歯周病と全身との関係:その3

2/2(月曜日)です。
今日も前回の続きで、『歯周病と全身との関係:その3』になります。
前回と前々回の2回で
1.『歯周病と心臓発作』
2.『歯周病と早産、低体重児』
3.『歯周病と糖尿病』
4.『歯周病と誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)』
について解説しました。
今日もその続きになります。
5.歯周病の人は痴呆になりやすい
歯が存在すること、つまり噛むということが、脳にとって重要です。
高齢化社会が進み老人の痴呆症が増えてます。
こうした痴呆は本人だけでなく、家族にも大変 負担がかかり、
今後の日本において大きなテーマの1つです。
できれば一生自分自身で食事をしたいものですね。
近年、歯の残存数とアルツハイマー型痴呆との関係が報告されました。
その報告によるとアルツハイマー型の痴呆患者36人、脳血管性の痴呆患者
39人と健康な患者 78人の残存歯数を調べた結果、アルツハイマー型痴呆
が平均3本、脳血管性痴呆が6本、 健康老人が9本と、
痴呆患者の残存歯数は健康老人に比べて明らかに少なかったのです。
また、脳萎縮症と残存歯数関係も報告されています。
さらに合計153人全員の頭部をCT画像で比べると、残存歯数が少ないほ
ど脳内 (側脳室内)のすき間が広く、脳の萎縮が進んでいました。
またアルツハイマー型の痴呆患者は、 健康老人より平均約15%ほど脳が縮
んでいることもわかってきました。
歯が存在すること、つまり噛むということが、脳にとっていかに重要である
かがわかります。
6.歯周病の遺伝因子
家族に歯周病にかかっている人がいる場合は注意が必要!
歯周病になりやすい人となりにくい人がいて、歯周病にはある種の遺伝的因
子が影響を及ぼしていることがいくつかの研究によって報告されています。
家族に歯周病にかかっている人がいる場合は注意が必要で、早期に検査を行
い、状態を把握することが必要です。
次回のブログは2/5(木曜日)になります。
新しいテーマになります。
今週(1/30〜2/1)のインプラント手術報告
今週(昨日)のインプラント手術の中から、
難しいケース であったり、
特殊なケース 等を抜粋して、紹介するコーナーです。
それでは、今週のインプラント手術の中から上顎にインプラント埋入を行った1症例について解説します。
このところ 紹介するケースは 顎が多いですね。
この3日間もほとんどが顎でした。
それも顎の前歯部です。
顎の前歯部が欠損する理由として多いのが、 歯根破折です。
このブログでも良く書きますが、 歯根破折神経がない歯で起ります。
上顎前歯部が 歯根破折する経過として 以下のようなことが考えられます。
始めは、上の前歯 の 歯と歯の間に 虫歯 ができます。
そこで、虫歯を削り、“レジン”と言われる 樹脂(白い色の樹脂) を詰める治療を行います。
暫くすると詰めた レジン の周囲から再度 虫歯 になってしまいます。
そして、レジンを除去し、再治療を行います。
虫歯が深くなければ、再度 レジン を詰めるだけで良いのですが、虫歯が深い場合には
歯の神経を取り除く治療が必要になります。
神経を取り除く治療を行った後は、セラミック等の 被せ物 を行うことが多いのです。
いわゆる“差し歯”です。
神経を取り除いた歯は、血液の循環もなくなります。
つまり歯として脆くなっていくのです。
そして、ある日ついに 歯が折れてしまうのです。
歯根破折です。
折れてしまった場合、ほとんどが残すことができません。
抜歯です。
(*上記は、全てのケースに当てはまることではありません。
1つの参考例です)
前歯が抜歯となった場合には、以下の治療法が考えられます。
1 義歯(入れ歯)
2 ブリッジ
3 インプラント
です。
ここでブリッジを選択した場合、その後のリスクがさらに高くなります。
ブリッジは、欠損した部位の 両側の歯を 削る治療です。
神経のある状態でブリッジをした場合にはリスクは最小限になりますが、
状況によっては神経を取り除く治療が必要な場合もあります。
この場合にはリスクが最も高くなります。
(*状況により歯をさほど削らない接着性ブリッジという治療もあります)
つまり、神経がない歯でブリッジをするからです。
もちろん 神経のない歯でブリッジをした場合、必ずダメになるということではありません。
神経のない歯でブリッジを行っても 一生問題なく経過している方 も多くいらしゃいます。
しかし、トラブルが起る確率が 高いのも事実です。
さらに ブリッジとなった土台自体が 問題となる時 がくると 欠損はさらに拡大されます。
(ブリッジとなる土台の抜歯)
このようなことを繰り返し、歯はどんどんと少なくなっていくのです。
できるかぎり神経を取らない治療 を行うことが大切です。
上記の話はけして ブリッジがダメ という話ではありません。
状況により ブリッジが適しているケース も多く存在します。
しかし、ブリッジを行うために、歯を削ったり、神経を取り除く治療は 決して歯にとって良いことではありません。
歯を加工すればするほど 歯にはダメージが加わるのです。
さて、話は今週の症例に戻ります。
患者様は、上記のようなことを繰り返して 上顎の前歯部が 8歯分 欠損していました。
骨の吸収もかなり進行しており、治療としては難症例でした。
治療は、8歯分の欠損に対し、4本のインプラントを埋込みました。
最終的には、4本のインプラントでブリッジをするのです。
骨の吸収が大きかったので、さまざまな治療法を併用し、インプラントを埋込みました。
スプリッティング法GBR法を行い、 人工骨(β―TCP)を使用しました。
使用したインプラントは、 アンキロス・インプラントを4本です。
麻酔は、静脈内鎮静法にて行いました。
静脈内鎮静法は、眠っている間に治療が行えるため、不安もなく患者様にとって非常に楽な麻酔方法であるため、最近は多くの方が選択されます。
手術時間は、約30分程度でした。
今後の治療スケジュール
今後の予定としては、
1. 約7〜10日後に“抜糸”、
2. その後、 約3〜4ヶ月後に型を取ります。
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大船駅北口歯科インプラントセンターインプラント 歯周病 専門医
神奈川県横浜市にある 日本歯周病学会歯周病専門医 国際インプラント学会認定医の歯科医院
I.T.Iインプラント認定医でもあり、 GBR法 サイナスリフト 審美インプラント等の難症例も行います。
HPでは 治療費(費用)の説明や インプラント症例 無料相談コーナーもあります。