歯周病専門医サイトブログ

2012年3月26日

口臭の話し:その6

3/26(月曜日)です。

このブログは、歯周病に関するブログです。
毎週月曜日 にアップしています。

始めに今週の診療のお知らせです。
4/1(日)は、学術講演出席のため、院長不在となります。

今日のテーマは、『口臭の話し:その6』になります。

この 口臭シリーズ を全て見られている方も多くいらっしゃると思います。
だいぶ口臭について分かってきたと思います。
口臭が気になる方にとっては、
まったく逆のことを行なっていた方も多いかと思います。

本日も口臭について Q & A形式で解説します。

Q
口臭予防には水分補給が重要!

A
口臭予防には水分補給が重要です。
それでは どのような飲み物が良いのでしょうか?
口臭予防として最も良い飲み物は、です。

緑茶は防臭効果があると考えられている方もいらっしゃいますが、
緑茶の取り過ぎは逆効果です。
茶葉に含まれる苦み成分の テオフィリンカフェイン
交感神経を興奮させる作用があります。

カフェインの多い飲み物を摂取すると 眠気が覚めるのは、
交感神経が刺激されるからです。
    
唾液を分泌させるのは副交感神経ですから、
交感神経支配になってしまうと 唾液の分泌は逆に抑制されてしまいます。

ちなみにカフェインの多い飲み物は以下になります。
    緑茶(煎茶) 26〜30mg(150mlあたり)
    紅茶     28〜44mg(150mlあたり)
    コーヒー   60〜180mg(150mlあたり)

また、お茶には利尿作用があることはご存知のことと思います。
お茶 等を飲んでも 尿として排出されてしまうため、
水分補給という点では水には劣ります。

ただし、お茶等のカフェインが含有されている飲み物は、
リラックス効果もあるので決して悪いということではありません。
   
頻度の問題です。
   
口臭を気になさる方の中には、お茶の防臭作用が口臭に良いと考え、
必要以上に飲用されている場合があるのです。
   
コーヒーは酸性度が強く、舌苔に残りやすいので口臭対策としては不向きです。 

口臭予防のポイントは多くあるのです。

次回のブログも口臭の続きになります。


次回のブログは、4月 2日(月)になります。

口臭外来の診療は、今年の夏頃開設予定です。



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2012年3月19日

口臭の話し:その5

3/19(月曜日)です。

始めに今週のお知らせです。
3/20(火)が祝日のため、3/22(木)は診療となります。
HP上のオンライン予約はできませんので ご予約の方は電話でお願い致します。

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毎週月曜日 にアップしています。

今日のテーマは、『口臭の話し:その5』になります。

昨日は、大阪で口臭外来で著名な ほんだ先生の講演を聴講してきました。
とても勉強になる1日でした。

さて本日も口臭について Q & A形式で解説します。
今日のテーマは、前回の話しと近い内容になります。
口臭を知る最も基本的なことになります。

Q
なぜ歯磨きを行う必要性があるのか?(口臭の原因を理解する第一歩)

A
「皆さんは、なぜ歯磨きをしているのですか?」
虫歯予防?
歯周病予防?
汚れを取るため?
口臭予防のため?

正しい答えを言える方はほとんどいらっしゃらないでしょう。

歯周病、虫歯、口臭予防ということに共通して言えることは、
細菌のコントロールです。
汚れを取ることが予防ではないのです。

この答えを知るためには、今後続くこのテーマを見ていただくと分かってくると思います。

それでは、口臭予防としての歯磨きの意味について解説します。

口臭を気にされている方の多くは頻繁に歯磨きをされています。
しかし、この頻繁な歯磨きが逆に口臭を増悪させていることに気づいていないことが多いのです。

口臭の根本的な原因をきちんと理解していないと 無駄な口臭予防を行っているだけでなく、
逆に悪化させていることになります。
    
まず、口臭の根本的な原因は、口腔内細菌の増殖から起こります。
本来口腔内には細菌を増殖させないための生理的な働きがあります。
これは唾液の分泌です。
唾液の中には、細菌の増殖を抑えるための抗菌成分が存在します。
そのため、口腔内に唾液が十分 分泌される状態であれば、細菌の増殖は抑えられるのです
    
ここでは、口臭の原因を理解していただくための打一歩として虫歯の成り立ちについて解説します。
飲食後(食物を摂取後) 虫歯細菌の一部は、多くの糖(ショ糖)から酸(乳酸)という歯を溶かす成分をつくります。
このにより歯が溶けてくるのです。
いわゆる虫歯になるのです。
しかし、この細菌の産生するは、
唾液の抗菌性や
自浄性(洗い流す作用)
等により抑えられていくのです。
    
しかし、歯を磨かないと問題が起こるのです。
この問題とは、プラーク(デンタルプラーク)が形成されるのです。
プラークとは、細菌の塊のことです。
食べかすではありません。
プラーク(細菌の塊り)をバイオフィルムと言います。
このバイオフィルムを知ると、歯磨きを行う重要性が分かるのです。
    
以下は、ちょっと難しい話しになりますが、口臭を学ぶ基礎になりますので
口臭で悩んでいられる方は、是非ご覧になって下さい。

虫歯細菌の中には 食物中のショ糖から粘液性多糖体(水不溶性グルカン)を作るものが多くあります。
粘液性多糖体とは、細菌が着きやすい ネバネバしたもの と思って下さい。
    
このネバネバ(粘液性多糖体)を介して細菌が凝集していきます(細菌が集まってきます)。
    
多くの細菌が集まった状態をバイオフィルムと言います。
このバイオフィルムがあると外来からの影響を受けにくくなります。
バイオフィルムは、バリアーと思って下さい。
    
先にも説明しましたように通常口腔内細菌が繁殖すると
唾液により洗い流されたり、
唾液の抗菌作用により
細菌が繁殖するのが抑えられます。
    
しかし、バイオフィルムの中に生息する細菌は、
唾液の影響を受けにくくなるため
バイオフィルムの中で細菌は増殖していくのです。
バイオフィルムというバリアで囲まれた中に生息する細菌は、
産生した酸(乳酸)の拡散を防ぎ、
唾液に流されないために局所に留まります(停滞する)。
    
そのため、虫歯予防をするためには、
バイオフィルムという細菌の住処を破壊することが重要なのです。
    
簡単に言えば歯磨きを行うことです。
    
これでなんとなく歯磨きを行う理由が分かったかと思います。
歯磨きとは、汚れを取り除くのではなく、細菌をコントロール(減少)するさせることなのです。
    
口臭が気になる方の多くは、汚れがついているから臭いがすると思っています。
そうではないのです。
細菌が増殖することにより口臭が起こるのです。
口臭を予防することの最大のポイントは細菌の繁殖を抑えることです。
これを忘れないで下さい

次回のブログでも口臭について解説します。
毎回読んでいただくと口臭の原因や予防方法につて分かります。

次回のブログは、3月26日(月)になります。

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2012年3月12日

口臭の話し:その4

3/12(月曜日)です。

このブログは、歯周病に関するブログです。
毎週月曜日 にアップしています。

今日のテーマは、『口臭の話し:その4』になります。

今日も口臭の話しになります。
Q&A形式です。

Q
食後の歯磨きは意味がない?

A
口臭を気にされる方の多くは、頻繁に歯磨きをされています。
この頻繁に歯磨きを行うことは、口臭にとってもっとも悪循環と言えます。
口臭を予防するための最大のポイントは、口腔内細菌のコントロールです。
口臭予防は、歯を磨くことではないのです。
この点をきちんと理解しないと口臭は治りません。
   
口腔内には常に細菌が存在しています。
正常細菌叢と言われる状態です。
その細菌の数が増えてくると口臭の原因となります。

通常生体は、唾液の抗菌作用により細菌の数をコントロールしています。
しかし、唾液の分泌が少なくなると細菌が増殖し、口臭が起こります。
通常食後には、唾液の分泌が多くなるため、細菌の数は少ないのです。  
そのため、食後に起こる臭いは、食物自体の臭いなのです。
食物の臭い以外を除けば、食後には唾液の分泌により、
細菌数は少なくなるため、口臭は少ないのです。

しかし、口臭が気になる方の場合、必要以上に歯磨きを行ったり、
うがいを行うことにより 唾液を喪失してしまいます。
そのため、口臭予防という点では、食後には以下のような方法を行うことが重要です。
   
1.歯磨きは必要以上に行わない(まったく行わなくても良い)。

2.うがいは、唾液を喪失するため極力行わない。

3.舌の上に付いた汚れを取ることは最も重要なことです。
  そのため、少量の水を含み、口の中で舌を良く洗うことが有効です。
  舌を口蓋に押し付けてよく洗います。
  舌以外にも頬 等の粘膜に付着した汚れも舌で洗います。
  そして、その水は吐かないで、飲み込んで下さい。
  先にも説明しましたように うがいは、唾液を喪失してしまいます。

4.次にガムを噛むことです。
  これは非常に有効です。
  ガムを噛むことにより唾液が分泌されます。
  唾液の分泌が増えると 細菌が減少します。
  もちろんシュガーレスガムです。
  特に外食した後は、歯磨きができない場合が多いこともあり、
  必要以上にうがいをする方がいらっしゃいますが、これは唾液の喪失を助長して
  口臭の原因となっているのです。
  外食後こそ、ガムのみで対応することが最も有効と言えます。

このシリーズを毎回見られている方は、だいぶ口臭について分かってきたと思います。
次回も口臭の続きになります。



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2012年3月5日

口臭の話し:その3

3/ 5(月曜日)です。

このブログは、歯周病に関するブログです。
毎週月曜日 にアップしています。

今日のテーマは、『口臭の話し:その3』になります。

午前中から人間ドックのため、アップが遅れました。

バリウムは何回行っても嫌ですね。
バリウムを飲むことも嫌ですし、
ゲップを我慢するのも大変ですし、
あの回転する器械も大変ですね。
まだ 胃カメラの方が楽です。

でも こうしたことで病気が早期発見できるのですから…

私自身、毎日の診療の中で、
重度歯周の方等には、
「早期発見、早期治療が大切なのです」
と話しをします。
当然、早く検査していれば、十分治った状態でも
あまりにも歯周病が進行してしまうことにより、私のような歯周病専門医でも
抜歯しか治療方法がないことがあります。
どのような病気もそうですが、
早期発見が大切です。
このようなことを言う立場ですから
毎年この時期になると
人間ドックを必ず受けるようにしています。

最近は、多くの方が受けるようになっているようで
予約自体も かなり前に申し込まないと 受けられないような状態です。
今日も検査希望の方は、朝から30〜40人くらいいたでしょうか
検査服に着替えてスタンバイしていました。

会社等で行なう健康診断は、簡易的なことですから
やはりご自身で1年に1回は、受診されることが良いでしょう。

もちろん 歯周病 や 虫歯の検査も大切ですよ。



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それでは 遅れましたが 本日の歯周病ブログの開始です。

口臭の話しも3回目になりますが、
今日も Q & A 形式で解説したいと思います。

Q
舌磨きはどの程度行った方が良いでしょうか?
舌ブラシ擦って嗅いでみると臭います。


A
鏡で舌を見ると白くなっていることがあります。  
この舌の汚れが口臭の原因となっているのでは?
と考えられている方がいらっしゃいます。

そのため口臭が気になる方の多くは “ 舌磨きブラシ ” で磨いているのです。
実際に舌磨きブラシで取れた汚れを実際に嗅いでみると 臭います。
そのため、「舌の白いのは口臭の原因」と思うようになります。
  
これは明らかに間違っています。
舌はブラシのような物で擦ってはいけません。
舌は粘膜であり、舌の表面には 「舌乳頭」という 非常に細かいヒダのような物が覆っています。
イソギンチャクのヒダのようなものがいっぱい舌の表面には存在すると思って下さい。

舌乳頭というと一般的には 「糸状乳頭」というのをさすことが多いのですが、
この機能は 食物をなめとりやすくしたり、
舌の感覚を鋭敏にする感覚装置とされています。

ネコを飼っている人なら分かるかと思いますが、
ネコの舌がザラザラしているのも この「舌乳頭」です。
  
先程書きましたように 舌は粘膜ですから「
舌ブラシ」で強く擦ってしまうと 傷がついてしまいます。
例えていうならば、皮膚を強く擦ると 皮膚に傷がついてしまうのと同じです。
  
腕や足の皮膚は角化(硬い状態の皮膚)している状態ですので多少擦っても問題ありませんが、
舌は皮膚のような角化組織ではありませんので、
舌ブラシで擦ってしまうと 剥がれ落ちてしまいます。
舌が傷ついてしまうのです。
舌が傷つくと当然痛みがあるだけでなく、
炎症が起こりますのでなおさら舌からの口臭は強くなります。
  
また一番問題なのは、剥がれ落ちた舌乳頭をもとにして
口腔内細菌がさらに繁殖してしまいます。
結果的に口臭はさらに強くなります。

舌ブラシ等で舌の清掃を頻繁に行っている方の唾液は混濁(濁っている)しています。
これは剥がれ落ちた舌乳頭等が唾液の中に混じっているのです。
  
さらに舌には味蕾(みらい)という 味覚を感じる受容器があります。
この味蕾も傷ついてしまうことがあります。
  
そのため、舌が白っぽくなっているからといって舌ブラシで強く擦っては絶対にいけません。
  
また、根本的なこととして舌に付着している汚れは、
口臭の原因となることがありますが、
その多くは舌ブラシで取れる範囲ではなく、
喉の奥の方や 舌の奥1/3ですので、
舌ブラシでいくら擦っても効果は低いと言えます。

ただし、舌表面の汚れを取ること自体は口臭予防として効果はあります。
正しい舌磨きの方法は、ブラシを使用するのではなく、
ヘラ のような専用の器具がありますので それを使用して下さい。
あくまでブラシで舌を擦るのではなく、傷つけずに ヘラで汚れを落とす程度にして下さい。


次回も口臭についてアップします。
口臭でお悩みの方は、是非ご覧になって下さい。

当医院では、口臭で悩んでいる方に口臭外来を開設する予定です。
開設時期は、今年の夏頃になる予定です。
現在口臭について基礎的な部分から学んでいます。
毎月 口臭治療の大家のところで勉強をしてきます。



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2012年2月27日

口臭の話し:その2

2/27(月曜日)です。

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毎週月曜日 にアップしています。

今日のテーマは、『口臭の話し:その2』になります。

本日も前回の続きで口臭の話しをしたいと思います。
Q&A形式で行ないます。

Q.
私自身ではなく、家族の者に口臭があります。
本人は自覚していませんが、非常に気になります。
傷つけずに本人にどのように指摘したら良いでしょうか?

A.
口臭がかなりあるにも関わらず、ご本人はまったく自覚していない方もいらっしゃいます。
臭いというものは慣れがあり、臭いに対して麻痺している状態ですので分からないのです。
どのように指摘するかは非常に難しいことですが、
単に臭うというだけでなく、
「歯周病かもしれないよ!歯周病は臭うらしいから!」
「歯周病治療に行ってみれば?」
「歯周病が進行すると歯が抜けてしまうよ!」
「歯周病は身体にも悪いわしいよ!」 
というような感じで、「口臭」を直接感じさせるのではなく、
間接的に話したり、
治療を行う具体的な指標を与えたり、
身体に悪い等の
他の問題も大きくあることの説明も良いかと思います。
相手を傷つけないように単に「臭い」ということだけでなく、
思いやりのある行動で対応して下さい。


Q.
デンタルフロスを使用した後 や 指で歯や粘膜を擦って 嗅ぐと臭いのですが、
どうしたら良いでしょうか?

A
デンタルフロスを使用した後 や 唾液のついた指 等で臭うことは当然のことです。
デンタルフロスには、食べ物のかすと細菌が合わさった歯垢(しこう)
が付着しますので当然のことながら臭いはあります。
また、唾液自体にも臭いはあります(タンパク質を含むため)。
これは異常なことではありません。
一般的に他人が感じる口臭とは、会話中発生する口臭がほとんどです。


次回のブログは、3月 5日(月)になります。
次回も口臭についてQ&A形式でアップします。

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2012年2月16日

口臭の話し:その1

2/20(月曜日)です。

このブログは、歯周病に関するブログです。
毎週月曜日 にアップしています。

今日のテーマは、『口臭の話し:その1』になります。

口臭を主訴として来院される方は、非常に増えています。
当医院としても そうした患者様に対応すべく、現在準備を整えています。
早ければ、今年の夏頃には「口臭外来」を新設する予定です。

情報は、随時このブログでアップしていきます。

Q 口臭予防を行うための歯磨きに有効なポイントはあるのでしょうか?

A
口腔内を原因とする口臭の原因は、
細菌(嫌気性細菌)の活動による代謝産物の臭いです。
そのため、細菌を増殖させないことが重要です。

口腔内の細菌が最も多くなるのは、唾液の分泌が減少している時です。
唾液には、細菌を減少させるための抗菌物質が含まれています。
唾液を多く分泌させることが口臭撃退に大きく関係してきます。
そのため、唾液の分泌が少なくなると細菌が増殖しますので口臭が起こります。

唾液の分泌が最も少ないは就寝時です。

就寝前に口腔内を清潔にすることは、就寝時の細菌繁殖に大きく影響します。
そのため、口臭予防を前提とした歯磨き時期は、
起床時 と 就寝前です。

それでは、それ以外には歯磨きを行う必要性はないのか?
ということですが、口臭を気になさる方の多くは、歯磨きを行いすぎているのです。
 
歯磨き後には、当然のことながら うがい を行いますよね。
この うがい により唾液は洗い流されてしまいます。
うがいが多いのは口臭によって悪いことなのです。
ただし、食後に歯を磨かなくて良いということではありません。
必要以上に歯磨きを行うことは、良いことではありません。

また、口臭が気になる方は歯磨き剤の使用は逆効果になります。
なにも付けない状態で歯磨きして下さい。
歯磨き剤 等については次の質問で解説します。



Q 食後の口臭を予防する方法はありますか?

A
食後に口臭がある原因としては、大きく分けて以下のことが考えられます。

a. 食べた食品自体の臭い(ニンニクを食べた 等)

b. 食後に歯磨きを行ったが、部分的に食物が残っており、
  その食物が時間の経過とともに唾液の酵素により分解され、
  口腔内の酸性度が高まり(pHが下がる)、
  それがもととなり細菌の酸素活性が高まり、
  細菌が口臭のもととなる代謝産物を放出したため

c. 唾液には、細菌を減少させるための重要な働きがあります(抗菌作用)。
  また 唾液は、口腔内が酸性(pHの低下)に傾くと
  それを正常状態に戻す能力があります(緩衝能力)。
  これらの能力が低下している

上記のことを改善するためには、細菌をコントロールすることが重要です。

まず b.ですが 食物が残っているのが原因ですので、歯磨きを行うことは
重要ですが、口臭を気になさる方の多くは、
実際には食後にきちんと歯磨きをされていることがほとんどです。
逆にこの歯磨き方法等に問題があるのです。
ほとんどの場合、口臭は口腔内細菌が増殖することにより起こります。
細菌が増えるのをコントロールしているのが、唾液です。
これは先の質問でも記載した内容です。

唾液の分泌および口腔内の停滞が適切に行われている方は
口臭が起こりにくいと言えます。
歯磨きをあまり頻繁に行う方は、
うがいを行うたびに唾液が洗い流され損失してしまいますので、
口腔内の唾液が減少し、細菌の増殖が起こり、口臭が起こります。
そのため、唾液の損失を起こさないために頻繁に歯磨きを行い過ぎるのは良くありません。

また、歯磨き剤の使用もマイナスです。
歯磨き剤を使用せずに歯磨きを行い、口をゆすぐのは軽く行うことです。
また、マウスウォッシュの使用も口腔内環境を大きく変えてしまう可能性がありますので
あまり使用されない方が良いでしょう。
  
次に舌表面には、食物が残りやすいので舌表面の対策が必要です。
軽く水を含み、舌を口蓋(上顎)にこすりつけるようにして
舌に付着した汚れを擦り落とします。
口腔内に含んだ水は飲み込んで下さい。
どうしても飲み込むのに抵抗のある方は、水を吐く程度にして、
うがいをしすぎないように注意して下さい。
  
歯ブラシ等で舌を磨くのは止めて下さい。
皮膚を たわし で擦るようなもので、舌表面が傷ついてしまいます。
  
次に頬にも食物が停滞していますので、
頬の内側を舌で擦り、汚れを拭い取って下さい。

最後にガムを噛むことです。
ガムを噛むことにより唾液の分泌は多くなりますので、
細菌の増殖を抑えることにつながります。


今後もこのような内容を不定期ですが、順次アップしたいと思います。

次回のブログは、2月27日(月)になります。

口臭外来の診療は、今年の夏頃開設予定です。

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2012年2月13日

細菌の話し:その6

2/13(月曜日)です。

このブログは、歯周病に関するブログです。
毎週月曜日 にアップしています。

昨日、口腔インプラント学会に参加してきました。
日本口腔インプラント学会 第31回 関東 甲信越支部学術大会


今日のテーマは、『細菌の話し:その6』になります。

このテーマは、シリーズになっていますので始めて見られる方は、是非1回目からご覧んになって下さい。
以下をクリックして下さい。
細菌の話し:その1

細菌の話し:その2

細菌の話し:その3

細菌の話し:その4

細菌の話し:その5


あまりにも難しいシリーズとなっているので、本日残りをまとめて最後になります。
ちょっと長い話しですが、最後までご覧になって下さい。

嫌気性菌は口臭の原因となる
嫌気性菌の中には増殖する過程で「硫化水素」「脂肪酸」を産生します。
これが強い悪臭を放ち、口臭の原因の一つとなっています。

バイオフィルムには抗生剤が効かない!?
前回まで何度も解説してきましたバイオフィルム内に生息細菌には抗生剤が効きにくいことが分かっています。
この理由として以下のことが考えられます。
1. 抗菌剤の浸透性が低い
2. バイオフィルムの深部では細胞の活動性が低い
3. 細菌自体が抵抗性を獲得している
            *Socransky S,et al:Periodontol 2000,2002
そのため、歯周病で歯肉が腫れている人に単に抗生剤を服用しても この効果を最大限に発揮することは難しくなります。
バイオフィルムは細菌にとってバリアーですから
バイオフィルムを破壊することが重要なのです。

細菌の排除(駆除)方法(バイオフィルムの除去方法)
よく 患者様からのご質問で
「歯周病にデンタルリンス等の洗口剤は効果がありますか?」
と聞かれます。
予防という観点で言えば、効果がないとは言いませんが、
バイオフィルムの中に存在する細菌を除去することはできません。
先に説明しましたようにバイオフィルムというバリアに守られている細菌は薬液による効果は、ほとんど認められません。
歯周ポケット内部に侵入した細菌を排除(駆除)する方法は、
スケーリング・ルートプレーンング(SRP:scaling and root planning )
以外にはないと言ってもいいでしょう。
細菌の住処であるバイオフィルム機械的に除去することが最も効果があります。
*Slots J,et al:Periodontol 2000,2002
歯肉縁上にある歯石(バイオフィルム)に対しては、
PMTC(Professional mechanical tooth cleaning)に勝るバイオフィルム除去はありません。
そして、スケーリング・ルートプレーンング や PMTC後には患者様ご自身による徹底的な歯磨きが重要です。
              *Lavanchy D,et al:J Clin Periodontol,1987
こうしたことが可能であって始めて 抗菌性のある消毒薬 や 内科的薬物治療(
飲み薬による歯周病治療)が有効となります。
            *Kinane DF:Ann R Australas Coll Dent Surg,2000

歯周ポケット内部に存在する嫌気性菌から内毒素が産生され、それが歯の根(歯根面)に付着しています。
以前は、この歯根面に付着している内毒素を徹底したスケーリング・ルートプレーンング(SRP:scaling and root planning )を行うことにより除去できると考えられて来ました。
簡単に言えば、歯根面を一層削るような行為です。
                 *Aleo J et al:J Periodontol,1975
しかし、スケーリング・ルートプレーンング(SRP:scaling and root planning )を行い過ぎると 歯根面が削れるため、患者様は冷たい物でしみる(知覚過敏症)ことが多く起こりました。
現在では、嫌気性菌が産生する内毒素は歯根面の表層のみに付着しているだけであり、ブラシのようなもので簡単に除去できるということが分かってきています。
* Nakib N H,et al:J Periodontol,1982
以下は、スケーリング・ルートプレーンング(SRP:scaling and root planning )を行っている動画(YouTube)です。



歯周病細菌を除去後 どれくらいの期間維持できるのか? 
—歯周病細菌の再発—

歯周病の治療としてスケーリング・ルートプレーンング(SRP:scaling and root planning )という 歯肉の中(下)に存在するバイオフィルムを機械的に除去すると劇的に嫌気性菌は減少します。
しかし、100%の細菌が除去できるわけではないので
12〜16週後にはもとの菌叢に戻る傾向がみられます。
    *Slots,J.et al:J.Periodontol.,1979
歯周病治療(スケーリング・ルートプレーンング:scaling and root planning )により歯周ポケット内部の嫌気性菌は激減しますが、絶対にゼロになるわけではありません。
そのため、残った嫌気性菌が再度増えていくのです。
また歯周ポケットの外部から新たに感染(侵入)してくることも考えられます。
                    *Waerhaug J:J Periodontol 1978

また、使用した歯ブラシに付着して生き残った細菌が 再度感染を起こす可能性も指摘されています。
若年期に発症し重篤な骨吸収を起こす侵襲性歯周炎(しんしゅうせいししゅうえん)に関与している A a菌(Aggregatibacter actinomycetemcomitans )は、歯磨きを行った後に 69%も歯ブラシに付着して残っているという研究データがあります。
また、歯ブラシに残ったA a菌は、24時間後でも23%が生き残っているというのです。
              *Muller HP,et al:J Clin Periodontol,1989
上記のデータは歯磨剤を使用しない状態でブラッシングを行ったデータです。

こう考えれば歯ブラシも決して衛生的ではないですね。

また、歯周病治療(スケーリング・ルートプレーンング:scaling and root planning )は、行う術者によりその能力が変わります。
術者の差による歯周病治療結果に関する研究データは多く存在します。
前歯部において歯周病治療(スケーリング・ルートプレーンング:scaling and root planning )を行った場合、歯周病が中程度(歯周ポケット4〜6ミリ)の場合には、
歯石の除去率は、歯周病専門医79%であったのに対して、
一般開業医では66%の歯石除去率であった。
となっています。
歯周病専門医の方が歯石除去率が高いということです。

次に 歯周病が重度(歯周ポケット6ミリ以上)の場合には、
歯石の除去率は、歯周病専門医81%であったのに対して、
一般開業医では34%の歯石除去率でした。
               * Brayer WK,et al:J Periodontol,1989

歯周ポケットが深くなれば なる程 治療は難しくなるため、
歯石の取り残しが多くなるというものです。
つまり、誰が歯周病治療(スケーリング・ルートプレーンング:scaling and root planning )を行うかによっても 治療効果が変わってくるのです。
しかし、歯周病専門医が行ったとしても100%無菌にすることは不可能なのです。
                *Fleischer H,et al:J Periodontol.1989
ただし、臨床的には100%無菌にする必要性はありません。
歯周病の進行を臨床的に抑える程度まで細菌数を減少させることが重要なのです。


真菌(カビ)は歯周病の原因なのか?
2001年の朝日新聞に「歯周病に抗カビ剤が有効」という記事が掲載されました。
これは、神奈川県内の歯科医院の先生が 歯周病治療に
「アンフォテリシンB という ポリエン系抗真菌剤を使用したところ 歯周病が改善した」
という意見を元に掲載された情報です。
この情報により歯周病で悩んでいる患者様 や 一部の歯科医師が飛びつき 一時ブーム(?)
となりました。
しかし、当然のことながら科学的根拠はなく、うわさだけが先攻してしまったのです。
日本歯周病学会でも社会的影響が大きいとして、学術的に否定情報をHP等で公開しています。
真菌(カビ)は、正常口腔内でも検出される率が高い真菌です。
しかし、真菌(カビ)は、歯周ポケットの深い部分では検出されることは稀です。
真菌(カビ)は、好気性(酸素のあるもとで生きる)あるいは 通性嫌気性(若干の酸素の元もで生息可能)のため、
酸素がほとんど存在しない歯周ポケットの深い部分(嫌気性)では
生息が難しいのです。
しかし、難治性歯周炎の患者様 や
糖尿病を伴う歯周病患者様、
HIV陽性患者様
の歯周ポケットで検出されたというデータがありますが、
こうした患者様は免疫能の低下 や 抗菌剤の使用等により増殖した可能性が高いといえます。
(日和見感染)Slots J,et al:Oral Microbiol Immunol,1995
こうした科学的根拠のない治療はかなり多く出回っています。
きちんと注意することが必要です。

パーフェクトペリオは歯周病細菌に効果があるのか?
何度もこのブログでも解説したことがあるテーマです。
抗真菌剤アンフォテリシンBと同様に問題となっているのか「パーフェクトペリオ」というものです。
これもある先生がテレビで宣伝(?)したために、爆発的に広まってしまったことです。
また、誤った情報にも関わらず 
歯周病に効く(?)、
利益がある(?)
と考えた歯科医師が便乗してしまい、
多くの患者様に不利益をもたらすことになってしまったのです。
現在でもインターネットで検索すると「パーフェクトペリオ」を宣伝しているHPを多く見かけます。
ここまでの内容を見られた方は、歯周病はバイオフィルムによる感染であることをご理解していただけたと思います。
いくら「パーフェクトペリオ」でうがいをしてもバイオフィルムが破壊されることはありませんし、
歯周ポケット内部(歯根面)に付着している歯石が取れることはありません。
歯周病治療の長い歴史の中でも
効果的にバイオフィルムを除去するための科学的根拠のある治療方法は、機械的に除去する
スケーリング・ルートプレーンング(SRP:scaling and root planning )
PMTC(Professional mechanical tooth cleaning)
なのです。

次がこのテーマの最後になります。
口腔細菌による全身疾患
口腔内細菌は、歯周組織(歯周ポケット内部)から血液中に入り込んで循環器障害を起こしたり、細菌が産生する毒素や酵素は臓器が細胞障害をもたらします。

・細菌心内膜炎
 デンタルプラーク中に最も多く存在するStreptococcus sanguinis は細菌性
 心内膜炎の患者の患部から高頻度に検出されます。
 その侵入菌数は、歯周病が進行すると増えていきます。
 デンタルプラーク細菌は、さまざまな部位に付着する能力が強く、バイオフ
 ィルムを形成するため、血液中に入り込むと菌血症となり、心内膜に付着し
 てバイオフィルムを形成して心内膜炎を起こします。

・ 糖尿病
?型糖尿病の方は、歯周病の発症リスク
2〜4倍高いという報告があります。
              *Emrich LJ,et al:J Periodontol,1991
食事によって吸収された栄養分はグルコースという形で血管内にはいります。
これにより血糖値が高くなります。
この血糖値を下げるのが膵臓から分泌されるインスリンです。
インスリンの作用によりグルコースは肝臓 や 筋肉、脂肪細胞 に貯蔵されます。
血糖値が低くなると 貯蔵されていたグルコースが血液中に放出されて血糖値を一定に保つのです。
糖尿病(?型)の場合、脂肪細胞からでるTNF-αという物質が
インスリンの作用阻害するため、血糖値を一定に保ことができなくなります。
歯周病が進行すると このTNF-αが大量に分泌されるため 血糖値が安定しなくなるのです。
上記以外にも
・好中球の機能低下
・微小血管障害
・コラーゲンの合成抑制
・歯根膜細胞の機能異常
等が考えられています。
逆に歯周病を治す血糖値が安定するという研究報告もなされています。
              *Grossi SG,et al:J Periodontol,1997

・ 早産(低出生体重児出産)
重度の歯周病に罹患している母親は、歯周病に罹患していない健康は口腔内の母親より 7倍以上高い確立で低出生体重児を出産しているという報告があります。
            *Offenbacher S,et al:J Periodontol,1996

・ 心筋梗塞
口腔内細菌(Streptococcus sanguinis、Porphyromonas gingivalis等)は血小板凝集を引き起こすため、血管内で血栓が形成され、血管が閉塞して血流を阻害して心筋梗塞を引き起こします。

・ 骨粗鬆症(こつそしょうしょう)
歯周病と骨粗鬆症に関する研究は年々増加しています。
骨粗鬆症 患者様は、非骨粗鬆症 患者様と比較して 歯周病による骨吸収が増大し、骨密度も低下しているという報告があります。
            *Geurs NC,et al:Periodontol 2000,2003

これでこのシリーズは終了です。
次回から新しいテーマになります。
簡単な話しにしたいと思います。

次回のブログは、2月20日(月)になります。



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2012年2月6日

細菌の話し:その5

2/ 6(月曜日)です。

このブログは、歯周病に関するブログです。
毎週月曜日 にアップしています。

始めに今週の休診 臨時診療のお知らせです。

•2月11日(土):祝日のため休診となります。

•2月12日(日):診療しておりますが、
          院長はインプラント学会参加のため不在となります。

•2月 9日(木):臨時診療日となります。
          9日はオンライン予約 では取れませんので、
          電話(045-891-3334)でご連絡下さい。

今日のテーマは、『細菌の話し:その5』になります。

このテーマは、シリーズになっていますので始めて見られる方は、是非1回目からご覧んになって下さい。
以下をクリックして下さい。
細菌の話し:その1

細菌の話し:その2

細菌の話し:その3

細菌の話し:その4


さて本日の話しです。
いきなり今日から見られた方にとっては、非常に難しく、
チンプン カンプンな話しかと思います。

特に今日は特別難しい回です。

本日までの4回で口腔内に存在する細菌について解説してきました。
細菌の中でも歯周病に関係する細菌は
嫌気性細菌であることを説明しました。
また、多くの口腔内細菌は、集まり(凝集)塊となって
バイオフィルムという細菌の住処をつくり
外来からの攻撃に耐えるようになっていきます。

しかしながら 生体は、細菌により感染するだけでなく、当然のことながら防御反応があります。
本日はそのような話しです。

生体の生理的防御
細菌から生体を防御するため機構として主に以下の3つのことが関係しています。

1. 唾液
唾液の重要な作用として以下のことがあります。
  a.口腔内に侵入してきた微生物を唾液により洗い流す
  b.抗菌性物質により感染防御作用をしている
  健康な方であれば、唾液は1日1〜2リットル分泌されています。

2. 歯肉溝滲出液(しにくこうしんしゅつえき)
  a.歯周ポケット内部に侵入してきた細菌を洗い流す
  b.細菌を撃退する成分(抗菌成分)も含まれる

3. 歯肉上皮
  歯肉上皮は細菌の攻撃を受けても新しい細胞供給が非常に早いため、        
  細菌の侵入を食い止めるバリアとして働きます。


生体防御細胞

生体防御細胞は、医療を志す学生にとって必ず学ばなければならないことです。
しかし、これがなかなか難しい話しなのです。
以下では、できるかぎり簡単に説明したいと思います。

歯周病で問題となる嫌気性細菌犯罪者 としましょう。
そして後で説明します 好中球マクロファージ警察官 としましょう。
ちなみに好中球マクロファージは、警視庁(白血球)の一員です。

それでは、犯罪者(嫌気性細菌)警察官(好中球)の話しの始まりです。

外来から攻撃してくる犯罪者(細菌)に対応して
唾液 歯肉溝滲出液歯肉上皮の作用により防御してきますが、
細菌の爆発的な増大 等により生体内に侵入してくる犯罪者(細菌)がいます。
この時に始めに働くのが、歯肉線維芽細胞 のバリアです。

そして、歯肉組織中にいる警察官(マクロファージ)が犯罪者(細菌)に職務質問(攻撃:貪食)します。
マクロファージが細菌を食べる(貪食)のです。

また警察官(マクロファージ)は、
犯罪者(細菌)を調べます(食べた細菌を分解、消化)。
そして、犯罪者(細菌)がどんな人物(細菌)であるのかを分析します。
この時の分析に役立つのか犯罪者(細菌)の所持物(内毒素)なのです。
所持物(内毒素)の中にその犯罪者(細菌)の情報が詰まっているのです。

警察官(マクロファージ)が出す情報にすぐ反応するのが、
血管内に存在する他の警察官(好中球)です。
警察官(好中球)は、血管内を循環しているのです。
*好中球の寿命は数時間しかありませんので、細菌が侵入してくるとすぐに攻撃するのです。
警察官(好中球)は、
血管から出て来て犯罪者(細菌)に向かい(走化能)、
犯罪者(細菌)を丸ごと取り込み(貪食能)、
犯罪者(細菌)を破壊(殺菌能)します。

次に警察官(マクロファージ)は分析結果を刑務所(Tリンパ球)に伝えます。
刑務所(Tリンパ球)は その情報をさらに裁判所(Bリンパ球)に伝えます。
そして、裁判所(Bリンパ球)は、刑期(犯罪歴)をつけるのです(抗体を産生

Bリンパ球から産生された抗体は、細菌にくっつきます。
裁判所 が 犯罪歴 を 犯罪者 につけるのです。

抗体がくっついた細菌は、好中球が判別しやすくなります。
犯罪歴がついた犯罪者は警察官が判別しやすくなるのです。
指名手配がついたようなものです。
抗体がついた細菌は好中球が捕らえやすくなり(オプソニン効果)、
効率よく細菌に対処できるようになります。

予防接種 や ワクチンは以下のような仕組みで作用します。
少量の抗原(病原体の特徴)を生体内に入れて、
病原体の情報を漏らし、あらかじめ抗体を作っておくことです。
インフルエンザワクチンが時々効果のないことがありますが、
これは あらかじめ予想していた情報(抗原:ワクチン)が
実際に流行ったインフルエンザとは違ったため、
情報(抗体)が役立たなかった ということです。

今日はこれで終了です。
あまりにも難しかったので、次回はもう少し簡単な内容にしたいと思います。

このシリーズもどんどんと深みにはまっている感じがしますが、
ここまできたら最後までご覧になって下さい。
あと 3〜4回ほど このシリーズを続けたいと思います。

きっとこのブログを見ているのは、
同業者だけなのではないかと思います…


次回のブログは、2月13日(月)になります。



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2012年1月30日

細菌の話し:その4

1/30(月曜日)です。

このブログは、歯周病に関するブログです。
毎週月曜日 にアップしています。

今日のテーマは、『細菌の話し:その4』になります。

このテーマは、シリーズになっていますので始めて見られる方は、是非1回目からご覧んになって下さい。
以下をクリックして下さい。
細菌の話し:その1

細菌の話し:その2

細菌の話し:その3

さて本日も難しい話しになります。
しかし、このシリーズを最後まで見ると “ 歯周病 ツウ ” になります。

虫歯は夜間作られる
前回のブログでは、虫歯細菌(好気性菌)の一部は、多くの糖(ショ糖)から(乳酸)という歯を溶かす成分をつくることを解説しました。
飲食物として糖が供給されなくなると 
糖(ショ糖)から合成され細菌内に貯蔵した
水溶性の粘液性多糖体(グルカン および フルクタン)を利用し、
持続して(乳酸)などを産生するため、虫歯(脱灰)が起きてしまいます。

虫歯が夜間作られるというのは、
食物がなくなった後でも 細菌内に蓄えられた粘液性多糖体をエネルギー源として利用しながら
酸(乳酸)を産生し続けるためなのです。

好気性菌 から 嫌気性菌への変貌 ー 嫌気性菌はどんどんと増殖していく ー

今までの3回のブログでも説明しましたように口腔内細菌には、
好気性菌酸素が存在する部位でのみ生きることが可能な細菌) と
嫌気性菌(酸素が存在する部位では生きるのが困難な細菌)
が存在します。
歯周病細菌として問題なのは、嫌気性菌です。
今までのブログの内容をまとめると
細菌の増殖の成り立ちとして
歯の表面(歯根面)に付着したペリクル表面に好気性菌が増殖します。
そして、食物のショ糖を利用して粘液性多糖体が作られたり、
細菌の繊毛 等により
細菌が凝集してきます。
そしてバイオフィルムが形成されます。
すると バイオフィルム中では、どんどんと嫌気性菌の増殖が多くなってきます。
好気性菌から嫌気性菌への変化です。

また、歯肉のにプラークが沈着してくると 歯肉に炎症(腫れる)が起こります。
歯肉が腫れると歯周ポケット内部から歯肉溝滲出液(しにくこうしんしゅつえき)が大量に分泌されるようになってきます。
嫌気性菌にとって歯肉溝滲出液(アミノ酸)は、栄養源ですから 栄養源を得た嫌気性菌はどんどんと増えていきます。
歯周ポケット内部のアミノ酸は、唾液中のアミノ酸より20〜25倍多く、
歯周病細菌にとっては食事に困らない快適な環境と言えます。
                   *Fine D H:Periodontol 2000,1995
また、嫌気性菌により歯周組織は破壊され、歯周ポケットがどんどんと深くなりますので、酸素の嫌いな嫌気性菌にとっては絶好の環境になってくるのです。

細菌の増殖は、十分な栄養があれば、1時間もたたないうちに2倍となります。


歯周病の原因となる代表的な嫌気性菌
慢性歯周炎の原因となる代表的な嫌気性菌には以下の3種類があります。
P g 菌:ポリフィロモナス ジンジバリス菌(Porphyromonas gingivalis)
T f菌:タネレーラ フォーサイシア菌(Tannerella forsythia)
T d菌:トレポネーマ デンティコーラ菌(Treponema denticola)
         *細菌の名称は良く変わります 上記は2011年時点での名称です
これらの嫌気性菌の病原性は毒素によって決まります。
この毒素には 外毒素内毒素 があります。

外毒素は、細菌の内部から分泌されます。
タンパク質を分解する酵素を産生し、
歯周組織を構成するコラーゲン組織を破壊します。
コラーゲン組織が破壊されると歯肉は出血しやすくなります。
外毒素として有名なのが 赤痢菌 や 破傷風菌 の神経毒、
コレラ菌 や 大腸菌 の腸管毒です。

また 内毒素は、細菌の構成成分である外膜です。
以下のような多彩な生理活性があり、さまざまな病原性に関わっています。
・ 発熱性
血液を凝固させ血管障害を起こす
細胞障害作用 
骨吸収を起こす
・ 血液を介して内毒素が侵入くるとShwartzman反応という強い炎症反応がみられる
・ 一度に大量の内毒素が入り込むと内毒性のショック死を起こすことがある

上記以外にも まだまだ さまざまな病原性にかかわっています。


ますます難しい話しになってきました。
次回も細菌の話しの続きです。

次回のブログは、2月 6日(月)になります。



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2012年1月23日

細菌の話し:その3

1/23(月曜日)です。

このブログは、歯周病に関するブログです。
毎週月曜日 にアップしています。

今日のテーマは、『細菌の話し:その3』になります。

今日も難しい話しになります。
このシリーズを始めて見られた方は、
是非 2回前に戻り細菌の話し:その1からご覧になって下さい。

細菌の成り立ち
口腔内細菌は、単独で悪さをするというよりは、集団で悪さをします。
この細菌の集団をバイオフィルムと言います。
それではバイオフィルムの成り立ちについて解説します。

歯の表面(歯根面)には、ペリクル(唾液の糖タンパク質)という薄い膜が存在します。
               *Marsh P D,et al:J Ind Microbiol,1995
これは、細菌(好気性菌)が出す(乳酸)から歯を守る重要な働きをしているのです。
虫歯細菌(好気性菌)は、(乳酸)という歯を溶かす成分を出します。
(乳酸)より歯が溶けていくのです。
ペリクルは、虫歯細菌による酸から歯を守るバリアーと思って下さい。
しかし、バリアーである反面 細菌が付着しやすくなっているのも事実です。

また、歯肉縁プラーク細菌(好気性菌)の中には 食物中のショ糖から粘液性多糖体(水不溶性グルカン)を作るものが多くあります。
口腔内細菌の中には、細菌自体が歯面に付着しやすい構造(線毛 等)を持っているものもありますが、歯面に付着しにくい細菌は粘液性多糖体(水不溶性グルカン)を介して凝集していきます。

また、細菌同士が情報伝達を行い、細菌が凝集するのです。
細菌同士が手に手をとって集まる状態を共凝集と言います。

まとめると以下のようになります。
歯の表面(歯根面)には、ペリクル(唾液の糖タンパク質)という薄い膜が形成されます。
このペリクルに付着しやすい細菌(好気性菌 Streptococcus、 Actinomyces)が住みつきます。
この時の細菌(好気性菌)は、歯周病にとって悪性度の低い菌と思って下さい。
さらに この細菌(好気性菌)に嫌気性菌( Fusobacterium nucleatum )が付着します。
              *Kolenbrander P E:J Applied Bacteriol,1993
この細菌( 嫌気性菌:Fusobacterium nucleatum )に
歯周病に悪性度の高い細菌
P g菌:Porphyromonas gingivalis 
T f菌: Tannerella forsythia
T d菌 : Treponema denticola
が付着していきます。
            *Socransky S S,et al:J Clin Periodontol,1998
善玉菌、仲介菌、悪玉菌の順番に共凝集していくのです。
こうして細菌の塊ができていくのです。
細菌が集まった状態をバイオフィルムと言います。
         *細菌の名称は良く変わります 上記は2011年時点での名称です


バイオフィルムは細菌の集合体
先に説明しましたように
多くの細菌が集まった状態をバイオフィルムと言います。
                 * Donlan R M,et al:Clin Microbiol Rev,2002

バイオフィルムを他の例えで表現すると
台所のシンクをきれいに洗っていないと
「ヌルヌル ヌメヌメ」としてきます。
この「ヌルヌル ヌメヌメ」バイオフィルムなのです。
バイオフィルムは細菌の住処です。
バリアーと言ってもいいでしょう。

このバイオフィルムがあると外来からの影響を受けにくくなります
通常口腔内細菌が繁殖すると
唾液により洗い流されたり
唾液の抗菌作用により
細菌が繁殖するのが抑えられます。
しかし、バイオフィルムの中に生息する細菌は、
唾液の影響を受けにくくなるため
バイオフィルムの中で細菌は増殖していくのです。

飲食後(食物を摂取後) 虫歯細菌(好気性菌)の一部は、
多くの糖(ショ糖)から(乳酸)という歯を溶かす成分をつくります。
バイオフィルムというバリアで囲まれた中に生息する細菌は、産生した酸(乳酸)の拡散を防ぎ唾液に流されないため局所に留まります(停滞する)

そのため、虫歯予防をするためには、
バイオフィルムという細菌の住処を破壊することが重要なのです。
簡単に言えば歯磨きを行うことです。

今日も少し難しかったですね。
次回も本日の続きです。

なぜ夜間に虫歯は作られるのか?
細菌の増殖の仕方!

という話しになります。



次回のブログは、1月30日(月)になります。



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