歯周病と認知症

2016年 7月25日(月曜日)です。

このブログは「大船駅北口歯科 歯周病専門サイト」です。

今日のテーマは
『歯周病と認知症』になります。

厚生労働省によると
65歳以上の高齢者の認知症は推計462万人とされ、
認知症予備軍を合わせると800万人以上とされています。

これは2012年のデータであり、
2016年の現時点ではもっと多くの方が認知症と認定されているでしょう。

上記のデータをみるかぎり
65歳以上の4人に1人がすでに認知症か、認知症予備軍ということになります。

厚労省の「平成25年国民生活基礎調査」によると、
要介護になる原因は
脳卒中が1位(18.5%)
認知症が2位(15.8%)となっています。

認知症の症状が大きくなると
介護が必要になり、家族の負担も増えることになります。

もし、将来的に私自身が「認知症」になったら…
とも考えてしまいます。

その可能性が4人に1人…
ということと考えると
不安が大きいですね。

自分自身というよりも
家族に負担をかけることが心配です。

2014年 癌(ガン)で死亡した人は
368.103例
(男性218.397例、女性149.706例)

また、2011年に新たに癌(ガン)と診断された方は、
851.527例
(男性496.304例、女性355.233例)
です。

ちなみに癌の部位別内訳は以下になります。

男性 肺 胃 大腸 肝臓 膵臓

女性 大腸 肺 胃 膵臓 乳房

*男女とも2014年のデータです。

さて これらのデータを見比べてみましょう。
癌で死亡した方の人数は、
 368.103人(2014年)

認知症と診断された方の人数(予備軍を除く)は、
4620.000人(2012年)  

ですから桁が違います。

いかに認知症の患者さんが多いかが分かります。

将来的に労働人口が減少することが分かっていますから
認知症は今後の日本経済にとっても非常に大きな問題です。

追加のデータですが、
厚労省の「平成25年国民生活基礎調査」によると、
要介護になる原因は
脳卒中が1位(18.5%)、
認知症は2位(15.8%)です。

今後は認知症の方が増加していくことが考えられるわけですから
要介護となる原因の1位になっていくことが考えられます。

このブログは、歯周病を学ぶブログですから
本日は、歯周病と認知症について解説します。

さて
歯周病 と 認知症には どのような関係があるのでしょう!

認知症には さまざまタイプ や 原因がありますが、
その一つが
「慢性的に続く炎症」です。

慢性的に続く脳の炎症を 他の疾患を例にとると
糖尿病が考えられます。

糖尿病による高血糖は、血管の壁に炎症を引き起します。
こうしたことも認知症の原因の一つと言われています。

ちなみに
糖尿病では、高血糖 と 低血糖が差が認知症に大きく影響される
とも言われていますので
インスリン や 薬を服用されている方では、
低血糖が起こることがありますので、
十分な注意が必要です。

低血糖は、その場での問題だけでなく、
将来的に認知症を引き起こす要因ともなります。

低血糖を頻繁に起こすことは非常に危険です。

もし、インスリン や 薬を服用されている方で
低血糖を起こす場合には、
担当主治医にご相談下さい。

投与量等の変更が必要になる場合があります。

また、日々の食事の量の一定に保つことも必要です。

当然ですが、高カロリーは問題ですが、
低カロリーすぎて低血糖になることも
大きな問題なのです。

さて歯周病 と 認知症の話に戻ります。

このブログは歯周病の専門サイトブログですので
おそらくご覧になっていられる方は、
歯周病についてある程度ご理解されていることと思いますが、
歯周病について簡単に解説します。

歯周病の原因は、さまざまな要因がありますが、
最も大きな原因として、
汚れの付着があります。

汚れの付着とは、
食べかすが口腔内に残ることで
歯周病細菌の増殖が起こります。

この歯周病細菌を含む汚れが
歯と歯肉の境目から内部に侵入していきます。

この歯と歯肉の境目を
歯周ポケットと言います。

歯周ポケットについての詳細は、以下をご覧下さい。
歯周ポケット検査

歯周ポケットから侵入した歯周病細菌は、
歯肉の深い中で繁殖しやすくなります。

そもそも歯周病細菌の中で問題となる菌は、
嫌気性細菌(けんきせい さいきん)と言います。

特徴を簡単に言えば、
嫌気性細菌(けんきせい さいきん)は、酸素が嫌いだ!
ということです。

大気中の酸素濃度は、
約21%です。

それに対して
歯周ポケットの深い部分の酸素濃度は、1%以下とされています。
(もちろん歯周ポケットの深さ等によっても大きく異なりますが…)

そのため、
歯周ポケットの深い部分は、
嫌気性細菌が増殖する好環境なのです。

その歯周ポケットの深い部分で繁殖した
歯周病細菌(嫌気性細菌)は、
どんどんと増殖し、

歯肉は腫れ、

歯を支えている骨が吸収します。

その結果、
歯がグラグラして抜けてしまうのです。

問題なのは、
歯を失うだけではありません。
(もちろん 歯を失うことは もちろん非常に大きな問題です)

この歯周ポケットで増殖した歯周病細菌は、
その場所にとどまっているだけでなく、
血管をとおして全身にもまわっていきます。

歯周ポケットで増えた歯周病細菌が全身にまわっていくのです。

怖いですね。

この歯周病細菌が問題を起こさなければ良いのすでが、
これが大変大きな問題を起こすことが分かっています。

現在では、歯周病細菌が循環器疾患の原因と一つであるとことが分かっています。

この詳細は、以下を参考にして下さい。
歯周病と全身疾患との関係

テレビコマーシャルで有名になった
オッフェンバッファー先生らの研究によると
(SUNSTARのガムデンタルリンスのコマーシャル)

歯周病は、単に口腔内の問題だけでなく、

糖尿病、
心血管系疾患、
呼吸器疾患、
早期低体重児出産、
肥.満、
骨粗しょう症
などの全身疾患非常に強い関連があることを報告しています。

この話については、
次回からの歯周病ブログで報告します。

また脱線してしまいましたので、
最後に歯周病と認知症についてのまとめの話になります。

歯周病が認知症の原因の多くを占めるアルツハイマー型認知症を悪化させる
という動物実験の結果があります。

人工的にアルツハイマー型認知症にかからせたマウスを
2グループ(A グループ と Bグループ)に分けて実験を行ないました。

一グループだけを歯周病菌に感染させ
もう一方は、そのままとして経過をみました。

4カ月後にマウスの脳を調べると
A グループ と Bグループともに
記憶力に関係する脳の「海馬」という部分に
アルツハイマー型認知症の原因となる
タンパク質(アミロイドベータ、Aβ)が増えていたのですが、

歯周病細菌に感染させたマウスのほうが
面積で約2.5倍
量で約1.5倍多くなっていました。

実際に人間からも歯周病細菌の関連性が指摘されています。

アルツハイマー型認知症で亡くなった人の脳を調べると、
歯周病細菌の代表的な細菌である P.g菌がもつ毒素(LPS)脳から高頻度で検出されます。

つまり
歯周ポケット内部に存在した
悪性度の高い歯周病細菌(P.g菌)が脳で発見されたのです。

ちなみにこの研究によると
認知症にかかっていない人からは、
P.g菌は検出されなかったとのことです。

歯周病は初期の段階では、自覚症状が少ないため
患者様ご本人には問題を認識されることが少ない疾患です。

しかし、厚生労働省のデータによると
日本人で歯を失う一番の原因は、
歯周病です。

そのため、多くの方には、
歯周病細菌が繁殖しているということになります。

本日は認知症と歯周病についての話をしてきましたが、
次回は、さらに追加で歯周病と他の全身疾患との関わりについて解説します。

明後日講演がありますので、
今日は、その資料作りに追われています。

大変だー。

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