最新インプラント症例ブログ

2007年2月26日

インプラントにおける難症例:8

cd37da1e.JPGインプラントにおける難症例:8

前回は『他家骨、同種骨』には『DFDBA』と『FDBA』という物があり、『DFDBA』はヒト脱灰凍結乾燥骨、『FDBA』はヒト非脱灰凍結乾燥骨であることをお話しました。

今回は『異種骨』についてお話します。
『異種骨』とは?
人間以外の動物の骨のことです。
動物もヒトと同じ骨をもつ生き物ですから人工の骨よりは骨の新生(再生)には優れていると考えられます。
しかし、当然と言えば当然ですが、動物の骨をヒトにそのまま移植すると拒否反応が起ります。
そのため、医療に使用される異種骨は化学的処理をほどこすことと、高温で焼成することにより拒否反応が起る有機質部分を除去したものが使用されています。
化学処理や高温焼成をした動物の骨はその構造自体は変化しませんが、生きた骨の細胞はなくなってしまうため『骨誘導能』はなくなってしまいます。
骨伝導能はありますが…
ここでおさらいです。
1. 『骨伝導(能)』とは骨を形成(作る)ための足場のこと
2. 『骨誘導(能)』とは骨を形成(作る)細胞を誘導(呼び集めて)し、骨を新生(添加)させること
『骨伝導(能)』は骨を新生(再生)させるのに非常に大切であることは先にお話しました。
そうすると『異種骨』は『骨伝導(能)』がないからダメなんだ。
ということになりますが、そうではありません。
骨の構造自体が変化しないということは非常に大切なことなのです。
骨の構造が残っているということは移植後に起る『骨伝導(能)』にとって大切です。
『骨伝導(能)』とは骨を形成(作る)ための足場であることを何度もお話しました。足場とは骨の細胞が生きる(新生する)場所なのです。
例えるなら『骨伝導(能)』とは骨の細胞が生きる“家”です。
骨の構造を保っている『異種骨』は細胞が新生(再生)するための“いごこちがいい家”なのです。

『異種骨』では欧米で高い評価をうけている物があります。
ここで名前を出すのはなんなので『Bio…』としておきましょう。
日本の歯科界でも一時期有名な移植材でした。
有効性を示す論文は多数あります。
また適切な化学処理と焼成をしているため拒否反応は起らないとされています。
しかし、日本では厚生労働省の認可がおりていません。
今後も日本での認可は難しいかもしれません。
その理由の一つとして皆さんもご承知の『狂牛病(BSE)』に代表されるプリオンからの感染リスクです。
『狂牛病(BSE)』と聞くと皆さんぎょっとしますよね。
しかし、実際には『食』としての動物とは違います。
化学処理を行い、1000℃以上の高温で焼成した物はすでに骨の構造だけ残し、動物の骨とは違うものになっています。
難しい話をすると化学処理とは免疫反応が起る部分(テロペプチド鎖)を切断してあり、拒否反応は起らなくなっているとされています。
しかし、いくら安全と言っても当医院では『異種骨』は使用しません。患者さんに『牛や豚の骨を使用します』と言ったらほとんどの人は『嫌』と言うでしょう。
また患者さんに安全性の話を十分ご理解されるまでお話するのは非常に難しいことです。
そこまでして使用する理由はありません。
私は『異種骨』を使用しません。
他に選択肢があるのですから…
安全で効果の高いものを使用します。
それが医療です。

インプラントの大船駅北口歯科インプラントセンター

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