内科的歯周病治療:飲み薬(抗菌薬)による歯周病治療:その4
このブログは、歯周病に関するブログです。
 毎週月曜日 にアップしています。
 お知らせ
 今年の4月から毎週 大学で講義を行うことになったため、
 現在4つのブログを毎週アップしていますが、
 忙しくなるため、ブログの更新が不規則になると思います。
 各ブログを毎週ご覧になっていただいている方も多くいらっしゃるかと思いますが、ご理解いただければと思います。
 当医院予約に関するお知らせ
 現在 当医院の予約は非常に混み合っています。
 特に 院長の予約はかなり混み合っております。
 ご予約の際には、できるかぎりお早めにご連絡いただければと思います。
 また、院長の診察をご希望の際には、
 予約時に「院長希望」とご指示下さい。
 それでは本日の内容になります。
 今日のテーマは、『内科的歯周病治療:飲み薬(抗菌薬)による歯周病治療:その4』になります。
 今回のテーマの1回目にも説明しましたが、
 この内容は以前にもアップした話になります。
 「薬を飲めば歯周病は治るのですか?」
 というご質問は本当に多く聞かれます。
 インターネットでも
 「飲み薬で歯周病は治ります!」
 というような表示がされることを見かけます。
これは本当のことなのでしょうか?
 答えとしては、
 本当の部分も多少ありますが、
 間違っているとことも多くあります。
 なにが事実で
 なにが誤っているのか?
 ということを解説するのが今回のテーマなのです。
 はじめて このシリーズを見られる方のために
 前回 と 同様に 過去のブログ内容を簡単に振り返ってみましょう!
 内科的歯周病治療とは、
 通常の歯周病治療と並行して 歯周病細菌に対して効果のある薬(抗菌薬)を併用することにより、
 歯周病を治そうとする治療法です。(抗菌療法)
 内科的歯周病治療(抗菌療法)は、
 通常の歯周病治療と比較して多くの研究論文で その効果が実証されています。
 しかし、適切な時期に 適切な処方が行われないと 効果がないだけでなく、
 薬剤耐性 が起こることがあったり、
 (薬剤耐性とは、薬剤に対して抵抗性を持ち、これらの薬剤が効かない、あるいは 効きにくくなる現象のこと)
 菌交代現象が起こる可能性があります。
 (菌交代現象とは、抗生剤の長期投与等により正常細菌が減少し、通常では存在しない細菌や少数しか存在しない細菌が異常に増殖する現象のこと。)
そでは、どのような症例に対して内科的歯周病治療(抗菌療法)は効果があるのでしょうか?
 通常の歯周病治療に内科的歯周病治療(抗菌療法)を併用すると 歯周病に効果があることが多くの研究により明らかになっています。
  参照文献: 
      Haffajee AD etal Ann Periodontol.2003;8(1):115-81.Review. 
      Herrera D etal J Clin Periodontol.2002;29(Suppl 3):136-59;dis-cussion 160-2.Review
 通常の歯周病治療とは、
 スケーリング や ルートプレーニング と言われる治療のことです。
 以下は模型を使用してルートプレーニング を行っているところです。
 
 通常の歯周病治療と内科的歯周病治療(抗菌療法)を併用する理由として、
 歯周病は感染症 であることから、通常の歯周病治療では反応が悪い症例に対して応用されてきました。
 ここで重要なポイントが通常の歯周病治療では反応が悪い症例ということです。
 先に説明しました通常の歯周病治療(ルートプレーニング )で治るような症例には、使用しないということです。
あくまで 通常の歯周病治療では治らない(反応が悪い)ようなケースに対して使用する治療です。
通常の歯周病治療で十分治る範囲の歯周病であった場合には、内科的歯周病治療(抗菌療法)を行ってはいけません。
また、内科的歯周病治療(抗菌療法)はあくまでも 歯周病治療 と併用して使用することが必須です。
薬を飲めば、歯周病が治るわけではありません。
 インターネット等で
 「歯周病は薬で治る!」
 というような 過大広告を見ることがあります。
 簡単な治療は、治療を受ける患者様にとっては 非常に魅力的な方法です。
 しかし、魔法のような治療はありません。
 もちろん 内科的歯周病治療(抗菌療法)は、
 科学的にきちんとした根拠がある治療であり、
 その適応症さえ きちんと守れば、歯周病を効果的に治すことが可能な方法です。
しかし、そうした適応症をきちんと守らないために、治療を受けられた患者様に不利益を生じることがあります。
これは、治療を行う歯科医師側にも問題があるのです。
例えば、本当は十分 通常の歯周病治療 で十分 治る範囲の歯周病であったとします。
しかし、歯科医師の勧めるままに 内科的歯周病治療(抗菌療法)が行われるケースがあるとします。(宣伝広告として 抗菌療法を全面に勧めている歯科医師がいるのも事実です)
 もちろん 通常の歯周病治療 も行われ
ることが前提です。
 結果的に言えば、歯周病は治ります。
 治療を受けた患者様は、
 「歯周病が治った!」と感じますし、 抗菌療法が効果があったと感じるかもしれません。
 しかし、もともと通常の歯周病治療 で十分治る範囲であったのですから
 抗菌療法に意味があったわけではありません。
 抗菌療法の最大の欠点は、何度も説明していますが、
 薬剤耐性 が起こったり、
 菌交代現象が起こる可能性があるからです。
 *薬剤耐性とは、薬剤に対して抵抗性を持ち、
  これらの薬剤が効かない、あるいは 効きにくくなる現象のこと
 *菌交代現象とは、抗生剤の長期投与等により正常細菌が減少し、
  通常では存在しない細菌や少数しか存在しない細菌が異常に増殖する現象のこと。
 内科的歯周病治療(抗菌療法)の適応症は、
 難治性歯周炎患者(広汎型重度歯周炎、広汎型侵襲性歯周炎) や 治療抵抗性患者 です。
 また、免疫力が低下している
 易感染性歯周病患者(重度糖尿病 患者様 等)、
 虚血性心疾患患者 ,
 細菌性心内膜炎、
 大動脈弁膜症、
 チアノーゼ性先天性心疾患、
 人工弁、シャント術実施患者…の方
 も適応症と言えます。
次回も「飲み薬による歯周病治療」についての続きになります。
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