歯周病専門医サイトブログ

カテゴリー: 未分類の記事一覧
2013年3月11日

歯ぎしり、噛みしめ、食いしばり は歯をダメにする!

2013年  3月11日(月曜日)です。

このブログは、歯周病に関するブログです。
毎週月曜日 にアップしています。

昨日のWBCすごかったですね、
オランダに大勝し、準決勝進出が決まりました!
本当に良かったです。

てんぷら屋さんでパブリックビューイングしていました。

ただ、私としては若干寂しいところがあります。
なんとしても今回のWBCは見に行きたいと思っていたので、
チケットを取ったのですが、
当医院の休みが月曜日と木曜日のため、
行ける日が当然のことながら限られています。

そこで今日3/11(月)のチケットをだいぶ前から
取っていたのです。
日本戦かどうか分かりませんでしたが…
運よければ、準決勝進出を決める重要な試合になるかもしれないと思い…

しかし、ご存知のように今日は キューバ VS オランダ ということになってしまいました。
日本が準決勝進出を決めて嬉しいのですが、
日本戦が見れなくてちょっと残念です。

無理して仕事が終わってから東京ドームに行けばよかったと後悔しています。

キューバ VS オランダ は、
知らない選手が多いので、バレンティンでも応援しようかな?
ちなみに私はヤクルト ファンではありません。
神奈川生まれの神奈川育ちなので、
子供の頃からベイスターズ ファンです。
横浜からは、誰も日本代表になっていなのが残念です。


前置きが長くなりましたが、
今日のテーマは、『歯ぎしり、噛みしめ、食いしばり は歯をダメにする!』になります。

私達歯科医師が最も難しい症例の一つとしているのが、
『噛みしめ や 歯ぎしり や くいしばり』が強い患者様です。
『噛みしめ や 歯ぎしり や くいしばり』をなくしたり、コントロールすることは困難なことです。

『噛みしめ や 歯ぎしり や くいしばり』による問題といっても ピントこないと思います。
『噛みしめ や 歯ぎしり や くいしばり』による問題を具体的にご説明します。

1.詰め物 や 被せ物 (差し歯)がすぐ取れてしまう!
スライド1


2.歯の根元付近が削れている
スライド2


3.歯がしみる(知覚過敏)!

4.歯の噛む面が削れている!
スライド1


5.朝起きると顎が痛い! 口が開きにくい!

6.歯周病でもないのに歯が年々ダメになる!

7.歯が折れたことがある!
スライド2


上記のようなことがある方は、『噛みしめ や 歯ぎしり や くいしばり』が原因の可能性が高いのです。

もし、上記のようなことが起こっている方には、本日から始まるシリーズを是非読んでいただきたいと思います。

『噛みしめ や歯ぎしり や くいしばり』といっても多くの方は、自覚があまりないのが実情です。
『噛みしめ や歯ぎしり や くいしばり』というと 就寝時の『ギリギリ!』と歯がこすれる音と考えがちですが、そうではありません。
もちろん歯がこすれ合う音もそうですが、音がしなくても 問題が起こっているのです。

歯科医師として経験を積めば積む程、
この『噛みしめ や歯ぎしり や くいしばり』による問題の重大さに直面していきます。

それは、一度治療を行った部位が 虫歯がなく、歯周病もないのに
どんどんと壊れいく(ダメになる)ことを経験するのです。

『虫歯治療を完璧に行った!、被せ物も非常にピッタリしている!』
『後は、患者様による 日々のお手入れ(歯磨き)ができれば問題は起こりにくいだろう…』
と思われていた症例でも
ある時突然 被せ物
(差し歯)が取れたり、
歯が折れたり(歯根破折 )、
歯がグラグラしてきたりすることがあります。

こうしたことに対して いくら強い接着剤で差し歯を付け直しても
また被せ物(差し歯)が取れたり、
歯根破折 を繰り返したり、
歯周病の進行を停止させることができないことがあります。

噛む力による負担は、歯科医師の治療だけでは問題を解決できないことあるのです。

特にこうした問題が起こる時期(年齢)があります。
30〜60歳くらいの方がとくに多いですね。

噛む力によって 差し歯が取れたり、歯根破折 を起こしたりする問題は、たまたま起こったのではありません。
長い間、歯への加重な負担が繰り返されることにより、歯へのダメージは蓄積されていきます。
ある程度長い年月をかけて蓄積されていくこともあります。
そしてある時その問題が一気に起こるのです。
そのため、『今まで大きな問題がなかったのに…ここ年々トラブルが続く…』
という方も多いのです。

また、『噛みしめ や歯ぎしり や くいしばり』による問題は、
歯周病であったり、
神経がない歯が多い方、
欠損部位がある方に高頻度で起こります。

歯周病になると歯を支えている骨が吸収 します。
shimiru_01

以下の青い線が骨吸収を起こす前の正常な状態の骨の位置です。
赤い線は、歯周病により骨吸収が起こった状態です。
スライド4


骨吸収を起こすと噛む力に耐える能力がなくなってきますので、
通常の噛む力でも耐えきれないことがあります。

また、神経がない歯はすでに血液が通っていない歯です。
枯れた木と同じです。
そのため、神経のない歯は非常に脆いのです。
脆い歯に過度の力が加わった結果、折れてしまうのです。
このようなことを繰り返すうちに欠損部位は多くなります。
こうなると悪循環が起こります。
残っている歯の数が少ないといことは、それだけ残っている歯への負担は大きくなります。
次々に歯がダメになっていくのです。

先ほども説明しましたが、
この『噛みしめ や歯ぎしり や くいしばり』による問題は、歯科医師の力量だけでは治すことは難しいのです。

患者様のご理解とご協力なくしてはリスクを減少させることができません。

そのため、次回からも続くこの内容を十分ご理解していたくことが
トラブルを回避する大きなポイントになります。

1.詰め物 や 被せ物 (差し歯)がすぐ取れてしまう!
2.歯の根元付近が削れている
3.歯がしみる(知覚過敏)!
4.歯の噛む面が削れている!
5.朝起きると顎が痛い! 口が開きにくい!
6.歯周病でもないのに歯が年々ダメになる!
7.歯が折れたことがある!

といったことがある方には是非ご覧になっていたきたと思います。

次回のブログは、3月18日(月)になります。

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3月20日(水):春分の日
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  オリコン2012年 インプラント治療の丁寧さ部門: 10位
  
  オリコン2012年 インプラント治療結果部門: 8位
  
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2013年3月4日

バイオフィルムの除去方法

2013年3月4日(月曜日)です。

このブログは、歯周病に関するブログです。
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診療時間 変更 案内
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今日のテーマは、『バイオフィルムの除去方法』になります。

前回 “ バイオフィルム ” について解説しました。
そして、“ バイオフィルム ” を除去するためには
機械的に擦ることであることを説明しました。

本日はバイオフィルムの除去方法について解説します。

バイオフィルムの最も一般的に行われるのが、
歯石の除去(スケーリング)です。
これは誰もが一度は受けたことがあるかと思います。

一般的には、超音波スケーラーと言われる マイクロ振動 と 水圧 により歯面 や
歯根面に付着している歯石 とともに バイオフィルムの除去を行います。

そして、歯周ポケット の深い部分は、
ルートプレーニング という処置を行います。
ルートプレーニング については、このブログでも何度も解説してきました。


ルートプレーニング』は歯周病治療の基本中の基本です。

『SRP(scaling root planing:スケーリング・ルートプレーニング)』とも言います。

『ルートプレーング:SRP』を簡単に説明すると
歯周ポケット内部に入り込んだ歯石を取り除く治療です。
歯周ポケットが深いところには 歯肉の下に歯石がついています。
また、歯根には 細菌が出す“ 毒素 ”が根面に浸透しています。
そうした歯石 や 細菌を除去し、根面の汚染物質を取り除くことが、
『ルートプレーング:SRP』なのです。

具体的な治療方法ですが、まず 歯肉に若干の麻酔をします。
ただ 歯石を除去するだけでは麻酔は必要ありませんが、
歯周ポケットの深い部分の汚染物質を除去するためには 麻酔をしないと絶対に取れません。

歯石や汚染物質は『キュレット』(下写真)と言われる 専用の器具をポケット内部に入れ、
歯の根に沿わすように上下に動かし、歯石等の汚染物質を除去していきます。
pmtc3



以下の動画(YouTube)は、模型を使用して『ルートプレーング:SRP』を行っているところです。


こうした治療を行った後には、根の表面をきれいに磨く必要性があります。
これを「ポリッシング」と言います。
pmtc4


歯石 や バイオフィルムを除去した表面は“ ザラザラ ”しています。
“ ザラザラ ”している状態は 再度汚れが付着しやすいので
表面を 器械 や歯ブラシ等で “ ツルツル ”に磨き、
歯石 や バイオフィルムが付着しにくいようにします。

この時に表面を “ ツルツル ”にするようなペーストを使用します。

バイオフィルムの破壊は、
歯石除去(スケーリング)、
ルートプレーニング
ポリッシング
ということになります。

もちろん
きれいになった部位に、再度汚れが付着しないように
日々の清掃管理が最も重要です。


次回のブログは、3月11日(月)になります。

口臭ブログ では、今までにないような内容を日々書いていますので、是非ご覧になって下さい。


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2013年2月25日

マウス・ウオッシュの効果

2013年5月14日(月曜日)です。

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始めに前回のブログの話の追加をしたいと思います。
(同様の内容をインプラント基礎ブログでも解説し、警告しています)

本来 歯周病でない患者様 や 軽度の歯周病の患者様に対して、
患者様の口腔内から採取した汚れを取り、
それを顕微鏡で見せて、
「歯周病細菌がいっぱいます、ウヨウヨといます!」
と説明し、
患者様の不安をあおり、
本来必要のない 抗生剤を使用した除菌療法を行ったり、
必要のない歯周病治療を行う歯科医院がある
という話を前回のブログでしました。

このような 悪質な行為は時々経験します。

以前にもブログでアップしたことがありますが、

歯周病に効果がある治療法として
「パーフェクトペリオ」
という科学的根拠のない治療法を行ったり、

2001年には、抗カビ剤(抗真菌剤)を使用すると歯周病が治るという
ことを行っていた神奈川県内の歯科医師の治療行為を
朝日新聞が効果のある歯周病治療として、報道してしまったことにより
多くの患者様が殺到し、問題が起こった事件もありました。

日本歯周病学会 では、
こうした悪質な治療行為に対して、
ホームページで警告を行っています。
「「パーフェクトペリオ」について日本歯周病学会の見解」
「正しい歯周治療の普及をめざして抗真菌剤の利用を批判する」
という内容を以下のサイトで行っていますので、
ご興味のある方はご覧になって下さい。

日本歯周病学会による警告治療

本当に悪質な治療行為はやめていただきたいです。


それでは今日の話を始めたいと思います。
今日のテーマは、『マウス・ウオッシュの効果』になります。


テレビのコマーシャル等で歯周病に効果があると放映されている
『洗口剤(マウス・ウオッシュ)』は、効果があるのでしょうか?

はじめに結論からお話しますが、
『洗口剤(マウス・ウオッシュ)』は、
歯周病の予防効果(軽度の歯肉炎には効果がある)はあっても
歯周病を治す十分な効果はありません。

それは、洗口液が歯周ポケット の内部にまで届くことはありませんし、
もし届いたとしても “ バイオフィルム ” が存在するかぎり
歯根面に付着している歯周病細菌には 効果を発揮しません。
図1



それでは、“ バイオフィルム ” ってなんでしょうか?

“ バイオフィルム ” について解説します。
例えば、台所や風呂場の清掃を少ししないでいるとそこは、ヌルヌルとしてきます。
その ヌルヌル を除去しようと思っても、
塩素系の薬剤等を使用しない限り、ブラシのみではなかなか取除くことは困難であると思います。
この除去しづらい ヌルヌル が“ バイオフィルム ”です。

歯の表面 や 歯周ポケット 内部にも同様の“ バイオフィルム ” が形成されます。

“ バイオフィルム ” の内部には複数の細菌が生息しています。

“ バイオフィルム ” という家の中で 複数の細菌が共同生活をしていると思って下さい。

問題なのは“ バイオフィルム ” は、薬剤や殺菌剤などの外敵から身を守るためにバリアとして働いていることです。

洗口液は あくまでも歯肉の上に対して効果を発揮するものであり、予防として使用するものです。

“ バイオフィルム ” を除去するためには、機械的に擦りとらなければなりません。

“ バイオフィルム ” という汚れの上から いくら薬をかけても 汚れの内部(バイオフィルムの中)には薬液は浸透していかないのです。

ではどうしたら “ バイオフィルム ” 内部の細菌を除去できるのでしょうか? 

答えは簡単です。

歯ブラシやフロス等で機械的にこすり、除去することです。

そのため、歯磨きを適切に行わない状態で マウス・ウオッシュを使用しても効果はありません。

ただし、、歯ブラシだけで完全にバイオフィルムを除去することはできないと言われています。

特に歯周ポケット の内部には、歯ブラシは届きませんので
“ バイオフィルム ” の内部の細菌を除去することはできません。

歯周病の方は、
歯周病を治すには単に消毒だけしたり、その部分に薬を入れるだけではなく、
この“ バイオフィルム ” を専門的に除去していく必要性があります。

なんとなく、 マウス・ウオッシュで ブクブク とすれば、効果があるように感じるかもしれませんが、
“ バイオフィルム ” を除去しなければ、意味はないのです。

次回のブログでは、“ バイオフィルム ” の具体的な除去方法について解説します。


次回のブログは、3月 4日(月)になります。



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2013年2月18日

歯周病? 患者様の不安をあおる 悪質な詐欺のような診断と治療

2013年2月18日(月曜日)です。

このブログは、歯周病に関するブログです。
毎週月曜日 にアップしています。

今日は、夕方まで用事があったため、ブログアップが遅れました。

始めに当医院のHPに問題が起こっているという話をします。
当医院のHPが なにものかによって
書き換えられたり 等の問題が起こっています。
現在調査を行ってもらっているので、そのうち原因は判明するそうですが…

当医院のサイトのあるページを開こうとすると
警告が表示されるのです。

まだ原因は特定されていませんが、
これが、人為的なこととすると
悪質な行為です。

悪質な行為と言えば、
最近 妙なことを理由として、来院される患者様が来院されます。

ここ1〜2ヶ月ぐらいでしょうか?

患者様の主訴は、
「歯周病の検査」、
「歯周病治療」、
「歯周病治療のセカンドオピニオン」

と さまざまんですが、
具体的な病状を訴えていないのが特徴です。

そこで話を伺うと皆さん同様のことを言われます。

以下のようなことです。
「他の歯科医院で 顕微鏡で歯周病細菌を見せてもらいました。」
「顕微鏡でみたら細菌がウヨウヨいました。」
「先生は、細菌がいっぱいいるので、歯周病治療が必要です。」
とおっしゃいました。
そして、
「歯周病細菌を殺すのみ薬を服用し、歯周病治療が必要です。」
というものです。

みなさん ほぼ同じことでした。

重度歯周病であったとの診断でした。

もちろん 当医院では まず歯周病検査 から始めます。

歯周病検査の基本中の基本の
歯周ポケット検査 です。
inspection1


そして、レントゲン検査です。
スライド3

(上記のレントゲン写真は参考の写真であり、今回の問題となっているレントゲン写真ではありません)

こうした検査を行ったところ
歯周病の問題はまったくありませんでした。

非常に健康な状態でした。
歯周ポケットも正常値ですし、
レントゲン写真からも問題となるような骨吸収は認められません。

「ん ?」
「歯周病?」
というような状態です。

ここで問題なのは、
歯周病でない状態の患者様を なぜ歯周病と診断し、
抗生剤まで服用させて治療が必要であると言ったのか?
ということです。

こうした患者様が数人どころではありません。
先月からネット相談でも
内科的歯周病治療:飲み薬(抗菌薬)による歯周病治療 についての問い合わせが相次いでいます。

これは、過剰診療というレベルではありません。
病名のねつ造ですから…
健康な状態 もしくは 多少の歯周病のある程度の状態 にも関わらず、
顕微鏡で細菌を見せ、患者様の不安をあおり、
本来必要のない治療を強要する行為であり、決して許されることではありません。

検査を行った患者様には、
「歯周病の問題はありませんので、治療の必要性はありません。」
と説明を行う患者様もいらっしゃいましたし、
多少の歯周病のレベルの状態の方には、
通常の歯周病で問題がないことを説明致しました。

先ほど説明しました内科的歯周病治療:飲み薬(抗菌薬)による歯周病治療 というのは、
適切な診断と適応を守らないと使用する意味はありません。

適応症についての詳細は、以下のページをご覧になって下さい。
内科的歯周病治療:飲み薬(抗菌薬)による歯周病治療

上記のページを読んでもらえば分かりますが、
「薬を飲めば、歯周病が治る!」
というような魔法の薬はありません。

適応症をきちんと守らないと
効果がないだけでなく、逆に問題も起きてしまいます。

内科的歯周病治療:飲み薬(抗菌薬)による歯周病治療 の適応症を簡単に説明すると
以下のような患者様に対して抗菌療法を行うかの検討をします。
必ず行なうわけではありません。
抗菌療法を行うかの検討をするのです。

a. 通常の歯周病治療を行っても改善が認められない方
(ただし、歯磨きが十分にできていることが前提です)

b. 年齢に対して歯周病が非常に進行している方
(広汎型重度歯周炎、広汎型侵襲性歯周炎)

c. 全身的病気(血糖値不良の糖尿病、免疫機能低下患者、虚血性心疾患)を有する中程度以上の歯周病の方

歯周病治療と併用してアジスロマイシンという薬を服用することにより
歯周病の効果を高めるのです。

ただし、現行の保険診療では、
アジスロマイシンの服用を行いながらの歯周病の基本治療は認められません。

自費診療による歯周病治療となります。

私が患者様から聞いた中では、
この治療に数十万円かかると言われた方もいらっしゃいました。

もともと さほど歯周病の問題がない方なのに
(まったく問題がない方もいらっしゃいました)
高い治療費を払わされて、
効果がないだけでなく、問題が起こることもあるのにです。

必要のない病状に対して内科的歯周病治療 を行うと以下のような問題も引き起こす可能性があります。

1. 薬剤耐性(薬剤に対して抵抗性を持ち、これらの薬剤が効かない、
   あるいは 効きにくくなる現象のこと)が起こることがある!
   耐性菌については、以下のページを参考にして下さい。
   抗生剤と耐性菌の話し

2. 薬物アレルギーが起こる可能性がある!

3. 他の服用している薬との相互作用がある!
   例えば、ワルファリン(抗血栓薬)を服用されている方が
   ペニシリン系の抗生剤を服用すると作用を増強します。

4. 菌交代現象が起こる可能性がある!
   菌交代現象とは、抗生剤の長期投与等により正常細菌が減少し、
   通常では存在しない細菌や少数しか存在しない細菌が異常に増殖する現象のこと。


利益を得るための過剰診療としか言えません。

許しがたいことです。

顕微鏡を使用することは、患者様に歯周病ということを知ってもらうために
有効な検査です。
当医院でも必要があれば行います。

ただし、健康な状態の方もで 顕微鏡を用いて検査を行えば、
細菌は見えます。

問題なのでは、
その見えた細菌が問題となる細菌なのか?
口腔内に常在している細菌なのか?
ということです。

患者様が分からなからと言って
歯周病に問題とならない細菌を見せて、
不安をあおることは決して許されることではありません。

患者様ご自身も
「おかしいな」
と思われたら、セカンドオピニオンを受けられた方が良いでしょう。

複数の医療機関で同様の診断と治療方針であれば、良いのですが…

最近おかしな状況が続くので警告という意味の話でした。

当医院HPの警告表示には困りますが…
早く調査が進み原因が分かると良いのですが…


次回のブログは、1月25日(月)になります。



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2013年2月4日

歯周病細菌を見てみよう!:その2

2013年5月14日(月曜日)です。

このブログは、歯周病に関するブログです。
毎週月曜日 にアップしています。

始めに予約に関するお知らせです。

このところ予約が非常に混んでおり、
ご予約の電話をいただいても 患者様のご希望の日時で予約が取れずに
大変ご迷惑をおかけしております。
昨日も4名の先生で対応しておりましたが、すでに予約で いっぱいでしたので、
当日のご希望も多くありましたが、
来週以降に予約を取らさせていたいた患者様もいらっしゃいました。
特に週末は2週間先まで予約がいっぱいになることが多いため、
あらかじめ日程がお分かりになる方は、お早めにご連絡いただければと思います。


それでは、今日のブログを始めましょう。

今日のテーマは、『歯周病細菌を見てみよう!:その2』になります。

前回のブログでは正しい知識という内容をふまえ、
歯周病細菌を顕微鏡で見てみました。

口腔内には、細菌がウヨウヨしているのです。


このような細菌の動画を見るとビックリしますよね。
しかし、口腔内に細菌がいることは普通のことなのです。

口腔内細菌を顕微鏡でみることは、
患者様の治療に対するモチベーションを高めることには非常に効果的です。

しかし、単にインパクトを与えることのみであると
細菌を見た本当の意味がなくなってしまいます。

どのような細菌がいるのか?(いたのか?)
治療によりどのようななるのか?(なったのか?)
等が分からないと顕微鏡によって細菌をみた意味がありません。

それでは口腔内細菌について簡単に説明します。

人間は一生の中で無菌の状態でいられるのは胎内で過ごす期間だけです。
出生するとすぐに細菌感染を起こし、生体の各所で菌の増殖が始まります。
一度細菌感染した部位は一生排除されずに定着するものも少なくないのです。
つまり私達の生体は細菌と共存している状態なのです。
そのため、口腔内に細菌が存在することは、当然のことであり、
口腔内に細菌が存在しない人はいないのです。

ここで問題なのは、
いても問題を起こさない細菌と
多く存在すると問題を引き起こす細菌
が存在するということです。


歯周病細菌はどこから感染すると思いますか?
例えば、侵襲性歯周炎(しんしゅうせいししゅうえん)の原因菌とされるAa菌(Aggregatibacter actinomycetemcomitans)は、
大人から大人へと感染することはなく、
まだ 永久歯が生えそろわない 10歳頃に大人から子供へ感染することが研究により分かっています。
                       * Slos J:Scand J Dent Res,1976

これは子供の口腔内はまだ細菌のグループが安定していないため、外来から感染を起こします。
また、抗生剤を長期服用していた場合などは、口腔内の健康な細菌グループがいったんいなくなるため、新たに細菌の環境がそろう前に細菌に感染する可能性があります。
* 細菌の名称はよく変わります 上記は2011年時点での名称です。
  旧名は、Actinobacillus actinomycetemcomitansです。
* 1999年以前に思春期前歯肉炎、若年性歯周炎、急速進行性歯周炎と
呼ばれていたものを まとめて侵襲性歯周炎と分類しています。

その他の歯周病細菌についても夫婦間 や 親子間 で感染していることが多くの研究で明らかにされています。
             * Greenstein G, et al:J Periodontol,1997
             * Petit M D A,et al:J Periodont Res,1993

口腔内には500〜700種類の細菌が生息しています。

全ての細菌が問題なのではありません。
歯周病に関しては、スピロヘータという細菌が問題となる細菌の一つです。
これは上記の動画で ウヨウヨと動いている ほそ長い らせん状の細菌のことです。

このスピロヘータは、歯周病が進行した歯周ポケット内部では大量に認められるため、
歯周病の活動度や重症度と関連される細菌です。
治療後にもこの細菌の割合が高いと再発が早いとされ、
この細菌の水準が治療効果の指標として有効とされています。

口腔内に細菌が存在することは当たり前のことです。
問題となるのは、細菌のバランスと種類なのです。

問題となる歯周病細菌として、 嫌気性菌(けんきせいきん)という存在があります。

口腔内の細菌を理解するためには、好気性菌(こうきせいきん)嫌気性菌 という2つの細菌を知ることが必要です。

口腔内には大きく分けて好気性菌(こうきせいきん)嫌気性菌(けんきせいきん)が存在します。
好気性菌は、酸素が存在する部位でのみ生きることが可能な細菌です。
嫌気性菌は、酸素が存在する部位では生きるのが困難な細菌です。
嫌気性菌は、酸素が嫌いなのですね。

それでは、どこで歯周病細菌(嫌気性菌)は繁殖するの?
酸素が届かない場所ってどこなの?
ということになります。

私達が生活している地上での酸素濃度は約21%とされています。

口腔内には、酸素濃度が非常に低い場所があります。
それが深い歯周ポケットなのです。

歯周ポケット内部の酸素濃度は1%以下です。
歯周ポケットは、酸素が嫌いな嫌気性菌(歯周病にとって悪い菌)にとってはとても住み心地が良い場所なのです。
図1

歯周ポケットについて分からない方は以下のページをご覧になって下さい。
歯周ポケット

歯周病治療の検査で必ず行うことは、
この歯周ポケット検査 です。

歯周ポケット が深いとその内部で嫌気性菌が繁殖するのです。

そのため、歯周病治療 は、歯周ポケット を浅くすることが大きな目的です。

歯周ポケット が浅ければ、嫌気性菌が繁殖しにくいからです。


ちなみに
喫煙者は、非喫煙者と比較して、歯周病の進行は6倍以上も早いという論文データがあります。
この理由(原因)の一つとして喫煙者の歯周ポケット内部の酸素濃度は
正常状態(非喫煙者)の半分程度だからです。
こうしたデータからも喫煙者は嫌気性菌が繁殖しやすい環境であることが分かります。


次回のブログは、2月18日(月)になります。
来週の月曜日は、朝から日本口腔インプラント学会 参加のため、ブログは休ませていただきます。


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2013年1月28日

歯周病細菌を見てみよう!

2013年 1月28日(月曜日)です。

このブログは、歯周病に関するブログです。
毎週月曜日 にアップしています。

今日のテーマは、『歯周病細菌を見てみよう!』になります。

今日はブログを書き始めているのが比較的遅くなりました。
今日は休診日ですので、朝9:30頃にテレビをみていたら、
情報番組で歯周病についての話がありました。
そこで、歯周病細菌を患者様にみてもらい、
「歯周病細菌がいっぱい いますよ!」
ということを行っていました。

これは「顕微鏡による歯周病細菌検査」と言われるものです。
じつはあまり特別な検査ではなく、
実施している歯科医院も多くあると思います。

「顕微鏡による歯周病細菌検査」は、保険では適応されていませんが、
通常の保険診療とともに 付属して無料で行っている歯科医院もかなり多いのではないでしょうか?

当医院でも必要性があったり、
患者様がご希望されれば、歯周病検査の一つとして費用はかからずに行っています。

このブログでよく話すこととして、
「科学的根拠のある治療」
という話をします。

科学的根拠というのは非常に大切なことであり、
テレビ や インターネット 等で過剰な広告のような情報もあり、
本当に正しい情報が伝わっていないことも多くあります。

本日テレビで報道されていた歯周病の内容も
基本的には正しい情報なのですが、ある程度は誇張された内容でもあり、
全ての患者様に適応されることではないのも事実です。

テレビ や インターネット 等で過大に提供されている情報を
歯周病を例にとってみると
「歯周病が1回で治る!」
「歯周病は飲み薬で治る!」
「どんな歯周病でも治る!」
…等
という内容を見ることがあります。

それでは、本当に
「歯周病が1回で治るのでしょうか?」
「歯周病は飲み薬で治るのでしょうか?」
「どんな歯周病でも治るのでしょうか?」

答えは違います。
上記の内容は事実ではありません。

1回で治る歯周病もあります。
現に初診1回で治療が終了する方もいらしゃいます。
話は変わりますが、
例えば、高血圧 や 糖尿病 といった 生活習慣病 の方が病院に行った時に
本当に軽度であれば、通院回数も少ないと思います。
しかし、重度であれば入院も必要になるかもしれませんし、
何度も通院が必要になり、症状が安定した後にも定期管理による通院が必要になります。
歯周病もまったく同じです。
重度であれば、1回の診療で治療が終了することはありませんし、
治療後の定期管理が必要ないということはありません。
重度の方は、比較的短い間隔でのメインテナンス(定期検査) も必要です。
全ての歯周病を同じに考えてはいけません。
しかし、重度の歯周病の方がこうした情報をみると
「1回で歯周病が治る!」
ということのみを信じて行ってみると
「全然違った!」
ということが多々あります。

また、飲み薬で治る歯周病も存在します。
ただし、この方法の正しい言い方は、
飲み薬だけで治るのはなく、
歯周病治療 と 歯周病細菌に効果のある飲み薬を併用することにより効果が高まる
ということが正しい内容です。
テレビで時々報道されている歯周病の情報は、どうしても時間の関係もあり、
一部分の情報しか伝わることがなく、
視聴者にインパクトを与えるため、
「最新治療」、
「画期的な治療」
ということを誇張するため、本当に正しい情報が伝わっていかないのです。

毎年流行する「ダイエット法」はよく見ますよね。
「今までのダイエット法ではまったくダメだった私がこのダイエット法を行ったら、劇的に痩せた!」
「食事制限はいりません。この食品を飲むだけで効果があります!」
「このダイエット器具を使用すると1ヶ月で10キロも痩せた!」
というような明らかに誇張されたコマーシャルをよく見ます。
テレビに出ている体験者も綿密にリハーサルされたような意見をしゃべっています。
そして、テレビの端に小さく
「体験者個人の感想です」
というような逃げ道とも言えるテロップが表示されます。
そして、「このダイエット法」はなくなり、
また来年新しいダイエット法が報道されます。
「画期的なダイエット食品」
「今までどんなことをしても痩せられなかった方も これで痩せられます」
というようなコマーシャルが繰り返されるのです。

当たり前ですが、
お金になることには、多くの人が飛びつきますし、
正しくないと分かってても繰り返されます。

歯周病治療にも「適応症」というのがあります。
本日の最初に説明したような歯周病の治療方法が全て間違っているということではありません。
実際に1回で治る歯周病も存在しますし、
歯周病専門医 であれば、一般的に治療不可能と言われる状態の歯周病でも改善させることが可能なケースも存在します。

しかし、歯周病専門医 は、魔法を使うわけはありませんので、
全ての歯周病を治すことはできません。

また話はズレますが、癌(ガン)という病気は、日本人であれば、だれがかかってもおかしくない病気です。
事実、2人に1人は、ガンにかかりますし、
3人に1人は、ガンで亡くなります。

そのため、「ガンに効果のある食品」というようなものが多く出回っています。
先ほどと同じように使用者の体験談もでている広告もあります。
「医者に見放されたガンだったが、この食品を使用したらガンが治った!」
というような内容です。
別にこうした内容を全て否定するわけではありません。
ただ、あまりにも誇張した情報 や 場合によっては間違った伝え方もあります。

問題なのは、患者様が悩んでいる病気をうまく利用して
利益を追求しようとする姿勢です。

前置きが長くなってしまいました。
本日の内容は、「顕微鏡による歯周病細菌検査」でした。
写真4
写真3


歯周病の方で治療前に顕微鏡で歯周病細菌を見るとたしかに見られます。
そして、治療終了後に再度顕微鏡を見ると細菌は少なくなっています。
以下のようにです。
始めに治療前の歯周病細菌がウヨウヨいるところです。

細長いネジネジ(螺旋状:らせんじょう)したものが、歯周病細菌の中も問題のある菌です。
口腔内には500〜700種類の細菌が存在していますが、全てが悪い細菌ではありません。
問題となる細菌がきちんと分かっていないと
単に顕微鏡で細菌を見せて驚かせるだけになります。

次に治療終了後に歯周病細菌が少なくなったところです。

先ほどの細長いウヨウヨした(らせんじょう)細菌はいなくなっています。
まだ、動いている小さい細菌はいますが、こうした細菌は歯周病に関して問題ないと考えて下さい。

しかし、ここで問題があります。
始めに見た細長いウヨウヨした(らせんじょう)細菌は問題なのですが、
当然のことながら採取する場所により大きく変わってきます。
また、一度歯周病治療を行ったとしても、必ず歯周病細菌は増えていきます。

当然のことながら治療直後にこうした顕微鏡検査を行えば、細菌の減少は認められるものなのです。

大切なのは、裏付け(科学的根拠)です。
きちんとした根拠をもって治療にのぞまないと
単にインパクトを与えるだけのものでしかありません。

本日の話しました
過剰広告と同じになってしまいます。

次回のブログでは本日説明ができなかった部分を解説します。


次回のブログは、2月 4日(月)になります。



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2013年1月21日

歯周病は治るのか?

2013年1月21日(月曜日)です。

始めに新しいブログの新規開設のお知らせです。
昨年 歯周病ブログでも説明してきました「口臭外来」ですが、
いよいよ今年の4月2日(火)より予約を開始することになりました。
それに先立ち新しくブログも公開します。
口臭外来ブログ です。
まだ、何曜日にアップするかは決まっていませんが、
いまのところ1週間に1から回程度アップ予定です。
ご興味のある方は口臭外来ブログ をご覧になって下さい。


このブログは、歯周病に関するブログです。
毎週月曜日 にアップしています。

昨年末から
「正しい歯磨き方法」と
「一般的な歯磨き剤の問題点(合成化学薬品の有害性!)」
というテーマを解説してきました。
誤った予防知識では 虫歯 や 歯周病 を予防する効果がないだけでなく、
悪い点も起こってしまうのです。

今日からは、歯周病の基礎に戻りたいと思います。

今年になってからも多くの歯周病の患者様が来院されています。
その中で軽度の歯周病の方もいらっしゃれば、
中程度の歯周病の方もいらっしゃいます。
また、非常に進行した重度の歯周病の患者様もいらっしゃいます。

もちろん、歯周病を治したいと思って来院されるわけです。

それでは、歯周病は治るのでしょうか?

今日のテーマは、『歯周病は治るのか?』になります。


歯周病の患者様にとっては、
『歯周病は本当に治るのか?』
ということは、最も気になるところだと思います。

まず 始めに その答えからお話します。

中程度までの歯周病であれば、十分改善します。

状況しだいで、重度の歯周病であっても改善する可能性もあります。
骨再生治療を行えば、骨の回復(再生)もかなり行えることができます。

しかし、あまりにも非常に進行した歯周病の場合には、治りません。

それでは、
中程度とはどのような状態であるのか?』
『非常に進行した歯周病(重度歯周病)とはどのような状態か?』
『どこまで進行したら、抜歯となるのでしょうか?』
『また、治る場合、どこまで改善するのでしょうか?』

歯周病は、歯周病細菌による感染症です。

そして、感染が進行すると 歯を支えている骨が吸収します。

この骨吸収がどの程度進行しているかが、歯を残せる大きなポイントになります。

ただし、骨の吸収だけで、治る基準 や 抜歯の基準 を正確に決めることは非常に難しいことです。

この理由として、歯周病は、生活習慣病であり、さまざまな要因から成り立っているからです。
歯周病の原因は、
1. 歯周病細菌 
2. 歯磨きが適切にできていない(1.の原因になります)
3. 噛み合わせ(歯ぎしりを含む) 
4. 喫煙 
5. 食生活、運動、飲酒、睡眠、ストレス
…等です。

そのため、単に骨の吸収があるからダメ(抜歯)ということではありません。

中程度以下の歯周病で、骨吸収がさほど少なくても、
歯磨きができていない、
歯ぎしりが強い、
噛み合わせが悪い、
喫煙している 
ということが重なっている患者様では、治らない可能性が高くなります。

逆に骨吸収がある程度ある 重度歯周病でも
今後 徹底して歯磨きをきちんと行うことができる、
喫煙 や 生活習慣が適切である、
噛み合わせに問題がない、
等も問題がなければ、治る可能性も十分あります。


中程度の歯周病とは?
まず歯周病ポケット検査 において、
5ミリ以上の歯周ポケットであった場合には、中程度になります。
ちなみに7ミリ以上は、重度歯周病です。
以下の図は歯周病ポケット検査 です。
inspection1




しかし、もっとも重要なのは、レントゲン写真による骨吸収程度の検査です。
歯周ポケットが7ミリ以上あっても、レントゲンで骨吸収がない場合もあります。
骨吸収がなければ、歯周ポケットが7ミリ以上でも中程度以下の歯周病です。
言い換えれば、骨吸収が進行していると 状態としては悪いのです。
スライド4

shimiru_01



また、同じ歯周ポケットでも検査時に出血がある場合には、問題があります。
出血があるということは、現時点で進行している歯周病であるということです。
例えば、
5〜6ミリ程度の歯周ポケットでも、
出血があり、
レントゲンで骨の吸収が進行していれば、
重度歯周病ということになります。

* ただし、出血がなくても歯周病が進行している場合もあります。
  これは、喫煙者に多く見られる症状です。

1/3程度以下の骨吸収であれば、中程度の歯周病と言えます。


非常に進行した歯周病とは どのような状態か?
骨の吸収が大きいケースは、進行した歯周病と言えます。

噛み合わせ等にもより違いますが、
歯を支えている骨が1/3程度吸収してくると
“ 歯がグラグラ ”してきます。

骨の吸収が1/3以上ある場合には、
中程度重度歯周病といってもいいでしょう。
しかし、重度歯周病といっても まだまだ 半分程度の 骨が残っている場合には、抜歯にはなりません。

2/3以上の骨吸収がある場合には、非常に進行した重度歯周病になります。

また、“ 歯のグラグラ ”程度をあらわす数値として『動揺度検査』という簡単な検査があります。
以下のようにあらわします。
動揺度0:歯がほとんど動かない
動揺度1:歯が頬側、舌側のみに若干動く程度
動揺度2:上記+歯が横(左右)にも動く
動揺度3:上記+上下にも動く

動揺度2以上であれば、重度歯周病です。
動揺度3であった場合、抜歯となる可能性が高くなります。



どこまで進行したら、抜歯か?
ここまでで、
中程度の歯周病、
重度の歯周病
というのが、ある程度分かったと思います。

それでは、どこまで歯周病が進行したら抜歯になるのでしょうか?
最初にも書きましたように、歯周病の原因は さまざまあります。
そのため、抜歯の基準は正確にあるものではありません。

しかし、以下の場合には、抜歯になる可能性が高くなります。
1. 骨吸収が2/3以上ある
2. 動揺度が2もしくは、3
3. 6点法の歯周ポケット検査において、全てが7ミリ以上の歯周ポケット検査が存在する。
4. 歯磨きがまったくできていない
5.  噛み合わせに大きく大きく問題がある
6.  上記にプラスして 喫煙等の生活習慣に問題がある
等を考慮して抜歯が必要かどうかの判断を行います。

それでは、歯周病治療によりどこまで治るのか?(改善するのか?)

どこまで治るかを説明する前に 以下のことは患者様ご自身で徹底して管理して下さい。

1.徹底した歯磨きを行う
10分以上は、時間をかけ、歯科衛生士による適正な指示にしたがい 行って下さい。

2 生活習慣をきちんと見直す
何度も書きますように歯周病は、生活習慣病が不適切であると治らないと思って下さい。
また、口腔内も身体の一部ですから健康な身体こそ
健康な口腔内になります。
食生活、睡眠、適度な運動、ストレスの少ない生活をできるかぎり心がけて下さい。

それでは、歯周病治療によりどこまで治るのかを解説します。
まず、骨吸収がさほどなく、動揺度も大きくなければ、歯周ポケットは治療によりほとんど治ります。
もともと歯周ポケットが7〜8ミリあっても、
徹底して歯周病治療を行うことにより2〜3ミリ程度に改善します。
これは、歯周病治療により歯周ポケット内部に存在した
汚れ(歯周病細菌)を除去したことにより改善するのです。

しかし、治らないものもあります。
これは、吸収してしまった骨です。
吸収した骨は、基本的には元の状態には戻りません。
『骨再生治療のGTR法 や エムドゲイン法 を行うと骨が再生するのでは?』
と思われるかもしれませんが、
GTR法
エムドゲイン法
は魔法の治療ではありません。

どのような状態の歯でも再生治療を行えば骨が再生するのではありません。
再生するための適応基準に当てはまれば 骨が再生することは可能です。
しかし、それでも100%元に戻るわけではありません。

基本的には、歯周病治療により吸収した骨の量は、増えません。

しかし、歯周病治療の目的は、歯周病の進行を止めることにあります。
歯周ポケット内部の細菌を取り除き、歯周病の進行を食い止めることにより、
悪化を阻止することが最も大切なことです。

一番大切なのは、
早期治療の開始です。
歯周病は、放置すればするほど悪化します。
早く治療を開始することが最も大切なのです。

重度歯周病の患者様に歯周病の検査を行い、検査内容を説明すると
必ず「もっと早く検査していれば良かった!」と言われます。
歯周病の状態を10年、20年と放置されている方も多くいらっしゃします。
また、「歯周病が進行しているので、歯科医院に行くと抜歯されるので行きたくない!」
と考えられている患者様もいらっしゃいます。
これは明らかに間違っています。
重度歯周病であるからこそ 早く治療を開始しないといけません。

次回の歯周病ブログは、1/28(月)になります。


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2013年1月7日

一般的な歯磨き剤の問題点(合成化学薬品の有害性!)

2013年5月14日(月曜日)です。

このブログは、歯周病に関するブログです。
毎週月曜日 にアップしています。

今年最初の歯周病ブログです。
昨年の最後の方のブログは、「正しい歯磨き方法」というテーマを書いてきました。
なぜかと言いますと
なぜ歯磨きを行っているのか?
という正しい答えが分からない方が非常に多いからです。
稀に歯科医師でも誤った歯磨き方法を行っている方もいらっしゃいます。

私達が正しいと思っていることや
普段行っていることが全て正しいということではありません。
また、後でも説明しますが、
日本で普通に行われていることが 世界では普通ではないこともあります。

その一つとして、昨年末に「正しい歯磨き方法」という内容を書いてきました。
食べたらすぐ歯を磨く
という考えは、虫歯予防としては明らかに間違えです。
食べかすを取ることが虫歯予防ではありません。
実際に日本人の多くは、毎日、毎食後に歯磨きを行います。
しかし、先進国の中で日本人の虫歯保有率は非常に高いのが現状です。
「毎食後に歯を磨いているのにいつも治療を行っている!」
という方も多いのではないでしょうか?

予防大国の一つである スウェーデン では、虫歯はほとんどない状態です。
虫歯治療を行っている歯科医師も日本と比較すると
圧倒的に少ないのが現状です。
あまりにも虫歯治療がないので、歯科医師は、予防は別として
スウェーデン国内では虫歯治療では食べていけないため、
隣国に行く人もいるほどです。
それだけ虫歯予防が成功しているのです。

それでは、スウェーデンの国民は そんなに歯磨きを行っているのでしょうか?
歯磨きの回数が多いのでしょうか?

答えは、違います。

虫歯にならないための方法をきちんと理解しているのです。
予防ですね。

日本では
歯磨き=虫歯予防
という考えがあるのです。
ただし、誤解してはいけないのが、歯磨きが悪いということではもちろんありません。
歯を磨くことは重要なことです。
「なぜ歯磨きを行なうのか?」
という基本的なことが分かっていないことが問題なのです。
このことは昨年のブログで何回も解説してきました。

日本ではこの 予防 という観点がほとんどないまま 歯科医療が進んでいたのが問題なのです。

日本の健康保険制度は、世界的にみても非常にすばらしいことですが、
医療側からすれば「出来高払いで利益を得る」ということとなっているのも事実です。
「風邪を引けば、病院で薬を処方」
というのが当たり前の医療スタイルです。
世界的に 単なる風邪で 抗生剤を処方される国はどれだけあるのでしょうか?
日本は本当に稀な国といっていいでしょう。

先ほど書きましたように 日本の保険医療は、本当にすばらしい制度ですが、
その反面過剰な治療行為を生んでいるのも現実的なところです。
健康保険制度ができたころの歯科医療は、
虫歯を削ること、抜歯することが医療行為のほとんどであったのも事実です。
予防という観点から歯科医療を行ってきた歯科医師は、非常に少なかったのです。
その一つとして、予防ということが保険の考えにはなかったからです。
日本の歯科保険医療は、「病気を治す」ということが大きな目的であり、
病気を予防することが第一の目的ではなかったのです。

そのため、歯科医師は、虫歯を削ること、抜歯をすることを中心に歯科医療を行なってきました。
1日に100人以上診察していた歯科医師も多く、
歯科医療をこなすということで精一杯だったのも事実です。

そのため、「正しい歯磨き方法」というのは浸透せず、
予防は歯科医師主導ではなく、
企業主導で国民に知れ渡ったのです。
その一つが「誤った歯磨きの知識」です。

企業は、当然のことながら商品が売れなければ利益はでません。
安価で製造することも必要です。
大量生産では、安定した材料調達も非常に大きなことです。
商品を認知してもらうために、
テレビコマーシャル 等で宣伝をします。
その結果、「食事が終わったらすぐ磨きましょう!」というような
風潮が浸透してしまったのです。
「食べたら汚れが歯に付くので、すぐ磨くのは当然」
というような考えです。
食後に食器を洗うのと同じ感覚です。

1億人が毎食後に歯磨きを行なえば、
それは相当の利益につながります。

そうした予防方法を行なってきた日本の虫歯予防が
2013年になった現代で虫歯が劇的に減ったのか?
ということをみてみると
先進国で虫歯有病率の高い国となっています。

前置きが長くなりましたが、
このブログでは、正しい情報、知識を伝えることが目的となっていますので、
昨年末が「正しい歯磨き方法」でしたので
今年始めのブログのテーマは、一般的な歯磨き剤の問題点(合成化学薬品の有害性!)という内容で、誤った歯磨き剤の知識を払拭していただきたいと思います。


一般的な歯磨き剤の問題点(合成化学薬品の有害性!)
日本の歯磨き剤の多くには、ラウリル硫酸ナトリウムという合成界面活性剤が使用されています。
これは発泡剤であり、泡立たせることを目的として使用されています。
合成洗剤に使われるのと同じです。

ラウリル硫酸ナトリウムは、人工的につくられた石油科学系物質なのです。
ラウリル硫酸ナトリウムの毒性については、さまざまな見解がありますが、
ここでは詳細については省かせていただきます。
(発ガン性があるとか ないとか さまざまなことが言われていますが…)
また他の機会でこうした内容には触れたいと思います。

合成界面活性剤を口腔内で使用すると 急速に粘膜から吸収されていきます。
口腔粘膜は、皮膚からの体内浸透に比べて約10倍以上もの体内吸収率があるといわれています。
そして、体内に蓄積されていきます。
もちろん1回の使用で問題が起こる可能性はほとんどないと考えられますが、
毎日、毎日、何年、何十年も使用すると
蓄積量は増え、問題を引き起こす人もでてきます。

また、歯磨き剤に使用される多くの化学薬品は、
アレルギー や ガン(癌)、糖尿病、不妊症、高血圧、皮膚炎、などの要因の一つとされています。

多くの歯磨き剤を製造 販売するメーカーは、先にも説明したように 泡立てること や 殺菌 を目的として、ラウリル硫酸ナトリウムを使用しています。

しかし、本当に口腔内にそのような成分が必要なのでしょうか?

私個人の見解としては、歯磨きを行なう際に泡立たせる必要性はないと思いますので、
リスクを追ってまで使用する理由はありません。
「泡立った方が売れる!」という考えがあるのかもしれませんが、
必要ではないものを使用することはありません。
安全性を第一に考えることが大切です。
ちなみに私自身は、歯磨きを行なう際に 一般的な歯磨き剤は使用していません。

また、世界的にもラウリル硫酸ナトリウムを禁止している国が非常に多いのも事実です。

ドイツでは、
ラウリル硫酸ナトリウムは、人体に有害なので使用禁止になっています。

アメリカでも
ラウリル硫酸ナトリウムは6歳以下の子供用品への使用を禁止しています。

また、多くの歯磨き剤には、ラウリル硫酸ナトリウム以外にもさまざまな化学製品が含まれています。
例えば 抗菌剤として含有されているトリクロサンは、塩素を含んだ水と
接触すると化学反応を起こしクロロホルムへと変化することが報告されています。
これは毒性の強い化学成分であり、米国環境保護庁では 発がん性物質の能性があるとして分類しています。

さらに 固まらないようにするための プロピレングリコール も粘膜アレルギーを起こす可能性があり、ラウリル硫酸ナトリウム と同様に アメリカでは6歳以下の子供用品への使用を禁止しています。

化学製品を多く使用した歯磨き剤を使用するのがご心配な方は、
そうした成分を含まない物も販売されていますので、
パッケージの裏側等をみてご判断されて下さい。

インターネット等で安全性の高い製品を購入することも一つの方法ですし、
ハンズ や ロフト等でも輸入歯磨き剤も売っています。
海外の歯磨き剤が良いということではありませんが、
先に説明しましたように 海外では危険性の高い製品が禁止となっていることが多いので
輸入品等のパッケージを良く見て購入判断をされてみて下さい。
もちろん国内の製品でも安全性の高い歯磨き剤もあります。

当医院でも化学薬品を使用せず(合成界面活性剤フリー、ノンアルコール)、
人体にも環境にも優しい漢方系薬用歯磨き剤を販売しています。

Dental Paste(デンタルペース)という歯磨き剤です。
DSC_0023

漢方系薬用歯磨き剤

簡単にこの製品の特徴を説明します。
Dental Pasteの特徴
この歯磨き剤は一般的な歯磨き剤とは異なり、口腔内過敏を促進させるような
合成界面活性剤 や 殺菌成分などの化学物質を含まないナチュラルな漢方成分が主体となっています。
虫歯や歯周病を予防するために漢方成分のカンゾウが含まれています。
粘膜過敏を抑止するためにオウゴンが含まれています。
また、口臭を引き起こしたり口腔内の細菌が活動しやすい原因となる口腔内
の酸性化を防止するためにpH安定剤として天然の重曹が含まれているのでホワイトニング効果もあります。

院内には、その他の成分も掲載したプリント(資料)も配置してありますので、
ご興味のある方は、お持ち帰りになって下さい。

ちなみに 
このブログでは、「歯磨き剤」という書き方をしていますが、
「歯磨き粉」という言い方もしますよね。
若い方がこのブログを読まれている場合には分からないかもしれませんが、
以前の歯磨き剤は、チューブではなく、本当にだったのです。
洗剤のような粉と同じです。
バターが入っているような小さな箱の中に粉が入っていたのです。
洗剤の小さい版のようなものです。
その粉を付けて磨いていたので
「歯磨き粉」というのではないかと思います。
私のかってな意見ですが…
私が小さい頃は「歯磨き粉」を使用していました。

違ったら誰か教えて下さい。

1月14日は祝日になりますので、
次回のブログは、1月21日(月)になります。



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2012年12月17日

正しい歯磨き方法:その2

2012年12月17日(月曜日)です。

このブログは、歯周病に関するブログです。
毎週月曜日 にアップしています。

今年最後の歯周病ブログです。

年末年始休診の案内です。
12月30日(日曜日)〜平成25年1月4(金)まで休診とさせていただきます。


今日のテーマは、『正しい歯磨き方法:その2』になります。

本日のテーマを始めて見られる方は、
前回(12/3)
前々回(11/26)
のブログを先に読まれて下さい。
今回の内容がより理解できます。
12/3 正しい歯磨き方法:その1
11/26 神経がない歯の生存率(最新版)

前回のブログでは、
「正しい歯磨きの時間帯は、就寝前と起床時」
であることを解説しました。
この理由として、
起床時(起きた直後)は、最も口腔内細菌が大きい時だからです。
また、就寝前に磨きをする理由は、夜間細菌が増えるため、その原因となる汚れの付着を事前に取り除くことが必要であるからです。

毎食後に すぐに歯を磨くのは、正しいことではありません。
食後すぐが、口腔内(唾液中)の細菌が最も少なく、非活動状態になって、細菌学的に最もクリーンな状態なのです。

この理由として、唾液には、細菌を減少させるための抗菌物質が含まれています。
唾液を多く分泌させることが
虫歯予防、歯周病予防 に大きく関係してきます。

食直後は、唾液の分泌が多量に起こるため口腔内の細菌は、少なくなっているのです。

この時期に歯を磨いてしまうと
唾液は、洗い流されてしまいます。

ここまでが、先週の話しでした。

それでは今週の内容になります。
本日は、唾液の緩衝能(だえき の かんしょうのう)という話しです。

唾液の緩衝能力が低いと虫歯になりやすくなります。

先にも説明しましたように
歯を磨けば、虫歯にならないということではありません。
虫歯にならない重要なポイントは、唾液です。

それでは、唾液の緩衝能とは、どのようなものなのでしょうか?

通常口腔内のpHは、中性状態を保っています。
pHは6.8〜7.0です。
(口腔内に食物が入った状態 や 緩衝能が低い人 等は、もっとpHが低い)

この中性状態を保つことが重要なのです。

多くの食品は、酸性状態にあります。

酸性食品の参考例として、
肉類(豚肉、牛肉、鶏肉等)、
魚類、
バター、チーズ 等、
砂糖(乳酸を作ることから酸性食品とされる)、
穀類(米、小麦類、酢 等)

アルカリ性食品の参考例として
野菜(ほうれん草、ゴボウ、サツマイモ、ニンジン等)、
果物(メロン等)、
海藻(ひじき、ワカメ、昆布等)、
キノコ、
大豆
があります。

しかし、野菜といっても食べる時には、ドレッシング等をかけたり、
さまざまな食品と一緒に食べる方が多いと思いますので、
現実的にサラダも酸性食品といっても良いかもしれません。
シーザーサラダなんて、ドレッシング や ベーコン、 チーズ 等もいっぱい入っていますしね。

その他にもアルカリ性食品といっても加工されている状態によっては、
酸性食品とも言えます。

口腔内が酸性状態に傾くと虫歯になりやすくなります。
例えば、歯の表面にある硬いエナメル質が虫歯細菌で溶けるためには
pHが約5.5以下になることが必要です。

歯肉が下がると見えてくる 根元の象牙質pH6.0以下で溶けます。
そのため、歯周病 等で歯肉が下がっている方は、
象牙質の部分から虫歯になりやすいのです。
また、歯肉が下がっていると歯磨きが適切に行ないにくいということもあります。

口腔内を酸性(pH5.5以下)にしないことが虫歯にならないために重要なことなのです。

虫歯予防とは、単に汚れを取れば良いのではなく、
酸性に状態が続かないことが大切なのです。

「なぜ歯磨きをするのか?」
という基本的なことが分かっていないと
予防にはなりません。

pHの低下は、さまざまなことで起こります。
飲食物、虫歯細菌が産生する産(乳酸)等が口腔内を酸性化させる主な原因です。

ここで重要なポイントは中和作用です。
生体は、酸性に傾いた状態を中和させる働きがあるのです。

口腔内が酸性に傾いた状態を中和させる機能を緩衝能と言います。

この中和させるのが唾液です。

唾液はとても重要な働きをしています。

具体的には、唾液中の重炭酸塩 や リン酸塩 が 酸性に傾いたpHを中性に戻してくれます。

食後直後から口腔内は酸性に傾きます。
(細菌が乳酸を産生するためです)
しかし、唾液の緩衝能により30分程度で中性に回復するのです。
(食後約5分すると酸性に傾きます)

もし、唾液の分泌が少ない人であったり、
唾液の緩衝能が低い人であれば、
酸性状態となってしまいますので虫歯になりやすいということになります。

間食が多い人 や
加糖入り飲料を食間に好む方は、
pHが酸性状態に傾いた状態のままとなってしまうため、虫歯になりやすいのです。

また、酸っぱい物を食べると唾液が出るのは、
酸性に傾いた状態を中性にもどそうとする作用があるためです。

唾液って大切なんですね。

ここまでの内容で食直後に歯磨きをしてはいけない理由が分かった人もいらっしゃるかと思います。

食直後(食後すぐに)に歯磨きをしてしまうと
うがい によって大切な唾液を吐き出してしまいます。
先程説明した
唾液の緩衝能により30分程度で中性に回復する
という重要な働きを失ってしまうのです。

食事中は、大量の唾液が分泌されます。
そのため、食直後は口腔内に多くの唾液が存在します。
その唾液を 食直後の歯磨きによって失ってしまっているのです。

食べたらすぐ歯磨きは、明らかに間違っているのです。

ちなみに私は、食直後には 歯を磨かずに 必ずガムを噛みます。

次回も「正しい歯磨き方法」について解説します。


今回の内容とは少しズレますが、
pHとは?
なんて読むの?
という話しをしたいと思います。

pHとは、
水素イオン指数
または
水素イオン濃度指数のことで、
物質の酸性、アルカリ性の度合いを示す物理量です。

読み方は、「ピーエッチ」(英語読み)と読みます。

「ペーハー」(ドイツ語読み)と読む方も多くいらっしゃいますが、
本当の読み方は「ピーエッチ」です。

もともとpHの発見者がデンマーク人であり、
近代化学がヨーロッパで発展したことなどから、ペーハーという読み方が多くなされていましたが、
昭和32年(1957年)、pHのJIS化のときに、読み方がピーエッチに統一されたのです。

次回のブログは、2013年 1月 7日(月)になります。




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2012年12月3日

正しい歯磨き方法:その1

2012年12月 3日(月曜日)です。

始めに歯周病ブログからのお知らせです。
12/10(月)は、歯周病ブログは休みです。
次回の歯周病ブログは12/17(月)となります。

このブログは、歯周病に関するブログです。
毎週月曜日 にアップしています。

早いもので、今年もあと1ヶ月となりました。
今年は、当医院の基本的な治療である 歯周病 と インプラント以外に
新たに口臭という診療科を開設するために1年間 学んできました。

口臭科の開設にはまだ時間がかかりますが、現在準備を整えているところです。
この1年間、口臭治療の権威である大阪のほんだ先生に指事を受けて
学んできました。

昨日もほんだ先生の門下生一同が集まった年に1回の研修会が開かれました。
300人程度いたのでしょうか?
私と北浜先生の2人で参加してきました。

口臭外来開設時には、ブログ等でお知らせします。


今日のテーマは、『正しい歯磨き方法』になります。

前回のブログでは「神経がない歯の生存率:最新版(2012.11)」という内容を解説しました。
そこで、「多くの方は 正しい歯磨き方法を理解していない !」
ということを説明しました。

虫歯になりやすい人は、本来もっている細菌の質にも問題がある可能性があるのですが、
「毎食後徹底して歯磨きをしているのに虫歯になってしまう!」
「神経のない歯が非常に多い!」
という方は歯磨き方法が間違っている場合があります。
前回も説明しましたが、
食べたらすぐ歯を磨くことが大切だ!
ということを実践されている方は、明らかに間違いです。
食べたらすぐ歯磨きを行なえば、虫歯にならない!
という考えは、間違っているのです。

細菌を増やさないことが虫歯予防にとって重要なことなの一つなのです。

このような話しをすると
「細菌を増やさないこと?」
「歯磨きをすれば、細菌が増えないのでは?」
と考えている方が多くいらっしゃいます。
これが大きな誤りなのです。

歯磨き = 細菌を増やさない
ではありません。

ここでは、正しい歯磨き方法を理解していただくための第一歩として
虫歯の成り立ちについて解説します。

ちょっと難しい話しにはなります。

来週の月曜日(12/10)は、ブログを休ませていただきますので、
本日は2回分まとめてアップします。
少し長い話しになりますが、最後までご覧になって下さい。
    
飲食後(食物を摂取後) 虫歯細菌の一部は、
多くの糖(ショ糖)から酸(乳酸)という歯を溶かす成分をつくります。
    
このにより歯が溶けてくるのです。
いわゆる虫歯になるのです。
    
しかし、この細菌の産生するは、
唾液の抗菌性 や 自浄性(洗い流す作用)等により抑えられていくのです。
    
しかし、歯を磨かないと問題が起こるのです。
この問題とは、プラーク(デンタルプラーク)が形成されるのです。
プラークとは、細菌の塊のことです。
食べかすではありません。
    
プラーク(細菌の塊り)をバイオフィルムと言います。
このバイオフィルムを知ると、歯磨きを行う重要性が分かるのです。
    
以下は、ちょっと難しい話しになりますが、正しい歯磨き方法を学ぶ基礎になります。
    
虫歯細菌の中には 食物中のショ糖から粘液性多糖体(水不溶性グルカン)を作るものが多くあります。
粘液性多糖体とは、細菌が着きやすい ネバネバしたもの と思って下さい。
    
このネバネバ(粘液性多糖体)を介して細菌が凝集していきます(細菌が集まってきます)。
    
多くの細菌が集まった状態をバイオフィルムと言います。
このバイオフィルムがあると外来からの影響を受けにくくなります。

バイオフィルムは、バリアーと思って下さい。
先にも説明しましたように通常口腔内細菌が繁殖すると
唾液により洗い流されたり、
唾液の抗菌作用により
細菌が繁殖するのが抑えられます。

しかし、バイオフィルムの中に生息する細菌は、唾液の影響を受けにくくなるためバイオフィルムの中で細菌は増殖していくのです。
    
バイオフィルムというバリアで囲まれた中に生息する細菌は、
産生した酸(乳酸)の拡散を防ぎ、唾液に流されないために局所に留まります(停滞する)。
    
そのため、虫歯予防をするためには、バイオフィルムという細菌の住処を破壊することが重要なのです。
    
簡単に言えば歯磨きを行うことです。
これでなんとなく歯磨きを行う理由が分かったかと思います。歯磨きとは、汚れを取り除くのではなく、細菌をコントロール(減少)するさせることなのです。


患者様に以下のようなご質問をすることがあります。
「口腔内に歯垢(しこう:プラーク) や 細菌が最も多く存在するのは いつかわかりますか?」

多くの患者様は以下のように答えます。
「食後 と 朝起きてすぐ です。」
これが、認識違いなのです。
歯磨き製品を販売しているメーカーによるテレビコマーシャル等で
「食後にすぐ歯を磨きましょう!」
といような 誤解を報道がなされているために
食後(食直後) = 歯磨き
という図式があるのです。

これが誤っているのです。

まず、一日のうちで最も口腔内細菌が多いのは、起床直後です。
朝起きてすぐの唾液の中に含まれる細菌数は、
1.000.000.000〜100.000.000.000個/ml です。
これは、同じ量の糞便に含まれる量に匹敵します。

また、歯垢(しこう:プラーク)中には、
10.000.000.000〜100.000.000.000個/gですから
同じ量の糞便の10〜100倍の菌が生息しています。
びっくりですね。

朝起きた状態は、お口の中は、非常に多くの細菌が生息しているのです。
そのため、歯磨きを行なう重要なタイミングは、
朝起きてすぐです。

これは十分理解できますよね。

細菌が最も多時間帯ですので、この時に歯磨きを行なうことは非常に大切です。

それでは なぜ起床時に細菌が増えるのでしょうか?

口腔内の細菌が最も多くなるのは、唾液の分泌が減少している時です。

唾液には、細菌を減少させるための抗菌物質が含まれています。
唾液を多く分泌させることが
虫歯予防、歯周病予防、口臭撃退に大きく関係してきます。

そのため、唾液の分泌が少なくなると細菌が増殖しますので虫歯になりやすいのです。

唾液の分泌が最も少ないのは就寝時です。
また、就寝前に口腔内を清潔にすることは、
就寝時の細菌繁殖に大きく影響します。

そのため、正しい歯磨き時期は、起床時 と 就寝前です。

それでは、以下のようなごご質問に対してはどのような回答になるでしょう!
「口腔内(唾液中)の細菌が最も少なく、非活動状態になって、細菌学的に最もクリーンなのはいるでしょうか?」
この質問には、ほとんどの方が間違えます。

答えは、食後です。

食後の唾液を顕微鏡でみると細菌の活動は非常に少ないのです。

これは、食事を行なうことにより、唾液の分泌が大量に出てくるからです。
唾液の分泌大量 = 細菌の増殖を抑えることが可能
ということです。

これで、細菌の増殖についてだいぶ わかってきたと思います。

食直後に歯磨き剤を使用しての過剰な歯磨きは、唾液の損失を起こします。

歯磨き後には、当然のことながら うがい を行いますよね。
この うがい により唾液は洗い流されてしまいます。

毎食後徹底した歯磨きを行なっているのに虫歯が多い方の多くは、
歯磨きの本当の意味を分かっていないのです。

食後には、食べかすが分解されて酸になります。
この酸性の状態が続くと
口の中が
酸っぱくなったり、
酸性臭がしたり、
虫歯細菌の活動が活発になったりします。
酸性状態が続くと
歯が溶け出したり(脱灰)、
虫歯になりやすくなります。

酸性状態が続くと
菌が集合してプラークとなります。

始めにも説明しましたように
このプラークを取り除くことが歯磨きの目的なのです。

食べかす を取ることが歯磨きの目的ではありません。

つまり、虫歯予防 や 飲食後の口腔内ケアーによって重要なのは、
プラークを除去し、
口腔内の酸性化をコントロールすることです。

これをpHコントロールといいます。

簡単に言えば、中和です。

専門用語では、唾液の緩衝能 と言います。

次回からも正しい歯磨き方法について解説しますが、
そこで重要キーワードとなるのが
唾液の緩衝能

再石灰化
です。

今日は、非常に長い話しになりました。

来週の月曜日はブログは休みです。

そのため、次回のブログは、12月17日(月)になります。
唾液の緩衝能
再石灰化
について解説します。
これにより虫歯になりにくい正しい歯磨き方法が分かります。

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