日本歯周病学会に参加して

2015年 9月14日(月曜日)です。

このブログは「大船駅北口歯科 歯周病専門サイト」です。

昨日、一昨日は
浜松で日本歯周病学会が開催されていました。
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今回の学会のテーマは、
健康長寿延伸のための歯周病治療(高齢歯周学の確立に向けて)
ということでした。

日本人の平均寿命は年々長くなっていきます。

厚生労働省によると
平成25年の日本人の平均寿命は

男性 80.21歳

女性 86.61歳

とのことです。

また、ご存知のことと思いますが、
健康寿命というのも公表されています。

健康寿命男性 71.19歳(平均寿命80.21歳)

健康寿命女性 74.21歳(平均寿命86.61歳)

とのことです。

健康寿命とは、
健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間のことです。

上記のデータからは、
多くの方は10年程度なんらかのご病気で過ごす期間があるということです。

一般開業医(歯科医院)を受診される方の多くは、
ご自身で通院が可能な方です。

当院でも定期的に管理(メインテナンス)を受けていただいている方は多くいらっしゃいます。

定期管理(メインテナンス)で来院される方を診ていると

歯石がほとんど付かずに
日々の口腔清掃が十分行き届いている方もいらっしゃれば

口腔清掃が十分にできずに
非常に多くの歯石が付着している方もいらっしゃいます。

また、歯周病にはリスクに大きな差があるもの事実です。

非常に良く管理をされているにもかかわらず
歯周病が進行するタイプの方もいらっしゃいますし、

口腔清掃がさほど行なわれていないにも関わらず
歯石がいっぱい付着しているが
歯周病にまったく問題がない方もいらっしゃいます。

歯周病には高リスクの方がいらっしゃるのです。

この高リスクの方は
ここ数回のブログ(遺伝子検査)で説明している
侵襲性歯周炎(しんしゅうせいししゅうえん)というタイプの方です。

この侵襲性歯周炎(しんしゅうせいししゅうえん)の場合には、
もちろん 徹底した歯周病治療がなされることも大切ですし、

歯周病治療と同じくらい
日々の口腔清掃が重要です。

また、歯周病治療が終了した後での
定期管理(メインテナンス)も
非常に重要になっていきます。

侵襲性歯周炎の場合、
徹底した治療を行なっても
その後 再発傾向が高いのも事実です。

当然のことながら
口腔清掃が十分に実施されていない方(歯磨きが十分できない方)
の場合には
再発率が高いです。

定期管理で
歯周病が再発していることを発見できれば
すぐにでも治療の再開が必要です。

早期発見、
早期治療が
歯周病にとって とても重要なのです。

こうしたことは歯周病治療を行なっている先生にとっては
当然の話であり、
再発しないように
悪化しないように
定期管理は大切であることを患者様にも
説明させていただいております。

今回の日本歯周病学会のテーマである
健康長寿延伸のための歯周病治療(高齢歯周学の確立に向けて)
ということでいえば

先に説明しましたように
平均寿命と
健康寿命には
10年程度の開きがあります。

この10年の間には
歯科医院に通院が不可能となる時期があります。

厚生労働省の平成25年人口動態統計の年間推計によると

日本人の死亡原因順位は

第1位 悪性新生物    36万5,000人

第2位 心疾患      19万7,000人

第3位 肺炎      12万4,000人

第4位 脳血管疾患    11万9,000人

となっています。

肺炎が死亡原因の3位ということをご存知でしょうか?

肺炎で死亡する人の94%は75歳以上であり、

さらに90歳以上では死亡原因の2番目となります。

癌は怖い病気ですが、
肺炎も非常に大きな問題なのです。

高齢になると
口腔清掃が十分にできなくなってきます。

口腔清掃ができなくなるということは
口腔内に多量の細菌が生息することになります。

食事の際 等に嚥下(えんげ:飲み込むこと)が
適切にできなくなると

食事の際 等に肺に細菌が入り込むことがあります。

こうしたことを
誤嚥性肺炎(ごえんせい はいえん)と言います。

誤嚥性肺炎(ごえんせい はいえん)とは、

口の中 や 胃の中のもの が誤って気管に入ることです。

通常 食事の際には
食べた物 や 飲んだ物は 食道に流れ
呼吸による空気は気管へと振り分けられます。

人間の身体って
このようにうまくできているのです。

しかし、食道 と 気管は隣にあるため、
飲食物が誤って気管に入ってしまうことがあります。

こうしたことは飲食時以外でも起こります。

睡眠時に 唾液が気管へ流れ込むこともあるのです。

ここで問題となるのが
気管に入ってしまった食べ物 や 飲み物に
細菌が含まれることです。

この細菌が原因で肺炎になることを
誤嚥性肺炎というのです。

高齢者の肺炎の70%以上が誤嚥に関係していると言われています。

高齢者の場合、
気管に食べ物や飲み物が入った場合、
排除する力が弱くなっているため問題が起こりやすくなっています。

さらに高齢者の場合、抵抗力 や 免疫力が下がっていることも問題を大きくします。

脳梗塞などの脳血管障害がある方では
こうしたことが起こりやすいです。

こうした高齢者では非常に大きな問題となる肺炎ですが、
予防として有効なのが
口腔清掃です。

口腔内には多くの種類の細菌が存在します。

その中でも問題となる細菌は
嫌気性細菌(けんきせい さいきん)です。

嫌気性細菌といえば、
歯周病が進行する最大原因の細菌です。

こうしたことは、
次回ブログで解説しますが、
現在歯周病が進行している方は
多くの歯周病細菌(嫌気性細菌)が口腔内に存在すると思って下さい。

こうした歯周病がある状態の方が高齢になり、
さらに口腔清掃が不十分になると
肺炎のリスクは格段に高まります。

もちろん歯周病治療を徹底して行なうことは重要です。

しかし、歯周病治療後の定期的な管理も
重要であることは先にも説明しました。

高齢化が進んでいる日本ですが、
今後 高齢者の口腔内管理は 大きな課題となっていくことでしょう。

本日は日本歯周病学会に参加したことについての話でしたが、
次回からは、またもとのテーマに戻りたいと思っています。
本日の内容にも関連してきます。

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