歯周病専門医サイトブログ

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2016年5月3日

ゴールデンウィーク休診案内

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5月5日(木)まで休診となります。
休診中の緊急連絡は以下よりメールでご連絡下さい。
GW緊急連絡先

また休診中の予約は以下より24時間オンライン予約可能です。
インターネット24時間オンライン予約
2016年4月18日

歯周病とオールセラミック:その6

2016年 4月18日(月曜日)です。


このブログは「大船駅北口歯科 歯周病専門サイト」です。

始めにゴールデンウィーク期間中の休診連絡です。

以下を休診とさせていただきます。

4月 29日(金):昭和の日

5月  2日(月):定休日

5月  3日(火):憲法記念日

5月  4日(水):みどりの日

5月  5日(木):こどもの日


今日のテーマは、
『歯周病とオールセラミック:その6』になります。


このシリーズも6回目になりました。

ジルコニアについてづっと書いています。

ジルコニアと言う言葉は、
だいぶ一般的になってきており、
来院される患者様で被せ物が必要な方に対して
さまざまな種類がありますので、
どのような被せ物の種類があるのか説明をさせていただいております。

大きく分けて以下のような被せ物の種類があります。

1.金属製の被せ物
2.セラミック
3.ハイブリッドセラミック
4.オールセラミック
5.ジルコニア

です。

金属製は分かるとしても
2〜5番の被せ物の種類の違いはどこにあるのでしょうか?

また、なにを選択した方があるのでしょうか?

また、治療費に違いはあるのでしょうか?

いくら種類が多くあっても
その違いが分からなければ選択できません。


まずセラミックです。
この言葉は聞いたことがあると思います。

歯科のブログをみている方であれば
セラミックという言葉を聞いたことがない人はいないと思います。

セラミックは、大雑把に言えば
瀬戸物です。

専門的には、長石系のセラミックとなります。

見た目(表面上)は、白いきれいなセラミックとなりますが、
内部(内面)には金属が使用されています。

これはセラミックだけでは強度が保てないので
内部に金属製のフレームを作製して
その金属フレームの上にセラミックを焼き付けて作製されています。

日本語では
陶材焼付鋳造冠と言います。

セラミック(瀬戸物)と 金属の 2重構造です。

このタイプのセラミックの歴史は非常に古いです。

優秀な歯科技工士が作製するセラミックは、
適合精度が非常にすぐれています。
安心感がある素材と言えます。

私自身も今までにかなり多くのセラミックを使用してきました。

今までというのは…
最近はあまり使用することがなくなってきています。

その理由には多くのことがあるのですが、
まず審美性の問題です。

先にも説明しましたが、
セラミックの内部は、金属製であるため、
光の透過性がなく、暗く見えます。

前歯部では、ベストの審美性は得られにくいです。

また前歯部で
このタイプのセラミックを使用されている方に起こることとして
歯肉が退縮すると黒い境目が若干みえてくることがあります。

この黒い部分が金属なのです。

こうしたことがあり、
前歯部で従来タイプのセラミック(陶材焼付鋳造冠)を使用することは
ほとんどなくなりました。


奥歯ではどうでしょうか?

前歯部ほど審美性は必要ないかもしれませんが、
見た目だけの問題ではない欠点もあります。

これは強度です。

奥歯でセラミック(陶材焼付鋳造冠)を使用した場合、
破損する確立が多少ですがあります。

特にインプラントの被せ物でセラミックを使用した場合、
奥歯では破損率が高いことが報告されています。

日本でのデータでは、
インプラントの被せ物に
従来タイプのセラミック(陶材焼付鋳造冠)を使用した場合、
10年で約10%が破損すると言う報告もあります。

もちろんこうしたことは、全ての人に起こるわけではありません。

噛み合わせに問題があったり、
歯ぎしり等が強い方であったり
する場合には、破損率が高いです。

また、金属アレルギーの方には使用は難しいです。

また、セラミック(陶材焼付鋳造冠)を作る側にとっても
問題点があります。

まずセラミック(陶材焼付鋳造冠)を作製する
歯科技工士の立場で言えば、
非常に熟練した技術が必要になります。

そのため、誰(どの技工士)が作るかによって
その完成度に非常に大きな差がでてきます。

技術レベルの高い歯科技工士が作製すると
当然のことながら作製コストが高くなります。

セラミック(陶材焼付鋳造冠)の作製コストが高いということは
患者様に提供するコストも高くなります。

また、先にも説明しましたように
セラミック(陶材焼付鋳造冠)は、
内部に金属が使用されているため、
使用する金属の種類によってコストが大きく左右されます。

ご存知のことと思われますが、
ここ10年で金属の市場価格は急騰しています。

一般的にセラミック(陶材焼付鋳造冠)に使用される
金属は、プレシャスメタルというものが多いです。

このプレシャスメタルの成分ですが、
金が75%(18カラット)以上使用されています。
高純度の金合金です。
通常歯科に使用される金は24金(100%の金)ではありません。
24金(100%の金)柔らかすぎますので使用が難しいのです。

次にセミプレシャスメタルです。
金が50%(12カラット)以下の含有されています。
プレシャスメタルより硬いです。

次にノンプレシャスメタルです。
非貴金属合金に分類されます。
コバルトクローム合金、ニッケルクローム合金などです。
非常に硬いです。

当然のことながら金の含有率が高いものが
コストも高くなります。

最近では、プレシャスメタルの使用頻度はかなり減っているようです。

セラミック(陶材焼付鋳造冠)といっても
ノンプレシャスメタルが多く、
もっと安い金属を使用していることもあるようです。

最近では、
日本でセラミック(陶材焼付鋳造冠)を作製すると
コストが高いので、
中国 等の海外に歯形を取った模型を送って
作製する歯科技工所 や 歯科医院が増えてくていると聞きます。

セラミックの精度もありますし、
どのような金属が使用されているのか分かりませんので
私自身は、とても頼む気にはなれません。


本日は
セラミック(陶材焼付鋳造冠)について解説していきましたが、
このように使用する金属によっても
その内容に大きく違いがでるのです。

また、作製する歯科技工士の技術レベルにも大きく差がでやすい素材と言えます。


来週のブログでは
他の素材についても説明します。


現在、被せ物の種類について
考えられている方にとっても参考になるかと思います。











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2016年4月4日

歯周病 と オールセラミック:その5

2016年 4月 4日(月曜日)です。


このブログは「大船駅北口歯科 歯周病専門サイト」です。

今日のテーマは、
『歯周病 と オールセラミック:その5』になります。

ここまで数回に分けてジルコニアオールセラミックについて解説してきました。

ジルコニアは、今後歯科治療に欠かせない材料となっていくことが考えられます。

しかし、ジルコニアは いままであった通常のセラミックと比較すると
まだまだ新しい素材であることは確かです。

また、ジルコニア自体も年々 進化しています。

全ての材料に言えることですが、
必ず利点、欠点があります。

ジルコニアにも欠点があるのも事実です。

その一つが ジルコニは硬いということです。

この硬さは、天然歯よりはるかに強い(硬い)です。

ジルコニアの種類によっても硬さは違いますが、
天然歯の約4倍以上の硬さがあります。

この硬いということで、
噛み合う歯(下顎がジルコニアであれば、上顎の歯ということです)に
問題が起こるのではないか?

ということが言われています。

噛み合う歯の問題とは、
噛み合う歯が天然歯であった場合、
先にも説明しましたように
天然歯より
ジルコニアの方が
約4倍硬いので、
天然歯がジルコニアの硬さにまけてすり減っていくのではないか?
ということです。

それは本当なのでしょうか?

以下は摩耗試験という研究です。

摩耗試験とは、
さまざまな材料を使用して
それが噛み合う歯にどのような影響を及ぼすか?
ということです。

具体的には以下の材料を使用します。
1.天然歯
2.金属(良く研磨したコバルトクロム)
3.ジルコニアセラミック(ジルコニアの表面にセラミックを盛り足し、良く研磨したもの)
4.研磨しないジルコニアセラミック(上記のセラミックと同じ作り方ですが、研磨しない状態)
5.100%ジルコニア(フルジルコニア)


1〜5の材料を使用した被せ物(クラウン)を片顎に装着し、
噛み合う歯が天然歯であった場合に
天然歯がどれだけ磨り減るか?
という研究です。

先に説明しなければいけないことがあります。

それは、3と4と5の材料の違いです。

3番のジルコアセラミックですが、
どのような物(材料)であるかと言いますと
ジルコニアという素材でフレームを作製します。
そのフレームの周囲にセラミックを焼き付けて作製されたものです。

つまりジルコアセラミックは、
見た目に見える部分は、
ジルコニアではなく、セラミックなのです。
セラミックの内部(見えない部分ですが…)がジルコニアなのです。

今まで一般的に使用されてきたセラミックという素材は、
表面がセラミックで
内部は、金属製になります。
これは、セラミック単体では強度が弱く割れるからです。
そのため、金属製のフレームを作製し、表面にセラミックを焼き付けて
作製されています。
この素材の日本語名は、陶材焼付鋳造冠(とうざいやきつけちゅうぞうかん)と言います。

ジルコアセラミックは、
従来の陶材焼付鋳造冠の内部の金属を
ジルコニアに置き換えた材料です。


次に4番目ですが、
これは単に3番目のジルコニアセラミックが良く研磨されていない状態です。
研磨とは、きれいに ツルツルに磨きあげることです。
当然セラミックは、ツルツルに研磨するものなのですが、
実験では、あえて研磨しないでザラザラの状態で使用し、
どのようになるのかをみた研究です。

さて最後になりますが、
5番目の100%ジルコニア(フルジルコニア)です。
これは、3番、4番のジルコニアセラミックとは大きく違い、
セラミックを焼き付けていない状態です。
全てがジルコニアで作製されているため、
通常は、フルジルコニアと言われます。


前置きが長くなりましたが、
片顎に各種の素材の違う材料を使用し、
噛み合う片顎は、天然歯ということです。

1.天然歯 と 天然歯 が噛み合う
2.天然歯 と 金属(コバルトクロム) が噛み合う
3.天然歯 と 良く研磨したジルコニアセラミック(表面はセラミック)
4.天然歯 と 研磨していないジルコニアセラミック(表面のセラミックはザラザラしている)
5.天然歯 と フルジルコニア(100%ジルコニア)

の5つのパターンで噛み合わせた時に
天然歯の方がどれだけ磨り減るか?
ということを
20万回、
40万回、
60万回、
80万回、
100万回、
120万回
という噛み合わせを行ないました。

結果のグラフが以下です。
スライド1



結論として、
最も噛み合う天然歯が削れたのが
4番目の
天然歯 と 研磨していないジルコニアセラミック(表面のセラミックはザラザラしている)
でした。

次に削れたのが
3番目の
天然歯 と 良く研磨したジルコニアセラミック(表面はセラミック)
でした。

次に削れたのが
2番目の天然歯 と 金属(コバルトクロム)
でした。

次が
1番目の
天然歯 と 天然歯 
でした。

そして最も噛み合う歯が削れなかったのが
5番目の
天然歯 と フルジルコニア(100%ジルコニア)
でした。


この結果の理由ですが、
最も噛み合う天然歯が削れた
4番目の
天然歯 と 研磨していないジルコニアセラミック(表面のセラミックはザラザラしている)は、
当然のことながら
表面がザラザラですので、
ヤスリのような状態です。
天然歯 と ヤスリ が 噛み合っているわけですから
当然のことながら
天然歯は磨り減っていきます。
当たり前のことです。


次に
天然歯 と 良く研磨したジルコニアセラミック(表面はセラミック)
が噛み合うことで削れた理由ですが、
セラミックは、ガラス素材です。
ガラスは、顕微鏡で見れば、
小さい粒子が合わさったような構造をしています。
長期間セラミックが噛み合うことで、
小さな亀裂が入ったり、
表面の粒子が見えてくることで、
先程のヤスリと同じような状態になってしまいます。
そのため、噛み合う天然歯も削れてしまうのです。


同様に金属も同じです。
長い期間噛み合うことで
金属にも傷ができます。
この傷が原因となり、噛み合う天然歯も削れてしまうのです。

それでは、
100%のジルコニアを使用した
フルジルコニアがなぜ 噛み合う天然歯を傷つけなかったのか?
ということですが、
良く研磨されたジルコニアの表面は、非常にツルツルであり、
ジルコニア自体が硬いということもあり、
この状態が維持し続けるのです。
また電子顕微鏡でフルジルコニアの表面を見ても
荒い粒子は見られず、
非常にツルツルしています。

これが良く研磨された100%ジルコニア(フルジルコニア)が
噛み合う歯を摩耗させない理由なのです。

しかし、ここで問題となるのが
100%ジルコニア(フルジルコニア)をどれだけ
きれいにツルツルに磨き上げるのか?
ということです。

これが非常に困難なのです。

次回は、こうしたことについて解説します。

本日は、かなり専門的な話になりましたね。








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2016年3月28日

歯周病 と オールセラミック:その4

2016年 3月28日(月曜日)です。


このブログは「大船駅北口歯科 歯周病専門サイト」です。

今日のテーマは、
『歯周病 と オールセラミック:その4』になります。


前回の続きです。

この3回で歯周病とジルコニアについて解説してきました。

そこでジルコニアの特徴として、
汚れが付きにくい素材であることを解説してきました。

歯周病は、汚れ付着したり、歯周ポケット内部に侵入することで起こる疾患です。

汚れが付きにくい被せ物であれば、
よりリスクは低くなることが考えられます。


本日はジルコニアについて もう少し解説していきます。

まずジルコニアの作製方法について解説します。

通常セラミックと言われる素材は、
歯科技工士が全て手作業で作製していきます。

完全なるオーダーメイドです。

ジルコニアは、そうした今までのセラミックの作製方法とは大きくことなります。

まず歯の被せ物の設計は、コンピューター上で行ないます。
(ジルコニアの種類によって作製方法は違います
 詳細はまた後で解説します)

このコンピューター上で作製した被せ物を
ミリングマシンという器械が削って作製されます。

多くの行程が 人間(歯科技工士)が触れない行程ですので
作業効率が良いため、
コストの削減にもなりますし、
コンピューター設計で、器械(ミリングマシン)が削り出して作製するため
作業を行う人間(歯科技工士)の技術者の差がでないのも特徴です。

写真で作業工程を見ていきましょう。

まず治療後の写真です。
スライド6


初診時 重度歯周病であり
上顎は全てジルコニアを使用したオールセラミックで
全て固定するタイプで作製してあります。

下顎も
右側奥歯はオールセラミック
左側奥歯はインプラントを使用したオールセラミックとなっています。

上顎の動揺(歯周病で動いている歯)の固定のために
全ての被せ物は連結しています。

さてこのようなジルコニアの作製方法になります。

まず型をとった模型をコンピューター取り込みます(データのスキャン)。
スライド04


スライド05


このコンピューターに取り込まれた歯形模型上で
ジルコニアセラミックを作製していきます。
スライド06


スライド07


スライド08


スライド09


完成したジルコニアはフレームという状態で完成しますので、
前歯では、このジルコニアフレームに審美性の高いセラミックをつけていきます。
この行程は歯科技工士の技術が必要なところです。

完成は以下です。
スライド11



以下はジルコニアを削るミリングマシンです。
DSC_0351


削っているところです。
DSC_0358


完成したジルコニアセラミックを上顎につけたのが以下です。
写真は噛む面(咬合面)から撮影した状態です。
スライド01


さて次は専門的なことになってしまうので
少し難しい話ですが、
ジルコニアには、いくつかの作製タイプがあります。

本日は、その中でも使用頻度の高い2つのタイプについて解説します。

一つは、レイヤリング ジルコニアです。
これは、ジルコニアのフレームにセラミックを焼き付けて作製されます。

オールセラミックと
セラミックの違いですが、

今までセラミックと言われていたのは
見た目には、白いセラミックが見えますが、
内部には金属が使用されています。

セラミックのみでは強度が足らないからです。

そのため、金属製のフレームにセラミックを焼き付けているのです。

これを陶材焼付鋳造冠(メタルボンド)と言います。

従来のセラミックは、このタイプです。

下の写真の
左側はオールセラミック(金属を一切使用しないタイプ)で
右側は陶材焼付鋳造冠(メタルボンド)です。

さて話は戻りますが、
ジルコニアのフレームにセラミックを焼き付けて作製する
レイヤリング ジルコニアは、
先程の陶材焼付鋳造冠(メタルボンド)の金属製のフレームが
ジルコニアに変わったと思って下さい。

レイヤリング ジルコニアの特徴として、
審美性に優れています。

ジルコニアは、金属とは違い、白い素材ですが、
かなり白っぽく 審美性には優れていません。

そのため、奥歯での使用は十分可能ですが、
前歯部では、ちょっとそのままでは使用は難しいです。

そこでジルコニアのフレームに
審美性の高いセラミックを焼き付けて(貼付けて)作製するのです。

これがレイヤリング ジルコニア セラミックなのです。

このタイプには欠点もあります。

まず作製に歯科技工士の熟練作業が必要になりますので
作製時間がかかります。
技工ステップも複雑です。

そのため、コストも高くなります。

一般的には、
今までのセラミックより高価な歯科医院が多いと思います。

また他の欠点として
奥歯では破損する可能性があります。

レイヤリング ジルコニア セラミックは、
表面はセラミックです。

セラミックを他の言い方をすると
ガラスセラミックと言います。

ガラスですから破損する可能性もあります。

奥歯でこのタイプを作製すると
歯ぎしり や 食いしばりが強かったりする方では
確立はさほど高くありませんが、
セラミック部分が破損することがあります。

特にインプラントの被せ物(上部構造)では、
奥歯にセラミックを使用すると
10年で10%程度破損することがある
というデータもあります。

こうした欠点を解消するのが以下の
フルカウンター ジルコニアです。

フルカウンター ジルコニアは、
100%ジルコニアで作製されているオールセラミックのことです。

100%ジルコニアの強度(硬さ)は、
セラミックの約3〜4倍あります。

そのため、破損しにくいのが特徴です。

近年では、そうした特徴があるため、
奥歯では100%ジルコニアフルカウンター ジルコニアで作製することが増えています。

それでは問題となる審美性は大丈夫なのでしょうか?

ジルコニアの進歩は目覚ましいもので、
1年前と現在ではまったく違う状況になっています。

1年前では前歯で100%ジルコニアフルカウンター ジルコニアを使用することなど
考えにくいことでしたが、
改良されて現在では、前歯でも100%ジルコニアフルカウンター ジルコニアが使用されるようになってきています。

このとこで、前歯でも噛み合わせの負担でセラミックが破損する方にも
使用できるようになってきています。

また、ジルコニアにセラミックを焼き付ける作製行程がないため、
熟練した歯科技工士の技術も不要になるため、
コストも下がります。


歯科材料は日々進化しているのです。

次回はこうした進歩を遂げているジルコニアについて
もう少し詳細を解説します。








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2016年3月14日

歯周病 と オールセラミック:その3

2016年 3月14日(月曜日)です。


このブログは「大船駅北口歯科 歯周病専門サイト」です。

今日のテーマは、
『歯周病 と オールセラミック:その3』になります。

前回 と 前々回から ジルコニアという素材について解説しました。

前回のブログで解説しましたが、
ジルコニアの特徴として、汚れが付きにくいということがあります。

これは歯周病の患者様にとって非常に良い点です。

歯周病は当然のことですが、
汚れ(歯磨きが十分にできないこと)が原因で起こる病気です。

汚れ以外の 噛み合わせ 等も歯周病の原因になりますが、
最大の原因はプラークという汚れの中に存在する細菌(歯周病細菌)が大きな要因となります。

歯周病患者様の特徴として、
はやり口腔清掃がきちんとできていない方が多いです。

歯周病治療を開始するにあたり
患者様に歯周病となってしまった原因を説明する際に
必ず口腔清掃について話させていただきます。

歯周病を治すために必要なことが10あるとすると
歯科医院で行なえることは半分です。

と説明します。

残りの半分は、患者様の口腔清掃 や 生活習慣です。

とも説明します。

いくら時間をかけて歯周病治療を行なっても
口腔清掃が十分にできていないと
歯周病は必ずといっていいほど再発します。

歯肉が腫れる!
歯がグラグラする!
痛みがある!
出血する!
噛めない!
等の
問題があるために
歯周病専門医である当医院を受診される方が多くいらっしゃいます。

そのため、歯周病専門医で治療を行なえば
歯周病は必ず治る
と考えられている方も多いです。

もちろん私は歯周病専門医ですから
重度の歯周病治療も当然のことながら行ないます。

しかし、進行した歯周病の場合、
歯周病治療のみでは長期的に維持させることは難しいです。

歯周病の治療と例えると
糖尿病 や 高血圧の治療と似ています。

糖尿病 や 高血圧は、生活習慣病です。
これは当然のことながら皆さんご理解できますよね。

それでは、内科等で
血糖値を下げる薬 や
血圧を下げる薬 を
処方され、服用すれば完治するかと言いますと
違います。

これもご理解できる内容かと思います。

生活習慣病ですから
食生活、運動、睡眠 等
さまざまな生活習慣を改善しないと治りません。

当たり前です。

歯周病もまったく同じです。

歯周病を治すためにも生活習慣が非常に大切です。

その一つが口腔清掃です。
歯磨きが十分にできているのか?
ということです。

歯周病治療をご希望されて来院される患者様に対して
治療前に
歯周病を治すためには口腔清掃が重要であることを説明させていただきます。

この際にかなりの方は、
歯磨きは毎日行なっている
とお答えされます。

そのため、口腔清掃指導を行なうことを説明させていただくと
積極的ではありません。

歯磨きは家で行なうので
早く歯周病治療を開始してほしい
との希望をお持ちの方がほとんどです。

しかし、実際に口腔清掃が適切にできている方は、
ほとんどいません。

まあ 歯周病の患者様が100人いれば
口腔清掃が適切にできている方は、
1人いれば良い程です。

歯磨きを毎日行なっていることと
歯磨きがきちんとできていることとはまったく違っているのです。

先にも書きましたように
歯周病の主な原因は、
口腔内に付着している汚れです。

この汚れの中に歯周病細菌がいるのです。

口腔清掃が不十分であるため、
歯周病となっているのです。

そのため、歯周病と診断された時点で口腔清掃が不十分である方がほとんどです。

まずはこのことを十分ご理解していただくことが必要です。

さて話は本日の内容に戻ります。

ジルコニアという素材は、
汚れの付着が 他の被せ物と比較すると少ないのが特徴です。

汚れの付着が多い被せ物は、
金属製 と プラスチック製です。

金属製の被せ物が口腔内にある方は多いです。
そのため、金属製といえば
ご自身の口腔内にあるかどうかは分かるかと思います。

それでは、プラスチック製とはどのような被せ物なのでしょうか?

プラスチック製の被せ物には、いくつものタイプがありますが、
最も多いのが、保険で作製された前歯の被せ物です。

保険で作製された前歯の被せ物は、
硬質レジン前装冠と言います。

見える部分である表面には、
硬質レジンというプラスチック製の素材が使用されており、
内部 と 裏側(内側)には、金属製が使用されています。

この金属の組成は保険で決まっており、
12%パラジウム合金です。

具体的は組成は以下になります。

製造するメーカーにより多少の違いはありますが、
多い成分から

銀         約48%
パラジウム     約20%
銅         約18%
金         約12%
その他 (イリジウム インジウム 亜鉛)

という成分の合金となっています。

さて 硬質レジン前装冠 のプラスチック製の部分ですが、
とても汚れが付きやすいです。

また、付きやすいだけでなく
汚れを吸着してしまいますので、
どんなに頑張って磨いていても
汚れを完全に取り除くことは難しいです。

汚れが付きやすいので、
臭いもあります。

できるかぎり汚れを付けないようにするためには、
徹底した口腔清掃だけでなく
被せ物の素材も重要になってきます。

ジルコニアは、非常に汚れが付きにくいので、
歯周病の方にとっては非常に有利な素材です。

本日の最後になりますが、
ジルコニアが汚れが付きにくいことを研究したデータを最後に見てみましょう。

以下のデータは、

プラスチック製(アクリルレジン)、
金属製(チタン)、
ジルコニア(イットリア)
の3つの素材に対して、
どの程度汚れが付きやすいのかをみた研究データです。

グラフの縦は、汚れの付着状態です。
グラフの縦が長いほど 汚れが付きやすいということです。
スライド1


この研究結果から
一番汚れが付きやすいのは、プラスチック製で、
次に汚れが付きやすいのが金属製
最も汚れが付きにくいのは、ジルコニア
です。


次回のブログでも
ジルコニアの利点について解説します。




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2016年2月29日

歯周病 と オールセラミック:その2

2016年 2月29日(月曜日)です。


このブログは「大船駅北口歯科 歯周病専門サイト」です。

今日のテーマは、前回の続きで
『歯周病 と オールセラミック:その2』になります。

以下の写真はだいぶ前(20年程前)になりますが、
歯周病患者さんに連結した被せ物を装着した症例です。
写真は上顎の噛み合う面から撮影した状態です。
普段見慣れていないと分かりにくい写真構図だと思いますが…
スライド01


歯周病が進行してくると
歯を支えている骨が吸収してしまいます。
その結果、歯がグラグラしてきます。

歯がグラグラしている状態では
長期的に維持させることは難しいです。

噛む力にも耐えきれずにダメ(抜歯)となってしまうのです。

そもため、歯周病治療を行なった後でも
こうした歯の動揺(グラグラ)が改善しないようなケースでは、
歯を動かないようにすることが必要になります。

固定です。

固定の方法には、さまざまな方法がありますが、
最も強固な固定方法は、被せ物を行い、
その被せ物を連結させて固定する方法です。

特にもともと被せ物が装着されているようなケースでは、
ここの歯に被せてある物を撤去し、
連結した被せ物を作り替えることがあります。

ただし、注意しなければいけないこともいくつかあります。

動揺している歯同士を固定しても(連結した被せ物を装着しても)
強固な固定にはなりません。

固定した歯自体が動いてしまうからです。

そのため、固定をする場合には、
必ず固定する歯の中に動かない状態の歯を含めることが必要です。

良くあるケースとして、
上の写真のようなケースでは、
上顎の歯のほとんどが動いていることがあります。
こうした場合、どこまで固定するのか?
という判断が難しくなります。

上顎の歯がほとんど動いているような場合には、
全ての歯を固定対象とする治療を行ないます。

専門予用語では、
クロスアーチスプリント法と言います。

重度歯周病の場合で、歯の動揺が非常に大きく
固定でしか安定を得られないと判断されたケースでは
比較的良く行なう治療法です。

本日は、歯周病とオールセラミック
という話ですが、まずこうした歯周病の方法についてご理解していただくために
始めに このような話を させていただきました。

さて 20年程前には このような
クロスアーチスプリント法を行なわなければ安定が得られないケースでは、
金属製の被せ物で固定するか?
セラミックで固定するか?
という2つの選択肢でした。

セラミックの方が治療費(コスト)がかかるので、
金属製ということもありました。

また、前回のブログでも解説しましたが、
一般的にセラミックといわれる被せ物は、
表面の見える部分は、白いセラミックですが、
セラミックの内部は金属が使用されています。

これが今までの治療法です。

現在のクロスアーチスプリント法は、
金属を一切使用しない方法で行ないます。

それが前回アップした以下のような症例になります。
スライド4


これも上顎の歯を噛む面から見た状態の写真です。

写真はジルコニアという材料で作製されています。


審美性もまったく違います。

さて 本日は 歯周病とオールセラミックと言う話です。

ジルコニアは、歯周病の方にとって非常に良い材料と言えます。

以前まで良く使用されていた金属製の被せ物は、
非常に汚れが付きやすいのも大きな欠点です。

歯周病の大きな原因として、
口腔内に付着した汚れです。

十分に歯磨きができないために、
歯と歯肉の境目(歯周ポケット)に付着した汚れが、
歯周ポケット内部に侵入していきます。

この歯周ポケット内部に侵入した汚れ(歯周病細菌)が
歯肉を腫れさせたり、
歯を支えている骨の吸収を起こします。

当たり前なのですが、
歯周病を予防するためには、徹底した口腔清掃(歯磨き)管理が重要です。

金属製の被せ物は、汚れが付きやすいので
そうした点では不利な材料と言えます。

その反面、ジルコニアは非常に汚れの付着が少ないです。
歯周病の方には非常に適した材料と言えます。



今年は、大学で講義を行なう日程が非常に増えており、
現時点で13回の講演予定があります。

全て違う内容の講演なので、
まあスライドを作製するのに大変時間がかかっています。

1回の講演で300枚以上のスライドを作製しないといけませんので
これが13回ですから…
4000枚のスライド作製かと思うと…

結構辛いです。

今日もこれから講演スライド作製です。


次回も歯周病とオールセラミックの話です。



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2016年2月22日

歯周病 と オールセラミック

2016年 2月22日(月曜日)です。

このブログは「大船駅北口歯科 歯周病専門サイト」です。

さて今日のテーマは、
歯周病の話ではなくオールセラミック治療になります。

歯周病で問題がある方の口腔内には
多くの被せ物が装着されていることが多いです。

ご自身の口腔内を見て下さい。

なにも治療後がない方は少ないのではないでしょうか?

まったく口腔内に治療跡がない方は、
このブログをみていない可能性が高いです。

基本的に治療箇所が多い方は、
なにかしらのリスクを抱えている可能性があります。

虫歯のリスクが高いとか…
歯周病のリスクが高いとか…

また、その被せ物をみると金属製の被せ物が多いかと思います。

これは日本の保険診療では、
ほとんどの被せ物が金属製とされているからです。

この金属製の被せ物って見た目が悪いですよね。

日本人の場合、
大きく笑うと 「金属がキラット」見えることがあります。

一般的に海外の方でこうした金属が見えることは少ないです。

日本人特有の口腔内と言えます。

これは、先にも説明しましたように
日本の保険診療では、どうしても金属製の被せ物が治療のメインになってしまっているからです。

日本の保険診療は、世界的にみても非常にすぐれた制度であり、
多くの方が世界的にみれば、非常に安価で歯科治療を受けることができます。

例えば国民皆保険がない米国では、
虫歯治療は非常に高額になります。

日本の保険診療と違い、
治療費が決まっているわけではないので
州 や 歯科医院により治療費は大きく違いますが、
虫歯で被せ物をすると 10万円程かかります。
もし、虫歯が大きく神経を取る治療が必要であれば
さらに部位によっても違いますが、
さらに10万円程度加算されます。

日本で同じ治療を保険診療で行なうと
3割負担の方で数千円です。

あまりにも大きな違いです。

これは米国が高いのではなく、
世界的にみて日本の医療費が非常に安いのです。

こうしたこともあり、
日本の歯科医療では、使用できる材料等に大きな制限があります。

世界的に日本の歯科医療(健康保険医療)は、そうとう遅れているのが現状です。

その一つがオールセラミック治療と言えます。

オールセラミックは、世界的にはごく普通の治療となっています。

以下のデータは、米国での歯科治療における
被せ物の種類の内訳です。

メタルセラミックとは、長年使用されてきたセラミックのことで、
見た目(表面的)には、白いセラミックに見えますが、
内部には、金属製が使用されている被せ物です。

通常セラミックと言えば、このタイプです。

メタルボンドクラウン や 陶材焼付鋳造冠 と言います。

金属製のフレームにセラミックを焼き付けて作製されています。

日本でも長い間 このメタルボンドクラウンが主流でした。
(現在も多く使用されていますが…)

なぜこのような方法で作製されていたかと言いますと
セラミックのみでは強度を保つことができないため、
内部に金属製のフレームを作ることで、
セラミック自体の強度を高めるためです。

本日お話するセラミックは、
オールセラミックと言います。

金属をまったく使用しないで作製された被せ物です。

メタルボンド(陶材焼付鋳造冠)と
オールセラミックの違いは以下の写真でみて下さい。
左がオールセラミックで
右側がメタルボンド(陶材焼付鋳造冠)です。
セラミックの比較

さて

途中の話が長くなりましたが、
以下が米国での被せ物の種類のデータです。
全ての種類が掲載されているわけではありませんが、
主要な被せ物3種類を比較しています。

一つが   メタルセラミック:メタルボンド(陶材焼付鋳造冠)
二つ目が  オールセラミック
三つ目が  金属製(全部鋳造冠)
です。
スライド3



2007年までは 
約65%がメタルセラミック(陶材焼付鋳造冠)
約24%がオールセラミック
約8%が金属製
となっていました。

金属製って8%以下なんですね。

日本では奥歯ではほとんどが金属製ですがね。
(健康保険診療以外の治療は除く)


さて米国では、これが2013年になると…
オールセラミックが約80%となっています。

つまり米国ではほとどの場合、
金属を一切使用しないオールセラミックが主流ということになります。

もちろんこれは2013年のデータですから
2016年ではもっと変わっている可能性が高いです。

もちろんオールセラミックの比率が80%以上になっているということです。

そででは本日の本題になります。

歯周病患者様において
今までは金属製の被せ物を装着する方が多かったのですが、
現在は、オールセラミックを使用することが非常に多くなりました。
スライド02

こうした材料の変化は、見た目だけのことではありません。

歯周病患者さんにとってオールセラミックは非常に多くの利点があるからです。

オールセラミック(特にジルコニア)は、汚れの付着が非常に少ないのです。

汚れが付きにくいということは、
歯周病にとって大きな利点です。

また、金属製の被せ物と違い
傷が付きにくいのです。

まだまだこうしたこと以上のオールセラミックの利点は多いのですが、
少なくとも金属製の被せ物を口腔内に装着する時代ではありません。


次回のブログでは歯周病とオールセラミックの話をもう少し詳しく解説します。





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2016年2月15日

噛みしめ・くいしばりを防ぐために = TCH(上下の歯の接触癖)=:その2

2016年 2月15日(月曜日)です。

このブログは「大船駅北口歯科 歯周病専門サイト」です。

今日のテーマは、
『噛みしめ・くいしばりを防ぐために = TCH(上下の歯の接触癖)=:その2』
になります。

前回の続きです。

T C Hの治療(改善方法)として、
認知行動療法という方法があります。
(TCHを行っているが確認する合図を設定する方法)が有効とされています。

以下が具体的な方法です。

まず、ポストイット や シール のような貼付ける印(10枚程度)を用意します。

この印を普段よく目にする場所に貼っておきます。

例えば、携帯電話とか トイレの扉とか パソコンとか 冷蔵庫とか
どこでもよいです。

そして、その印(ポストイット や シール 等)を見た時のみ
歯を接触させていることを自覚します。(TCHの自覚)

そして、その際にわざと一瞬ですが 歯を強く接触させてみます。(食いしばる)

この時、肩に力をいれて 肩を挙げて 食いしばる仕草も一緒に行った方が良いでしょう。

歯を接触させた後 すぐに力を抜き 歯の接触を止めます。

肩の力も一瞬でぬき脱力させます。

わざと噛みしめるのは一瞬です。

こうした行為を付けた目印を見るたびに行います。  

これだけです。

臨床研究では、こうした認知行動療法を応用したリマインダー法を行うことで、
数ヶ月から半年程度で多くの方でTCHが軽減してくるようです。

この方法は、
医院に行かなくてもご自身でできること、
治療費もかからないこと
薬のように副作用がないこと
が大きな利点です。

是非実施してみて下さい。






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2016年2月8日

噛みしめ・くいしばりを防ぐために = TCH(上下の歯の接触癖)=

2016年 2月 8日(月曜日)です。


このブログは「大船駅北口歯科 歯周病専門サイト」です。

今日のテーマは、
『噛みしめ・くいしばりを防ぐために = TCH(上下の歯の接触癖)=』になります。

噛み合わせが原因で
歯の痛み や 
顎の痛み、
歯がしみる(知覚過敏)、
被せ物や詰め物が良く取れる、
歯が折れる、歯の根が折れる(歯根破折)、
歯を磨いているのに歯がダメになる

さまざまなことが起こります。

こうしたことは噛み合わせが原因になっている可能性があります。

本日から2回に分けてこの噛み合わせによって起こる問題について解説します。



上下顎の歯が接触する時間は、1日の中で20分以下と言われています。

通常 上下顎の歯が接触するのは、
物を噛む時(咀嚼(そしゃく))と 飲み込む時(嚥下(えんげ)) 、会話時 等 に
瞬間的に触れるだけなのです。

それ以外の時間帯では、上下顎の歯が触れることは基本的にありません。
これを専門用語で安静位(あんせいい)と言います。
この安静位で生じる隙間を 安静位空隙(あんせいくうへき)と言います。

通常、唇を閉じた状態では
上下の歯は触れていなく、
約2〜3ミリの隙間(すきま)があるものなのです。

実際に行なってみて下さい。

唇を閉じた状態で、
上下の歯が触れている方は問題ありです。

こうしたことを実施していただく検査を
歯列離開(しれつりかい)テスト
と言います。

噛み合わせの診断をする際にとても重要な検査です。
(この内容についての詳細は次回のブログで説明致します)


本日から行なうテーマは、こうした方にとってとても大切な内容です。


また、先の唇を触れた状態で上下の歯が接触するのか?
という検査で
触れていないと回答された方でも
日中に上下顎の歯が接触することがある場合があります。

その一つが 噛みしめ や 歯ぎしり 等の習癖です。
これは就寝時に起こることです。

こうしたことに対しては、
就寝時にナイトガードといわれる
マウスピースのようなものを使用していただくことになります。

本日の内容である
TCH(上下の歯の接触癖)
は、就寝時ではなく日中に起こる話です。


本を読んだり、パソコン 等 下を向く動作が多い方では、
上下顎の歯が自然に接触する機会が多くあります。

他にも
スポーツ、車の運転、料理、洗髪、
「黙って集中して作業する行為」や 趣味に没頭する時 
等でも歯を接触させる機会があります。

さらに 緊張状態が続く方では、日常から歯を接触させる行為が続くことがあります。

先にも説明しましたように
上下顎の歯が触れない状態を「安静位(安静位空隙)」と言います。

本来 咀嚼時、嚥下時、会話 等で上下顎が瞬間的に触れる以外には、
この「安静位」を保つことが重要です。

例え 強く噛んでいなくても 上下顎の歯が触れると 口を閉じる筋肉(閉口筋)は働きます。

上下顎の歯が触れている間は、筋肉が働き続けるのです。

こうした歯の接触時間が長くなれば、なるほど筋肉は疲労してきます。

また、口を閉じる筋肉(閉口筋)が働くと、
顎の関節は上方に押さえつけられるので、
関節の血流循環が悪くなります。

このことを例えると 
正座を長時間すると足がしびれることと同じようなことが起こっているのです。

こうした無意識中の歯の接触を
「T C H( Tooth  Contacting  Habit):歯列接触癖」と言います。

これは、東京医科歯科大学の木野先生らのグループが発表したことです。

東京医科歯科大学の顎関節治療部は、
顎関節症で悩む患者さんが
年間2.000人以上来院する世界でも有数の顎関節治療医療機関であり、
長年の臨床研究から 多くの顎関節症状のある方にT C Hの改善治療を行った結果、
非常に高い効果があったことが実証されています。

また、T C Hが生じると 顎関節部に問題が起こるだけでなく、
歯は摩耗(歯がすり減る)し、
知覚過敏症が起こったり、
歯自体にダメージが加わりダメ(咬合性外傷)になったり、
神経のない歯では折れる(歯根破折)ことが起こりやすくなります。

食いしばり や 歯ぎしり 等 のことを専門用語で「ブラキシズム」と言います。

T C H も ブラキシズムの一種ですが、
食いしばりとの大きな違いは、噛む力の大きさ(強さ)と自覚の有無です。

最大咬合力の約70〜80%の力で噛む(食いしばる)と
「噛んでいる」と自覚します。

通常 自覚のある 食いしばり の場合には、自覚した時点で噛むことを止めます。

また、筋肉自体も疲労するために、あまり長時間におよぶことはありません。

それに対してT C H は、単に歯が接触するだけですので、噛む力の大きさ(強さ)は弱いです。

弱い力のために、自覚することが非常に少ないのです。

弱い力でも長時間作用すると顎関節部 や 歯 に問題が起こります。

こうした長時間の弱い力の方で問題が起こっている方が多いことが分かっています。



次回のブログでは、
TCHについてさらに詳しく解説します。




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2016年2月1日

歯周病になりやすい人 と 歯周病になりにくい人の 違い:4回目

2017年 2月 1日(月曜日)です。

今年は、歯科大学の歯科医師研修医の教育プログラムの
指導講演がかなり多くなり、
日々 講演資料作りでいっぱいいっぱいです。

忙しい時にはブログを休ませていただくことも増えるかもしれません。


このブログは「大船駅北口歯科 歯周病専門サイト」です。


今日のテーマは、
『歯周病になりやすい人 と 歯周病になりにくい人の 違い:4回目』になります。

今までの3回では、歯周病の原因として、
1.歯周病細菌による感染
2.噛み合わせ
3.治療が続かない方、治療が中断してしまう方

について解説してきました。



本日は、4回目(このシリーズの最終回)になります。

歯周病 と 全身疾患の話です。

例えば、糖尿病の方は、歯周病になりやすいのです。

糖尿病の人は 感染に対する抵抗力が低下しており、
歯周病が悪化しやすいのです。

逆もあります。

歯周病の方は、血糖値を高めます。

歯周病細菌が糖の代謝に影響を及ぼし、血糖値のコントロールが悪くなります。

糖尿病の方は、歯周病の検査を行うことが重要です。

そして、もし歯周病であった場合には、きちんとした歯周病治療を行うことが重要です。
歯周病が治ると血糖値も安定することがあります。

口腔内も全身のヒ一つですから、体調に問題のある方は、
歯周病も悪化しやすいのです。


歯周病になりやすい人と言えば、喫煙者です。

喫煙と歯周病の関係は、歯周病の学会において 数多く報告されています。

ある報告によると、喫煙者は、非喫煙者と比較して、
歯周病の進行は 6倍以上も早い という結果もあります。

『歯周病を治したい!』と考えられている方は、是非禁煙して下さい。


歯周病は、歯周病細菌の感染症であることは、このブログでも良く書くことです。
そのため、重度歯周病の方は、口腔内の非常に多くの細菌が存在しているのです。

大量の菌が口腔内にあるのですから、大変なことです。

それを毎日の食事の際に、食べ物と一緒に飲み込んでしまいます。

飲み込んだ菌が肺に入って起こす病気を『誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)』といいます。

あまり聞き慣れない病名ですが、誰にでも起こる可能性がある病気です。

この誤嚥性肺炎は、えんげ(飲み込むこと)反射 と 
咳反射が低下した場合に起こることが明らかになっています。

歯周病を起こさないような口腔内であれば問題はありませんが、
歯周病であったり、
ブラッシングが不十分であると起こる可能性が高くなります。


しかし、細菌を飲み込んだからといって誰もがなるわけではなく、
寝たきりの方や老人性肺炎の方のように体力がおちた時にかかりやすい病気です。

日本人の死因の第4位が肺炎 (平成14年度の厚生労働省ホームページより)であり、
そのうちの約9割が65歳以上です。


また、歯周病細菌は、食べ物と一緒に飲み込むだけではありません。

血液を介して全身にまわっていきます。

菌血症という状態です。
菌血症とは、本来無菌である血液中に細菌が存在する状態を言います。

例えば、外科的治療の際に外部からの感染が血中へと入り込みます。

しかし、実際には、血液中に細菌が侵入しても一時的なことであり、
問題となることはほとんどありません。

しかし、歯周病細菌のように常に口腔内に細菌が存在する状態は良くありません。
歯周ポケット内部には大量の歯周病細菌が生存しています。

当然のことながら歯周ポケット内部にも血管(血液)が存在しますので、
その血管から歯周病細菌が侵入していきます。

特に注意しなければならないのは、心臓疾患がある方です。

心臓疾患がある方に歯周病治療(歯石を取る行為も同じです)を行う時には、注意が必要です。

歯石を取った際に、砕けた歯石から細菌が放出され、血液中に入っていきます。

血液を介して当然のことながら心臓へも流れ込みます。

ペースメーカーを使用されている方は、
流れ込んだ細菌が付着し
、問題を引き起こすことがあるので、注意が必要です。

注意とは、治療前に抗生剤を服用し、感染防止を行うことです。

つまり、歯石除去前(1時間以上前)に抗生剤を服用することです。

可能であれば、治療の前日から服用された方が良いでしょう。

こうすることにより、歯周病細菌が血液中に流れても被害を抑えることができます。

ただし、このような話をすると『歯周病治療は怖い!』と感じてしまいがちですが、
これは違います。

誤解していただきたくないのですが、
歯周病である場合には、
歯周病治療を行わないで、
口腔内に常に歯周病細菌が存在する方が問題が高いのです。

重度歯周病の方では、常に口腔内に多量の細菌が存在するわけですから…

心臓疾患のある方 や 全身疾患のある方こそ、歯周病を治しておかないといけません。

歯周病は、放置すればする程、進行します。

進行した歯周ポケット内部には、多くの歯周病細菌が存在していますので、
リスクはさらに高くなってしまいます。

心臓病 や 全身疾患がある方 こそ徹底した治療が重要です。

また ご病気がある方は、歯科治療を受けられる際には、
問診票に病名等をしっかり記入することが必要であることと
担当医にも伝えることが必要です。
また、服用している薬についてもきちんと伝えることが大切です。

話は、ズレてしまいましたが、
喫煙者は、歯周病のリスクが非常に高いこと、
糖尿病 等の有病者も歯周病のリスクが高いことがあります。

また、歯周病が多くの疾患を誘発したり、
歯周病細菌によって全身的な問題も引き起こす可能性が高くなります。

持病をお持ちの方は、歯周病をきちんと治すことが大切です。
歯周病は、早期に治療を行えば、
治療回数も少なくなりますし、
十分治ります。

しかし、進行した歯周病であった場合には、
治療回数もかかり、
状況によって抜歯になってしまうことがあります。

一番問題となるのが、歯周病の放置です。
病気を放置して良いことは一つもありません。
歯周病は、どんどんと進行するだけです。

治療に無関心な人が一番 歯周病になりやすい人と言えます。


このシリーズはこれで終了です。



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