喫煙の全身的な害

ニコチンそのものが半数致死量7.1mgの猛毒です。
煙草の煙の中には、4,500種類以上の化合物や汚染物質が存在します。

喫煙の全身的な害

1. 中枢神経への影響

タバコ依存症 記憶力と起想力の低下 不眠症

2. 癌タバコに含まれる200種類の発癌物質

※ ベンツピレン、ダイオキシンなどさまざまありますが、なかでもタバコの熱でニコチンから作られるニトソアミンというニトロソ化合物の一種(とくにNKKと略称されるもの)がさらに代謝され極めて強力な発癌物質となって、発癌の直接原因となります。肺から入って肺癌の原因になるだけでなく、食道癌、膵癌、膀胱癌などほとんど全身の癌の原因となります。
※ベンツピレンは肝臓で代謝されると活性化し、ベンツピレンジオールエポキシドという究極の発癌物質に変わる。

3. 慢性気管支炎

長期間の喫煙によって、タバコのタールは気管支の細い部分に沈着し、異物をかき出す繊毛運動を低下させます。煙りの反復刺激によって粘液が過剰に分泌しているのに、それがいつまでも気管支内に停滞し続けます。やがて、刺激と粘液貯留が一定のレベルを超えると、自覚症状が発現し、痰を伴う咳が長期間出続ける慢性気管支炎に移行し、進行すると肺組織が破綻し、肺気腫を起こすため、それが命とりになります。

4. 肺気腫

長期間の喫煙によって、タバコのタールは気管支の細い部分に沈着し、異物をかき出す繊毛運動を低下させます。煙りの反復刺激によって粘液が過剰に分泌しているのに、それがいつまでも気管支内に停滞し続けます。やがて、刺激と粘液貯留が一定のレベルを超えると、自覚症状が発現し、痰を伴う咳が長期間出続ける慢性気管支炎に移行し、進行すると肺組織が破綻し、肺気腫を起こすため、それが命とりになります。

4. 肺気腫

肺胞の壁が破壊されて、肺胞が大きく膨らんだままで弾力を失い、呼吸困難を起こします。安静時にも酸素欠乏をきたし、酸素ボンベが手放せなくなります。

5. 気管支喘息

気管支は吸入された空気に反応する防御機構があり有害物質がくると気管支は狭窄し、管の内側から粘液を分泌し、有害物質を排除しようとします。喘息はこの防御機能が過剰に起こって、発作性の呼吸困難を起こす病気です。年間7,000人以上が喘息のために死亡しています。

6. その他の呼吸器疾患

風邪、急性気管支炎、肺炎、咽頭ポリープ、自然気腫、慢性咽頭炎などが喫煙によって誘発されます。

7. 不整脈・高血圧

ニコチンは心臓の興奮性を高め、喫煙による一酸化炭素の吸入もこれに拍車をかけます。喫煙は不整脈を誘発します。また喫煙により心臓の興奮性が高まり、心臓の血液を送り出す圧力が高くなります。ところがニコチンには血管を異常に収縮させる効果がありますから、血流が悪くな狭いところを血液が無理に通ろうとするために、血圧が上昇します。喫煙は動脈効果を進行させ、心筋梗塞、脳卒中、大動脈瘤、高血圧腎症などの合併症を引き起こします。

8. 高コレステロール血症・動脈硬化

ニコチンは悪玉コレステロールであるLDLを変性させ、動脈の壁に浸透しやすくさせ、一酸化炭素は善玉コレステロールであるHDLを減らします。喫煙による血管の異常収縮と血圧の変化は血管の内壁ダメージを与えます。ダメージを追った血管壁はLDLコレステロールを取りこみやすくなり、動脈硬化の病巣を誘発します。

9. 狭心症・心筋梗塞・ニコチンの心臓毒性

ニコチンは冠状動脈を収縮させ、コレステロールの血管沈着を促進させ血液を固まりやすくします。また、ニコチンにより心臓は興奮し、喫煙により摂取される一酸化炭素には赤血球の酸素運搬能力を破壊する作用があります。つまり、心臓は酸素欠乏状態を強いられて、狭心症や心筋梗塞の発作や悪化を誘発します。

10. その他の血流疾患

大動脈瘤・脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)・痴呆症(喫煙者の脳体積は非喫煙者より明らかに少ない)・閉塞性動脈硬化症 パージャー病(閉塞性血栓血管炎手足の難治性壊死)

11. 糖尿病

常習喫煙者では糖尿病の治療をしても血糖のコントロールがうまくいきません。また、喫煙は糖尿病からくる合併症の起こる確率を大幅に増大させます。
血糖値の高い状態が続くと、タンパク質、脂肪を含めて代謝のバランスがくずれ、全身の動脈に動脈硬化性の閉塞が起こります。その状態で喫煙すると血管が収縮し、数十分その状態が続くので、糖尿病の人には大変危険です。糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、心筋梗塞、脳卒中、下肢の閉塞性動脈硬化症を誘発します。また、糖尿病と喫煙はともに免疫力を低下させ、各種感染症を引き起こし、癌細胞の成長を促します。

12. 慢性腎炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍

喫煙が胃粘膜の血流を阻害することにより正常な防御機能が働かなくなり、慢性腎炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍をおこします。

13. その他の消化器病

逆流性食道炎(喫煙により噴門の括約筋がゆるむ)・クローン病(小腸、大腸に発現する原因不明の炎症性疾患)・肝硬変(喫煙により1.3~4.0倍)

14. 内分泌・代謝性疾患

甲状腺腫・甲状腺機能亢進症・骨粗鬆症・外科手術後の予後不良(細菌性感染、壊死を誘発)

15. その他の疾患

性機能への影響・妊娠と分娩の異常・胎児の影響・乳幼児突然死症候群・発育障害・中耳炎・子供の喫煙促進・ニコチン乳中毒症・化学物質過敏症・自律神経失調症・肌荒れ・しわ・シミ・頭髪脱毛・アトピー性皮膚炎・花粉症・タバコ弱視・黄斑変性症・白内障

※ このレポートは、実践社刊吸う人と吸わない人のたばこ病タバコ問題センターその他を参照して、作成されています。

喫煙者のがん危険指数

喫煙者のがん危険指数

(非喫煙者の死亡を1とした場合、毎日喫煙している男性の死亡危険率)
喫煙が人体に影響を及ぼすことは既に多くの研究によら明らかになっています。特に口腔がんの危険度は非常に高くなっています。