サイナスリフト法は1977年にGeigerらが報告をしたもので、サイナスリフト(Sinus Lift)の『サイナス』とは上顎洞のことで上顎洞を『リフト』(挙げる)という意味です。先で説明したソケットリフトもこのサイナスリフトの中に含まれます。しかし、現在サイナスリフトというと上顎洞の頬側壁を開窓(移植骨を入れる穴を開けること)して骨の移植を行う“Caldwell-Luc法”が幅広く応用されています。ではその方法は本当に安全で効果があるのでしょうか?
サイナスリフトの臨床成功率に関するデータは数多く報告されています。その中で1996年にアメリカのマサチューセッツ州で行われた『Report of the Sinus Consensus Conference of 1996』という学会での報告を紹介します。
『1995年の時点でインプラント治療が終了してから3年以上経過している患者さんがこの研究の対象となりました。対象となったインプラントは2997本でした。そのうち失敗は299本で、成功率は90%であった。』と報告されました。
<結論>
サイナスリフト法はインプラントを埋入する骨の高さがない場合非常に効果がある方法です。言いかえれば骨の高さがない場合はサイナスリフトを行わないとインプラントはできないということにもなります。上記の報告では90%の成功率となっていますが、失敗の多くはインプラントと骨が結合(くっつく)するまでの治癒期間に無理な力が加わったり、術前の診査が不十分であった場合に起こるもので、十分な診査のもと治療がおこなわれればもっと成功率は高いものであると考えられます。しかしこの治療法の最大の欠点は外科的侵襲が大きく、治療後ある程度の期間腫れを伴うことが多いことです。また治療期間も6ケ月から1年と長くかかることも欠点の一つとなっています。そうしたことから従来サイナスリフト法で行っていたケースも外科的侵襲の少ないソケットリフト法を選択するケースも増えてきています。以下はソケットリフト法とサイナスリフト法の比較です。
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利点 |
欠点 |
ソケットリフト
(オステオトーム法) |
・術式が比較的簡単
・感染のリスクが低い
・外科的侵襲が低い |
・骨の高さが5mm以下の場合は適応できない。 |
サイナスリフト
(Caldwell-Luch法) |
・治療期間短い
・骨の高さがほとんどないケースでも可能 |
・外科的侵襲が大きい
・治療期間が長い |
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