最新インプラント症例ブログ

2007年1月22日

サイナスリフト法:治療法その5

サイナスリフト法:治療法その5

昨日はかなり難しい話をしました。『β-TCP』の組成と骨に置き換わる仕組みです。
移植した人工骨である『β-TCP』が血液で満たされることが重要であることをお話しました。

今日はその移植材である『β-TCP』がさらに効果を発揮するための方法をお話しします。
サイナスリフトとはちょっと違う話しになります。
骨を増大させるための治療法(GBR法)についてです。
(サイナスリフトにもつながりますが、GBR法の方がわかりやすいので)
GBR法も骨を増大するために御自身の骨(自家骨)を使用します。
GBR法においても自家骨は骨を増大させるのに一番良いとされていますが、サイナスリフト法と同じように全てを自家骨で補うのは採取する場所等の問題から困難になります。
そこで人工の骨を併用して行うことがあります。

GBR法を行う時、骨が吸収したところに骨を増大(再生)させるために自家骨と『β-TCP』を吸収した骨の上におきます。そして歯肉を閉じると『β-TCP』は骨と歯肉の間に挟まれることになります。
この状態では十分に骨が再生されません。
それは骨の治りのスピードと歯肉の治りのスピードの違いに関係があります。
例えば腕を骨折したとします。骨折の状態によっても違いますが、ギブスをし、骨がくっつくまで数カ月は安静にします。つまり骨が治るのには時間がかかるということです。
それに反し、皮膚や口腔内の粘膜は治りが早いのです。
例えば指を切ったとします。身体に異常がなければ傷口が数カ月もくっつかないということはありません。通常数日もすれば傷口は閉鎖します。
つまり粘膜は治りが早いのです。
これは外来にさらされている粘膜(皮膚)が損傷(傷)を受けた時、外から
ばい菌の侵入をできるかぎり早く防ぐために治りを早くする生体の防御機構です。
傷口が治るのが何ヶ月もかかっていたのでは大変です。
『β-TCP』は身体にとっては基本的に異物ですので骨に置き換わる前に成長の早い粘膜が『β-TCP』を取り囲んでしまうのです。
単に『β-TCP』を骨面に置いただけでは骨にはなりにくく、実際に『β-TCP』は治りの早い粘膜に被われてしまうのです。
そのために『β-TCP』の上に歯肉が侵入してくるのを防ぐ、シート状の膜を置きます。
この膜は骨ができるまで維持されます。
この膜をGBR膜(GTR膜)と言います。
GBR法(骨増大法)の詳細についてはインプラントの専門知識を参考にして下さい。
GBR膜は重要な役割をします。

膜の種類は大きく分けて2種類あります。
一つは吸収する膜:Tiuuse GuideTM メンブレン(いくつか種類がありますが当医院で使用している膜の商品名です)で、
もう一つは吸収しない膜: e-PTFE膜(GORE-TEXメンブレンという膜を使用しています)です。
Tiuuse GuideTM メンブレンはコラーゲンからできており、吸収するため後から取り出す必要性がないので治療の回数が少なくなります。しかし、この膜には適応症が限られており、強度の問題等から大幅に骨を再生させることはできません。
GORE-TEXメンブレンは吸収しないため後から取り出す必要性がありますが、GBR 法の多くはこの膜を使用します。 GORE-TEXメンブレンは1969年に開発されたもので、歯科領域以外でも、人工血管や人工硬膜、縫合糸等で400万症例に使用されており、医療分野において非常に高い評価を得ている材料です。
どちらの膜を使用するかは適応症があり、その状態によって異なります。
サイナスリフト法においても移植した部分にGBR膜を併用します。

とめどなくなってしまったので今日はこれで終わりにします。

インプラントの大船駅北口歯科インプラントセンター





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