。

そのため、高い治療費を支払ってまで金属性の被せ物を装着することはほとんどなく、
セラミックを使用することが一般的であるからです。

ただし、これは金属製の被せ物 等が悪いということではありません。
金属製の被せ物は、耐久性に優れていることは事実です。
しかし、日本で使用されている金属とは違います。
金 や 白金(プラチナ)を主に使用した被せ物が一般的です。

日本では、保険診療で多くの歯科治療が行えるため、
海外と比較すると安価で治療は行えますが、
保険財政上の問題もあるためか
使用できる材質にはかなりの制限があります。

日本人の口腔内に見られる金属の成分は、
「12%金銀パラジウム合金」
といわれる合金です。

「12%金銀パラジウム合金」の成分ですが、
金 12%
パラジウム 20%
と定められておりますが、
その他の成分はメーカー や 商品により異なります。

以下は 日本で主に使用されている 
各メーカーの「12%金銀パラジウム合金」の組成です。

A社:銀46% パラジウム20% 銅20% 金12% 
   その他(亜鉛・ガリウム・イリジウム・インジウム)2%

B社:銀49.5% パラジウム20% 銅16.85% 金12% 
   その他(亜鉛・ガリウム・イリジウム・インジウム)1.65%

多少の違いはあるにせよ
「12%金銀パラジウム合金」の組成は、こんな感じです。

日本であたり前に使用されている金属が 海外で使用されていることは ほとんどありません。

海外の歯科医師からすると
日本の歯科医療で使用されている材質は粗悪であることは良く知られている事実です。

*けして12%金銀パラジウム合金が悪いということではありませんが、
 もっと もっと 優れた金属は他にもあるからです

金(GOLD)の高騰が続いていることはご存知のことと思いますが、
世界的に 他の金属も高騰しています。
そのため、現在金属を使用した歯科治療自体が少なくなっています。
欧米では、金属を一切使用しない
「オールセラミック」や
「ジルコニア」
といわれる材質を使用することが多くなってきています。

例えば材質のコストを考えても
金を主に使用した被せ物より
オールセラミック の方が安価である場合があり、
このことも 金属製の歯科治療が減少している理由の一つです。

しかし、日本の保険診療では、長い年月 いわゆる銀歯(12%金銀パラジウム合金)が使用されています。

おそらく今後も使用され続けるでしょう。

しかし、「12%金銀パラジウム合金」自体の価格も高騰しており、
このままでは、「オールセラミック」のコストの方が安くなることは間違いないです。

それでも 日本の健康保険 銀歯は使用されていくでしょう。
かたくなに この材質のみに こだわる理由はなんなのでしょうか?
私には分かりませんが…

審美的なことを考えても 口腔内の見える部位に
キラット光る金属を入れたがる患者様は少ないと思います。

話が長くなりましたが、
金属製の被せ物は、強度に優れているという利点もありますが、
日本の保険診療では、基本的に 金属製の被せ物しか認められていないことも
審美性を始めとした さまざまな問題を引き起こしているのです。

その代表的な問題が
金属アレルギーなのです。

本日は、日本の歯科医療における金属治療について解説しました。
次回からもっと具体的な内容に迫っていきたいと思います。

「金属アレルギーとは」
「なぜ金属アレルギーになるのか?」
という話をしたいと思います。

見られている方には、きっとためになる話になると思います。


次回のブログは、10月 7日(月)になります。



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2013年9月9日

新しい歯周病治療:PDT(フォトダイナミックセラピー:光線力学療法):その2

2013年 9月 9日(月曜日)です。

このブログは、歯周病に関するブログです。
毎週月曜日 にアップしています。


始めに9月の休診の案内です。

9月14日(土) 午後  院長不在
  (日本口腔インプラント学会出席のため)

9月15日(日) 休診
  (日本口腔インプラント学会出席のため)



今日のテーマは、『新しい歯周病治療:PDT(フォトダイナミックセラピー:光線力学療法):その2』になります。

PDTとは、
Photo Dynamic Therapy(フォトダイナミックセラピー)の略で、
日本語では光線力学療法と言います。

最新の歯周病治療です。

前回のブログをご覧になっていない方は、是非前回のブログを先にみていただくと
以下の内容がより分かりやすくなると思います。

ルートプレーニング 等の歯周病治療により歯石 等の感染物質を取り除く際に歯周病細菌 歯周ポケット内部 に散らばって残ってしまうことがあります。
もちろん始めの細菌の数によってもこうしたことには差があります。
ルートプレーニング については、前回のブログで動画を含めて解説しましたが、
ルートプレーニング を大雑把に説明すると
「耳かき」を行っているようなものです。
耳の穴の中にある汚れ(垢)を機械的に取り除くのが「耳かき」です。
歯周病の治療であるルートプレーニング も同様です。
ルートプレーニング を行うことにより歯石(汚れ)は結構取れますが、全て(100%)取れるわけではありません。
砕かれた歯石の削片 や 目で見えない細菌 等は 残る可能性があります。
大量の細菌が残ると それが元になり、歯周病が再発することがあります。

また、重度歯周病 の場合、歯周ポケット 内部には、大量の歯周病細菌 が生息しています。
この細菌が腫れや、出血の原因となっているだけでなく、骨が吸収 を起こします。

歯周病細菌 を減らすことが歯周病を治す第一歩なのです。

それでは 実際の使用方法について解説します。
詳細はその後で説明します。

まず、歯周ポケット 内部にバイオジェル(光活性剤)を入れます。
次に歯周ポケット 内部に光エネルギーを約1分間照射します。
大まかな流れはこれで終了です。
非常に簡単な治療です。

図で見てみましょう!
スライド1


痛みはありませんし、非常に短時間で行えます。

それでは、詳細の話しになります。
ちょっと難しい話しになりますが…
まず、使用するバイオジェルですが、0.01%のメチレン-ブルー色素を含む中性リン酸緩衝液で、
この色素は、歯周病細菌(グラム陰性菌 および グラム陽性菌 の細胞壁を構成するリポポリサッカライド、糖脂質の脂質)に得意的に結合します。

簡単に言えば、歯周ポケット 内部にバイオジェルを入れると歯周病細菌と結合(くっつく)ということです。

このバイオジェルは光感受性物質と言い、
光を吸着すると 化学反応が起こり活性酸素を発生させることができます。

この時に使用する光エネルギーは、「Periowave」という装置を使用します。
「Periowave」は、670nmの波長で 220mWの低出力光エネルギーです。
発熱を起こすこともないため、痛みを感じることはありません。

光エネルギー(Periowave)を照射することにより、色素(バイオジェル)が結合した歯周病細菌は破壊されます。
このバイオジェル(色素)は、人間の身体の細胞には結合しません。

また、光が照射される1〜2ミリが有効範囲であるため、その効果は限局的です。
そのため、ピンポイントでバイオジェル(色素)を塗布し、光を照射することが必要です。

以下は、「Periowave」という光エネルギーを照射する装置です。
非常に小さいものです。
スライド2


次にPDT
適応症 および 治療のポイントについて解説します。


   PDTの適応症 および 治療のポイント

1.歯周病治療と併用すると有効!
  歯周病の治療と併用して行うことにより効果があります。
  あくまで歯周病に対してPDT単独で使用するのではなく、
  PDTに歯周ポケット内部の感染物質(歯石 等)を超音波スケーラー等で
  除去(クリーニング)してからPDTを行い、PDT終了後には必ず破壊された歯周病細菌
  および 毒素を洗浄することが必要です。

2.メインテナンス(定期検査)で使用すると有効!
  PDTによって ある程度の期間 歯周病細菌の再発を抑えることが可能とな
  りますので、メインテナンスにおいて歯周ポケットの再発した部位に使用
  することにより維持安定を得ることができます。
  どれくらいPDTの効果が持続するかということは、
  さざざまな条件により大きく変わりますが、約1〜2ヶ月は維持可能となります。
  つまり、重度歯周病の方 や 再発率の高い人は、
  メインテナンスの度に行うと効果が高いということになります。
  PDTを行えば、一生歯周病細菌がいなくなるということではありません。

3.再発しやすい歯周病には有効!
  歯周病は歯周病細菌よる感染症です。
  そのため、もともと歯周病細菌が多い方は 再発率が高くなります。
  歯周病が再発しやすい方にはPDTは最適と言えます。

4.歯周病治療における菌血症の防止に有効!
  歯科治療における菌血症とは、
  汚れ(細菌)が歯周病治療(抜歯 等の他の歯科治療でも起こります)
  を行うことにより、身体の中(血管内)に細菌侵入することを言います。 
  歯周ポケット 内部(歯肉の内部)には当然のことですが、血管が存在
  します。
  特に歯周病で歯肉が腫れている方は出血が起こっていることが多いため、
  歯周ポケット 内部に存在する汚れ(歯石)と血管が触れているこ
  とになります。
  他の言い方をすれば、汚れ(歯周病細菌)が血管に触れている状態と
  いってもいいでしょう。
  こうした汚れ(細菌)が一時的に血管内部に侵入することを菌血症
  言います。
  特に 歯周病治療 等の歯科治療を行うとこうした菌血症が起こることが
  報告されています。
  歯周病治療の基本的な治療であるルートプレーニング では、
  報告に差はありますが、8〜79%の確立で菌血症が生じると報告されています。
  事実ルートプレーニング を行った後(6分後)に採血して調べると血液中から
  歯周病細菌が発見されることが報告されています。
  PDTルートプレーニング 前に行うことにより、
  歯周病細菌の減少をはかることが可能となるため、菌血症のリスクを減少できます。


d. 細菌性心内膜炎、大動脈弁膜症、チアノーゼ性先天性心疾患、人工弁、
 シャント術実施患者…の方に有効!

  上記のような方は、歯周病治療を行う上で最もリスクが高い患者様と言えます。
  上記の疾患等を 有する患者様は、歯周病治療において菌血症を起こす可能性が高いため、
  PDTは有効と言えます。

5.インプラント周囲炎(インプラントの歯周病)に有効!
  インプラントは虫歯になることはありませんが、歯周病のような状態 にはなります。
  このことをインプラント周囲炎 と言います。
  インプラント周囲炎 はインプラントがダメになる原因として最も高いことです。
  メインテナンス(定期検査) の際にPDTを使用し、細菌の減少を行うことも有効ですし、もしインプラント周囲炎 になってしまった場合にも効果が高い治療と言えます。


PDTは 医科領域ではすでに 臨床に多く応用されています。

例えば、早期の肺ガンにも行われています。
そのメカニズムは、
まず 癌細胞に集まる光活性剤を静脈注射します。
次に 気管支内に内視鏡ファイバー挿入し 癌病巣部に光を照射すると、
癌細胞が消滅するというものです。
この早期の肺ガンに対するPDTは保険適応されています。

また、皮膚科領域では ニキビ治療に応用されています。
アクネ菌の殺菌に高い効果がある治療となっています。

歯周病領域では、2000年入り多くの研究報告がされています。
多くの研究によりPDTを使用すると
歯周病細菌の減少が認められることが明らかになっています。

今までの1回〜3回のPDTブログでも解説してきましたように
PDT治療は、抗生剤を使用した歯周病治療に比較して 耐性菌のリスクがなく、
副作用といった問題もほとんどないため、生体にとって非常に優しい治療と言えます。

しかし、まだまだ分かっていない部分もあります。
先にも説明しましたように PDTを歯周病治療に応用することにより
歯周病細菌は確実に減少します。
しかし、1回のPDTで歯周病細菌が完全になくなるわけではありません。
1回より2回繰り返した方がより効果が高いという報告もあります。
また、歯周ポケット が非常に深い場合には、その最深部にまで的確にバイオジェル(光活性剤)を届かすことが難しい場合もあります。
このようなテクニカル的な問題も今後課題となっていくでしょう。

また、進行した歯周病の場合、単にPDTを行っただけで歯周病が治るわけではありません。
あくまで今まで行われてきた通常の歯周病治療(ルートプレーニング 等) と併用することにより効果を発揮するのです。

歯科の場合、こうした画期的な治療法が臨床に応用されると
その使用方法や適応症をきちんと把握していない歯科医師が使用することにより
効果があらわれないこともでてきます。
また、患者様ご自身がインターネット等で情報を集める際に
「PDTを使用すれば、簡単に歯周病が治る!」
といった誤った知識となることもあります。

インターネットは情報を集めるには非常に便利なツールですが、
誤った情報 や 理解不足により 大きな誤解を生むことがあります。
正しい知識を得ることが最も重要であるのです。

また他の欠点として
現在 歯科領域ではこのPDTは保険が適応されていません。
そのため、自費診療となります。
当医院でのPDTの治療費は
1歯 2.000円(1回分)となっております。


次回のブログは、9月30日(月)になります。

9月16日(月)と9月23日(月)は祝日のため、ブログも休みです。



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2013年9月2日

新しい歯周病治療:PDT(フォトダイナミックセラピー:光線力学療法)

2013年 9月 2日(月曜日)です。

始めに9月の休診の案内です。

9月14日(土) 午後  院長不在
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9月15日(日) 休診
  (日本口腔インプラント学会出席のため)


このブログは、歯周病に関するブログです。
毎週月曜日 にアップしています。

今日のテーマは、『新しい歯周病治療:PDT(フォトダイナミックセラピー:光線力学療法)』になります。

今日は、最新の歯周病治療について解説します。
PDTという治療法です。

PDTとは、
Photo Dynamic Therapy(フォトダイナミックセラピー)の略で、
日本語では光線力学療法と言います。

それではこのPDTは、今までの歯周病治療 となにが違うのでしょうか?

まず歯周病とはなにか?(どのような病気か?)
という話しからしたいと思います。

歯周病は、歯周病細菌による感染症 です。
歯と歯肉の境目(歯周ポケット )に汚れ(食べかす)等が入り込み
感染を起こします。
kensa_05

そのため、歯周病の基本的な治療として、歯周ポケット 内部に溜まっている汚れ(歯石 等)を取り除く治療を行います。
この治療をスケーリング ルートプレーニング(SRP) と言います。
ご存知の方も多いかと思いますが、このルートプレーニング が分かると この後のPDTがが理解しやすくなりやすくなりますので
ご存知ない方はご覧になって下さい。
pmtc3

ルートプレーニングの図


模型で歯周ポケット検査を行っている動画


模型を使用してルートプレーニングを行っている動画

このルートプレーニング は、歯周病の基本中の基本です。

歯周ポケットが6ミリ程度であれば、ほとんどがこのルートプレーニング で治ることが多いです。

ルートプレーニング という治療法を大雑把に説明すれば、
耳かき と同じような行為です。
つまり、耳の中に溜まっている 汚れ(耳垢)を機械的に取り除くのが耳かきです。

ルートプレーニング 歯周ポケット という歯と歯肉の隙間に入ってしまった 汚れ(歯石 等)を機械的に取り除く治療法です。
現在の歯周病治療では、これ以上確実な治療法はありません。
前回まで説明してきた 内科的歯周病治療:飲み薬(抗菌薬)による歯周病治療は、このルートプレーニング と併用することにより、効果を発揮するのです。
単に飲み薬(抗菌薬)を使用するだけでは治りません。

このルートプレーニング という治療法は、長い年月行われている治療であり、
歯周病を治す最も確実的な治療法であることは間違いのないことです。
(歯周病の中程度までであれば、ルートプレーニング のみで完治する可能性が高い治療法です)
また、ルートプレーニング で治らないような重度歯周病の場合には、 『歯周外科処置(フラップ オペレーション)』 という治療法も行われてきました。

しかし、これらの治療法には欠点もあります。
ルートプレーニング 『歯周外科処置(フラップ オペレーション)』 により歯周ポケット 内部の歯石を取り除くことは可能ですが、歯石 等の感染物質を取り除く際に歯周病細菌 歯周ポケット 内部に散らばって残ってしまうことがあります。
もちろん始めの細菌の数によってもこうしたことには差があります。
大量の細菌が残ると それが元になり、歯周病が再発することがあります。

実際に 侵襲性(急速破壊性)歯周炎 と言われる重度歯周病の場合には、
感染している細菌の数が多く、ルートプレーニング だけで全ての歯周病細菌を取り除くことは難しいのです。

PDT(フォトダイナミックセラピー)は、今までの歯周病治療とはまったく考え方が違う治療法です。

PDTは、光によって活性化する薬品(光活性剤)を
歯周病ポケット内部に注入し
光を照射することによって、
この薬品を活性化して除菌する方法です。

PDT単独で行う場合には、
麻酔を行う必要性がありませんし、
1歯 約1分で終了(除菌)可能です。
(後で記載しますが、基本的にPDTは単独で行う治療法ではなく、ルートプレーニングと併用することで効果がある補助的治療法です)

ちなみに 重度歯周病の場合、先程のルートプレーニング を行うと
約1時間(当医院では、通常 1回の処置で 約7歯分を行います)かかります。
もちろん麻酔が必要です。


次回のブログは、9月 9日(月)になります。



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