歯科治療と金属アレルギー:その1

11/20(木曜日)です。

11/23(日曜日)は休診になりますので、本日は診療です。

今日から、『歯科治療と金属アレルギー:その1』になります。

歯科治療では、金属を使用することが多くあります。

虫歯治療のほとんどが金属を使用するといってもいいでしょう。

部分入れ歯でも固定するための金具(クラスプ)は金属製です。

しかし、金属に対してアレルギーをもっている方もいらっしゃいます。

また、『金属アレルギー』の方が年々増加しているのも事実です。

『金属アレルギー』の方の中には その原因が口腔内に使用されている金属であるとは気がついていない方もいらしゃいます。

また、虫歯治療でなくても以下のような不安(疑問)をお持ちの患者様もいらしゃいます。

『インプラント治療を考えているが、金属アレルギーが心配で…』

これは本当なのでしょうか?

インプラントに『金属アレルギー』はあるのでしょうか?

このテーマでは、金属アレルギー の 基礎 から 歯科治療との関係 まで以下のような項目に分けて解説します。

第一項:『金属アレルギーとは?』
第二項:『金属アレルギー検査:パッチテスト、リンパ球幼弱化テスト…etc』
第三項:『アレルギーを起こしやすい金属、安全性の高い金属』
第四項:『歯科治療と金属アレルギー』
第五項:『安全性の高い歯科治療は?』
第六項:『金属アレルギーの治療:EDTA点滴キレーション療法…etc』
第七項:『インプラントと金属アレルギー』

現在の日本人の口腔内には、多種多様の金属が使用されています。
その金属の中には、アレルギーを起こす確率が低い金属もありますが、
アレルギー反応を起こしやすい金属も存在します。

ただし、金属アレルギーは全ての人に起るわけではありません。
また、金属アレルギーの人でもアレルギー反応を起こさない金属もあります。

現実問題として金属をまったく使用しない歯科治療は難しいものです。
特に日本の保険診療の中では、金属をまったく使用しない歯科治療はできません。

また、使用できる金属も限られています。
(差し歯のような被せ物では、事実上1種類の金属しか使用できないと言ってもいいでしょう)
そのため、金属アレルギーが疑われる方は、どの金属に対してアレルギーが起っているのか?
(起る可能性があるのか?)を検査し、反応のあった金属は使用しない方が良いでしょう。

それでは、各論に入りたいと思います。

金属アレルギーとは?
金属アレルギーとは、ピアス等のアクセサリーを使用したり、
歯科治療で金属を使用した場合、
金属が 汗 や 体液、唾液 等により非常に微量ですが溶け出し、
イオン化した金属が体内に入り、
次に同じ金属が接触すると拒絶反応を起こし皮膚等が炎症を起こす現象です。

特にピアスは 皮膚を貫いて皮下組織に直接金属が接するため、 拒絶反応を起こしやすいのです。

金属アレルギーは、さまざまな原因により起ります。
個人差も大きく左右します。

汗をかきやすい人は金属アレルギーが起りやすいのです。
この理由として 汗 は 酸性です。
金属は、酸に弱いため、汗をかきやすい人は 金属が溶け出す確率が高くなるのです。
そのため、汗をかきやすい夏には、アクセサリー等による金属アレルギーが起りやすいのです。

アレルギー反応がすでに起っている人は、金属製の装飾品を使用しないことが最も重要なことですが、
予防策としては、

・ 成分がよくわからないような物は使用しない
・長時間つけない
・ 汗等をかいたらすぐ取り外したり、汗を拭く

等の対応も大切です。
これは、一度金属アレルギーにかかるとは、完治は難しいからです。

また、皮膚の違いによっても起りやすさが違います。
皮膚の角質層が厚い人は起りにくいのですが、
角質層が薄い人は金属アレルギー反応が強く出やすいのです。

また、使用する金属の種類により起りやすさが違います。
『アレルギー反応と金属の種類』については後日詳細を説明しますが、
『ニッケル』という金属は、最もアレルギー反応が出やすい金属であり、
『銅』も起りやすい金属です。

『金』は、金属アレルギーが出にくいですが、
アクセサリー等で使用される金属の多くは『純金』ではなく『合金』のため、
他の金属が含まれていることが多いのです。
もちろん『18金』は、純金ではありませんから、
場合により『ニッケル』等が含まれている可能性もあります。

最も金属アレルギー反応を起こすことが少ないのが『チタン』です。
こうした点については また後で詳しく解説します。

金属アレルギーによる反応では、さまざまなことが起ります。
皮膚の炎症、かゆみ、シミ、シワ、老化、頭痛、神経症状(水銀毒、重金属毒)……等です。

また、歯科においては『ガルバニー電流』が起ることがあります。
これは、口の中にさまざまな種類の金属を使用した場合、
唾液等が電解質となり電位差の発生により電流が流れることです。
電流が流れることにより、痛みや違和感が起ります。
分かりやすい例では、アルミホイルやスプーンを噛んだりした時に嫌な感じがすることです。

次回のブログは11/24(月曜日)になります。
次回は、今日の続きで、『歯科治療と金属アレルギー:その2』です。

今週は、話が長くなりましたので『インプラント手術報告』は休ませていただきます。

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大船駅北口歯科インプラントセンターインプラント 歯周病 専門医

神奈川県横浜市にある 日本歯周病学会歯周病専門医 国際インプラント学会認定医の歯科医院
I.T.Iインプラント認定医でもあり、 GBR法 サイナスリフト 審美インプラント等の難症例も行います。
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