ソケットリフト法:その1

6/11(木曜日)です。
今日も前回の続きで、『ソケットリフト法:その1』になります。
前回の『インプラントの傾斜埋入』の話では、上顎の奥歯では、骨吸収が起っていることが多く、
インプラントを埋込むための高さが存在しないことが多いことを解説しました。
インプラントの傾斜埋入とは、骨の吸収が起っている部位を避けて
骨の高さがある上顎結節(親知らず)の部分にインプラントを斜めに埋込む方法をご紹介しました。
本日からの話は、このような骨吸収がある場合の他の治療方法について解説していきます。
上顎の奥歯にインプラント治療を行う場合、非常に困難になることが多いのです。
その理由として、上顎の奥歯における骨の特殊性があります。
通常、インプラント治療を行う場合、しっかりとした骨が存在することが重要です。
骨の幅が十分にあり、骨の高さも十分に存在することが、インプラント治療が成功するためには、最も重要なことです。
特に上顎の場合、骨の高さが重要になります。
その理由について解説します。
上顎と下顎の骨の硬さを比較すると
圧倒的に下顎の骨は硬いのです。
逆に言えば、上顎の骨は軟らかいのです。
インプラントが安定するためには、硬い骨の方が有利な点が多いのです。
インプラントを骨の中に埋込むことを 例えてお話すると
建物を建築する際、
やわらかい土地にクイを打ち付けるのと
かたい土地にクイを打ち付けるのでは安定が違うと思います。
もちろんかたい土地の方がクイの安定は良いことになります。
話は戻りますが、上顎は、やわらない土地のような状態です。
そのため、できるかぎり長いインプラントを埋込むことにより
安定をはかることが必要になります。
それでは、できるかぎり長いインプラントとは、実際にどの程度の長さなのでしょう?
答えとしては、10ミリ以上の長さのインプラントが安全です。
しかし、現実的には、上顎の奥歯には、さほど骨の高さが存在しません。
上顎の奥歯が欠損している患者様の60〜70%は、10ミリ以下の骨の高さしか存在しません。
骨の高さが、1〜2ミリという方も多くいらしゃいます。
今回のテーマである 『ソケットリフト法』とは、そのような骨の高さが不足している方の治療方法です。
上顎と上顎洞との距離が狭く、そのままではインプラントは不可能であるが、
5mm以上の距離がある場合に行う方法です。
通常、インプラントを行うのには最低10mm(予知性のある治療を行うのに必要な最低限の骨量と考えている)の骨の高さが必要であるが、
ソケットリフト法を応用すれば 5mmの骨の高さがあればインプラントを行うことができます。
治療自体は、インプラントの穴を形成する器具を最小限しか使用しないため、
通常のインプラトを行う場合よりも痛みや腫れがない治療法です。
上顎と上顎洞との距離が5ミリ以下の場合には、一般的にソケットリフト法は適応されません。
サイナスリフト法(上顎洞底挙上術)が適応されます。
それでは、早速症例を見ましょう!
以下の症例は、『ソケットリフト法』と『傾斜埋入』の両方を行ったケースです。
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上の左側が、治療前のレントゲンです。
上顎洞(自失印)が存在するため、インプラントが入る高さ(黄色矢印)がありません。
そのまま埋入すると インプラントが上顎洞に突抜けてしまいます。
上の右側がレントゲンシュミレーションです。
そこで、手前2本はソケットリフトを行い、一番奥歯は斜めにインプラントを行う計画をたてました。
以下が治療後になります。
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次回もソケットリフト法の続きになります。
次回のブログは6/15(月曜日)になります。
さて、今日は、インプラントの手術報告ではなく、来院される患者様についての話をしたいと思います。
当医院には、毎日のようにインプラント治療をご希望される患者様が来院されます。
その多くが、今日のブログのように骨の吸収が起っている患者様です。
骨吸収がまださほどなければ、今日ご紹介したソケットリフト法やインプラントの傾斜埋入 等の治療法を併用することにより、インプラント治療が可能になります。
しかし、骨吸収が大きければ、骨の移植を行ったりすう必要性があります。
骨移植は、大変です。
また、あまりにも骨吸収が大きければ、インプラント自体ができないこともあります。
そうならないように(骨吸収が起らないように)早めの対応がもっとも重要なのです。
骨吸収が大きい場合には、治療の大変さがあるだけでなく、
治療期間も長くなったり、
治療費もさらにかかったり、
治療後の審美制に問題が生じたり、
治療後に多くの問題が生じる可能性があります。
インプラント治療には、骨を再生(増骨)させる治療方法があります。
しかし、骨の再生治療は、魔法の治療方法ではありません。
骨の再生には限界があります。
骨再生治療を行ったからといって100%元の状態に回復できるわけではありません。
骨が吸収しないうちに対応することが重要なのです。
歯がグラグラする
出血がある
欠損部位(歯がない部分がある)
等の問題がある場合には、できるかぎり早く現在の状況を検査することが必要です。
早めに対応すれば、それだけ治療は簡単になります。
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大船駅北口歯科インプラントセンターインプラント 歯周病 専門医
神奈川県横浜市にある 日本歯周病学会歯周病専門医 国際インプラント学会認定医の歯科医院
I.T.Iインプラント認定医でもあり、 GBR法 サイナスリフト 審美インプラント等の難症例も行います。
HPでは 治療費(費用)の説明や インプラント症例 無料相談コーナーもあります。